エアゾール用脱臭LPガスの製造・販売

エアゾール用脱臭LPガスを
販売するようになったきっかけ
● 支 店 長 の コ メント
VOICE
1989 年 12月、 それまで燃料としての LPガスしか販売し
ていなかった三愛石油(株)が脱臭 LPガスの販売を開始しま
した。この脱臭 LPガスの製造は、 社員食堂の燃料として LP
ガスを納入していたジョンソン(株)様から同社製品用のエア
ゾール用脱臭 LPガスを製造できないか、という相談を受けた
ことがきっかけでした。
テストを繰り返し事業開始
LPガスはもともとほぼ無臭(家庭用などの LPガスにはガス
前任支店長(2009年4月~ 2013年9月)のコメント
出荷前の検査の段階では合格しているのに、お客
さまの所へ届けられた後に品質が変化し、それが
続いた時には困りました。原因は教科書にも記載
がない、温度の異なるLPガスを容器に充てんし
て混合したことによるもので、繰り返しの実験に
よってそれが判明した時は、とてもうれしかったと
漏れの早期発見のために、 玉ねぎが腐ったような臭いがつけ
同時に安心したことを覚えています。
てある)なのですが、 化粧品スプレーなどに使用するためには、
脱臭LPガスの今後の展望としては、エアゾ-ル用
天然の臭い(硫黄分)を除去する必要がありました。 当時の
として伸ばしていくことはもとより、発泡スチロ-
三愛石油(株)川崎ガスターミナルの社員たちは、 専門家の
ルの発泡用途、浸炭
(鉄を固くする)
の用途、ポリ
開発協力を得ながら試作装置でテストを繰り返し、 約 4 年
かけて脱臭プラントを完成させることができました。 そして
この脱臭 LPガスの販売は「オゾン層を破壊する物質に関する
モントリオール議定書」が発効された年と重なり、 従来の
スプレー製品などに使われていたフロンに代わるガスとして、
時を得た事業開始となりました。
エチレン製造の溶解としての用途、冷
媒ガスとしての用途と、さまざまな利
用価値があるため、竹下支店長には
さらなる発展を期待しています。
三愛石油株式会社
ガス事業部 ガス販売部 販売課長
浦田匡一郎
現在の茨城支店
その後、2009 年 3月に神奈川県川崎市から茨城県茨城町
に移転新設した三愛オブリガス東日本(株)茨城支店にて脱臭
特集
1
お客さまの声が事業の始まり
「エアゾール用脱臭LPガスの製造・販売」
三愛オブリガス東日本(株)茨城支店
三愛オブリガス東日本
(株)茨城支店では、LPガスとしては
特殊なエアゾール用脱臭LPガスを取り扱っています。LPガ
スは一般家庭用、飲食店などの業務用、工場などの産業用、
タクシーなどの自動車用の燃料として使用されるのが主な
用途となりますが、同支店ではスプレー製品などに使われる
噴射剤としてのエアゾール用脱臭LPガスを製造して販売し
ています。
LPガスの製造・販売を行っています。 現在の茨城支店は、
現支店長(2013年10月~)のコメント
エアゾール用脱臭 LPガスを製造するために建設された設備
今後の展望は、空調用冷媒ガス用途や発泡剤用
であり、移転前のLPガス充てん所の遊休設備を転用して建設
途などの新分野への挑戦です。
された設備とは異なり、 作業効率や貯蔵タンクの液面上限
これらの分野では、2020年までに特定フロンや
警報装置など安全上の配慮が行き届いた設備となっています。
また、 脱臭能力の増強により1 日に脱臭できる量が増え、
貯蔵するタンクの容量も大きくなったため、 出荷できる量も
エアゾールとは
増加しました。事務所はガラスを多用することで「見える化」
エアゾールとは、気化した液化ガスや圧縮ガスの圧力
で、容器内の内容物を自力で霧状や泡状にして放出する
原理や仕組みをいいます。
エアゾール製品の用途は、殺虫剤・塗料などの家庭用
から、化粧品・制汗剤などの人体用、金属探傷剤などの
工業用、さらに自動車やスポーツ用など多岐にわたって
います。
構造と
断面図
耐圧容器
つくりとなっています。また、 充てん場所や製品を分析する
場所など、 建物の配置も合理的になり、 作業員の動線も改善
されています。
お客さまの声がきっかけとなった事業が、 現在では国内に
おける販売数量シェアのトップクラスとなり、 高い評価をいた
キャップ
だいています。 みなさまが普段使用されているエアゾール
ボタン
製品にも同社の脱臭 LPガスが使われているかもしれません。
バルブ
噴射剤蒸気
(気相)
内容物(液相)
[噴射剤と原液]
を意識した設計となっており、 事務所内から現場が見渡せる
ディップ
チューブ
今後もお客さま目線で考え、 お客さまの声に耳を傾け、 高
品質な脱臭 LPガスの製造に取り組んでまいります。
※三愛オブリガス東日本
(株)
は三愛石油
(株)
のLPガス卸売部門の支店と直販
子会社を統合し、2006年に設立しました。
温室効果の高い製品からの切り替えが義務付け
られているため、世界中で代替製品の開発競争
が繰り広げられています。
特に空調用では、まだ主役となる代替製品が登場
していないので、業務用の空調機向けとして、脱
臭LPガスを主成分とする当社製造の自然冷媒
ガスにもかなりのチャンスがあると思っています。
この冷媒ガスは、温暖化係数が低いうえに30%
以上の電力削減効果が期待できるという点で社会
への貢献度が高く、製造にはこれま
でに培ってきたノウハウが必要な
こともあり、気概を持って取り組ん
でいます。
三愛オブリガス東日本株式会社
茨城支店長
竹下勝広
三愛オブリガス東日本(株)
お問合せ先 茨城支店
TEL 029-219-0161
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