平成26年度農産物の放射性物質安全検査方針について 平成26年4月24日 技術支援課 生産環境室 群馬県産農産物について、放射性物質からの安全性を確保するため、平成26年度も引 き続き「放射性物質安全検査」を実施する。 検査は、国のガイドラインに基づき「出荷前検査」を原則として実施する。このため、 穀類については、農業者に対し「検査終了まで出荷を自粛すること」を要請する。また、 野菜・果実等については、出荷開始前から出荷初期段階に検査を実施することとし、基準 値超過が発生した場合に流通を停止する。 Ⅰ 1 検査方針の概要 穀類 ○ 平 成 2 3 年 産 の 米 、 麦 、 大 豆 、 そ ば の 検 査 に お い て 、 い ず れ も 50Bq/㎏ を 超 え る 検 体 が発生した。 ○平成23年産穀類の検査結果を受け、国のガイドラインにおいて「穀類の検査が必須 の県」に指定された(H24.3.12)。 ○平成24年産の穀類に関しては、検査範囲を昭和の合併前市町村に細分化して実施し たが、いずれも50Bq/㎏を超える検体は発生しなかった。 ○平成25年産の穀類は、前年の検査結果を受け、検査範囲を平成の合併前市町村に拡 大し検査を実施したが、いずれも50Bq/㎏を超える検体は発生しなかった。 ○ 2 年 間 50Bq/㎏ を 超 え な か っ た た め 、 国 の ガ イ ド ラ イ ン に お い て 「 穀 類 の 検 査 が 必 須 の県」の指定が解除された(H26.3.20)。 ○平成26年産の穀類については、安全性の確保の観点から引き続き検査を実施する。 (米は25年産に準じ、その他は1検体あたりの検査対象範囲を拡大) ◆検査点数の推移 26年産予定 米 75 麦 30 大豆 29 そば 33 その他 - 2 25年産 141 60 32 42 2 24年産 257 236 90 161 10 23年産 93 26 12 15 7 備 考 H23、50Bq 超2点 H23、50Bq 超3点 H23、50Bq 超1点 H23、50Bq 超1点、夏そば含む 野菜・果実等 ○市町村からの要望に基づき四半期ごとに検査計画を策定し、検査を実施している。 ○放射性セシウムが検出されない状況が続いているが、市町村からの検査要望がある。 ○平成26年度も引き続き、市町村要望を踏まえて検査を実施する。 ◆検査点数の推移 26年度予定 野菜 500 果実 70 その他 30 25年度 496 74 31 24年度 710 142 32 23年度 489 68 44 備 茶を含む 考 Ⅱ 平成26年度品目別検査方針 1 26年産米 ○経過 ・平成23年産米の検査(93検体) 平 成の 合併 前の旧 市町 村で 実施。 旧松 井田 町(53Bq/㎏ )と旧伊香 保町(61Bq/㎏)の 2地点で50Bq/㎏を超過 ・平成24年産米の検査(257検体) 旧 松 井 田 、 旧 伊 香 保 と 周 辺 地 域 で 全 戸 検 査 と 同 等 密 度 の 検 査 。 50Bq/㎏ 超 過 は 無 し 。 ・平成25年産米の検査(141検体、うち詳細調査49点) 旧松井田、旧伊香保と周辺地域で3検体以上の検査。50Bq/㎏超過は無し。 ○平成26年産米の検査 (1)出荷自粛の要請 原則として、該当地域の検査終了まで出荷の自粛を要請する。 (2)検査地域 平 成 の 合 併 前 の 旧 市 町 村 で 1 点 を 目 安 に 検 査 を実 施 す る 。 な お 、 作 付 け面 積 ( 500ha ごと)に応じて検査点数は1~3点とする。(63旧市町村75検体) ・検査不実施市町村(作付け無し)旧万場町、旧中里村、上野村、南牧村、草津町 ・ 現 市 町 村 と 一 体 実 施( 作 付 け 少 ) 旧 伊 香 保町 ( 旧渋 川 市)、 旧 六合 村 (中 之 条町 ) (3)50Bq/㎏超過が発生した場合の対応 ※ 検 査 の 結 果 、 放 射 性 セ シ ウ ム の 濃 度 が 50Bq/㎏ を 超 え た 場 合 は 、 該 当 地 域 ( 平 成 の 合 併前)を細分化(昭和の合併前)して3検体以上の検査を実施する。 ※細分化調査の結果、50Bq/㎏を超えた地域については、全戸調査と同等(1ha 毎に1点) の検査を実施する。 ※自粛解除は、所要の検体の全てで基準値以下を確認した後に行う。 