食の安全と 消費者の信頼の確保を巡る事情 - 農林水産省

食の安全と
消費者の信頼の確保を巡る事情
東海農政局 消費・安全部
平 成 2 5 年 9 月 1 日
BSE 問題・牛肉偽装事件、事故米問題等(その1)
○平成 13 年に我が国初の牛海綿状脳症(BSE)感染牛の発生。また、平成 14 年に牛肉偽装事件や食肉表示違反が相次いで発覚。
○平成 20 年に事故米穀の不正規流通問題が明らかになった。
○平成 20 年にメタミドホスが含まれる中国産冷凍食品による健康被害が発生し、農林水産省は、輸入事業者による回収等について、
地方農政事務所を通じて、周知するとともに、事業者団体に対して働きかけをした。
事故米問題
BSE 問題・牛肉偽装事件
○内閣府にリスク評価を行う食品安全委員会を設置。(平成
○米トレーサビリティー法を制定。
(平成 21 年)
15 年)
○食糧法を改正し、新規需要米、加工用米等の用途限定米穀
○食品安全基本法を制定。(平成 15 年)
の用途外使用を禁止。(平成 21 年)
○食品表示に関する規制を一元化する新法を制定。(平成 25
○農林水産省に食品分野における消費者行政とリスク管理業
年国会提出予定)
務を行う消費・安全局を設置。(平成 15 年)
○牛海綿状脳症(BSE)対策特別措置法を制定。
(平成 14 年)
○農林水産省の地方農政局において、食糧部が廃止され、消
○牛肉トレーサビリティー法を制定。(平成 15 年)
費・安全部に米の流通監視業務を移管。(平成 23 年)
○JAS 法を改正し、公表の迅速化、罰則の強化。
(平成 14 年)
○農林水産省の地方農政局において、地方農政事務所が廃止
され、地域センターを設置。消費・安全グループが、食品表
○農林水産省の地方農政局に消費・安全部を設置。(平成 15
示の適正化、牛トレーサビリティ、米の流通監視等に係る業
年)
務を遂行。(平成 23 年)
○農林水産省の地方農政局に地方農政事務所を設置。
1
BSE 問題・牛肉偽装事件、事故米問題等(その2)
東海農政局の対応
中国産冷凍餃子を原因とする薬物中毒事案
○平成20年1月29日夜、東京都より、同年1月5日に兵庫県におい
○本事案を受けて31日朝に開かれた「食品による薬物中毒事案
て1家族3名、1月22日に千葉県において1家族5名の有機リン中毒
に関する関係閣僚による会合」において、
の疑いがある事例が発生し、両事例において発症直前に、輸入者(東京
① まず第一に、被害拡大の防止が最重要であるという観点から、
都)が中国から輸入した冷凍ギョウザを摂食していたとの情報提供があ
関係省庁は、密接な連携の下、関係機関や業界団体を通じ、国民
り、輸入実績を調査したところ、当該冷凍ギョウザは同一時期に輸入さ
に対する積極的な情報提供を行うとともに、国民の問い合わせに
れた同一製造者のものであることが判明した。
対応する窓口を設置し、
○厚生労働省は、次のとおり対応。① 消費者に対し、本製品を絶対に
② 原因の究明
食べないように呼びかけ、② 関係自治体に対し、消費者への注意喚起
③ 今後同様の事案の再発防止策の検討を行うこととした。
と徹底した調査を指示、③ 検疫所に対し、当該製造者からの同一製品
の輸入の自粛を輸入者に指導するよう指示、④ 念のため、冷凍ギョウ
○農林水産省も、輸入事業者による回収等について、地方農政事
ザの他にも当該製造者からのすべての輸入食品について、輸入実績のあ
務所を通じて、周知するとともに、事業者団体に対して働きかけ
る輸入者に対し、関係自治体を通じて、安全性が確認されるまでの間、
等を実施することとしたが、東海農政局では、
販売を中止するよう要請するとともに、当該製造者からのすべての製品
・1月30日に、管轄区域内に本部を有する生協、スーパー、コ
の輸入の自粛を輸入者に対して指導するよう、検疫所に対して通知。
ンビニ等を中心に、回収対象商品等に関する情報を提供。消費者
上記の対応に加え、当該製造者が製造し国内に輸入された食品に関する
団体等へ関連情報を提供。
情報について、関係自治体や関係業者を通じ収集し、当該情報が判明し
・1月31日から、管内の生協、スーパー、コンビニ等を対象に、
次第、関係機関等に情報提供するとともに、当該食品の安全が確認
該当商品の回収状況等現場点検と関連情報の提供。また、消費者
されるまでは摂取しないよう広く国民に周知を図ることとした。
相談に対応。
2
食品安全委員会の設立
国民の食生活を取り巻く状況の変化
・食品流通の広域化・国際化(食品の輸入)
・新たな危害要因の出現(O157、プリオンなど)
・新たな技術の開発(遺伝子組換えなど)
・汚染物質などを分析する技術の向上等
食の安全を脅かす事件の発生
○食品安全基本法の制定(平成15年)
・牛海綿状脳症(BSE)の発生
・輸入食品の残留農薬問題
○同法に基づき、内閣府に食品安全委員会
・国内における無登録農薬の使用等
を設置(平成15年)
食の安全に関する新しい考え方
・食品の生産から消費までの各段階での安全性の確保
・食の安全には「絶対」はなく、リスクの存在を前提に評価を
行い、適切にコントロールするという考え方(リスク分析)が
一般化
→海外でのリスク評価機関の設立(仏 AFSSA,欧州 EFSA,独 BfR)
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施策の策定に係る基本的な方針
食品安全基本法
(リスク分析手法の導入)
基本理念
・リスク評価(食品健康影響評価)の実施
・国民の健康の保護が最も重要であるという基本的認識の下に、
・リスク評価の結果に基づく施策の策定
必要な措置を実施
・リスクコミュニケーションの促進
・食品供給行程の各段階において、安全性を確保
・国際的動向及び国民の意見に十分配慮しつつ科学的知見に基づ
・緊急事態への対処等
き、必要な措置を実施
・関係行政機関の相互の密接な連携
・試験研究体制整備等
・国の内外の情報収集等
関係者の責務・役割
・表示制度の適切な運用の確保等
・国の責務及び地方公共団体の責務・・・適切な役割分担の下、
・教育・学習の振興等
食品の安全性の確保に関する施策を策定・実施
・環境に及ぼす影響の配慮
・食品関連事業者の責務・・・食品の安全性の確保について、第
↓
一義的な責任を有することを認識し、必要な措置を適切に実施。
措置の実施に関する基本的事項の策定
正確かつ適切な情報提供に努める。国又は地方自治体等が実施す
る施策に協力。
・消費者の役割・・・知識と理解を深めるとともに、施策につい
て意見を表明するように努める。
食品安全委員会の設置(リスク評価の実施等)
4
リスクとリスク分析の考え方
どんな食品にもリスクがあるという前提で、リスクを科
学的に評価し、適切な管理をすべきとの考え方
「リスク分析」の3つの要素
リスク評価
リスク管理
(食品安全委員会)
(厚生労働省、農林水産省、消費者庁等)
食品中の有害物質によって、どのくらいの確率でどの程度
の健康への悪影響が起きるかを科学的に評価すること
関係者と情報や意見を交換しながら、リスク低減のた
めの政策・措置を検討し、必要に応じて実施すること
食品中の危害物質摂取によるリスク評価の実施
リスク評価結果に基づき、使用基準・残留基準等
(科学的知見、客観的、中立公正)
を決定(国民世論、費用対効果、技術的な事項)
リスクコミュニケーション
(消費者、事業者、消費者庁、食品安全委員会、厚生労働省、農林水産省等)
リスク分析の全過程において、食品事業者、消費者など
関係者間でリスクについての情報・意見を交換すること
関係者とのリスク情報の共有・意見の交換(意見交換会、パブリックコメント)
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NOVA事件
主な消費者問題
中国産冷凍餃子を原因とする薬物中毒事案
英会話教室である同社の解約時の精算方法については、消費者から苦情・相談が
多く寄せられていたところ、所管官庁が合理性を認めた結果、最高裁での同社の
中国から輸入された冷凍ギョウザを摂食した者が有機リン中毒を発
敗訴が確定し、方針を変更するに至るまで、多数の被害者が発生した事件
症した事例
悪質住宅リフォーム問題
こんにゃく入りゼリー事故
住宅リフォームについて、十分な判断ができない消費者等を対象に、不要な工
一口サイズのいわゆる「ミニカップ」に入ったこんにゃく入りゼリ
ーが、その大きさや形状、硬さにより誤飲事故を引き起こした事例
事を実施した上で、高額な工事代金を支払わせる事例や、一人の消費者に次か
ら次へと契約させる事例等が発生している問題
おもちゃ事故
和牛預託商法問題
中国製のおもちゃにつき、米国の基準値を超える鉛が含まれていた
として、輸入業者により自主回収が行われた事例
ガス機器一酸化炭素中毒事故
和牛預託商法とは、和牛の飼育から得られた利益を配当するとして、和牛の持
分権を購入させる商法。オーナーは所有する和牛を実際に目にする必要がない
ことから、飼育の実態を伴わない詐欺的な取引が行われるようになり、多数の
契約者が被害にあった問題。その後、1997 年に規制対象となった後も、飼育の
ガス瞬間湯沸かし器につき、安全装置の不正改造等を原因とする一
実態を伴わない経営を続けていた一部業者に対する監督が適切に行われず、処
酸化炭素中毒事故が複数発生したが、長期間にわたり適切な対応が
分に時間がかかった。
なされなかった事例
L&G(円天)事件
プール事故
「円天」と呼ばれる電子マネー形式の疑似通貨や高額配当と引き換えに、協力
児童がプールの排水口に引き込まれて死亡した事故。約40年間に
金名目の出資金を集めるという一種のマルチ商法(ねずみ講)による詐欺的事
60名近い者が同種の事故で死亡。
件。2007 年に出資法違反容疑で強制捜査を受け、その後破たん。
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消費者庁と消費者委員会の創設
○平成 21 年 9 月1日に消費者庁と消費者委員会を創設。
○消費生活の基盤や行政に対する信頼が大きく揺らぐ中で、創設された新たな枠組みの中で行われる消費者政策については、消費
者庁はもとより、各主体がそれぞれの役割を果たすとともにそれぞれが適切に協力することによって、消費者の立場に立って他の
行政機関の個別政策を含めた基本的な政策の推進に万全を期することが求められている。
各主体の役割
○消費者担当大臣・・・・・・内閣府設置法第 12 条の勧告権の適切な行使も含め、関係行政機関の総合調整に万全を期す。
○内閣総理大臣・・・・・・・消費者担当大臣の権限行使が十分に果たされるよう行政各部を指揮監督。
○消費者庁・・・・・・・・・消費者の声に耳を傾け、所掌する消費者関連法令を執行。消費者安全法に基づき、消費者事故等
に関する情報を一元的に集約し、調査・分析、迅速に発信。各府省庁に対し措置要求。
「すき間事
案」について事業者に対し勧告や自ら措置を講ずる。消費者行政の司令塔・エンジン役。
○消費者委員会・・・・・・・消費者の意見が直接届く透明性の高い仕組みであり、かつ、各府省庁の消費者行政全般に対して
監視機能を有する、独立した第三者機関。
○各府省・・・・・・・・・・消費者が主役となる社会の実現を目指して、今後は、相互間の情報の共有を進め、的確な役割分
担や共同の取組によって、それぞれの業務を確実に遂行。
○地方公共団体等・・・・・・消費生活相談体制の充実、法執行の強化、相談員等の人材確保・資質向上、消費者教育・啓発活
動の推進、消費者団体等との連携の確保。消費者行政の充実・強化を積極的に図る。
○事業者・事業者団体・・・・情報の公開・双方向のコミュニケーションの機会の拡充。消費者の信頼を確保するための取組や、
消費者の安全と安心の確保などに向けた取組に努める。政府としても適切な措置。
○消費者・消費者団体・・・・消費生活の安定と向上を図るための自主的な活動に努める。政府としても適切な措置。
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消費者行政のイメージ
内閣府
特命担当大臣
【消費者・食品安全】
JAS法(品質表示基準)に基
づき行う立入検査等について
消費者庁
消費者委員会
連携
消費者行政を監視
消費者行政の司令塔
連携
広域業者の場合
食品安全委員会
農政局等が立入検査等を実
食品のリスクを評価
施し、農林水産大臣又は農政局
長等が指示・公表を、内閣総理
情報
措置要
大臣又は消費者庁長官が命
求・勧告
令・公表を行う
等
消費者への
事業者への
公表・
都道府県域業者の場合
勧告・命令、
各省庁
注意喚起
都道府県が立入検査等を実
指導啓発等
施し、都道府県知事が指示・公
表、命令・公表を行う
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消費者基本計画
