1 原子力規制委員会記者会見録 日時:平成 27 年1月 14 日(水)14:30

原子力規制委員会記者会見録
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日時:平成 27 年1月 14 日(水)14:30~
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場所:原子力規制委員会庁舎
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対応:田中委員長
記者会見室
他
<質疑応答>
○司会
定刻になりましたので、ただ今から原子力規制委員会の定例会見を始めたいと思
います。
早速ですが、皆様からの質問をお受けしたいと思います。いつものとおり、所属とお
名前をおっしゃってから質問をお願いいたします。
それでは、質問のある方、手を挙げてください。ミヤジマさん。
○記者
月刊誌 FACTA のミヤジマです。
昨日の関電社長というよりも、電事連会長の八木さんとの意見交換というのは、かな
り意味があったのではないかと思いまして、とりわけ規制当局の側から電事連の会長に
対して、原子力事業者が1つの意見団体というのですか、議論をするような、そういう
ベースを作りなさいと、これはある意味で要望なのか、持ちかけなのか、 宿題 なの か、
そういうことがあったのではないか。これまで没交渉だったものに比べますと、私はこ
れは結構重いのではないかと受け止めて、それは意味のあることだと思うのですが、そ
のことについて、改めて委員長のお考えを聞きたいのです。
○田中委員長
こういった会合を始めた趣旨が、トップがどういう意識を持っているかを
国民の皆さんにきちっと自らの言葉で発信するというか、覚悟を語るということも大事。
まず、そこが出発点だと思っていた。特に八木社長の場合には、まさに電気事業界を代
表する方ですから、そういう意味で、御本人もそのことを自覚していて、JANSI(一般
社団法人原子力安全推進協会)のこととかも含めて、多分、プレゼンテーションがあっ
たと思うのです。
ただ、私が申し上げたのは、一様に、今まで3回ですけれども、それなりに社内での
取組というのは、事故の影響もあるでしょうし、相当やっていると思いま すけ れど も、
私自身も含めて、どの程度のあれをやっているかというのは、実感として見えない。多
分、見える場は、実際に安全に対して、実質的にサブスタンスを示すのが適合性審査の
開示だとか、それだけではないのですけれども、今度、事業者自身が JANSI を使ったピ
アレビューとか、INPO(原子力発電運転協会)のようになりたいというけれども、実力
的にも、システム的にも、全然差があると思うのですね。そういう方向性を確認したと
いうのは意味があって、それが今後どういうふうに取組をしていくかということ、これ
は私どもとしてもウォッチはしていきたいと思います。別にこれは規制の問題ではない
のですけれども、よく見ていく、そんな機会になったかなと思います。引き続き、他の
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電力事業者のトップともお会いしますので。お聞きになっている方は、みんな同じよう
なことを言うなと思っているところもあるかも知れませんけれども、それはそれで大事
なことですから、それでいいかなとは思っています。
○記者
JANSI だけではなくて、いわゆる日本版 NEI(原子力エネルギー協会)ですか、去
年、NEI のトップともいろいろあれされて、けんけんがくがくの議論をしたり、胸襟を
開いたり、緊張感があれば、それはそれでいいことだというのはあれだと思うのですけ
れども、日本版 NEI を作るなら、当然、プラントメーカーを含めまして、実際の審査で
技術的なことはいろいろあると思うのですけれども、先生お考えになっているような意
味で、日本でアメリカの NEI のような意見具申機関みたいなもの、一月ずつ毎月やって
いっても、一巡したら、業界として、ある程度スタンダードで、PWRとBWRでそれ
ぞれ意見をまとめるような組織があったほうがいいと、私などは率直に思うのですけれ
ども、日本版 NEI というものについて、当局としては何かお考えというか、更田さんな
どは大分踏み込んだお考えを言っていたと思うのですが、先生の御認識を伺いたいので
す。
○田中委員長
NEI というのは割合スタンスがはっきりしていまして、事業者の意見をあ
る程度代弁するということなのですが、実際にそのことを、例えば、NRC に言ってくる
