窒素固定を行う単細胞藍藻 (Cyanobacter i a)の光独立栄養的な生長

研げ
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長冊
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窒 素 固 定 を 行 う 単 細 胞 藍 藻 (Cyanobacteri
a
)の 光 独 立 栄 養 的 な 生 長 戦 略
三井
熊沢修造
旭
池本尚人
S.Cao
マイアミ大学
章
高橋
荒井孝之
海洋並びに大気科学研究所
(まえがき)
窒素直定能を持つ微生物の中で,窒素固定藍藻は細胞内で酸素を発生する光合成と酸素に対して不
安定な窒素固定を行う特異的な能力を持っている、
これら一見矛盾した反応過程の共存は
p
異質細
胞を持つ藍藻で、は光合成を行う場所(栄養細胞)と窒素同定を行う場所(異質細胞)を空間的に分離
十ることで行われる口
一方,異質細胞を持たない藍藻では
の仮説が提案されているが,多くの謎を含んでいる。
y
これらのメカニズムを説明する幾つか
単細胞 Gloeothece(Gloeocapsa)属の株を使
い
Gal
10nらは光合成と窒素固定がそれぞれ昼と夜左に時間的に分離して行われるメカニズムを示し
た
。
しかしこれらの二つの背反する反応が連続的な光照射下で起こるメカニズムは未だ明らかでな
し
P
P
.
) を同調
最近,当研究室で発見された空中窒素同定を行う海洋性単細胞藍藻 (Synechococcuss
培養して調べた結果,窒素固定と光合成は細胞周期内の異なった時期(相)に行われる事が明らかに
なったのでここに報告する
O
昼夜のサイクル左連続的な光照射下の両方で得られた我々のデータによ
ると,これら窒素固定能を持つ単細胞藍藻は細胞周期内でそれら二つの相(時期)を時期的に分離す
ることで,光独立栄養的に生長出来ると云う事を示している口
(本文)
単細胞藍藻が窒素同定条件下で光独立栄養的に生長するメカニズムを研究するため
9
対数的に生長
する細 抱が,細胞周期の中で光合成と窒素同定を行う時期を分離するか否かを実験した。ランダムに
j
竺長した株を使った研究では,細胞周期内での時期的に分離した反応は同時に検出され,よって二つ
の背反した反応は同時に起こる様に見える。この時期的な分離が解決のカギになる要因なら,細胞周
期の出来事は,同調培養した株を使えばより明瞭に見えるはずである O しかし最近まで,同調培養の
実験に利用できる適当な株がなかった。我々は海洋の光合成を行う微生物に関する広範囲な調査からタ
p
P
. Miami BG43511と43522)
この研究に適した新しい単細胞の窒素固定を行う株 (Synechococcuss
〈図 1 )を単離した。
:
:
:511と43522の窒素同定条件下での同調的生長はタ対数的に生長している株を暗処理する事
株4
で誘導される
長は,
O
図 1は向調培養株の細胞分裂期とそれ以後の伸長期の細胞を示している O 同調的な生
12時 間 明 期 /12時 間 暗 期 (12L/12Dと 略 す ) の サ イ ク ル を 3回繰り返し,その後 20時
-39-
図1. 空中窒素固定能を持つ海洋性単細胞藍藻 S
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c
u
s属 MiamiBG43511株の位相差
顕微鏡写真
(
a
) ,細胞分裂期
(
b
)細胞伸長期
条
件:好気的窒素固定条件下での向調培養
スケール:白線が 10μm
※細胞の大きさは M
iami BG 43522株 が 43511株より僅かに小さい。
1細胞分裂周期 (a-b-a)には次の条件で約 20時間を要す 30o
C,光強度 15 0
μmol.