○「消費者の権利の尊重」と「自立の支援」を基本理念とする消費者基本法が平成 16 年に施行。
○消費者基本法では、消費者政策の推進は、高度情報通信社会の進展、消費生活の国際化の進展、環境の保全などに配慮して行わ
れなければならないことを定めている。
○消費者基本法に基づき、消費者庁と消費者委員会創設という新たな段階に入った消費者政策について、新たな「消費者基本計画」
(平成 22 年度~26 年度)を閣議決定。
「消費者基本計画」が目指す消費者政策の基本的な枠組みと主な課題
○消費者の権利の尊重と消費者の自立
○地方公共団体、消費者団体等との
の支援
連携・協働と消費者政策の実効性の
・消費者の安全・安心の確保
・消費者の自主的かつ合理的な選択の
機会の確保
・消費者に対する啓発活動の推進と消
費生活に関する教育の充実
・消費者の意見の消費者政策への反映
確保・向上
○経済社会の発展への対応
・環境に配慮した消費行動と事業活
動の推進
・地方公共団体への支援・連携
・消費者団体等との連携
・事業者や事業者団体による自主
的な取組の促進
・行政組織体制の充実・強化
と透明性の確保
・消費者の被害等の救済と消費者の
苦情処理・紛争解決の促進
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・高度情報通信社会の進展への的確
な対応
・国際化の進展への対応
消費者政策の基本理念
○消費者庁は、消費者の権利の尊重、消費者の自立の支援などの基本理念にのっとり、消費者、生活者が主役になる社会の実現に
向けて活動。
消費者の権利
安全を確保する。選択の機会を確保する。必要な情報が提供される。教育の機会を確
保する。意見が反映される。消費者被害が救済される。
消費者の権利の尊重
消費者の自立の支援
消費者政策の基本
消費者庁の役割
○消費者の声に耳を傾け、消費者庁が担当する消費者に関連する法令を執行。
○消費者安全法に基づき、消費者事故などに関する情報を一元的に集約し、調査・分析。
○消費者事故などに関する情報を迅速に発信して、消費者に注意を呼びかける。
○必要に応じて各省庁を動かすとともに、どの省庁も対応しないいわゆる「すきま事案」については、自
ら事業者に対する措置をとる。
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消費者庁が担当する主な法律や制度
○消費者安全法・・・生命・身体や財産にかかわる消費者被害について、消費者への情報提供などを通じて、消費者被
害の発生防止・拡大防止を図る。地方自治体による消費生活センターの設置などを定めている。
○消費者契約法・・・消費者契約について、事業者の不当な勧誘行為によって結ばれた契約の取消し、不当な契約条項
の無効、そして適格消費者団体による差止請求などを定めている。
○景品表示法・・・偽装表示や誇大広告など、商品やサービスについての不当な表示などを規制する。
○特定商取引法・・・訪問販売、通信販売、電話勧誘販売、連鎖販売取引など、トラブルになりやすい取引を対象に、
事業者の不当な勧誘行為を取り締まるための「行為規制」や、トラブル防止・解決のための「民事ルール」(クーリン
グ・オフなど)を定めている。
○食品表示制度・・・食品衛生法、JAS 法、健康増進法に基づく食品表示制度を一元的に所管し、消費者の健康を守り、
選択の機会を確保する。
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消費者庁の国会提出法案
集団的消費者被害回復に係る訴訟制度
食品表示一元化
○平成 25 年 4 月 19 日「消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事
の裁判手続の特例に関する法律案」として国会提出。衆院で継続審議。
○消費者被害は一般に同種の被害が多数発生するという傾向がある。一
○食品衛生法、JAS法、健康増進法のうち、表示部分を一元
方、訴訟にかかる費用や労力との兼ね合い等から、個々の被害者が自ら訴
化した「食品表示法」が平成25年6月 21 日可決・成立
えを提起することにより被害回復を図ることが困難なことが少なくない。
2年以内の施行に向け、今後法律毎に定められている表示基
そうした状況を踏まえ、簡易・迅速に消費者被害の回復を図ることを可能
準を整理・統合
とする二段階型の新たな訴訟制度を検討。
○訴訟手続を二段階に分ける。
○栄養表示の義務化
・ 特定適格消費者団体が訴えを起こし、多数の消費者と事業者との間に
共通する争点(共通争点)について確認。
○申出制度の対象の拡大
・この一段階目の手続で特定適格消費者団体が勝訴すれば、二段階目の手
○適格消費者団体の差止請求権
・特定適格消費者団体の通知・公告により、被害を受けた個々の消費者が
〇【今後の検討課題の検討】(準備が整ったものから、順次、
・加入者が集まった後、特定適格消費者団体が事業者に対し請求する金額
続に移行。
手続へ加入。
新たな検討の場での検討を開始)
等を取りまとめて裁判所に提出し、事業者によるその金額等に対する認否
・加工食品の原料原産地表示の取扱い
等の手続を経て、個々の消費者に対する最終的な返還金額を決めていく。
・遺伝子組換え表示、添加物表示の取扱い
○ 一段階目の手続の判決の効力が、二段階目の手続に加入した消費者に
・中食・外食(アレルギー表示)、インターネット販売の取
も及ぶとすることに特徴。消費者としては、一段階目の手続の結果(特定
適格消費者団体の勝訴)を見定めた上で、二段階目の手続に加入するかど
扱い
うかを判断することができるというメリット。事業者にとっても、多数の
消費者との間の紛争を効率的に解決することができるメリット。
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食料・農業・農村基本計画(その1)
○食料・農業・農村基本法に基づき、新たな「食料・農業・農村基本計画」(平成 22~26 年度)を閣議決定。
食料・農業・農村基本計画(消費・安全局関連)
第 3 食料、農業及び農村に関し総合的かつ計画的に講ずべき施策
1. 食料の安定供給の確保に関する施策
(1) 食の安全と消費者の信頼の確保
[1]食品の安全性の向上
[2]フードチェーンにおける取組の拡大
[3]食品に対する消費者の信頼の確保
(2)国産農産物を軸とした食と農の結び付きの強化
[1]国民との結び付きの強化
(4)総合的な食料安全保障の確立
[1]生産資材の確保等生産面における不安要因への対応
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食料・農業・農村基本計画(その2)
食品の安全性の向上
「後始末より未然防止」の考え方を基本とし、国産農林水産物や食品の安全性を向上させる。このため、食品中の危害要因の含有実態調
査を実施するとともに、科学的根拠に基づく安全性向上のための取組を指針等として提示する。これらの食品の安全性の向上に加え、安全
な生産資材の確保や動植物防疫の推進等の幅広い分野において、安全性向上に活用するための調査研究とその結果の科学的解析を組
み合わせ、それに基づく施策・措置とその企画や立案を推進する。また、科学的知見・データ等の積極的な提供等を通じ、国際基準・規範の
策定に貢献する。さらに、リスク評価機関の機能強化や、リスク管理機関を一元化した「食品安全庁」について、関係府省の連携の下、検討
を行う。
フードチェーンにおける取組の拡大(その1)
国産農林水産物や食品の安全性の向上のため、生産者・食品産業事業者が、フードチェーンにおいて、科学的知見に基づく取組等
を確実に実施できるような体系を構築する。
ア 生産段階における取組
農業生産工程管理(GAP)については、生産者の主体的な取組が進んだが、いまだ産地の導入は限定的な状況にとどまっている。ま
た、国内に様々な GAP が存在するとともに、科学的知見や消費者・実需者のニーズを踏まえた取組への対応も十分に進んでいない
状況にある。このような実態を踏まえ、食品安全に加え、環境保全、労働安全のように幅広い分野を対象とする高度な取組内容を
含む GAP の推進は、消費者・生産者双方がメリットを享受できるものと考えられることから、その共通基盤づくりを進めるととも
に、産地における更なる取組の拡大と取組内容の高度化を推進する。また、安全な食品の安定供給のために、安全な生産資材(肥
料・農薬・飼料・動物用医薬品)の確保を図るとともに、その適正な使用を推進する。
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食料・農業・農村基本計画(その3)
フードチェーンにおける取組の拡大(その2)
イ 製造段階における取組
危害分析・重要管理点(HACCP)についても、GAP と同様に、消費者・事業者双方に有意義なものと考えられることから、その導入
を推進していく必要があるが、導入費用がかさみ、中小規模層において取組が進んでいない実態を踏まえ、「食品の製造過程の管
理の高度化に関する臨時措置法」に基づく長期低利融資に加え、食品の製造実態に応じた低コストで導入できる手法を構築し普及
するとともに、現場責任者等の養成のための取組を強化する。また、HACCP 手法の導入が困難な零細規模層に対して、HACCP 手法の
前提となる一般的衛生管理を徹底する。
ウ 輸入に関する取組
輸入食品における有毒、有害物質の混入事案が相次いで発生していることにより、輸入検疫体制の強化等、輸入食品の安全性の確
保は重要な課題となっており、国民の関心も極めて高い。このため、輸出国政府との二国間協議や在外公館を通じた現地調査等の
実施、情報等の入手のための関係府省との連携の推進、監視体制の強化等により、輸入食品の安全性の確保を図る。
エ 流通段階における取組
食品に係るトレーサビリティについては、「米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律」に基づき、米穀
等の取引等の記録の作成・保存の義務化を内容とするトレーサビリティ制度の導入を円滑に進める。さらに、国民の健康保護、適
正な流通や表示を目指す観点から、米穀等以外の飲食料品についても、米穀等に係る制度の実施状況を踏まえ、入出荷記録の作成・
保存の義務付け等について検討し、その結果に基づいて制度的な対応措置を講じる。また、対応の遅れている農林漁業者や中小食
品産業事業者における取組の拡大を図る。
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食料・農業・農村基本計画(その4)
食品に対する消費者の信頼の確保
米穀等以外の飲食料品についてのトレーサビリティ制度の検討等に加え、消費者にとって分かりやすい食品表示のあり方について
検討を進めるとともに、加工食品における原料原産地表示の義務付けを着実に拡大する。また、JAS 規格の策定と見直しの手続の
透明化を積極的に推進するとともに、インターネット通信販売等における食品情報の標準的な提供方法等新たな規格について検討
し、可能なものから JAS 規格化する。さらに、食への信頼向上に向けた食品産業事業者の主体的な活動を促すため、食品の品質管
理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけるとともに、この取組が取引先や消費者により適正に評価される
機会を増大させる。
国民との結び付きの強化
加えて、日本型食生活の推進をはじめ、食生活の改善や食の安全を確保するためには、日常の食生活や農林水産物・食品の生産・流通現場における体
験等を通じて食のあり方を考えることが重要であることから、引き続き食育を推進する。なお、食育推進基本計画の見直しの際には、以上の考え方を十分
踏まえて検討する。
生産資材の確保等生産面における不安要因への対応
輸入検疫や国内防除・防疫措置の強化については、植物の病害虫や家畜等の伝染性疾病の海外からの侵入や国内のまん延の防止と、他国への拡大の
防止を徹底するため、的確なリスク評価と管理措置を実施する。
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消費・安全局の役割(その1)
○消費・安全局は、消費者を重視した食品安全行政を進めるため平成 15 年 7 月に発足。その際、消費・安全局が国民生活におい
て果たすべき役割を定めている。
消費・安全局の基本理念
1.
「食」は、「いのち」を支える源であり、一日たりとも欠かすことができない国民生活の基本です。消費・安全局は、消費者の視点を大切にして、
国民の健康を守ることが何よりも重要であるという考え方の下で、「食」の安全と安定供給を確保し、消費者が「食」に対する信頼感を持てるよう
な政策を実施します。
2.
