演習5 I.

演習5
I. (i) sin z = 0 となるのは z = 0, ±π, ±2π, . . . , ±nπ, . . . に限ることを
示せ。
1
(ii)
が正則である領域を決定せよ。
sin z
II. 曲線 Γ を下の Γ1 あるいは Γ2 とするとき、線積分
∫
z 2 dz
C
を計算せよ:
(i) Γ1 = {z(t) = t + it | t は 0 から 1 までうごく }
(ii) Γ2 = {z(t) = t + it2 | t は 0 から 1 までうごく }
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I. (i) z = x + iy として sin z =
sin z =
eiz − e−iz
を具体的にかいてみると
2i
e−y eix − ey e−ix
.
2i
e−y eix は原点中心,半径 e−y の円周上にあるのに対して,ey e−ix は半径 ey
の円周上にあるので,y = Im z ̸= 0 ならば e−y eix − ey e−ix = 0 となるこ
とはない。よって sin z の零点は実軸上 (Im z = 0) にしかなく,sin x の
零点はよく知っているもので尽くされている。
1
(ii) 分母の sin z が 0 にならなければ
とその微分
sin z
cos z
− 2
sin z
は共に普通に定まっている。
II. 曲線 Γ = {z(t) = x(t) + iy(t) | t は a から b まで動く } に沿った f (z)
∫
の線積分 Γ f (z)dz は、dz = z ′ (t)dt = (x′ (t) + iy ′ (t))dt に注意して
∫
∫ b
f (z)dz :=
f (z(t))z ′ (t)dt
Γ
a
1
で定義される。この定義通りにやればよい。つまりたとえば
∫
∫ 1
2
z dz =
(t + it2 )2 · (1 + 2it)dt
Γ2
0
を 0 ≤ t ≤ 1 に関する積分として普通に計算すればよい。(i) と (ii) の答え
の値を比較して気がつくことがあるだろうが,その現象を実際の計算に
介さずに説明できますか?
2