光安定性 - テバ製薬

平成 24 年 4 月社名変更(平成 16 年 9 月作成)
テバ製薬株式会社
研究開発本部
注射用ブイペルの光安定性試験
1.試験目的
注射用ブイペル 10,注射用ブイペル 50 及び注射用ブイペル 100 は,メシル酸ナファモスタットを有効
成分とした蛋白分解酵素阻害剤である.今回,これらの製剤の遮光性を確認し,光に対する安定性を評
価したので報告する.
2.試験材料
注射用ブイペル 10
注射用ブイペル 50
注射用ブイペル 100
Lot.281701
Lot.321301
Lot.213601
テバ製薬株式会社(旧 大洋薬品工業株式会社)
テバ製薬株式会社(旧 大洋薬品工業株式会社)
テバ製薬株式会社(旧 大洋薬品工業株式会社)
3.試験方法
本品を箱より取り出し,バイアルを曝光(光積算 60 万 lx・hr)する.この検体及び曝光前の検体を以
下の項目について比較する.
(1)性状
(2)pH
(3)定量
外観を目視で確認する.
水で溶解させた液(メシル酸ナファモスタット 1mg/mL)につきpH を測定する.
HPLC を用いて測定する.
4.試験結果
光安定性試験結果を表 1 に示す.注射用ブイペル 10,注射用ブイペル 50 及び注射用ブイペル 100
において,光積算 60 万 lx・hr で保存した検体を曝光前の検体と比較したところ,性状,pH 及び定量に
変化を認めなかった.
表 1 光安定性試験結果
検体
保存条件
性状
白色の凍結乾燥
曝光前
注射用
製剤であった.
ブイペル 10
光積算
白色の凍結乾燥
60 万 lx・hr
製剤であった.
白色の凍結乾燥
曝光前
注射用
製剤であった.
ブイペル 50
光積算
白色の凍結乾燥
60 万 lx・hr
製剤であった.
白色の凍結乾燥
曝光前
注射用
製剤であった.
ブイペル 100
光積算
白色の凍結乾燥
60 万 lx・hr
製剤であった.
注)試験開始時の含量を 100 とした残存率
pH
含量(%)注)
3.88
100
3.86
98.6
3.72
100
3.73
100.2
3.74
100
3.74
100.0
5.考察
今回,注射用ブイペル 10,注射用ブイペル 50 及び注射用ブイペル 100 を箱から取り出し,バ
イアルの状態で光を照射したものの安定性を評価した.いずれの検体においても,曝光前の検体
と比較して光積算 60 万 lx・hr では,性状,pH 及び定量に変化を認めなかったことから,1000lx
の光で 25 日間相当は安定性に問題ないと考える.これにより製剤の取り扱いにおいて光に大きな
注意を払う必要はないが,曝光条件下での長期保存は,原薬への影響が考えられるため,避ける
べきである.