私たちの食卓は、国内で生産される農林水産物に加えて、世界中からの様々な食料の輸入によって成り立っています。食品の安全性を向上さ
せ、家畜や農作物の病気や害虫を防ぐための施策は、国際貿易とも大いに関係します。消費・安全局は、科学的な根拠に基づき、国際基準に
沿って、リスク分析の考え方に従い、これらの施策を実施します。
3.
国民が安心して食生活を送るためには、安全な食品の供給に加えて、「食」に対する消費者の信頼が得られるよう、安全性をはじめとした食品
に関する情報の提供が必要です。消費・安全局は、食品の安全性の確保のための施策づくりの過程において的確な情報提供と意見交換を行
います。個々の食品についても、わかりやすい表示を進めることにより、消費者が正確な情報に基づいて食品を選択できるようにします。
また、国民一人一人が生涯を通じて健全な食生活を送ることができるように、食について自ら考え、判断ができる能力を養う食育を進めます。
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消費・安全局の役割(その2)
消費・安全局の目標
1.農場から食卓までのリスク管理の徹底を通じた食品の安全性の向上
2.食品表示の適正化による消費者への的確な情報の伝達・提供
3.家畜や農作物の病気や害虫のまん延防止による食料の安定供給
4.消費者をはじめとした関係者との情報・意見の交換と施策への反映
5.望ましい食生活の実現に向けた食育の推進
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東海農政局消費・安全部等の業務概要
○農林水産省の地方支分部局である東海農政局は、位置は名古屋市で、管轄区域は岐阜県、愛知県及び三重県である。
○東海農政局消費・安全部は、消費生活課、表示・規格課、流通監視課、安全管理課及び業務課の5課から構成。
○東海農政局の地域センターとして、豊橋地域センター、岐阜地域センター、高山地域センター及び津地域センターが置かれ
ている。地域センターの消費・安全グループが、消費・安全部の事務を分掌。
消費生活課
消費者の部屋、食育、食品安全緊急時対応等
表示・規格課
JAS 法に基づく表示・規格の調査、監視等
流通監視課
米穀の流通監視、農産物検査機関の調査等
安全管理課
農畜水産物の生産過程の安全性確保、牛トレーサビリティ等
業務課
愛知県(尾張地域)
地域センター
各地域
(豊橋、岐阜、高山、津)
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食品安全に関する原理・原則(リスクアナリシス)
○食品の安全を確保し、安全性を向上させるには、
「後始末より未然防止」の考えに立ち、生産から消費にわたって、科学的な原則
に基づき必要な措置を講じなければならない。この考え方は現在の国際的な共通認識である。
食品安全基本法に定める食品の安全性の確保についての基本理念
○食品の安全性の確保のための措置を講ずるに当たっての基本的認識:国民の健康の保護が最も重要
○食品供給行程の各段階における適切な措置
○国民の健康への悪影響の未然防止
農林水産省の食品安全に関するリスク管理
農林水産省は、食品中の有害化学物質や有害微生物について、人の健康に悪影響を及ぼす可能性がどの程
度あるか(リスク)を事前に把握し、その問題の発生を未然に防ぐため、生産から消費にわたってあらか
じめ必要な対策を講じる「リスク管理」に取り組んでいる。
農林水産省及び厚生労働省に
サーベイランス・モニタリング
トータルダイエットスタディ
おける食品の安全性に関する
の計画・実施及び結果の評価・
に関するガイドライン
リスク管理の標準手順書
公表に関するガイドライン
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農林水産省が行う食品安全に関するリスク管理
サーベイランス→問題の程度又
は実態を知るための調査
科学的原則に則る。透明性を確保。結果の評価は統計学的原則に従う。
モニタリング→矯正的措置をと
る必要があるかどうかを決定す
るために、傾向を知るための調査
調査対象の有害化学物質や有害微生物の選定は、「農林水産省及び厚
生労働省における食品の安全性に関するリスク管理の標準手順書」に
基づき行う。中期計画に基づき年次計画を策定。
更なる対策は不必要。懸念
汚染実態調査
サーベイランス・モニタリング
を持っている消費者には根
健康影響リスクが十分低い
拠をもって安全と言える。
消費者の信頼確保。
食品供給行程においてどのような有害化学物
質や有害微生物がどの程度農林水産物等に含
有されているのかを調査
健康影響リスクが高い
対策を講じる。事件・事故
の未然防止。
国際基準を策定する場にデータ
を提出して、日本の実情を反映。
21
平成25年度
食品の安全性に関するサーベイランス・モニタリング年次計画
サーベイランスの対象とする危害要因(有害化学物質)
ヒ素、カドミウム、鉛、ダイオキシン類、デオキシニバレノール及びアセチル体、ニバレノール及びアセチル体、T-2 トキシン及
び HT-2 トキシン、ゼアラレノン、フモニシン、アクリルアミド、3-MCPD 脂肪酸エステル、グリシドール脂肪酸エステル、ポリ
ブロモジフェニルエーテル、パーフルオロオクタン酸及びパーフルオロオクタンスルホン酸
モニタリングの対象とする危害要因(有害化学物質)
カドミウム、総水銀、鉛、ゼアラレノン、デオキシニバレノール
サーベイランスの対象とする危害要因(有害微生物)
カンピロバクター、サルモネラ、腸管出血性大腸菌、リステリア・モノサイトジェネス、真菌
注:危害要因ごとに、調査趣旨、具体的調査対象品目及び最低調査点数を定めて調査を実施。農政局は調査の一部を担当。
22
実態調査結果(消費・安全局とりまとめ)
有害化学物質含有実態調査結果(平成15~22年度)
○農畜水産物
・国産の主要農水産物に含まれる汚染物質(かび毒、重金属(鉛、水銀、カドミウム)、ヒ素)の濃度の実態把握・・・約4万点を
分析
・国産又は輸入の農畜水産物中のダイオキシン類の濃度の実態把握・・・1,664 点を分析
・国産の農産物31種類、試料 11,549 点(分析点数約 29 万点)について残留農薬を分析
○加工食品
・国内で販売された加工食品中のかび毒(DON、NIV、パツリン)の濃度を把握するため、1,001 点(分析点数 1,371 点)を分析
・国内で販売された加工食品中のアクリルアミドの濃度の実態把握のため、2,169 点を分析
・国内で販売されたしょうゆ中のクロロプロパノール類の濃度の実態把握のため、914 点を分析
・食品中の多環芳香族炭化水素類(PAHs)濃度の実態把握のため、100 点(分析点数 1,600 点)を分析
・国内で販売された水産加工品中のヒスタミン濃度の実態把握のため、赤身魚であるマグロ類、サンマ、サバ類を対象に、536 点を
分析
・国内で販売された加工食品中のフラン濃度の実態把握のため、760 点を分析
【結論】調査した食品を食べることによって健康への悪影響が起きる可能性は低い。
23
平成21-23年度国産穀類のかび毒含有実態調査の結果(消費・安全局とりまとめ)
平成21-23年度国産穀類のかび毒含有実態調査の結果
・農林水産省は、
「食品の安全性に関する有害化学物質のサーベイランス・モニタリング中期計画」
(平成18年4月20日、平成22年12月22日公表)
に基づき、国産穀類中のかび毒含有濃度の実態を調査しているが、平成21~23年産の小麦及び大麦に含まれるデオキシニバレノール及びそのアセチル
体(3―アセチルデオキシニバレノール及び15―アセチルデオキシニバレノール)
、ニバレノール及びそのアセチル体(4-アセチルニバレノール)、ゼ
アラレノンと、平成20年産で約1年間貯蔵した後の米及び小麦に含まれるオクラトキシンAの調査を実施した。調査試料は、全国の共同乾燥調製施設や
農業倉庫等において、地域の収穫量に応じた点数を採取。
・その結果、3年間を通じて、デオキシニバレノール含有濃度の最大値は、小麦で 0.54mg/kg、大麦で 1.0mg/kg、ニバレノール含有濃度の最大値は、小麦
で 0.52mg/kg、大麦で 0.55mg/kg、ゼアラレノン含有濃度の最大値は、小麦で 0.13mg/kg、大麦で 0.14mg/kg だった。米及び小麦のオクラトキシンA含有濃
度は、全ての試料で定量限界(0.00017mg/kg)未満だった。
・小麦では厚生労働省が定めた小麦の暫定的な基準値を超えてデオキシニバレノールを含むものはなかった。
・今後、農林水産省は、本調査の結果を用いて、かび毒ごとに、麦を主原料とした加工食品の日本人1人当たりの摂取量を試算し、国際機関が定めた耐用
摂取量に対して占める程度等の解析や平成20年度に策定した「麦類のデオキシニバレノール・ニバレノール汚染低減のための指針」の取組の有効性を検
証する。
・デオキシニバレノール及びそのアセチル体、ニバレノール及びそのアセチル体並びにゼアラレノンについては、
「食品の安全性に関する有害化学物質のサ
ーベイランス・モニタリング中期計画」に基づき、指針の効果の検証及び年次変動を把握するため、国産麦類の含有実態調査を継続する。
・オクラトキシンAについては、平成17~21年度の調査の結果、国産米及び小麦中の含有濃度が、平成17~21年度の最大の定量限界(0.00030mg/kg)
未満の低い濃度で推移していることから、新たなリスク管理は不要とし、実態調査を平成21年度で終了した。今後は、気候の急激な変化など、国産穀類
の汚染の原因となるような事象が確認された場合に調査を再開。
24
遺伝子組換えワタ
カルタヘナ法と遺伝子組換えワタ
・我が国で、遺伝子組換え体を使用する場合には、カルタヘナ法に基づき、事前に、申請された使用内容によって生物多様性への影響が生じないかど
うかを科学的に審査し、問題が無い場合のみ、その使用を認めている。
・遺伝子組換えワタについては、食用又は飼料用としての使用に関する申請があり、審査の結果、環境への影響が低いとして、その使用が認められて
いる。ただし、遺伝子組換えワタの栽培については、これまで申請がなかったことから、国内で栽培することは認められていない。(万一、遺伝子組
換えワタを国内で栽培した場合には、法律違反となる。)
ワタの栽培用種子の輸入
・米国、中国、インドなどのワタの生産国の多くでは、遺伝子組換えワタの栽培が認められているため、こうした国では、栽培用として遺伝子組換え
ワタの種子が広く流通している。
*遺伝子組換えワタの栽培が認められている国名:アメリカ、アルゼンチン、インド、オーストラリア、コスタリカ、コロンビア、中国、パキスタン、
ブラジル、ブルキナファソ、南アフリカ、ミャンマー、メキシコ
・ワタを栽培するにあたり、栽培用の種子を輸入する場合には、輸入しようとしているワタ種子が遺伝子組換え体でないことを、カタログやインター
ネット、販売店への問い合わせなどで十分に確認する必要がある。
・地方農政局でも遺伝子組換えワタの種子輸入、栽培がおこなわれないよう都道府県に対し注意喚起を行った。
25
地方農政局の農薬関係事務
肥料、農薬、植物防疫
・国内産農産物に係る農薬の使用状況及び残留実態調査
・農薬登録を受けていない除草剤の販売状況点検・指導
・くん蒸による農薬使用者の農薬使用計画書の受理及び
巡回点検・指導
地方農政局の肥料関係事務
・ゴルフ場における農薬使用者の農薬使用計画書の受理
・肥料登録有効期間更新申請書受付及び登録証の発行
及び計画書の閲覧
・肥料登録関係その他(変更届、失効届等)受付
・巡回点検等における疑義資材に関する情報収集、口頭
・指定配合肥料に関する届出受付
指導
・生産事業場の略称に関する届出受付
・普通肥料生産・輸入数量報告
・「と畜場から排出される汚泥の肥料利用について」に
地方農政局の植物防疫関係事務
基づく報告
・牛せき柱の飼料・肥料への使用禁止措置に係る原料収