フローチャート (検査に拠る安全確認終了まで、出荷自粛を要請) 安全検査 平成の合併前旧市町村 1点以上を検査 50Bq/㎏以下 出荷自粛解除 50Bq/㎏超の旧市町村(平成) 細分化検査 昭和の合併前旧市町村 3点以上を検査 全て50Bq/㎏以下 50Bq/㎏超の旧市町村(昭和) 全戸検査 旧市町村(昭和)の範囲 1ha 当たり1検体 全て基準値以下 100Bq/㎏を超過した検体あり 出荷自粛継続 または出荷制限指示 基準 値を超 過し た地 点数 や範囲 を見 極め たう えで、 県、 国で 協議し対応を決定。 2 26年産麦 ○経過 ・平成23年産麦の検査(26検体) 実需に合わせて集荷業者(JA等)ごとに実施。JA前橋市やJA佐波伊勢崎管内の 二条大麦、小麦で50Bq/㎏超過が発生。 ・平成24年産麦の検査(236検体) カントリーエレベータや集荷場など全ロットの検査を実施。放射性セシウムの検出は 3検体のみ。最高2.9Bq/㎏ ・平成25年産麦の検査(60検体) 地域ごと、銘柄ごと1検体(1ロット)で実施。放射性セシウムの検出は無し。 ○平成26年産麦の検査(実需に合わせて集荷業者(JA等)ごとに実施) (1)出荷自粛の要請は、米に準じて、集荷業者に出荷自粛を要請する。 (2)検査地域 ・ 麦 の 生 産 が あ る J A の管 内 市 町 村。(12J A 。嬬 恋 、あ が つま 、 利根 沼 田管 内 除く ) ・JAの集荷のない市町村。(中之条町、東吾妻町、みなかみ町) (3)検査対象の区分 集荷業者(JA等)ごと、麦種ごとに検査を実施する。(30検体程度) 六条大麦、二条大麦、小麦 (4)50Bq/㎏超過が発生した場合の対応 検査の 結果、放射 性セシウム の濃度が50Bq/㎏を超えた場合は、該当地域(JA 管内) で全ロット検査を実施する。自粛解除は、ロット毎に基準値以下を確認した後に行う。 フローチャート (検査に拠る安全確認終了まで、出荷自粛を要請) 安全検査 集荷業者ごと 麦種・銘柄ごと 集荷したロットのうち 1ロットを検査 50Bq/㎏以下 出荷自粛解除 50Bq/㎏超のロット 発生 全ロット検査 5 0 Bq/㎏ 超 過 が 発 生 し た集荷 業者の 該当銘柄 の全ロットを検査 基準値以下のロット 100Bq/㎏を超過したロット 出荷制限 及び出荷制限指示 基準 値を超 過し たロ ットは、出荷制限。 産地 に対す る出 荷制 限指 示等に つい ては 国と協議して決定。 3 26年産大豆・そば ○経過 ・平成23年産の検査(大豆12検体、そば15検体) 平成の 合併後の現 市町村で実 施。渋川市の 大豆(111Bq/㎏)、長野原町のそば(60Bq/ ㎏)で50Bq/㎏超過が発生。 ・平成24年産の検査(大豆90検体、そば161検体) 昭和の合併前の旧市町村で実施。大豆で15検体(最高19Bq/㎏)、そばで38検体(最高 29Bq/㎏)から放射性セシウムを検出。50Bq/㎏超過は無し。 ・平成25年産の検査(大豆32検体、そば42検体) 渋 川 市 及 び 長 野 原 町 は昭 和 の 合 併 前 の 旧 市 町村 を 範 囲 に 3検 体以 上 、 そ れ 以 外 の地 域 は平成の合併後の市町村で1検体の検査を実施。50Bq/㎏超過は無し。 ○平成26年産の検査 (1)出荷自粛の要請は、米に準じ、農業者に出荷の自粛を要請する。 (2)検査地域 平成の合併後の市町村で、販売・原材料用大豆・そばを生産する市町村とする。 なお、夏そば(4町村)と秋そばは個別に検査を実施する。 ◆参考:平成25年度に検査を実施しなかった市町村 ・大豆 桐生市、みどり市、榛東村、吉岡町、神流町、大泉町、邑楽町 ・そば 吉岡町、下仁田町、南牧村、明和町、千代田町、大泉町 (3)50Bq/㎏超過が発生した場合の対応 ※検査の結果、放射性セシウムの濃度が50Bq/㎏を超えた場合は、該当地域(現市町村) を細分化(注)して3点以上の検査を実施する。 ※細分化調査の結果、50Bq/㎏を超えた地域については、全戸調査と同等(1ha 毎に1点) の検査を実施する。 ※自粛解除は、所要の検体の全てで基準値以下を確認した後に行う。 フローチャート (検査に拠る安全確認終了まで、出荷自粛を要請) 安全検査 現市町村 1点以上を検査 50Bq/㎏以下 出荷自粛解除 50Bq/㎏超の現市町村 細分化検査 平成の合併前旧市町村 3点以上を検査 栽培面 積過少 の場合は 1ha 程度に集約し1点 全て50Bq/㎏以下 出荷自粛継続 または出荷制限指示 50Bq/㎏超の旧市町村(平成) 全戸検査 旧市町村(平成)の範囲 1ha 当たり1検体 全て基準値以下 100Bq/㎏を超過した検体あり 基準 値を超 過し た地 点数 や範囲 を見 極め たう えで、 県、 国で 協議し対応を決定 4 野菜・果実等 ○経過 ・平成23年度の検査(601検体) 市 町 村 か ら の 要 望 に 基づ き 検 査 計 画 を 策 定 し検 査 を 実 施 し た 。 