m-2 ・ S-l,pH=7.6. 4%C02 を添加した空気で通気。
この細胞分裂周期比一 b-a)は,図 2cに示すごとく周期的に繰り返される。
間連続的な光照射を行った条件下で維持された(図 2)0 細胞数の増加は常に 2倍ではないが,細胞
分裂は図に示すごとく段階的に同調して起こる(図 2c,実線)。更に,培養の同調性は分裂中の細
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)(図 1a)が一定の時期(図 2c,実線〉においてのみ一時的に現われることでも
胞 (d
示される O 段階的な生長の間,酸素発生の活性(図 2a,実線)とニトロゲナーゼ活性(窒素固定の
活 性 ) (図 2a,破線)は,交互に現れたり消えたりする o 12L/12Dサイクルの間,最大純酸素発
生の活性は細胞分裂直前に現れる。その後,酸素発生の活性はほとんどゼロ(第ーと第二の L/Dサ
イ ク ル ),叉はゼロ以下(第三の L/Dサイクル〉に減少し,再び増加する O との様な酸素発生能の
変化は 1細胞周期内で 1サイグルの変化を示す。ニトロゲナーゼ活性の出現は,純酸素発生の活性が
あるレベルまで減少した時に観察される。最大ニトロゲナーゼ活性は,常に純酸素発生能力が最小時
に起こる。
光合成的純酸素発生の活性の振動は,培養 72時間後に始めた連続光照射下でさえ観察される(図
2a )。再びニトロゲナーゼ活性は,光合成による酸素発生の活性が減衰した時期に現れ,最大ニト
ロゲナーゼ活性は酸素発生能力が最小時に観察される(図 2 a
-40-
特に 72時間後の様相に注意)。
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図2
. (
a
) :光合成酸素発生,呼吸による酸素消費 9 アセチレン還元能力の変化
(
b
) :炭水化物合成速度の変化
(
c
l:細胞の総数左細胞分裂期の細胞 (doublingc
e
l
l)の分布の変化
u
s属 Miami BG 43511の同調的生長状態を示す。
上記は Synechococc
※(
a
)において,左縦軸:酸素交換速度 {μmol酸素 x (時乾重量)一 1X (時間〉一1}
右縦軸:ニトロゲナーゼ活性 {μmolエチレン生成 x(時乾重量)一 1X
(時間)一 1}
口:光合成酸素発生, 0: ニトロゲナーゼ,回:暗呼吸を示す。
軸:炭水化物合成速度 {μg glucose等 量 x(mf培養株〉一 1X (時間)-l}
(c)において, 左縦軸:総細胞数(米)
右縦軸:細胞分裂している細胞の存在割合。
(
b
lにおいて, 縦
実験方法
S-l
BG 43511株は以前述べたと同様の空中窒素回定条件( 3 0o
C, 光強度 150μmol・m-2
2
4
2
4
毎分 20 Omfで 4% C 02混入空気を通気〉で培養した。培地は窒素化合物を含まず,同調的
生長を誘導するために, 初期の対数的生長時点の株(mf当り 106細胞)を
20時間暗処理した。
こσ
〉
賠処理の後, 図に示すごとく明期と暗期の期間の同調的生長を調べた。暗期では通気を止めたが,培
養株はかくはん器で混ぜた。連続光照射は 72時間後に開始した。
←
41-
2時間毎に酸素交換, アセチレン
25
還元活性,乾燥重量,炭水化物含有量と細胞数を分析した 酸素交換は以前述べたと同様の反応槽内
O
は培養管から反応槽へ何の処理も行わずに移し,平衡
でクラーク型電極を使用して調べた。試料 2mt
0
させるため 2~3 分間 30 C の暗中で 4% の CO 2 を含む空気を通気した。
土光合成的酸素生成の速度を暗中を明中(光強度
反応槽内での平衡後,呼吸
2000μmol・m-2・S-l)でそれぞれ測定した。酸素
発生に要する光強度は,との実験条件ではこの株の光飽和範囲(光強度 1000~4000μmol .
m-2・S-l)
であった。アセチレン還元能 (10%C2H2を含む空気 , 30o
C,光強度 150μmol.
