27P-am033

27P-am033
Lophophora 属植物の形態,メスカリン含有量及び DNA 配列と鑑別法について
◯荒金 眞佐子 1 ,
佐々木 陽平 2 ,
中嶋 順一 1 ,
福森 信隆 1 ,
吉澤 政夫 1 ,
鈴木 幸子 1 ,
北川 重美 1 ,
森 謙一郎 1 ,
荻野 周三 1 ,
安田 一郎 3 ,
南雲 清二 2
2
3
( 1 都健安研セ,
星薬大,
千葉科学大薬)
【目
目的】サボテン科 Lophophora 属植物には,Lophophora williamsii と L. diffusa の 2 種が知られ
ている.本研究では,2 種間での形態,麻薬成分 mescaline(1)の含有量および DNA 配列に関
する関連を明らかにするため,日本国内で流通する Lophophora 属植物について形態観察から種
を同定し,顕微鏡による表皮等の観察,1 含量を測定するとともに特定遺伝子領域の DNA 配列
を解析し比較した.さらに,DNA 配列に基づく鑑別法を開発すべく PCR-RFLP 法を検討した.
【方
方法】2005 年 1 月から 6 月に導入した L. williamsii 16 個体 (Lo-1∼16) , L. diffusa 4 個体 (Lo-17
成分分
∼20) を実験に供試した. 形態観察:走査型電子顕微鏡により表皮上の突起を観察した.成
析:UPLC/PDA により 1 の定量を行った.DNA 解析:試料約 20mg から全 DNA を抽出後,PCR
法により葉緑体 trnL/trnF 領域を増幅した.PCR 増幅産物を Cycle Sequence 反応を行った後,DNA
配列を解析し,ソフトウェアにより配列間の比較解析を行った.解析した DNA 配列を基に
PCR-RFLP 法を検討した.
結果】L. williamsii には 3 タイプ (A∼C) の DNA 配列が認められ,形態や成分などの比較から
【結
Lo-1∼13 と Lo-14∼16 の 2 つのグループに分けられた.前者 (第 1 グループ) は表皮上の突起が
小型で,1 を含有し,DNA 配列は Lo-11 のみ B タイプでそれ以外はすべて A タイプであった.
後者 (第 2 グループ) は表皮上の突起が大型で,1 は含有せず,DNA 配列は C タイプであった.
一方,L. diffusa は表皮上の突起が中型で,1 は含有せず,DNA 配列は L.williamsii とは異なる配
列(D タイプ)であった.PCR-RFLP 法を適用することにより,DNA 配列を解析することなく
両種を識別し,しかも L. williamsi については第 1 グループと第 2 グループをも鑑別できる方法
を確立した.