○正司和之・黒瀬大介 1)・吉田重信 1)・佐藤育男 1)・對馬誠也 1)・田代暢哉 Colletotrichum fructicola Prihastuti, L. Cai et K.D. Hyde によるピーマン炭疽病(病原追加) Shoji, K., Kurose, D., Yoshida, S., Satou, I., Tsushima, S., Tashiro, N. : Sweet Pepper Anthracnose Caused by Colletotrichum fructicola Prihastuti, L. Cai et K.D. Hyde 2013 年 10 月,佐賀県唐津市の施設栽培カラーピーマン(Capsicum annuum L. var. grossum Sendtner;スウィーティ ーイエロー)で収穫期の果実に軟化腐敗症状が多発した.症状は直径 5mm 程度の水浸状の病斑の出現から始ま り,その後腐敗部が拡大するとともに,病斑上に淡鮭肉色の分生子粘塊を生じた.病斑部から得られた単胞子分 離菌株の分生子懸濁液(106 個/mL)を同一品種の果実に付傷接種した結果,原病徴が再現され,接種菌が再分離 された.分離菌株の分生子は無色,単胞,表面平滑,円筒形で,大きさは 14.5~20.4×3.6~5.7μm(平均 17.3× 4.9μm),付着器は褐~暗灰褐色,類球~不整形であった.菌糸は 10~35℃で発育し,最適温度 28℃での生育速 度は 12mm/24h であった(PDA 培地).以上に加え,ACT,CAL,CHS-1,GAPDH および ITS 領域の塩基配列に 基づく分子系統解析(ベイズ法)の結果から,本菌を Colletotrichum fructicola Prihastuti, L. Cai et K.D. Hyde と同定 した.本菌はピーマン炭疽病の病原菌として未報告のため,病原の追加を提案する. (佐賀上場営農セ・1)農環研)
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