・発生予察事業に係る都道府県との連絡調整及び研修会
集先への同行調査
・植物防疫事業交付金の都道府県に対する交付
・IPMの普及推進
・マイナー作物登録推進関係業務
26
肥料取締法の概要
法の目的
普通肥料の公定規格
肥料の品質等を保全し、その公正な取引等を確保す
肥料の種類毎に、含有すべき主成分(窒素、リン酸、カリ等)の最小量、含有が許
るため、肥料の規格及び施用基準の公定、登録、検
される植物にとっての有害成分(カドミウム等)の最大量等を農林水産大臣が設定
査等を行い、もって農業生産力の維持増進に寄与す
るとともに、国民の健康の保護に資すること
普通肥料の登録等
肥料の区分と登録
・登録の調査
申請書の記載内容、肥料の見本等から、公定規格との適合性、名称の妥当性、植
・特殊肥料(農林水産大臣の指定する米ぬか、たい
肥、その他の肥料)
物の生育に対する害の有無等を調査
・登録の有効期間:3年又は6年
生産、輸入する前に都道府県知事にその旨を届出
・普通肥料(特殊肥料以外の肥料)
生産、輸入する前に農林水産大臣又は都道府県知事
に銘柄毎に登録
保証票の添付
立入検査
肥料の取締り上必要があるとき、生産業者等に対して
普通肥料を譲渡するときは、肥料の種類・名称、保証する主成分の最小量、生産
実施し、関係書類や生産状況等を検査するとともに、
業者の氏名・住所・生産年月日等を記載した保証票の添付を、生産業者・販売業
製品等を収去(農林水産消費安全技術センター、都道
者に対して義務づけ
府県)
27
平成 23 年度国内農産物における農薬の使用状況及び残留状況調査結果(平成 25 年 6 月 21 日消費・安全局公表)
農薬の使用状況
・4,665 戸の農家について、農薬の使用状況を調査。
・不適正な使用が見られたのは、16 戸(0.34%)。ほぼすべての農家で農薬が適正に使用されており、生産現場における農薬の適正使用についての
意識が高いと考えられる。本来の使用回数を上回って使用するなど不適正な使用のあった農家に対しては、地方農政局及び都道府県が農薬の適正
使用について改めて指導を行った。
農薬の残留状況
・1,190 検体の農産物について残留農薬を分析。
・その結果、農薬の残留濃度は食品衛生法による残留基準値を超えていなかった。ほとんどの農家が適正に農薬を使用しているとした農薬の使用
状況を反映していると考えられる。
当該調査は今後も継続して実施していく予定です。
28
発生予察事業の概要
病害虫の発生予察事業
・病害虫のまん延は、我が国の農業に重大な損害を与えるおそれがあり、
発生予察事業の目的
かつ、県境を越えて拡大するため、国と都道府県は協力して病害虫の防
除を行い、まん延を防止する必要がある。
・発生予察については、広域に発生し、急激にまん延して農作物に重大な
・このため、都道府県の協力のもとに、病害虫の発生状況、気象、農作
被害を与える病害虫について、その発生動向等を調査し、防除を要する病
物の生育状況等の調査を実施し、その後の病害虫の発生を予測し、それ
害虫や防除対策に関する情報を農業者等に提供することにより、病害虫の
に基づく情報を農業者等に提供している。
防除を効果的かつ効率的に行い、その被害を防止して農業生産の安定と助
病害虫防除所
長を図ることを目的としており、その実現を図るための事業として実施し
ています。
・発生予察事業に必要なデータは、各県に設置された病害虫防除所が県内
各地に設置した予察灯やほ場等を調査し収集。県内の病害虫発生を監視す
発生予察情報の種類
る要として存在。
平成25年度の東海農政局管内の注意報
・予報:概ね月に1回、病害虫の発生予測及び防除情報を発表
・警報:県の判断で適宜、重要な病害虫が大発生することが予測され、か
・岐阜県
つ、早急に防除措置を講ずる必要が認められる場合に発表
7月18日
・注意報:県の判断で適宜、警報を発表するほどではないが、重要な病害
水稲(斑点米カメムシ類)
・愛知県
虫が多発することが予測され、かつ、早めに防除措置を講じる必要が認め
4月16日
ナシ(黒星病)
られる場合に発表
7月
水稲(斑点米カメムシ類)
・特殊報:県の判断で適宜、新たな病害虫を発見した場合及び重要な病害
2日
・三重県
虫の発生消長に特異な現象が認められた場合に発表
5月20日
茶(チャノコカクモンハマキ)
・その他:県の判断で適宜、月報、技術情報など、上記に含まれない情報
7月17日
水稲(斑点米カメムシ類)
を発表
※平成25年7月までの発令
29
平成 29 年度まで
地域特産物への農薬適用の拡大
に 400 件の農薬
課題
平成 14 年の農薬取締法の一部改正
・無登録農薬の製造及び輸入の禁止
拡大を実現。
農作物の安定的生産に農薬の使用
地域特産作物の農薬適用拡大加
は欠かせないものであるが、地域特
速化事業
産作物に使用可能な農薬は少なく、
・輸入代行業者による広告の制限
25 年度予算概算要求
地域が主体となった農薬適用
生産地からは農薬適用拡大に多く
拡大の取組を支援するため、適
・無登録農薬の使用規制の創設(一部農家
の要望が寄せられている。しかしな
用拡大を加速化する上で技術的
が無登録農薬と知りながら、これを使用し
がら、 地域特産作物に使用可能な
な課題が生じている地域特産作
ていた実態を踏まえ、無登録農薬を農作物
農薬の適用拡大に取り組む都道府
物について、農薬適用拡大に必
等の防除に用いることを法的に禁止。)
県等においては、作物の有する成分
要な薬効、薬害、残留農薬のデ
等の特徴から標準的な試験方法の
ータ測定等の試験実施への支援
・農薬の使用基準の設定(農薬の使用に伴
確立が困難で技術的課題が生じて
及びそれらの試験を行うために
って、作物への残留等の問題が発生するこ
いるものがあることから、その取組
必要な経費に対する補助を行
とを防止するため、農林水産大臣及び環境
が進捗しないことが課題となって
う。
大臣は、使用者が遵守すべき基準を定める
いる。
こととし、この基準に違反して農薬を使用
してはならないこととした。)
愛知県:しそ、エディ
ブル・フラワー、ハー
・法律違反の罰則の強化
ブ類等の全国的産地
30
ウメ輪紋ウイルス(プラムポックスウイルス)
ウメ輪紋ウイルス(プラムポックスウイルス)とは
・モモ、スモモなどのPrunus属の植物に広く感染する重要な植物ウイルス。1915年にブルガリアで発見されて以来、欧州、アジア、北米、南米等でも確認。
これまでウメへの自然感染の報告はなかったが、2009年に東京都青梅市で初めて確認。アブラムシにより媒介されるほか、穂木や苗を経由して感染。生果実
は感染経路にはならないとされている。モモやスモモでは、葉に退緑斑紋や輪紋が生じるほか、果実の表面に斑紋が現れ、商品価値が失われたり、成熟前の
落果により減収するとの報告がある。ウメでは、葉に退緑斑紋や輪紋が生じるほか、花弁にブレーキング症状(斑入り症状)が現れることもある。なお、これ
までのところ果実への顕著な症状は見られていない。
・防除方法は、アブラムシの防除の徹底、感染樹の除去、無病健全な苗の使用。
・宿主植物は、Prunus属の果樹(モモ、スモモ、ネクタリン、アンズ、サクラ(オウトウ)など)、セイヨウマユミ、ナガバクコ、ヨウシュイボタ等。
緊急防除の概要
・植物防疫法に基づき、平成 22 年 2 月 20 日からプラムポックスウイルス(ウメ輪紋ウイルス)の緊急防除を開始。封じ込め・根絶を図るため、防除区域内
で、感染している又はそのおそれがある植物の抜根焼却等を行うほか、規制対象植物の生植物(種子・生果実を除く。
)は、防除区域からの持ち出しを原則
禁止。
・規制対象植物は、サクラ属(ウメ、モモ等)
、セイヨウマユミ、ナガバクコ、ヨウシュイボタの生植物(苗、切り花、切り枝等。種子・生果実を除く。
)
・防除区域は、東京都青梅市(全域)
、あきる野市(全域)、昭島市(大字の一部)、八王子市(大字の一部)、羽村市(大字の一部)
、福生市(大字の一部)
、
奥多摩町(大字の一部)
、日の出町(全域)
、兵庫県伊丹市(大字の一部)、宝塚市(大字の一部)、川西市(大字の一部)、尼崎市(大字の一部)
注:
は平成 25 年 2 月 10 日追加
・防除期間:平成 22 年 2 月 20 日~平成 27 年 3 月 31 日
注:東海農政局管内では、平成 21 年度から県が本病発生調査を実施。東海農政局は消費・安全対策交付金で調査を支援。
31
植物の輸入検疫の取組
植物の輸入検疫の取組(消費・安全局植物防疫課及び植物防疫所)
・植物の病害虫が海外から輸入される植物に付着して日本に侵入することを防ぐため、輸入検疫を実施。量や商用・個人用を問わず、貨物、携帯品、郵便物で
輸入されるすべての植物が対象となる。
・病害虫が日本に侵入すると、農業生産の収量が減少し、農産物の安定供給ができなくなるほか、森林破壊がおきる。この防止はとても重要。病害虫の侵入が
発生すると、日本国内からなくすために莫大な費用や労力が必要。例えば、過去に日本国内から農作物に重大な被害を与えるウリミバエとミカンコミバエをなく
すために、20 余年の歳月と 254 億円もの多額の費用がかかった。そこで、農林水産省の植物防疫官は、国内に病害虫が侵入しないよう、日本の港や空港で検
査。
・農林水産省植物防疫所では、日本の農業と緑を守るために、輸入される植物の輸入検疫を実施。一方、厚生労働省検疫所では、食品の安全性を確保するた
めに、食品検査を実施。
農林水産省植物防疫所・・・植物防疫法に基づく検査。検査対象は植物。規制の対象は、植物に有害な病害虫(ミバエ類、たばこべと病など)。検査の内容
は、植物に害虫や病気が付着していないかどうか。
厚生労働省検疫所・・・・・・食品衛生法に基づく検査。検査対象は食品等。規制の対象は、人体に有害なもの(細菌、重金属、残留農薬、カビなど)。検査の内
容は、食品衛生法に定められた基準(残留農薬など)に適合しているかどうか。
32
飼料、養殖水産物
飼料安全に係る農林水産省の役割
飼料使用状況調査
○飼料とは、
○趣旨
・一種以上の栄養素を含み、家畜の栄養に供することができるもの
家畜の飼養農家等における飼料の使用状況等の点検
・家畜にとって安全であること
→法令の遵守状況、飼料の使用等に起因する問題の
・家畜から生産される畜産物がヒトにとって安全であること
可能性等を把握。
→飼料の安全性確保体制の強化を図る。
○作物残留試験、飼養試験→科学的根拠に基づく飼料中の基準の設定(安
→安全な畜産物の生産に資する。
全・品質をコントロール)→安全で有用な飼料の安定供給→安全な国産畜
産物の安定供給及び消費者の健康保護とより豊かな食生活の保証
○平成25年度調査計画
乳用牛:全国500戸(東海農政局19戸)
○根拠法律:飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律
肉用牛:全国500戸(東海農政局15戸)
養殖経営体の水産用医薬品使用状況調査
○水産用医薬品の使用及び保管の適正化を図るため、養殖業者における水産用医薬品の使用状況等の点検調査を実施。
○平成25年度調査計画
全国376戸(東海農政局49戸)
対象養殖水産動物:ぶり類、まだい、すずき目魚類、かれい目魚類、さけ科魚類、ふぐ目魚類、こい目魚類、うなぎ、あゆ、くる
まえび
33
牛海綿状脳症(BSE)その1
我が国における BSE の発生状況
・平成13年9月に初めて BSE が確認され、その後現在までに、と畜検査で22頭、死亡牛検査で14頭(計36頭)の発生を確認。
・BSE 感染牛を出生年別にみると、平成8年生まれが12頭、平成12年生まれが13頭と多くなっている。
・8例目及び24例目は、検出された異常プリオンたんぱく質の性状が定型的なものと異なるとされている。
・飼料規制の実施直後に出生した牛(平成14年1月以降に生まれた牛)での発生はない。
BSE 対策の実施状況
・と畜場における BSE 検査体制及び特定危険部位の除去体制の確立。
