山口大学出願発明:H22-054 特願2010-188841 特開2012-047543 発明の名称:自己抗体の検出方法 発明の有用性、利用するメリット、技術の特徴等 【課 題】 HCV感染者はC型肝炎を発症し、その後、長期間を経て肝細胞癌を発症するリスクが高い。肝 細胞癌患者血清にはいくつかの特異的な自己抗体が認められる。したがってHCV感染者からの 自己抗体を検出すれば、ごく初期の段階の癌の存在を明らかにし、早い時期に治療を開始でき ると考えられる。本発明の課題は、HCV感染者の血清からHCC患者特異的自己抗体等の血清 中の自己抗体を、高感度・特異的に検出する方法を提供することにある。 【発明を解決するための手段】 抗原タンパク質と、該抗原タンパク質のN末端に融合したGFP、C端末に融合したシステインタグ とを含む複合タンパク質を調製する工程;複合タンパク質のシステインタグと、アミノ基を介してマ レイミド基を導入した基板表面のマレイミド基とを反応させ、共有結合により基板表面に複合タン パク質を固定して抗原タンパクチップを調製する工程; 抗原タンパクチップを、タンパク質の変性剤及び還元剤の存在下に加熱処理する工程;加熱処理 後の抗原タンパクチップに、血清と抗蛍光タンパク質非ヒト抗体とを作用させる工程; Cy5標識抗ヒトIg抗体と、Cy3標識抗非ヒトIg抗体とを順次2段階で反応させる工程;蛍光強度 の比(Cy5/Cy3)を算出する工程;を備えた自己抗体の検出方法。 【効 果】 抗原チップを用いる本発明の自己抗体の検出方法を用いた検証テストで、HCV陰性者(HCV陰 性他疾患患者及び健常者)血清14試料が 全て肝細胞癌発症は陰性とするような発症示 唆基準を設定したが、この発症示唆基準によ ると、HCV陽性肝細胞癌患者血清13試料中 7試料で陽性検出が得られ、さらに興味深い ことはHCV陽性他疾患患者血清4試料中2試 料で陽性検出が認められた。多くの血清を用 いてさらに検討する必要があるが、この抗原 チップを用いることでHCV陽性者の中から肝 細胞癌発症を早期に予測しうる可能性がある。 また、自己抗体の組み合わせを用いた病態の 超早期診断という新しい検診方法を提案できる 可能性も期待できる。 利用分野 早期診断検診、分析・試験・理化学機械器具製造 連絡先 有限会社山口ティー・エル・オー 〒755-8611 山口県宇部市常盤台2-16-1 山口大学 大学研究推進機構内 TEL: 0836-22-9768 FAX: 0836-22-9771 E-mail: [email protected] 医 51ページ
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