ときには、相当内部で検討したことを言ってくると思うのです。これは言い方が適切か
どうか分かりませんけれども、一種の勝負ですね。意見を戦わせてくるわ けで すか ら。
NRC も、そう言われたからといって、はい、そうですかとはならないというのは、私が
知っている限りではその関係があって、アメリカの場合には日本とはちょっと違った価
値観もありますから、一概に同じではないと思うのですが、それくらい緊張感を持って
我々にぶつかってくるような組織に育っていけば、私は、それはそれで非常に歓迎すべ
きことだし、議論ももう少し創造的にできるようになるのだと思うのです。昨日もいろ
いろな意味で言葉の端々に、場外乱闘的な、そういうのはやめてほしいということを申
し上げたのは、そういうことも含めて、更田委員もかなりきちっと言っていたと思いま
す。
○司会
他の方、いらっしゃいますでしょうか。ハナダさん、どうぞ。
○記者
NHK のハナダと申します。
私も昨日の関電の八木社長との意見交換の関係で1点伺わせてください。今の質問に
も含まれていた部分もあるのですけれども、昨日の意見交換で田中委員長から、事業者
の取組や姿勢が十分国民に見えていないのではないかという趣旨の御指摘があったと
思います。今、新しい原発の安全対策を行われていますけれども、こうした事業者の取
組とかが十分に見えないことで、原発の安全がどこまで高まったのかが国民に分かりに
くい事態を招いているとも感じるのですけれども、今の JANSI のピアレビューとかも1
つの方法だとは思うのですけれども、電力会社に原発の安全がどこまで高 まっ たか を、
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どういう取組や姿勢で示していく必要があるとお考えになられているか、伺わせてくだ
さい。
○田中委員長
この問題は、そう一朝一夕にいい方法があるわけではないと思うのですが、
先程の繰り返しですけれども、多分、審査会合、適合性審査を含めて、全部公開になっ
ていますね。そういうものに対する事業者のスタンスというのは、一応、公開ですから、
見ている人は、どういうことになっているかはお分かりいただけるとは思 うの です が、
中身が非常に微に入り細に入りですから、非常に難しいと思うのです。それ以外にどう
いうふうに発信したら分かっていただけるかということは、私から申し上 げる こと は、
特にこうしなさいとかいうことはありませんけれども、やはりそこは、地元説明は一軒
一軒回ってやっていますということをおっしゃっていましたけれども、それも1つでし
ょうけれども、それだけでは不十分だということかと思っています。皆さんも多分、昨
日で言えば八木社長のプレゼンテーションなどは、随分やっているということはあるの
だけれども、そうですかと、そういうことが実感として国民になかなか見えていません
ね。やはりそういうのはきちっと発信する工夫をやるべきだと私は思うのです。それは、
逆に言うと、国民にオープンにするということは、自分たち自身も安全に対する取組姿
勢を相当正していかなければいけないということにつながってくる。結果的には安全の
レベルを上げるというふうになると私は期待しているのです。
○司会
他はいかがでしょうか。タケオカさん、どうぞ。
○記者
共同通信のタケオカと申します。
今日決まった政府予算の関係でお願いします。原発の運転延長の審査体制構築として、
4人、規制庁の増員が盛り込まれましたけれども、今年4月以降に申請が出た際に、審
査体制も含めて、どういう形で審査することになるのか、お願いします。
○田中委員長
今、適合性審査も、PWR、BWR 含めて相当数がストック状態にあって、加え
て今後も新しい申請が出てくる可能性はありますし、今日、議論になりました特重の申
請もありますので、今、それをどういうふうに進めようかということで、体制も含めて
検討しています。ただ、今、そういった課題に比べて、本当に日夜奮闘していただいて
いますけれども、そう簡単に体制を整備して十分にできるかどうかということについて
は、相当、私自身も悩んでいます。というのは、数だけではありませんで、それなりの
審査できるレベルの人をどれだけ確保できるかということも大きな課題ですし、数だっ
て、一応、公務員ですから、限りがありますので、そこをいかに効率よく、効果的にで
きるような体制を、今、検討中です。
○記者
現状、いろいろな審査をしていて手いっぱいな中で、4人ということなのですけ
れども、少し細かいのですが、運転延長については、審査期間も1年程度の範囲内で認