(検査対象月齢は48か月齢以上。特定危険部位は焼却。
)
・肉骨粉等の飼料原料の給与規制等による BSE 感染経路の遮断。
(牛由来肉骨粉は全ての国からの輸入、肥料・飼料利用を禁止。牛と鶏・豚の飼料の製造工
程又は施設を分離=交差汚染防止対策。輸入飼料の原料の届出、小売業者の届出。
)→地方農政局が、肉骨粉等の原料収集先で、牛由来原料の混入防止措置
等の確認調査を実施。
・24か月齢以上の死亡牛についての届出義務と BSE 検査体制の確立(家畜保健衛生所)
。
世界の BSE 発生状況
発生のピークは1992年(37,316 頭)
。BSE 対策の進展により、発生頭数は減少。2013年は1頭。
34
牛海綿状脳症(BSE)その2
BSE 対策の再評価
平成24年10月22日、食品安全委員会は厚生労働省に対し、リスク評価の結果、次の措置について、人の健康への影響は無視できるとする旨の答申。
その答申を踏まえ厚生労働省を中心に国内検査体制の見直し及び関係法令の改正等検討が行われ、薬事・食品衛生審議会への報告を経た結果、国境措置に
ついては平成25年2月1日から、国内措置については平成25年4月1日から施行。
・国境措置:①輸入牛肉の月齢制限を「20か月齢」から「30か月齢」に変更、②特定危険部位(SRM)の範囲を頭部(扁桃を除く。
)、せき髄及びせき
柱について「全月齢」から「30か月齢超」に変更。
・国内措置:①検査対象月齢を「20か月齢」から「30か月齢超」
(平成25年7月1日から「48か月齢超」
)に変更、②SRM の範囲を頭部(扁桃を除
く。
)
、せき髄及びせき柱について「全月齢」から「30か月齢超」に変更。
日本の BSE ステータスの認定等
・OIE(国際獣疫事務局)は、申請に基づき、加盟国の BSE 発生リスクを科学的に3段階に分類しており、2009年5月の OIE 総会において、我が国を
「管理されたリスクの国」に認定。また、2013年2月には「無視できるリスクの国」の条件を満たし、同年5月の OIE 総会において「無視できるリス
クの国」に認定。
「無視できるリスク」の条件・・・5万頭に1頭の BSE 感染牛の検出が可能なサーベイランス。過去11年以内に自国内で生まれた牛で発生がないこ
と。有効な飼料規制が8年以上実施されていること。
「管理されたリスク」の条件・・・10万頭に1頭の BSE 感染牛の検出が可能なサーベイランス。有効な飼料規制が実施されていること。
・EU は、一定の条件を満たした国において、BSE 検査対象月齢を健康牛については72か月齢超、死亡牛については48か月齢超へと、変更することが
可能となった。
35
牛トレーサビリティ制度
立入検査等
牛トレーサビリティ制度の概要
【趣旨】牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法
・農林水産省では、牛の管理者、と畜者、販売業者、特定料理提供業者(焼
(牛トレーサビリティ法)は、BSEのまん延防止措置の的確な実施や
き肉、しゃぶしゃぶ、すき焼き、ステーキを主に提供)に立入検査等を、常
牛肉の安全性に対する信頼確保を図るため、制定された。
時、実施。
【メリット】消費者が牛の個体識別情報にアクセスすることが可能であ
【生産段階】耳標の装着確認、届出が正しいか牛舎等で確認。
るメリットがあるほか、食品事故等発生の場合の追跡・回収、JAS法
の原産地表示の偽装防止等にも有効。
【と畜段階】個体識別番号表示を確認。帳簿を確認。原則すべての牛の
【制度の概要】
枝肉から照合用サンプル採取。
○国内で飼養されたすべての牛(輸入牛を含む。
)に、10桁の個体識別
番号が印字された耳標が装着される。
○個体識別番号によって、その牛の性別や種別(黒毛和種等)に加え、
【流通段階】帳簿を確認。個体識別番号表示を確認。小売等からサンプ
出生から、肉用牛であれば肥育を経てと殺まで、乳用牛であれば生乳生
ル採取。
産を経て廃用・と殺までの飼養地等が、データベースに記録。
○牛がと殺され牛肉となってからは、枝肉、部分肉、精肉と加工され流
通していく過程で、その取引に関わる販売業者等により、個体識別番号
照合用サンプルにより、DNA
鑑定を実施
が表示され、仕入れ・販売の相手先等を帳簿に記録・保存。
○これにより、国産牛肉について、牛の出生から消費者に供給されるま
での間の追跡・遡及、すなわち生産流通履歴情報の把握(牛肉のトレー
サビリティ)が可能となる。購入した牛肉に表示している個体識別番号
により、インターネットで牛の生産履歴を調べることができる。
36
口蹄疫
東海農政局も宮崎県へ人的支援
宮崎県における発生
・平成22年4月20日、宮崎県において我が国で10年振りに口蹄疫が発生。292戸で発生し、牛、豚等約21万頭を殺処分。
・移動制限や感染家畜の処分、消毒等の防疫措置を実施したものの、宮崎県東部において局地的に感染が拡大したことから、我が国で初めての緊急ワクチン
接種を実施。ワクチン接種殺処分約9万頭。
・この結果、口蹄疫の発生は減少し、平成22年7月4日以来発生は確認されず、7月27日に全ての移動制限を解除。
・平成23年2月5日に、OIE によるワクチン非接種清浄国への復帰の認定。
近隣アジア諸国を中心とした海外における発生状況
・口蹄疫については、中国、台湾等の近隣アジア諸国で断続的に発生しており、人や物を介した我が国への侵入リスクは依然として極めて高い状況。
・我が国は、侵入防止措置として水際検疫体制を強化することに加え、本病への対策の一環として、アジア全体で発生を抑制することが重要であるとの観点
から、アジア地域の防疫支援のための事業を実施するとともに、平成23年12月には「口蹄疫防疫に関する日中韓等東アジア地域シンポジウム」を開催し、
東アジア地域における本病の防疫対策等について情報交換する等国際的な連携を強化。
口蹄疫等の侵入防止のための水際検疫の強化
・韓国等東アジアにおける口蹄疫の発生を受け、国内への侵入を防止するため、空海港における入国者の靴底消毒・車両消毒を更に徹底するとともに、旅客
への注意喚起や検疫探知犬を活用した抜き打ち検査の強化など動物検疫の一層の強化・徹底を実施。
・平成23年4月の家畜伝染病予防法の改正に伴い、発生国からの入国者に対し質問を実施したり、携帯品の検査や必要に応じた消毒を実施することができ
るようになるなど、ウイルス侵入防止措置をより一層強化。
37
高病原性鳥インフルエンザ(その1)
平成22年度における発生状況
・平成22年11月~平成23年3月に、高病原性鳥インフルエンザが、千葉県、愛知県、三重県、奈良県、和歌山県、島根県、大分県、宮崎県及び鹿児島
県の全9県の24農場において、約183万羽の家きんについて、発生。全て H5N1 亜型(高病原性)
。東海農政局管内では、愛知県にあっては、豊橋市及び
新城市の2農場、約17万羽の家きんについて、三重県にあっては、紀宝町及び南伊勢町の2農場、約31万羽の家きんについて発生。
東海農政局も愛知県、三重県へ人的支援
平成22年度の発生への対応(その1)
・平成22年11月の島根県安来市での発生に際して、初めてウイルス分離の結果を待たずに、症状及びPCR検査の結果から、迅速に疑似患畜と判定し、
殺処分等の初動防疫を開始。
・発生時には、大臣を本部長とする高病原性鳥インフルエンザ対策本部を開催し、次の対応方針を決定。
① 防疫指針に基づき、当該農場の飼養家きんの焼埋却、移動制限区域の設定等を実施
② 移動制限区域内の農場について、速やかに発生状況確認検査を実施
③ 発生農場周辺を消毒するとともに、主要道に消毒ポイントを設置
④ 政務三役が発生都道府県と密接に連絡
⑤ 農林水産省の専門家を現地に派遣
東海農政局も消費者相談窓口を開設
⑥ 動物検疫所から「緊急支援チーム」を現地に派遣
⑦ 疫学調査チームを現地に派遣
⑧ 全都道府県に対し、高病原性鳥インフルエンザの早期発見・早期通報に関する通知を発出
⑨ 関係府省と十分に連携を図りつつ、正確な情報提供に努める
38
高病原性鳥インフルエンザ(その2)
平成22年度の発生への対応(その2)
・発生農場を中心とする移動制限区域内の農場について、感染確認検査で全て陰性を確認した後、条件付きで卵の出荷を許可。(最短で発生の3日後には卵
の出荷を再開。
)
・感染確認検査の結果を踏まえ、防疫指針に基づき移動制限区域の縮小(半径10km→5km)と搬出制限区域の設定(半径5~10km)の実施。
・移動制限区域・搬出制限区域内の家きん飼養農家全戸について、清浄性確認のための検査で全て陰性を確認した後、搬出制限区域を解除。(移動制限区域
は継続。
)移動制限区域内で新たな発生が認められなければ、発生農場の防疫措置が完了した日から21日が経過した時点をもって、移動制限を解除。
平成21年までにおける発生状況
・平成16年・・・1月以降、我が国で79年ぶりとなる高病原性鳥インフルエンザが、山口県、大分県、京都府で発生。H5N1亜型。
・平成17年・・・6月以降、茨城県、埼玉県で、低病原性鳥インフルエンザが発生。H5N2亜型。
・平成19年・・・1~2月、宮崎県及び岡山県で、高病原性鳥インフルエンザが発生。H5N1亜型。
・平成21年・・・2~3月、愛知県のうずら農場で低病原性鳥インフルエンザが発生。H7N6亜型。
(7農場、約160万羽。
)
高病原性鳥インフルエンザ対策の概要
アジア周辺諸国等海外では、依然とし
・海外の発生情報の収集及び水際検疫体制の確立。
て高病原性鳥インフルエンザが発生。
・家きん・野鳥のモニタリングによる監視及び異常家きん等の早期発見・早期通報の徹底。
・農場の飼養衛生管理の徹底による発生予防対策の実施。
・防疫演習や緊急防除対応等の危機管理体制の構築。
高病原性鳥インフルエンザ防疫指針に
・発生時の殺処分や移動制限などの迅速なまん延防止対策の実施。
より我が国の清浄性を維持。
39
国内防疫の取組
農場における飼養衛生管理
国内防疫の取組
・国は、都道府県と連携して、家畜伝染病の発生予防やまん延防止のため
・農林水産大臣が、家畜伝染病予防法の対象となる家畜全てについて、そ
の取組を実施。
の飼養に係る衛生管理の方法に関し、家畜の所有者が遵守すべき基準(飼
・発生予防として、農場における飼養衛生管理の徹底やサーベイランスに
養衛生管理基準)を定めるとともに、家畜の所有者に当該基準の遵守を義
よる発生状況の把握、ワクチン接種の指導等を実施。
務付け、家畜の伝染性疾病の発生を予防。県が遵守状況を確認。
・疾病の発生時には、まん延を防止するため感染家畜の処分や移動制限な
・飼養衛生管理の徹底は、食品の安全性を確保するための生産段階におけ
どを実施。
る取組ともなる。
家畜の飼養衛生管理基準の設定
5.衛生管理区域の衛生状態の確保(畜舎・器具の定期的な清掃又は
1.家畜防疫に関する最新情報の把握
消毒及び密飼いの防止。
)
2.衛生管理区域の設定(徹底した衛生管理が必要な区域を他の区域
6.家畜の健康観察と異常がある場合の対処(毎日の健康観察と異常
と区分。
)
時の早期通報・出荷停止。
)
3.衛生管理区域への病原体の持込み防止(不要不急な者の立入りの
7.埋却地の確保等(埋却地の確保又は焼却・化製のための準備。
)
制限。消毒設備の設置と入場車両・入場者に対する消毒の実施。
)
8.感染ルート等の早期特定のための記録作成・保存(入場者に関す
4.野生動物等からの病原体の感染防止(給餌・給水設備への野生動
る記録の作成・保存。)
物の排せつ物等の混入防止。養鶏農家の防鳥ネット等の整備。
)
9.大規模所有者に関する追加措置(家畜保健衛生所と緊密に連絡を
行う担当獣医師の設置。通報ルールの作成。
)
40
動物検疫の取組
動物検疫の取組(消費・安全局動物衛生課及び動物検疫所)
・目的
① 家畜伝染病予防法に基づく家畜の伝染性疾病の侵入防止
② 狂犬病予防法や感染症法に基づく狂犬病等の人獣共通感染症の侵入防止
