カセサート大学―筑波大学学生シンポジウム(タイ)参加報告 2月24日(月)にカセサート大学バンケーン・キャンパスで行われた,カセサート大学―筑 波大学学生シンポジウム(KU-UT Student Symposium 2014)に,生物資源学類の学生および 生命環境科学研究科の大学院生合計12名,農林技術センター所属教員2名,技術職員2名が参 加した,この学生シンポジウムへの参加は,研究科長裁量経費(Ag-ESDインターンシップ), 文部科学省「平成25年度大学の世界展開力強化事業」.および(独)日本学生支援機構の資金援 助を受けて実施された。参加の目的は,1) 農学に関する持続発展教育をテーマに,カセサー ト大学の学生とポスターセッションを行い、国際的な視点から多面的に考える能力およびグ ローバルな活躍への意欲を養う,(2) 自らの専門性を基礎として、持続可能な社会の実現のた めに国や文化の違いを超えて協調できる能力や,複合的な課題について解決策を提示できる 能力を養う,(3) 海外で活躍するために必要な英語およびコミュニケーション力を養うことに ある。 本シンポジウムKU-UT Student Symposium 2014は,主催者でカセサート大学農学部長のDr. Sutkhet Nakasathien先生,Dr. Buncha Chinnasri および Dr. Donludee Jaisut先生が、また筑 波大学側から田島淳史教授と野口良造准教授の(いずれも生命環境系)の参加のもとに開催され た。会場は,カセサート大学農学部 Vajiranusorn棟のオープンスペースを利用して行われた, KU-UT Student Symposium 2014は,農林技術センターが毎年実施しているAg-ESDシンポジ ウムのポスターセッションと同様のスタイルで行われた。 KU-UT Student Symposium 2014の開催委員メンバー ポスターセッションの会場。「緑」がテーマなので,会場がきれいに植物で飾られている。 農学部長の Sutkhet Nakasathien先生から質問を受ける筑波大学の学生 カセサート大学側からは,学部学生から6件,大学院生から17件に加えて附属高校から3件 のポスター発表が行われた。筑波大学側からは,学類生から4件,大学院から8件のポスター 発表が行われた。ポスターセッションでは、筑波大学の学生や院生がカセサート大学の教員 や学生から数多くの質問や意見を受け,日本で行う発表とは異なる緊張感が発表者から感じ られた。ポスター発表後,発表内容について審査が行われた。筑波大学からは,大学院生1 名,学類生2名が,Award for the Best UT Poster Presenterを受賞した。シンポジウム後は, 別会場で,交換留学を促進させるために筑波大学とカセサート大学のお互いの紹介を行った。 また,日本に留学経験のある,Narongchai Pipatanawong 先生に,タイでの付加価値の高い農 産物を生産し,地域の農村の貧困改善を目的とするロイヤルプロジェクトについての特別講 義があった。 Narongchai Pipatanawong 先生の特別講義 2月25日以降は,Buncha Chinnasri先生,Donludee Jaisut先生,また筑波大学に短期留学した ことのあるカセサート大学のスタッフや学生のサポートのもとで,Talaad Thai (Farmer's Market)での果物、野菜、花、生花の装飾品市場の視察,Golden jubilee Museum of Agriculture でのタイ王国における農業の歴史についての資料館の見学,Food and Agriculture Organization (FAO) アジア・太平洋州地域事務所でのFAOの使命についての講演とディスカッション、 Dairy Farming Promotion Organization of Thailand農場での施設見学と乳牛の飼育に関する講 演聴講などを行った。特に,FAOでのディスカッションでは、筑波大学で修士の学位を取得 された小沼廣幸氏による講義が行われ,学生にとって,専門性を基礎として、持続可能な社 会の実現のために何ができるのかを真剣に考える良い機会となった。 Talaad Thai (Farmer's Market) Food and Agriculture Organization (FAO) アジア・太平洋州地域事務所 文責:生命環境系准教授、野口良造
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