可しないと間に合わないのではないかと理解しているのですけれども、仮にちょっと手
が足りない場合はどのような対応になるのでしょうか。
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○田中委員長
先々どうなるかということについては、仮定みたいな話ですから、きちっ
とやるべき審査はしていくということになろうかと思います。
○司会
他はいかがでしょうか。では、一番後ろの方、どうぞ。
○記者
インターネットメディア IWJ のミノシマと申します。
以前、川内原発の審査のときにあった質問なのですけれども、炉心から取り出した燃
料は通常5年程度冷やしてからキャスクで移送するとおっしゃいました。通常そうする
のだというのはよく分かるのですけれども、では、通常ではない、本当に緊急時という
のは、5年を待たずに、もっと短い時間で移送することは可能なのでしょうか。
○田中委員長
今、おっしゃっている質問の裏側には、カルデラ噴火のことをおっしゃっ
ているのでしょうけれども、いざという場合にはそれなりの工夫をしてやらざるを得な
くなると思います。ですから、ある程度必要な時間が分かるように、できるだけ予測を
するというか、そういうことで、かなり前倒しに原子炉を止めて、冷却時間を稼ぐとか、
そういう対応はとりたいと思いますけれども、今の御質問も仮定みたいな 話で すか ら、
今、こうしますということは言いません。ただ、一般的に言えば、輸送容器に入れるの
は3年とか、5年とか、冷却期間をおいて数十体まとめて入れるというこ とで すか ら、
そういうことを含めて考えるということになろうかと思います。
○記者
また繰り返しになりますけれども、今また桜島、阿蘇山の噴火の危険が高まって
いるということで、川内原発に対していろいろ、規制庁の方にも意見とかが来ていると
思うのですけれども、これに対して、特に対策をする、ないしは火山のモニタリング検
討会を至急に開くとか、そういう対応をとるということは、特に何もしないのでしょう
か。
○田中委員長
火山予知連絡会ではないので、我々がそれを緊急に開く必要があるとは今
は思っていません。ああいった火山は、通常のマグマ噴火とか、水蒸気爆 発の 噴火 で、
いわゆる川内で議論になった姶良カルデラの噴火のような、そういう予兆とは見ていま
せんので、もしそういうことがあれば、当然、そういう会合も開かなければいけないと
思いますけれども、そういうことではないと思います。
○記者
ありがとうございます。
○司会
他はよろしいでしょうか。モトキさん、どうぞ。
○記者
NHK のモトキです。
今日の午前中の委員会で更田委員から、今後、審査の中で、各社合同でやれる部分を
もっと、今日の特定重大事故等対処設備だけではなくて、他の項目も含めて、合同でや
れる部分を増やしていきたいという趣旨の御発言がありましたけれども、 これ は昨 日、
関電の八木社長からも、施設の効率化の要望がありましたけれども、こういった要望を
受けての対応という理解でよろしいのでしょうか。
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○田中委員長
いえ、更田さんの意向はそういうことではなくて、要するに、解析とか、
いろいろなことが全く同じ計算コードでやっているというところもあって、そういった
ことについては、いろいろな指摘事項も共通しているし、問題も共通しているので、共
通している部分については、できるだけまとめてやったほうが、審査しているほうも毎
回毎回同じことを言わなければいけないし、言われる方だって分かるでしょうから、そ
ういうことで、効率化というか、合理的にやりましょうということだと思います。
○記者
その効率化といいますか、合理的にやることの目的は、審査スタッフの負担の軽
減ということが趣旨なのかなと想像はするのですけれども、一方で、何か規制委員会が
審査を急ぎ始めたのではないかみたいな見方をされるおそれもあるのではないかと思
いますけれども、そのあたりは何かお考えありますでしょうか。
○田中委員長
いや、急ぎ始めたとか何かということよりも、もともと優先審査をやると
いうことを決めたときに、まず最初のひな形みたいなものを作って、それを共有してい
ただこうということを言ってきましたから、その考え方の延長線上にあると御理解いた
だいたほうがいいと思います。
○記者
そういう意味で、慎重に厳格な審査をやっていくということは変わらないという
理解でよろしいでしょうか。
○田中委員長
そのとおりですね。