m-2・S-l) ,細胞
~
~
数や乾燥重量は以前と同様に測定した口炭水化物含有量は,フェノール硫酸法で測定した。炭水化物
合成速度は 2時間毎に測定した培養株 1mt当りの炭水化物含有量の変化から計算した。
暗中における酸素吸収活性もまた細胞の生長中に変化する(図 2 a,暗中呼吸)。暗中での酸素吸
収活性の場合,ニトロゲナーゼ活性が強い時は常に強くなっている様であるが
p
その変化の周期性は
不明瞭である O 呼吸活性は窒素同定機能の保護に要する嫌気性を維持する一つのメカニズムとして考
えられてきた。
しかし図 2aに示すごとく酸素吸収の活性の変化の規模は酸素発生の活性の変化の
規模よりもはるかに小さい。更に同じ Synechococcus属での他の株の呼吸は光によって抑制されてしま
う事が知られている。
以上より光合成による酸素発生能力の大きな振動の起因は,たとえ明期に呼吸
作用が阻害されなかったとしても単に呼吸作用からでは説明できない。
関 2a に示す酸素発生の活性は,培養条件下ではなく酸素測定用反応槽で得られたこと(図 2の説
明文参照)に留志して欲しい。かくして酸素発生の活性の変化は,細胞の持つ光合成の潜在能力を示
す定量的な指数である。これと関連して,培養条件下での光合成能の潜在的な変化は培養株中の炭水
化物含有量の正味変化から洞察できる
O
興味あるのは,培養株の炭水化物含有量は 12L/12D:
t
連続光照射のどちらの条件下においても正味の蓄積と正味の消費を行う各相を通過するこ左である
(図 2b )口炭水化物の消費が培養の暗期に進行する事は当然の事と考えられるが,その消費はまた
連続光照射中にも起こることが観察される。正味炭水化物消費を行う相の聞は,炭水化物の消費量が
明期(図 2b )でさえその合成率よりも高いため,その培養時期での純酸素生成はほとんど無いと結
論出来る。更にほ左んどのニトロゲナーゼ活性は,培養中の正味炭水化物消費を行う相(図 2a,b)
の時のみ現れる。この様な現象は一貫して連続光照射下で少なくとも 3細胞周期にかけて観察される。
菌体内の炭水化物(グリコーゲン)は,ある種の藍藻の窒素固定酸素(ニトロゲナーゼ)への基質
の究極的な供給源であると考えられている口,
我々はそれ故菌体内の炭水化物が株 4
3511左43522
においても窒素固定の際に重要であるということを考えている O 細胞周期内で振動する酸素発生や炭
水化物合成と共に,時期を得たニトロゲナーゼ活性の出現は,空中窒素固定を行う単細胞 S
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CO
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属の株が細胞周期内ででト光合成左窒素閏定を時期的に分離していることを強く刀示ミしている。
異質細胞を持たない藍藻である Oscil
1atoria 属の株では,光合成による酸素発生がジクロロフェニ
ルジメチルウレア(D CMU)により完全に阻害された場合,約 3倍のアセチレン還元活性(ニトロゲ
-42-
ナーゼ活性)の増加がみられている。この観察は
9
光合成による酸素生成が窒素固定を行う上で、マイ
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s属の株の場合,時期的な分
ナスの効果を持つことを示している O しかし, 以上に述べた S
離が行われていれば窒素固定の相の問では光合成による酸素生成はほとんど無いかも知れない。もし
我々の解釈が正しいなら DCMUはアセチレン還元活性に全く影響無いはずである。図 3に示すごとく
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s属 Miami BG 43511株のニトロゲナーゼ
凶 3 連続光照射下で同調的に生長する S
守
活性に及ぼす D C M Uの効果。
I
音一明一暗を繰り返して誘導し,その後連続光照射下で 7 0
同調的生長は 20時間毎に l
時間生長させた。試料は 2時閣毎に取りァアセチレン還元活性は, D CMU有り (0)と無
し(
8
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-の嫌気条件下 (10%C2H2 を含むアノレゴン,光強度 150μmol.
m-2・S-1, 30'
c
)
で以前-左同様な方法で測定した。 DCMUの最終濃度は 20μMで,これはこの株の光合成
酸素発生を完全に阻害する(データには示してない)0 矢印は細胞分裂が観察された時期
を示す。
光照射下における 3細胞分裂周期中のアセチレン還元活性は光合成酸素発生を完全に阻害する濃度の
DCMUを添加しても影響を受けない。 これは時期的分離説を支持するもう一つの証拠になり得る。
(謝梓は省略)
引用文献
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1(
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8
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)
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2
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. Kumazawa,S
2
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. Dubois,M.,Gi
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s,K
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, Hamilton,J
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, R
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.A.& Smith,F
.Analy.
