EViews による TSLS TSLS 次の回帰モデルを考える。 y i 0 1 xi ui (1) ただし、 E (ui ) 0, E (ui2 ) 2 , E (ui u j ) 0 (i j ) 。ここで、説明変数が確率変数である場 合を考える。 (1) 説明変数と誤差項との間に相関がなければ、最小自乗推定量は、不偏性は持たな いが一致性を持つため、最小二乗法を用いて回帰係数を推定することができる。 (2) しかし、説明変数と誤差項との間に相関があれば、最小自乗推定量は、不偏性も 一致性も持たない。この場合には、2段階最小二乗法(操作変数法)を用いて、 回帰係数の推定を行うことが望ましい。 EViews による TSLS(Two Stage Least Squares) 教科書、第6章 応用例6-2のデータに基づき、日本経済の Phillips 曲線の分析 を行う。ここで、被説明変数は賃金上昇率(WI)、説明変数は、失業率(UNE)と インフレ率( )である。 データの入力 EViews において、「File」→ 「New」→ 「Workfile」において下記のように、入力 する。まず、「Workfile structural type」の右側の矢印をクリックし、「Dated-regular frequency」を選択する。次に、「Start Data」を「1971」,「End date」を「2005」と し、OKをクリックする。 すると、次の画面が現れ、作業が可能となる。 ここで、「Quick」をクリックし、「Empty Group (Edit Series)」を選択する。 下記の画面が現れるので、賃金上昇率(WI)、失業率(UNE)、及びインフレ率(PI)の値 を入力する。 実際には、エクセルの表をコピー&ペイストすればよい。 OLS まず最初にOLSの結果を分析する。「Quick」から「Estimate Equation」を選択し Equation Estimation box において、specification は「wi, c 1/une pi」と入力する。ここ で、失業率は逆数を取っていることに注意。Estimation settings は「LS」を選択す る。 また、「Option」において、HAC(Newy-West)の方法を用いて、系列相関と不均一分 散の存在を調整する。 これで、OKをクリックすると、次の結果が得られる。 これが最小二乗法の推定結果であり、式で表すと次のようになる。 1 0.815 t , UNEt (1.256) (3.967) (0.080) WI t 5.081 18.022 R 2 0.933 ただし、カッコ内の数字は Newey-West の方法を用いて修正した標準誤差である。 TSLS 次にTSLSでの分析を行う。先ほどの、Equation Estimation box において、 specification は「wi, c 1/une pi」のままであるが、Estimation settings は「TSLS」を選 択する。 次に、instruments(操作変数)の箇所は、「失業率の逆数の1期前と2期前の値」と 「インフレ率の1期前と2期前の値」を用いる。 これで、OKをクリックすると、次の結果が得られる。 これが2段階最小二乗法の推定結果であり、式で表すと次のようになる。 1 0.841t , UNEt (2.169) (7.396) (0.160) WI t 4.021 14.764 R 2 0.939
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