○司会
他はよろしいですか。では、ニイさん、どうぞ。
○記者
共同通信のニイです。
1点だけ、委員長、今週末、島根原発3号機に行かれるということなのですけれども、
まず、この主な目的、狙いを教えていただきたいのです。
○田中委員長
今回の出張は、要するに、国会開催中はほとんど私は出られないので、ま
ず現場、各地方事務所の人たちと率直な意見を交わしたいというか、お聞きしたいとい
うこと、それから、そういった地方事務所からなかなか言いにくいこともあるだろうか
ら、そういったことについてもよくお聞きしたいというのが、まず第1の 目的 です ね。
というのは、これから防災のことも含めまして、地方事務所の役割は大きくなってきま
すので、できる限り強化をして、検査も含めてきちっとやっていきたいと思っている節
もあります。
3号機を見るというのは、3号機はアドバンスタイプの BWR で、私自身は見たことな
いのですね、この ABWR。施設はほぼ完成しているのだけれども、まだアクティブになっ
ていないという意味では、よく見られるということですし、BWR の中でも第3世代の炉
というのは、相当いろいろな意味で工夫されているので、そういったところも勉強のた
めに見させていただこうということです。
○記者
例えば、先日、川内に行かれて、今回、Aでありながら BWR に行かれるというこ
となのですけれども、PWR と BWR をまず1カ所ずつ見るというおつもりであるのか、そ
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うではなくて、今後も、国会等の日程はいろいろあるでしょうけれども、他のサイト等
にも行かれるおつもりがあるということでしょうか。
○田中委員長
機会があればいろいろな全てのサイトに行って、そこの地方事務所の人た
ちと意見を交わす機会は持ちたいと思っています。
そのついでと言ってはなんですけれども、プラントを拝見することもあるということ
だと思います。
○記者
少し余談なのですが、更田委員が、昨年末3号機は視察に行かれた際に、かなり
いろいろなところが見えたということで感銘を受けておられたのですが、更田委員から
のそういった情報提供というか、アドバイスみたいなものはあったのでしょうか。
○田中委員長
1つあったのは、私もそう思っていたのだけれども、大きな設計のあれと
して、ABWRの特徴は、いわゆる圧力容器内に再循環ポンプを入れていることによって再
循環系というのを省略しているとか、そういったこともありますし、そういったところ
の状況は普段は見れないと思いますので、そのあたりも含めて見たいと思 って いま す。
それから、構造的なところ全体も、サプチャンも大分様子が違うようですので、その
辺も見てみたいと思っています。
○司会
はい、他はいかがでしょうか。シュゾウさん、どうぞ。
○記者
毎日のシュゾウです。
一番最初の質問にちょっと関連するのですが、事業者と意見を闘わせるというのを、
どういうイメージなのかというのをちょっと教えてほしいのですが、事業者が例えば審
査に物申すというのはこれまでも審査の中でいくつかあった話で、例えば敷地内断層を
巡る評価とか、あるいは基準地震度を巡るやりとりとかで、事業者として、要は、例え
ばこれは活断層ではないとかそういった話を言ってくるというのはこれまでもあった
話なのですが、要は、こういう話をもっとやってこいということなのでしょうか。
○田中委員長
事業者の思っているところはそれだけではないと思います。当然審査の過
程のプロセスとしてそういう意見が違った場合には、その判断の違いというものについ
ては意見を闘わすということですけれども、余りこういったことだけということではな
くて、いろいろなことはあると思うのですが、とにかく直接言ってくださいということ。
今、はっきり申し上げまして、事業者から直接来るよりも、違う方たちがいろいろな
ことを言ってくるという例が多過ぎると思うのです。そういう意味では余りフェアでは
ないのです。だから、そういうところを昨日は申し上げたのです。電事連の会長として。
○記者
例えばこれまででも、原電の話で言うと、例えば公開質問状を出してきたりとか、
意見書をいっぱい持ってきたりとか、何かいろいろなことをやっているように思うので
すが、これについて原則、何か規制委としては。今のところ門前払いみたいな形で対応
していたように思っているのですけれども、そうではなくて、ちゃんとそういったクレ
ームみたいなものも規制委として受けるという、そういうことなのですか。