③ 水産資源保護法に基づく水産動物の伝染性疾病の侵入防止
・体制
① 動物衛生課において海外情報を収集し、輸入禁止措置、輸入時の衛生条件等の設定、対日輸出施設の査察等を企画・
実施。
②
動物検疫所(横浜本所のほか、全国に7支所・16出張所を設置)において、家畜伝染病予防法等に基づき指定された
港及び空港において輸出入動物及び畜産物等の検査及び検査に基づく措置を実施。
東海農政局管内にある動物検疫所は、中部空港支所、名古屋出張所及び四日市分室である。
41
ペットフード安全法
ペットフード安全法の概要
・趣旨
愛がん動物用飼料の安全性の確保を図り、もって愛がん動物の健康を保護し、動物の愛護に寄与するため、愛がん動物用飼料の基準
又は規格を設定するとともに、当該基準又は規格に合わない愛がん動物用飼料の製造等を禁止する等の措置を講ずる。
・法律の内容(対象動物は犬及び猫)
(1)基準又は規格の設定及び製造等の禁止
(2)有害な物質を含む愛がん動物用飼料の製造等の禁止
(3)愛がん動物用飼料の廃棄等の命令
(4)製造業者・輸入業者の届出
(5)帳簿の備付け
(6)報告徴収・立入検査
立入検査は、国及び(独)農林水産消費安全技術センターが、輸入業者、製造業者、販売業者等に対して、原則として無通告で、
実施。帳簿の備付けの状況、輸入・製造されたペットフードが基準・規格に適合していること等を確認。製品を分析するため、集取
する場合がある。
42
食品中の放射性物質の新基準値及び検査について(厚生労働省関係)
食品中の放射性物質への対応の流れ
検査実施状況
17 都県を中心に地方自治体にお
・食品中の放射性物質に関する基準値の設定
いて、検査計画に基づく検査を実
(飲料水10、牛乳50、乳児用食品50、一般食品100(単位:ベクレル/kg))
↓
施
・H23 年 3 月 18 日~H24 年 3 月
・食品中の放射性物質に関する検査
31 日に 137,037 件を検査、うち
↓
暫定規制値超過 1,204 件
・基準値超過食品の回収、廃棄
・H24 年 4 月 1 日~H25 年 3 月 31
食品衛生法に基づき、基準を超えた食品については、同一ロットの食品を回収、廃棄
↓
日に 278,275 件を検査、うち基準
値超過 2,372 件
・食品の出荷制限【原子力災害対策本部】
・H25 年 4 月 1 日~H25 年 6 月 28
原子力災害対策特別措置法に基づき、基準を超えた地点の広がり等を踏まえ、県域又は県
内の一部の区域を単位として出荷制限等を指示
日に 81,066 件を検査、うち基準
値超過 356 件
↓
・食品の出荷制限等の解除【原子力災害対策本部】
直近の1ヶ月以内の検査結果が、1市町村当たり3カ所以上、すべて基準値以下など
43
食品中の放射性物質への農業生産現場における対応(農林水産省関係)その1
農産物に関する取組
・放射性物質の吸収抑制の取組
果樹の粗皮削り等、茶の剪定
25年産米の取組
<作付等に関する方針>
・食品の新基準値(食品 100Bq/kg、牛乳
24 年産米の取組を踏まえ、作付制限、吸収抑制対策等
及び収穫後の検査を組み合わせて安全確保を図る
50Bq/kg)を超えない食肉や牛乳が生産さ
・収穫後の放射性物質調査
農地土壌・資材に関する取組
・農地の除染の取組
表土の削り取り
表層土と下層土の反転
・肥料等の資材の調査、利用の自粛
農地土壌の汚染を招かないようにする
ため、肥料、土壌改良資材、培土等の資材
についても暫定許容値を設定し、許容値を
超過するものについては利用の自粛等を徹
底
畜産物に関する取組
れるよう、飼料の暫定許容値を改訂。
(牛
(1) 作付制限
帰還困難区域など、基準値を超えない米が生産できる
ことが検証されていない地域では、作付を制限
(2) 作付再開準備避難指示解除準備区域など、
今後 1,2
年程度で作付再開を目指す地域では、県及び市町村が
管理計画を策定し、実証栽培を実施
(3) 全量生産出荷管理
25 年産から作付を再開する地域又は 24 年産米で 100
Bq/kg を超える放射性セシウムが検出された地域では、
県及び市町村が管理計画を策定し、ほ場毎に吸収抑制
対策等を徹底した上、生産量の全量を把握し、全袋検
査を実施する条件で、作付を行う
(4) 全戸生産出荷管理
24 年産米で 50 Bq/kg を超える放射性セシウムが検出
された地域等では、農家毎に吸収抑制対策等を徹底し
て全戸検査を実施
(5) 地域単位で抽出検査
上記以外の地域では、必要に応じて吸収抑制対策等を
行い、地域単位で抽出検査を実施
なお、福島県では全袋検査の体制を整えていること
から、上記(4)(5)の地域において、全戸検査や抽出検
査に代えて全袋検査を行うことを地域で選択できるこ
ととする。
100,豚 80,鶏 160,養殖魚 40
(単位 Bq/kg))
。
・飼料の新暫定許容値以下の粗飼料(牧草
等)への速やかな切替え
・新暫定許容値以下の牧草生産が困難な牧
草地の反転耕等による除染対策の推進
・代替飼料確保や牧草地の除染対策の支援
・牛肉の全頭・全戸調査(出荷制限対象4
県で(岩手、宮城、福島、栃木)出荷条件
として実施。茨城、群馬、千葉でも、モニ
タリング調査として、全戸調査を実施。
)
・乳の調査(2週間に1度実施。7県では、
1週間に1度に強化。)
44
食品中の放射性物質への農業生産現場における対応(農林水産省関係)その2
きのこ等の特用林産物に関する取組
水産物に関する取組
・食品の基準値(100Bq/kg)を超えないきのこが生産されるよう、
・調査対象魚種の拡大や調査頻度の増加など調査を強化(過去に
きのこ原木・菌床用培地の「当面の指標値」を設定(きのこ原木
50Bq/kg を超えたことのある魚種や主要水産物を中心に調査。近隣県
50Bq/kg、菌床用培地 200Bq/kg)
の調査結果を参考。)
・安全なきのこ原木の確保(安全な原木の購入支援、需給マッチン
・水産物の出荷制限(食品の放射性セシウム基準値を超え、かつ地域
グ)
的な広がりが認められる水産物について、原子力災害対策本部長が関
・汚染低減の支援(原木除染、簡易ハウス導入、汚染低減技術の普
係都道府県知事に対し当該水産物の出荷制限等を指示。
)
及)
・自主規制(福島県や近隣の宮城県及び茨城県では、食品の基準値
・検査の強化(都道府県にきのこ原木等の状況の点検や原木きのこ
(100Bq/kg)を超える恐れのある水産物の出荷を控えるため、自主規
等の特用林産物の出荷前検査を要請)
制を実施。)
・野生きのこ・山菜の採取に関する情報提供(ホームページ、パン
・平成23年10月から、東日本太平洋側で漁獲された生鮮水産物を
フレットによる情報発信、巡回指導)
中心に、生鮮水域の区画及び水域名を明確化し、原産地表示を推奨。
これにより、放射性物質の調査の情報を消費者にわかりやすく伝達。
(JAS法上は、水揚げした港名又はその県名で可。
)
45
農産物の検査結果の概要(平成 24 年 4 月 1 日~平成 25 年 3 月 31 日)その1
米(単位:点)
放射性セシウム基準値(100Bq/kg)以下
検査点数
放射性セシウム基準値(100Bq/kg)超
放射性セシウム基準値
50Bq/kg 以下
50Bq/kg 超
100Bq/kg 超
500Bq/kg(暫定規
(100Bq/kg)の
(「検出せず」を含む)
100Bq/kg 以下
500Bq/kg 以下
制値)超
超過割合
全袋検査分
1,031 万
1,031 万
2,085
84
0
0.0008%
抽出検査分
9,213
9,204
9
0
0
0%
24 年度
注 1: 検出下限値以下は 50 Bq/kg 以下として集計。
注 2: 24 年度の結果については、福島県などで実施した全袋検査を含む。
注 3: 厚生労働省が公表している検査結果に基づき作成
46
農産物の検査結果の概要(平成 24 年 4 月 1 日~平成 25 年 3 月 31 日)その2
米以外の農産物(単位:点)
品目
放射性セシウム基準値 100Bq/kg 超
検査点数
1,818
麦
0
4,069
23
329
2
野菜
18,570
5
果実
4,478
13
2,918
14
豆類
大豆
その他豆類
地域特産物(そば)
176
地域特産物(そば以外)
6,588
きのこ・山菜類
注 1: 一般食品の基準値は 100Bq/kg
注 2: 大豆の基準値は平成 24 年 12 月 31 日まで経過措置により 500Bq/kg、平成 25 年 1 月 1 日以降は 100Bq/kg。
注 3: タケノコ、わさびについては、「きのこ・山菜類」に含まれる。
注 4: 厚生労働省が公表している検査結果に基づき作成
47
0
305
茶の検査結果の概要(平成 24 年 4 月 1 日~平成 25 年 3 月 31 日)その3
品目
検査点数
放射性セシウム基準値 10Bq/kg 超
飲用茶
867
13
注 1: お茶の基準値は 10Bq/kg
注 2: 厚生労働省が公表している検査結果に基づき作成
48
畜産物の検査結果の概要(平成 24 年 4 月 1 日~平成 25 年 6 月 30 日)その1
乳の検査結果(単位:点)
放射性セシウム基準値 50Bq/kg 超
検査点数
原乳
2,974
0
注:乳の基準値は 50Bq/kg
牛肉の検査結果(単位:点)
牛肉(平成 24 年 4 月 1 日~9 月 30 日)
放射性セシウム暫定規制値値 500Bq/kg 超
検査点数
牛肉
73,908
0
牛肉(平成 24 年 10 月 1 日~平成 25 年 6 月 30 日) (単位:点)
放射性セシウム基準値 100Bq/kg 超
検査点数
牛肉
173,224
注:牛肉の基準値は平成 24 年 9 月 30 日までは経過措置により 500Bq/kg、10 月 1 日以降は 100Bq/kg。
49
2
畜産物の検査結果の概要(平成 24 年 4 月 1 日~平成 25 年 6 月 30 日)その2
牛肉以外の畜産物の検査結果(単位:点)
100Bq/kg 超
検査点数
豚肉
1,213
1
鶏肉
225
0
卵
687
0
その他の畜産物
330
1
2,790
2
計
注 1:一般食品の基準値は 100Bq/kg
注 2:厚生労働省が公表している検査結果に基づき作成
50
水産物の調査結果の概要(平成 25 年 6 月 30 日時点)
○水産物では、92.0%(33,761検体中31,054検体)が100 Bq/kg以下
(平成25年6月30日時点)
・福島県では、82.2%(12,625検体中10,382検体)が、福島県以外では、97.8%(21,136検体中20,672
検体)が100 Bq/kg以下。
注:福島県沖では、全ての沿岸漁業及び底びき網漁業の操業を自粛 (ただし、ミズダコ、ヤナギダコ、スルメイカ、ヤリイ
カ、ケガニ、ズワイガニ、沖合性のツブ貝(シライトマキバイ、チヂミエゾボラ、エゾボラモドキ及びナガバイ)、キチジ、
アオメエソ(メヒカリ)、ミギガレイ(ニクモチ)、ユメカサゴ、ヤナギムシガレイ及びコウナゴ(イカナゴの稚魚)を対象とし
た試験操業を除く。)
51
食品の表示制度
消費者庁立案の3法の表示部分を一元化した食品表示
法が6月 21 日に国会で可決、成立
食品の表示制度
具体的な表示基準は、今後内閣府令で定める
・食品の表示は、消費者が食品を購入する
とき、食品の内容を正しく理解し、選択し
たり、適正に使用したりする上で重要な情
JAS法
報源。
食品衛生法
商品選択
・万が一、事故が生じた場合には、その原
食品安全の確保
名称
因究明や製品回収などの行政措置を迅速か
つ的確に行うための手掛かりとなる。
原材料名
期限表示
内容量
保存方法
アレルギー
添加物
食品表示に関する主な法律
・食品衛生法:飲食に起因する衛生上の危
遺伝子組換え
原産地
等
等
害発生を防止すること
製造者名等
・JAS法:原材料や原産地等品質に関す
る適正な表示により消費者の選択に資する