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8
,
350356(
19
5
6
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.
甲
あとがき(追記)
この論文は藍藻の窒素固定に関するものであるが水素生産という面でも強い関連があるのでその概
略について述べる。
窒素固定能を持つ単細胞藍藻 S
y
n
e
c
h
o
c
o
c
c
u
sMiami BG 43511は水素発生という面で他の微生物で
は見られないユニークな特性を持っている (
M
i
t
s
u
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ta
l
.1983,1985)。例えば
p
ランダ、ムに生長した
Sy
n
e
c
h
o
c
o
c
c
u
sMi
a
m
i BG 43511を使った実験では光照射下で水素と酸素が 2 :1の割合で長期間
(3日5日)にわたり発生する事が観察されている(図 4 )0 即ち,この株は光エネルギーを使つ
O→ 2Hz十 Ozという反応を行っている左考えられる O
て 2H
z
藍藻による水素発生の一つの様式として,ニトロゲナーゼ(窒素固定を行う酵素)活性を持つ藍藻
を例えばアルゴンの様な気相中で光照射すればニトロゲナーゼ依存の水素発生が観察される。しかし
この酵素(ニトロゲナーゼ〉は微量の酸素が存在しただけでも活性が失われると考えられるため,こ
のニトロゲナーゼ活性を持つ単細胞藍藻がどの様な機構で水素と酸素を持続的に発生するか(ニトロ
ゲナーゼ活性の維持)については謎であった。
今回紹介された我々の論文では水素発生という面からは論議されていないが,そこで述べられた同
調培養実験の結果はランダムに生長した株を使って観察された水素と酸素の発生が 2
1の割合で持
続的に行われるという現象の解明の大きな鍵となると考えられる。従って,同調培養法で得られた生
-44-
Synechococcus Sp. Miami BG 043511
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60
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120
Incubation, hours
図4
. 単細胞藍藻 Synechococcussp“ Miami BG 43511のランダムに生長した株による水素と
ta
l
. 1
9
8
:
5 より引用〉。
酸素の同時発生 (Mitsui e
理的に均一な細胞を使って水素発生の機構について調べる事により, その機構がより良く解明出来る
ものと忠われる。 また, 水素発生の詳細な機構の解明はその水素発生能を更に強化する上で有益であ
ると考える O
d
d
y,S.Ramachandran,T. Matsunaga,L.Haynes and
Mit
s
u
i,
A" E.J• Phlips,S.Kumazawa,K.J. 氏e
H.lkemoto (1983). Progress i
n research iowardoutdoor biological hydrogenproductionusing
soIar energy,seawater and marine photosynthetic micτoorganisms. Ann.N.Y. Acad. Sci.
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Mitsui,A.,S.Kumazawa,E.J.
Ph1
ip
s,K.J.
Reddy,K.G
i
l
l,B.
R
.Ren
凶 泊 T.匝 l
sumi,G.Reyes一
Vasques,K.M i
yazawa,L.Haynes,H. Ikemoto,E.Duerr,C.B.Leon,D.Rosner,R.Sescoand
E.Moffat (1985). Massc
u
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f algae andphotosynthetic bacteria Concepts and
app1
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n Biotechnology andBioprocessEngineering,(T.K.Ghose,e
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o
no
f Pure andAppliedChemistry and IndianNational ScienceAcademy.
Unit
e
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n
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i
aPress,
NewDelhi,P
P
. 119-155.
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F
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