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○田中委員長
門前払いというのは誤解でして、去年1回結論を、報告書をまとめて了承
したのだけれども、それでも納得できないということで、新たなデータが出たらそれは
再審査しますということで、随分配慮してきていると思うのですよ。それで、意見の違
いは意見の違いとしてあるのです。
ただ、これは長引きそうだから、私どもとしてはもう報告書としてはまとめていただ
いて、最終的には、いわゆる法的に効力のある審査の中でもう一回やりましょうという
ことの道筋を提案していますので、別に今、おっしゃるようなことは何もないと思いま
す。
○記者
すみません。多分委員長がイメージされているのは、お互いの議論が安全側にプ
ラスになるように働くということを期待されているというふうに受け止めているので
すけれども、これまでの流れを見る限り、やはり事業者はなるべく安全側とは逆の方、
要は値切る方に。値切る方に主張してきているというのがやはりこれまでの経緯であっ
て、いわゆるその議論を闘わせるというのは、必ずしも安全を高める方向には来ていな
いのではないかなというのがちょっと僕の率直な感想なのですが、委員長、これまでの
事業者とのやりとりも踏まえて、オープンの場で意見を闘わせるということが結果的に
安全性向上の方向に行くという、そういうイメージをお持ちなのかどうかをお聞きした
いのです。
○田中委員長
昨日も申し上げましたけれども、今回の新しい規制基準というのは、多分
事業者サイドから見ると青天の霹靂というのが当たっているかどうか分かりませんが、
相当、非常に過重に思われるぐらいのところはあろうかと思うのです。でも、やはり我々
としては、1Fの経験を踏まえればこういったことは要求せざるを得ないということで、
安全対策については相当厳しい要求をしています。
ですから、それについて値切るというのは余りいい言葉ではないと思いますけれども、
この程度でいいのではないかという思いはどこかにあるのかも知れません。でも、それ
も当然そうなのですね。普通はそんな、1回国が出した許可をまたバックフィットで全
部やり直すということは、普通は余り常識的にはないことを今、今回はやっているわけ
ですから、それはそういういろいろなフリクションが出てきて当然だと思うのです。で
も、そういったことがあれば、もっと率直に議論を闘わせた方がいいということを申し
上げているのです。その中で、安全というのは、安全のレベルは高まっていくだろうと
思うのです。別に力で強制的に押さえ込もうという気は我々もありません。
○司会
はい、よろしいですかね。では、一番前の方。
○記者
プラッツのヤマグチと申します。
担当浅く、ちょっと初歩的な質問もしくは不適切であれば申し訳ないのですが、川内
原発再稼働に向けて、最後の事前検査なるものについてお伺いしたいのですが、これは
具体的にどこの部分をどう見定めるのか。動かしてとかですね。全てでなくて結構なの
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ですが、ポイントを1つ、2つあればお伺いできますでしょうか。
○田中委員長
川内原発に関して申し上げると、工事認可とがあります。だから、審査書
は大きなところですけれども、実際に、例えば耐震性について、きちっと耐震強化がで
きているかどうかというようなことを確認するということが出てきますね。そういった
ことがあります。
それから、次、実際に動かす前には、稼働前検査というのがあります。これは、動的
な機器については、ほとんどここ3年以上動いていないわけですから、そういったもの
は相当慎重に、動かしながら。多分いろいろなトラブルが見つかるかも知れませんけれ
ども、そういうことがひとつひとつ潰しながらやっていくという過程をたどることにな
ろうかなと思っています。
○記者
では、かなり重要な箇所、ポイントというのはございますか。かなりいろいろな、
広範囲にわたってというのは分かりますが。
○田中委員長
ハード的に言うと、この前も川内はあれなのですが、事業者の方からもあ
りましたけれども、電気系統は、例えばモーターとか何かは、許可が出たら動かすこと
ができる。でも、蒸気系統というのは、やはりある程度出力を上げないと蒸気が出ませ
んから、そういったところについては、少し上げていろいろな点検をしたいという要望
もありました。それは是非そういうことで、ステップ・バイ・ステップで慎重にやって
いただきたいということは申し上げてきたところです。