健康増進法
こと
(栄養表示、特別用途表示)
・健康増進法:栄養の改善その他の国民の
等
健康の増進を図ること
52
JAS法
農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)は、原材料、原産地など品質の表示を義務付ける『品質表示基
準制度』と飲食料品等が一定の品質や特別な生産方法で作られていること等を保証する『JAS規格制度』からなっている。
一定の表示の義務を課す
一定の品質や作り方を保証する
品質表示基準制度
JASマーク(規格)制度
○原材料、原産地など一定の表示を、全ての製
○JAS規格による検査に合格した製品にJA
造業者等に義務付ける制度
Sマークをつけることを認める制度(任意の制
度)
53
品質表示基準
農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)では、一般消費者の選択等に資するため、すべての飲食料品の
品質に関する表示について、製造業者等が守るべき基準を定めている。
生鮮食品品質表示基準
加工食品品質表示基準
○野菜や果物などの農産物、肉や卵などの畜産
○生鮮の農産物などの原料を加工して製造さ
物、魚や貝などの水産物で加工していないもの。
れた飲食料品。
・水産物品質表示基準
・個別品目ごとの品質表示基準
・玄米及び精米品質表示基準
(例)野菜冷凍食品、農産物漬物、うなぎ
・しいたけ品質表示基準
加工品、ソーセージ等
(3品目)
(46品目)
遺伝子組換え食品品質表示基準
大豆、とうもろこし等の遺伝子組換え農産物とその加工食品について、
「遺伝子組換え」等の表示を義務付け
54
品質表示基準
横断品表
個別品表
【品目横断的に適用される品質
【個別の飲食料品ごとに横断的な品質表示基準の特則として適用される品質表示基準】
表示基準】
・生鮮食品品質表示基準
特則
・3つの生鮮食品
・加工食品品質表示基準
特則
・46の加工品
水産物、玄米及び精米、しいたけ
食料缶詰・食料瓶詰(農産物缶詰及び農産物瓶詰、畜産物缶詰及び畜
産物瓶詰、調理食品缶詰及び調理食品瓶詰)、飲料(果実飲料、炭酸飲料、豆乳類、に
・遺伝子組換え食品に関する品
んじんジュース及びにんじんミックスジュース)、食肉製品・魚肉ねり製品(ベーコン
質表示基準
類、ハム類、プレスハム、混合プレスハム、ソーセージ、混合ソーセージ、チルドハン
バーグステーキ、チルドミートボール、魚肉ハム及び魚肉ソーセージ)、穀物加工品(乾
めん類、即席めん、マカロニ類、凍り豆腐、パン類)、農産物・林産物加工品(農産物
漬物、トマト加工品、ジャム類、乾しいたけ)
、水産物加工品(うに加工品、うにあえ
もの、乾燥わかめ、塩蔵わかめ、削りぶし、煮干魚類、うなぎ加工品)、調味料(ドレ
ッシング及びドレッシングタイプ調味料、食酢、風味調味料、乾燥スープ、ウスターソ
ース類、しょうゆ、みそ、めん類等用つゆ)、油脂・油脂加工品(食用植物油脂、マー
ガリン類)、その他(レトルトパウチ食品、野菜冷凍食品、チルドぎょうざ類、調理冷
凍食品)
55
・精米及び精麦
生鮮食品(その1)
・豆類(未成熟のものを除く。
)
生鮮食品に表示すべき事項
・食肉(鯨肉を除く。)及びその冷凍品
・洗いごま
・容器包装や商品に近接した立て札・ポップなどに
・冷凍貝柱及び冷凍えび
「名称」と「原産地」の記載を義務付け。
・「水産物」、
「玄米及び精米」、「しいたけ」には、個別の
品質表示基準がある。
原産地
○農産物
・計量法に基づき内容量の表示義務があるものについて
・国産品・・・都道府県名(市町村名その他一般に知られてい
は、「内容量」と「販売業者の氏名又は名称及び住所」
る地名も可)
も表示しなければならない。
・輸入品・・・原産国名(一般に知られている地名も可)
○畜産物(飼養期間が最も長い飼養地が原産地)
・国産品・・・国産である旨(主たる飼養地が属する都道府県
名称
名、市町村名その他一般に知られている地名も可)
・一般的な名称を記載することが義務付けられている。
・輸入品・・・原産国名
・畜産物は、名称(食肉の種類)に併せて公正規約に基づ
○水産物(養殖の場合、飼養期間が最も長い飼養地が原産地)
き部位を表示。
・国産品・・・漁獲した水域名、養殖した都道府県名(水域名
・水産物は、「魚介類の名称のガイドラインについて」に
の記載が困難な場合は、水揚港名又はその属する都道府県名
従い、標準和名での表示が基本。
を水域名に代えることができる。また、水域名と水揚港名又
はその属する都道府県名の併記も可。)
・輸入品・・・原産国名(漁ろうの行われた国。公海等での採
補は船舶の属する国。水域名併記も可。)
56
生鮮食品(その2)・・・袋詰玄米・精米
表示すべき事項
内容量
・グラム又はキログラムの単位。
・「名称」、「原料玄米」、「内容量」、「精米年月日、調製年
月日又は輸入年月日」、
「販売者等の氏名又は名称、住所及
び電話番号」の一括表示を義務付け。
精米年月日等
・玄米は、原料玄米を調製した年月日
名称
・精米は、原料玄米を精白した年月日
・
「玄米」、
「もち精米」、
「胚芽精米」、
「うるち精米」
(うる
・輸入品は、調製・精米年月日が不明の場合、輸入年月日
ちを省略可)の中から記載。
・一括表示に記載が困難な場合、記載箇所を表示した上で、欄外
記載可。
販売者
原料玄米
・国内産の米は、農産物検査証明に基づき、産地、品種及
・販売業者の氏名又は名称、住所及び電話番号を記載。
び年産を表示し、「単一原料米」(又は「複数原料米」等、
・
「販売業者」に代わって、
「精米工場」と記載することも可。
(工
産地・使用割合)を記載。
場を所有する業者名及びその工場名、住所並びに電話番号を記
・農産物検査証明を受けていない場合、米トレ法に基づい
載。)
て伝達された産地を、産地の次に「(産地未検査)」と記載
し表示することができる。
57
内容量
加工食品(その1)
・計量法に基づき内容量の表示義務がある食品については、計量
法に従い、定められた単位の明記・記載を義務付け。
・その他の食品については、内容重量、内容体積又は内容数量を、
単位を明記・記載。
・困難な場合は、内容量欄に具体的な記載場所を記載すれば一括
表示枠外への記載が可能。
表示すべき事項
・
「名称」、
「原材料名」、
「原料原産地名」
(輸入品を除く対
象加工食品の場合。)、「内容量」、「賞味期限」又は「消費
期限」、
「保存方法」、
「原産国名」
(輸入品の場合。)
、
「製造
業者等の氏名又は名称及び住所」の記載を義務付け。
・容器に入れ、又は包装されたもののみが対象。
賞味期限又は消費期限
・「賞味期限」又は「消費期限」の記載の義務付け。
名称
・困難な場合は、期限表示欄に具体的な記載場所を記載すれば一括
・その内容を表す一般的な名称を表示。
表示枠外への記載が可能。
・個別品表がある飲食料品は、それに従って記載。
保存方法
原材料名
・「直射日光を避け、常温で保存すること」等、期限表示設定の基
準となった保存方法を記載。
・困難な場合は、保存方法欄に具体的な記載箇所を記載し、期限表
示に近接した場所への記載が可能。
・原材料に占める重量の割合の多い物から順にその最も一
般的な名称を記載。
・食品添加物以外の原材料と食品添加物とは分けて記載。
・中間加工原料は、複合原材料として記載。複合原材料の
名称の次に括弧を付して当該複合原材料の原材料名を記
載。
・乾燥・塩蔵・濃縮等したものは、乾燥○○等と記載。
・食品添加物は、食品衛生法に従う。
・困難な場合は、原材料名欄に具体的な記載場所を記載す
れば一括表示枠外への記載が可能。
・個別品表がある飲食料品は、それに従って記載。
製造業者等の氏名又は名称及び住所
・製造業者、加工包装業者、輸入業者又は販売業者のうち、JAS
法の品質表示基準に基づく表示責任者の氏名又は名称及び住所の
記載の義務付け。「製造者」等の項目名を付す。
・食品衛生法に基づき、製造者又は加工者の氏名及び製造所又は加
工所の所在地の記載が必要。
58
加工食品(その2)
加工食品の原料原産地表示の目的
消費者の適切な選択に資する観点から、商品の品質に関する情報を
原産国名
適切に提供し、加工食品の原産地に関する誤認を防止。
・輸入品については、原産国名の表示が義務付け。
義務づけの考え方(品目横断的なルール)
① 原産地に由来する原料の品質の差異が、加工食品としての品質
に大きく反映されると一般に認識されている品目のうち、②の
原料原産地名
・輸入品以外の加工食品のうち、22食品群につ
いては、その主たる原材料(原材料に占める重量
要件を満たす商品
② 製品の原材料のうち、単一の農畜水産物の重量の割合が50%
以上である商品
の割合が最も多い生鮮食品で、かつ、当該割合が
50%以上のもの)の原産地を記載することを義
務付け。
①
・野菜冷凍食品、農産物漬物、うなぎ加工品及び
の要件は、具体的には、
・加工の程度が比較的低い、言い換えれば生鮮食品に近い加工
かつお削りぶしについては、個別の品質表示基準
食品であること
により、原料原産地の表示を義務付け。
・原産地によって原料の品質に違いが見られ、商品の差別化(価
・原産地が複数ある場合は、重量の割合の多いも
格等を含む)がされていること
のから順に表示。
・原料の調達先が海外も含め多様であること
等の要素を総合的に勘案する必要。
59
原料原産地名の表示が必要な加工食品
加工食品(その3)
加工食品品質表示基準で原料原産地の表示義務を要する22食品群
1 乾燥きのこ類、乾燥野菜及び乾燥果実(フレーク状又は粉末状にしたも
13 フライ種として衣をつけた食肉(加熱調理したもの及び調理冷凍食品に
のを除く。)
該当するものを除く。)
2 塩蔵したきのこ類、塩蔵野菜及び塩蔵果実(農産物漬物品質表示基準(平
14 合挽肉その他異種混合した食肉(肉塊又は挽肉を容器に詰め、成形した
成12年12月28日農林水産省告示第1747号)第2条に規定する農産物漬物を除
ものを含む。)
く。)
15 素干魚介類、塩干魚介類、煮干魚介類及びこんぶ、干のり、焼きのりそ
3 ゆで、又は蒸したきのこ類、野菜及び豆類並びにあん(缶詰、瓶詰及び
の他干した海藻類(細切若しくは細刻したもの又は粉末状にしたものを除
レトルトパウチ食品に該当するものを除く。)
く。)
4 異種混合したカット野菜、異種混合したカット果実その他野菜、果実及
16 塩蔵魚介類及び塩蔵海藻類
びきのこ類を異種混合したもの(切断せずに詰め合わせたものを除く。)
17 調味した魚介類及び海藻類(加熱調理したもの及び調理冷凍食品に該当
5 緑茶及び緑茶飲料
するもの並びに缶詰、瓶詰及びレトルトパウチ食品に該当するものを除く。)
6 もち
18 こんぶ巻
7 いりさや落花生、いり落花生、あげ落花生及びいり豆類
19 ゆで、又は蒸した魚介類及び海藻類(缶詰、瓶詰及びレトルトパウチ食
8 黒糖及び黒糖加工品
品に該当するものを除く。)
9 こんにゃく
20 表面をあぶった魚介類
10 調味した食肉(加熱調理したもの及び調理冷凍食品に該当するものを除
21 フライ種として衣をつけた魚介類(加熱調理したもの及び調理冷凍食品
く。)
に該当するものを除く。)
11 ゆで、又は蒸した食肉及び食用鳥卵(缶詰、瓶詰及びレトルトパウチ食
22 4又は14に掲げるもののほか、生鮮食品を異種混合したもの(切断せず
品に該当するものを除く。)
に詰め合わせたものを除く。)
12 表面をあぶった食肉
個別の品質表示基準で原料原産地の表示義務を規定(4品目)
・うなぎ加工品
・かつお削りぶし
・農産物漬物
・野菜冷凍食品
60
遺伝子組換え食品の表示(その1)
表示方法
義務の対象
8つの農産物と33食品群の加
工食品は、JAS法の遺伝子組
換え品質表示基準と食品衛生法
により、遺伝子組換えのものを
使用している旨などの記載を義
務付け。
① 分別生産流通管理が行われた遺伝子組換え農産物を原材料とする場合