5月 上 旬 ま で の 検査 で はほぼ全ての検体からセシウムを検出したが、それ以後の検出は激減した。基準値超 過は、事故直後のカキナとホウレンソウ(ヨウ素)、桐生市、渋川市のお茶、計6点。 ・平成24年産の検査(884検体) 市町村からの要望に基づき検査計画を策定し検査を実施した。野菜・果実での基準値 超過は無し。渋川市のお茶1点で基準値超過。 ・平成25年産の検査(601検体) 市町村からの要望に基づき検査計画を策定し検査を実施した。野菜・果実での基準値 超過は無し。 ○平成26年度の検査 ・平成25年度同様、出荷開始前から出荷初期段階に検査を実施する。 ・検査計画は、市町村からの要望に基づき四半期ごとに決定する。 ・検査の 結果、基準値(100Bq/㎏)を超過した検体(品目)があった場合、当該品目の 検査範囲(現市町村)における出荷を自粛し、検査密度を引き上げて(注)検査を実 施する。 ・細分化検査の結果、基準値以下を確認した後に、順次出荷自粛を解除する。 ○平成26年度に検査が必須の品目(ガイドラインで指定された品目) ・ 基 準 値 超 過 品 目 た らの め 、 ふ き 、 う ど 、 わら び 、う わ ばみ そ う( み ず)、 く さそ て つ (こ ご み )、 こ し あ ぶ ら 、さ ん しょ う 、ぜ ん まい 、 ねま が りた け ・基準値の1/2超過品目 ふきのとう、もみじがさ(しどけ)、茶 以上は、栽培されたもので流通がある場合、1検体以上の検査が必須。ただし、渋川市 の茶については、26年度に限り3検体以上の検査を実施する。 フローチャート (出荷前・出荷初期の段階で検査を実施) 安全検査 現市町 村の計 画に基づ き検査を実施 (検体 の採取 場所は把 握している) 基準値以下 流 通 100Bq/㎏超過 出荷自粛 当該市 町村の 当該品目 の出荷を自粛 出荷自粛解除 細分化検査 検査範 囲を細 分化して 実施。 (1月以内3検体) 基準値以下 ・採取 場所に 隣接する 大字 ・昭和 の合併 前の旧市 100Bq/㎏を超過した検体あり 町村 出荷自粛継続 または出荷制限指示 基準 値を超 過し た地 点数 や範囲 を見 極め たう えで、 県、 国で 協議し対応を決定 5 栽培された山菜類等(野菜に分類して検査を実施中) ○経過 ・山菜類については、野生のものと栽培されたものでは、検査体制が異なっている。 ・栽培された山菜類については、国のガイドラインで検査が必須とされた品目について 販売する場合は、市町村ごとに1検体以上の検査を行い、安全性を確認してから販売 することとしている。 ・野生の山菜類については、環境森林部林業振興課きのこ普及室が所管しており、出荷 ロットごとに安全検査を実施し、基準値以下であることを確認してから販売すること としている。 ○平成26年度の検査 ①栽培された山菜類 ・国のガイドラインで検査が必須とされた品目について販売する場合は、市町村ごとに 1検体以上の検査を実施する。 ・検査が必須の品目は以下のとおり。(ゴシックは検査したことのある品目) たらのめ、ふき、うど、わらび、うわばみそう(みず)、くさそてつ(こごみ)、こしあぶら さんしょう、ぜんまい、ねまがりたけ、ふきのとう、もみじがさ(しどけ)、茶 ・農業事務所は、市町村を通じ「栽培された山菜類を出荷する場合は、サンプル調査が 必要であること」を周知する。 ・市町村は、管内で栽培されている山菜類の出荷状況を把握し、必要に応じて検査の要 望を上げる。 ②野生の山菜類 きのこ普及室の指導に従い検査を実施する。 ●出荷制限(指定地域で採取したものは販売できない) ・野生のきのこ(全ての種類) 安中市、長野原町、嬬恋村、高山村、東吾妻町、沼田市、みなかみ町 ●出荷自粛(指定地域で採取されたものの出荷を自粛) ・野生のタケノコ(マダケ) ・乾しいたけ(原木栽培) 旧渋川市、旧小野上村 渋川市、高崎市、富岡市、中之条町、高山村、東吾妻町、沼田市、みなかみ町 ・野生のタラノメ ・原木ナメコ 旧倉渕村 藤岡市 ●その他の地域・品目 特要林産物は、放射性物質検査を実施し、基準値以下であることを確認し販売。 ○検査結果と対応 検査結果の公表、基準値を超過した検体が発生した場合の対応は、野菜・果実等に準じ て対応する。
© Copyright 2024 ExpyDoc