だから、あれだけ大きい施設ですから、いろいろなコンポーネントがありますので、
本当にきちっと動くまでにはなかなか大変だと思います。もちろんそれについて我々現
地の検査官、それから、この東京にいる検査部隊も、そういうときにはきちっと検査に
行くということになろうかと思っています。
○記者
時間的な目途というのはいかがなものが。
○田中委員長
○記者
はい。
時間的な目途というのは。
○田中委員長
それは今、何とも言えないですね。工認の方も随分遅れていますから。工
事認可のところをまず1回クリアしていかないと、その先には行きませんから。
○記者
分かりました。ありがとうございます。
○司会
はい、他はいかがでしょうか。では、シズメさん。
○記者
共同通信のシズメです。
すみません。先程の委員長の御発言についてちょっとお尋ねしたいのですが、事業者
からではなく、違う方たちがいろいろなことを言ってくることが多いというのは、具体
的にどういうことをおっしゃっているのでしょうか。
○田中委員長
具体的に申し上げると角が立ちますから申し上げませんけれども、調べて
みたらものすごい数です。私が読みたくもないようなものをどんどん送ら れて きま す。
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○記者
直接何か誰かが来て言っていくというのではなくて、送られてきたり、一般に出
版されたり売られたりするもので、そういうことが書かれているということをおっしゃ
っているのですか。郵送されてくる。送られてくる。
○田中委員長
いろいろな形で。直接言ってくる方もいるし、郵送されてくることもある
し、いろいろな形で来ますけれども、事業者からということではないですね。
○記者
例えばどういう方というのは、もしおっしゃれるのであれば教えてください。
○田中委員長
それは申し上げません。シズメさんが調べればすぐ分かることです。
○司会
よろしいですか。他、いかがでしょうか。では、ツカハラさん、どうぞ。
○記者
すみません。電気新聞のツカハラです。
今の話とも絡むのですけれども、電力トップの意見交換の中で規制制度の改善という
のを求めているのですが、もうちょっと何か敷居の低いような、気軽に物申せるような
やりとりの仕方というのは、何か考えていくお考えはないですか。
○田中委員長
私どもとしては、いつでも門戸は開いているつもりなのですけれども、た
だ、気楽に話をできることとできないこととあると思うのですね。
だから、先程の議論にもありましたように、NEIみたいなきちっとした内部的な組織を
作って、きちっとそこで問題を整理してぶつけてくるというようなことは歓迎しますけ
れども、何となく個人の思いとか感想みたいなものをぶつけられても、これは対応のし
ようがないから、余りそういう生産性のない議論はやりたくないということです。
○司会
よろしいですか。
○記者
はい。
あとちょっと別件なのですけれども、規制事務所、今度島根に行かれる。それで、こ
の間川内に行かれましたですね。現地の保安検査官からは、どういった声が寄せられて
いるのですか。
○田中委員長
まだ実際には原子炉はずっと止まっているから、検査自体はあれですけれ
ども、これから新しいシビアアクシデント対策の機器とかいろいろなのが装備されてき
ていますから、そういったものをどういうふうに検査していけばいいかなということに
ついては、こちら、東京の方とよく相談してやっていきたいということです。
それから、検査項目が余りにも多くなって、やや形式化しているところもありますの
で、大事なところをどういうふうに、どういうところを見なければいけないのかという
ことも含めて、よく自分たちで考えていただきたいということを申し上げています。
それから、今日もちょっと議論がありましたけれども、いわゆるモニタリングのスタ
ッフというのが、川内は2人もう既に配属されていて、所長とスタッフだけなのですが、
やはりこれはいざという場合の非常に重要な役割を果たすので、常日ごろそういう心構
えで、住民の方も含めて、いろいろな中核になる方たちとよく接触しておいていただく
ようお願いしています。
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○司会
よろしいでしょうか。はい、他いかがですか。よろしいですか。では、最後、ミ
ヤジマさん、どうぞ。
○記者
FACTAのミヤジマです。
今日の核セキュリティの分化ですね。核テロ対策。平和ぼけから一歩出たのかなとい
うイメージもあるのですけれども、その脅威は常にあって、それについてはやはり教育
も重視するのだと書いてありますが、いわゆる個人認証の法制化などは見送ってしまっ
たわけなのですが、これは核セキュリティ、核テロについては、やはり性善説から一方
踏み込んで、性悪説というのですか。その規制強化というのですかね。これは単なる訓
示的なことをやっても、この問題についてはいかに有効性・実効性を上げるかというこ
としかほとんど国際的には議論にならないと思うのですけれども、単なるお経なのか、
やはりそういう性悪説というのですか、今の国際情勢に照らして一歩踏み込むというこ
となのか、単なるIPPAS向けのものなのか、そこの御認識を伺いたいのです。
○田中委員長
今までこういったものを、セキュリティというのをこういう形で議論をし
たことは、多分我が国ではなかったと思うのです。でも、結局今回のフランスではない
けれども、やはりいわゆる脅威が存在するのだという認識に立たざるを得ない、今、グ
ローバルな社会条件なのですね。そのことを今回は改めてきちっと明文化したというこ
となのです。
この先、では、それに対してどういう具体的な対策をとるかというのが次の課題で、
これは我々は施設を持っているわけではないのですけれども、事業者の方にもこの意識
をもっと強く持っていただいて、きちっとした対策をとる必要があるとい うこ とで す。
従来から見れば、私が原子力を始めたころから見たらすごく厳しい状況、そういう意
味での対策は進んでいると思いますけれども、十分かどうかということについては、こ
れはまさにIPPASでよく見ていただくということで、そういった評価も踏まえて、また
具体的な対応をさせていただこうと思っています。
○記者
同じ議論でもう一つ伺いますけれども、今日、特定除外の方の非公開というもの
も出てきたわけですが、その情報が非公開であって、ある程度本当に機密が高くて、防
衛や警察も含めてそういうオペレーションやマニュアルを作った場合、その情報を漏ら
した規制庁の役人というのはどういう法規制になるのか。
つまり、単に非公開にすることと、本当に保秘というものについてどこまで考えるの
か。今回、いわゆる特定機密についてはないのだというお話でしたけれども、国会でも
この組織、テロ対策という意味ではやはり前向きに守る方で考えなくてはいけないと私
などは思っているのですが、その辺のお考えですね。少なくとも、こういう問題も単な
る国家公務員法上のいわゆる罰則適用になってね。その辺の考え方というのは、この役
所はどういう整理をしておられるのかというのを、これは総務課長に伺った方がいいの
かも知れませんけれども、要するに、その辺の頭の整理の問題が国会でも聞かれると思
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うのですね。それを教えていただきたいのです。
○米谷長官官房総務課長
はい、総務課長の米谷でございます。
今、ミヤジマさんのお言葉の中にもありましたように、基本的には特定秘密保護法に
関しては指定をしていないということで、今、整理をしているということ であ りま す。
そして、それ以外の国家公務員として守るべきものについては、それを守らなかった
場合については国家公務員法に基づいて。ちょっと具体的に何を想定していらっしゃる
のかは分かりませんけれども、基本的な原則から言えば国家公務員法に基づいて判断し、
そして、処分が必要であれば処分をしていくということになるということでございます。
○記者
すみません。私は具体的に聞いているつもりなのですけれどもね。
要するに、ここにあるのはいわゆる特定重大施設であり、その外部からのテロリズム
ということに対して、この組織でいろいろ非公開になっていく、そういう情報について。
それについて、一体この組織の保秘義務というのは、いわゆる一般法である国家公務員
法だけで十分足りていると思っているのですかと聞いているのですよ。そんなことはな
いのではないですかと私は聞きたいのですけれども、それが特定機密法か何かがどうか
というところまでは言いません。しかし、足りないのではないのですか。こういうこと
を本当に考えていくのだったら、その情報についての規制というのは、国家公務員法の
現行のものでは足りないのではないかということの認識を聞いているのです。
○米谷長官官房総務課長
○司会
今のところ足りないという認識は持っておりません。
はい、よろしいでしょうか。
それでは、本日の会見はこれで終わりにしたいと思います。御苦労さまでした。
-了-
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