義務→「大豆(遺伝子組換えのものを分別)
」など
② 遺伝子組換え農産物と非遺伝子組換え農産物が分別されていない農産物を
原材料とする場合
義務→「大豆(遺伝子組換え不分別)」など
③ 分別生産流通管理が行われた非遺伝子組換え農産物を原材料とする場合
任意→表示する場合は、
「大豆(遺伝子組換えでないものを分別)」など
分別生産流通管理
・分別生産流通管理(=IPハンドリング)とは、生産・流通及び加工の各段階で、非遺伝子組換え農産物と、遺伝子組換
え農作物との混入が起こらないよう管理し、そのことが書類等で証明されていることである。
・ただし、流通・加工段階において、非遺伝子組換え農作物専用の施設を設置することは現実的に困難であり、各段階で適
切な清掃等を行っても、意図せざる混入は避けられない。このため、大豆及びとうもろこしについて分別生産流通管理が適
切に行われている場合は、5%以下の意図せざる混入はやむをえないものとして認めている。
遺伝子組換え農作物については、品種ごとに、① 食品としての安全性は「食品安全基本法」及び「食品衛生法」、② 我が国の野生動植物への
影響は「カルタヘナ法」に基づいて、科学的に評価し、安全性が確認されたものだけが輸入、流通、生産される仕組みとなっている。
61
遺伝子組換え食品の表示
(その2)
義務表示対象農産物:8農産物
我が国において既に食品としての安全性が
義務表示対象加工食品:33食品群
義務表示対象農産物を原材料とする加工食品のうち、組み換えられたDNAやたん白質
が、ひろく認められた最新の技術により検出可能とされているもの
○大豆(枝豆及び大豆もやしを含む)を原材料とする食品(1)豆腐類及び油揚げ類、(2)凍豆
審査済みの遺伝子組換え農産物
腐、おから及びゆば、(3) 納豆、(4) 豆乳類、(5) みそ、(6) 大豆煮豆、(7) 大豆缶詰及び大
豆瓶詰、(8) きな粉、(9) 大豆いり豆、(10) (1)から(9)までに掲げるものを主な原材料とす
大豆(枝豆及び大豆もやしを含む)
るもの、(11) 大豆(調理用)を主な原材料とするもの、(12) 大豆粉を主な原材料とするも
とうもろこし
の、(13 ) 大豆たんぱくを主な原材料とするもの、(14 ) 枝豆を主な原材料とするもの、(15 )
ばれいしょ
大豆もやしを主な原材料とするもの
菜種
○とうもろこしを原材料とする食品(16 ) コーンスナック菓子、(17 ) コーンスターチ、(18 )
綿実
ポップコーン、(19 ) 冷凍とうもろこし、(20 ) とうもろこし缶詰及びとうもろこし瓶詰、
アルファルファ
(21 ) コーンフラワーを主な原材料とするもの、(22 ) コーングリッツを主な原材料とする
てん菜
もの(コーンフレークを除くとうもろこし) 、(23 ) とうもろこし(調理用)を主な原材
パパイヤ
料とするもの、(24 ) (16 )から(20 )までに掲げるものを主な原材料とするもの
○ばれいしょを原材料とする食品(25 ) ポテトスナック菓子、(26 ) 乾燥ばれいしょ、(27 )
冷凍ばれいしょ、(28 ) ばれいしょでん粉、(29 ) (25 )から(28 )までに掲げるものを主な原材
料とするもの、(30 ) ばれいしょ(調理用)を主な原材料とするもの
○アルファルファを原材料とする食品(31 ) アルファルファを主な原材料とするもの
○てん菜を原材料とする食品(32 ) てん菜(調理用)を主な原材料とするもの
○パパイヤを原材料とする食品(33 )パパイヤを主な原材料とするもの
62
業者間取引
表示義務の対象事業者
一般消費者に販売される形態となっているもの以外の加工食品又はその
原料の取引、いわゆる業者間取引では、事業者には、表示義務がある。
・製造業者(業務用包装)と卸売業者との間の取引
・製造業者(業務用包装)と外食・インストア加工
・卸売業者と外食・インストア加工
を除き、事業者間の取引はJAS法による食品の流通ルートにおける表
示義務づけの対象となっている。
輸入品については、輸入業者が表示をする必要がある。
表示内容
表示場所
・業務用生鮮食品(加工食品の原材料となる生鮮食品)に表示す
べき事項は、①名称、②原産地、③内容量、④販売業者の氏名又
容器・包装、送り状、納品書等(製品添付に限る。)又は規格書
は名称及び住所。(③、④は容器包装された特定商品に限る。)
等(製品に添付されないものであって、当該製品を識別できるも
・業務用加工食品(一般消費者に販売される形態となっているも
のに限る。)に記載。食品衛生法や計量法で容器包装への表示が
の以外の加工食品)に表示すべき項目は、①名称、②原材料名、
義務付けられているものは、これに従った表示が必要。容器包装
③製造者、販売者、加工者又は輸入者の氏名又は名称及び住所、
に入れられていないものも表示義務。表示の根拠となる書類等は
④原料原産地名、⑤原産国名、⑥その他(内容量、期限表示、保
概ね3年間整備・保存するよう努めることが求められている。
存方法)
63
有機食品の名称表示規制
規制内容
有機JASマークが付されている農産物又は農産物加工食品以外に、
「有機(農産物)」、「オーガニック(農産物)」等の表示をす
ることは禁止。
有機農産物、有機畜産物、有機加工食品
有機(農産物)などの表示を行うためには
有機農産物の日本農林規格に基づいて、ほ場の条件、肥培管
【有機農産物】
理、種苗の条件、防除法等を満たす特別な生産方法で栽培し
・堆肥等による土作りを行い、播種・植付け前2年以上(多年生作物の場合は収穫
生産されたものであることを確認し、有機JASマークを付
前3年以上)及び栽培中に、禁止されている化学的肥料及び農薬は使用しないこと
す必要がある。
・遺伝子組換え技術を使用しないこと
【有機畜産物】
・飼料は主に有機飼料を与えること
有機JASマークを付すためには
・野外への放牧などストレスを与えずに飼育すること
・生産者や製造業者は、あらかじめ登録認定機関に認定を申請
・抗生物質等を病気の予防目的で使用しないこと
して、生産行程管理者の認定を受けておく必要がある。
・遺伝子組換え技術を使用しないこと
・流通段階において小分業者や輸入業者が、包装容器に新たに
【有機加工食品】
有機JASマークを付すためには、認定を受ける必要。
・化学的に合成された食品添加物や薬剤の使用は極力避けること
・原材料は、水と食塩を除いて、95%以上が有機農産物、有機畜産物又は有機加
工食品であること
・薬剤により汚染されないよう管理された工場で製造を行うこと
・遺伝子組換え技術を使用しないこと
64
食品表示の監視
○農林水産省では、食品の販売業者、流通業者及び製造業者への監視・指導を実施して、食品表示の適正化を推進。
○地方農政局に「食品表示110番」を設置し、広く国民の皆様からの情報提供を受けることによる監視を実施。
食品表示110番
食品表示Gメン
・全国の地方農政局等に約1400名の食品表示Gメンを配置し、
・農林水産省では、食品表示に対する消費者の関心が高まっていること及び食品の品
小売店舗等に対し、常時、監視・指導を実施。名古屋、東京、大
質表示の一層の適正化を図る観点から、広く国民の皆様から食品の偽装表示や不審
阪、福岡に40名の食品表示特別Gメンを配置し、より、機動力を
な食品表示に関する情報などを受けるためのホットラインを設置している。食品表示に
生かした監視体制を構築。
関する疑問・質問・お問い合わせも受け付けている。
・県域業者については、各都道府県において、監視・指導を実
・各都道府県等も同様の窓口を設置している。
施。
・(独)農林水産消費安全技術センターでは、加工食品の成分分
食品表示110番電話番号
析や生鮮食品のDNA分析等の科学的手法を活用した表示の監
東海農政局消費・安全部表示・規格課 052(223)4618
視を実施。
食品表示110番への問い合わせ
(農林水産省 全国ベース)
23年度累計
24,288 件
24年度累計
21,233 件
豊橋地域センター
0532(38)9031
岐阜地域センター
058(271)4045
高山地域センター
0577(32)1155
津地域センター
65
059(229)4300
JAS法品質表示基準違反の場合の流れ
立入検査(又は任意検査)
直罰
是正の指示、業者名の公表
○消費者庁・農林水産省
原産地(原料又は材料の原産
→広域業者
地を含む。
)の虚偽表示をした
○都道府県→都道府県域業
飲食料品を販売した者
個人:2年以下の懲役又は2
00万円以下の罰金
指示に従うよう命令、業者名の公表
○消費者庁→広域業者
法人:1億円以下の罰金
○都道府県→都道府県域業者
罰則
個人:1年以下の懲役又は100万円以下の罰金
法人:1億円以下の罰金
66
JAS法品質表示基準違反・大臣命令等の事例(東海農政局管内)
(その1)
A食品株式会社における手延べそうめん等の不適正表示に対する措置(改善命令等)について(平成20年6月6日)
1.
A食品株式会社は、自社が販売した手延べそうめんについて、販売先から返品された当該商品を包装し直し、新たな賞味期限を表示して、再度出荷・販売してい
たことを確認した。
2.
A食品は、手延べそうめんに関する不適正表示により JAS 法に基づく指示を受けているにもかかわらず、上記の行為を行っていたことから、A食品に対して、JAS
法に基づく改善命令を行った。
3.
併せて、上記の手延べそうめん以外にくずきりについても 1.と同様の行為が確認されたことから、くずきりの不適正表示については、JAS 法に基づく指示を行っ
た。
B食品株式会社における不適正表示に対する措置について(平成20年10月17日)
1.
B食品株式会社に対して、調査を実施した。
2.
その結果、輸入植物検疫において有機アーモンドスライス及び有機コーンミールが薬剤である臭化メチルによりくん蒸されたため、有機 JAS マークを付すことがで
きなくなったにもかかわらず、B食品はこれに有機 JAS マークを付していたことを確認した。
3.
このため、B食品に対し、JAS 法第 19 条の 2 の規定に基づく格付の表示の改善及び格付の表示の除去又は抹消を命じた。
67
JAS法品質表示基準違反・大臣命令等の事例(東海農政局管内)―農林水産省プレスリリースから引用―
(その2)
有限会社C生産に対する改善命令等について(平成20年11月28日)
1.
有限会社C生産に対して、調査を実施した。
2. この結果、有機 JAS の認定を受けていないほ場で収穫された茶葉であるにもかかわらず有機荒茶として格付を行い、さらにこの荒茶を使用して製造した煎茶
及び紅茶に有機 JAS マークを付していたことを確認した。
3. このため、C生産に対し、JAS 法第 19 条の 2 の規定に基づく格付の改善及び格付の表示の除去又は抹消を命じた。
業務用スーパー2社における生鮮水産物の不適正表示に対する措置について(平成24年12月25日)
農林水産省は、業務用スーパー2 社が、生鮮水産物に事実と異なる原産地等を表示・販売していたことを確認した。
このため、当該 2 社に対し、JAS 法に基づき、表示の是正、原因の究明・分析の徹底、再発防止対策の実施等について指示を行った。
68
JAS法に基づく生鮮食品品質表示基準、加工食品品質表示基準に関する指示・命令等の実績
平成 12 年度~平成 24 年度
全国で948件の指示
(うち国は370件、都道府県は578件)
平成 15 年度~平成 24 年度
平成 24 年度下半期
全国で12件の命令
全国で
・JAS法の品質表示基準に係る指導
・JAS規格に係る指導
44件
69
235件
食品偽装表示事案等の警察検挙状況
平成20年
検 挙 件 数
平成21年
平成22年
平成23年
平成24年
16
34
10
12
20
57
107
20
37
51
19
31
7
8
11
(件)
検 挙 人 数
(人)
検 挙 法 人
(社)
(出典:警察庁「平成24年中における生活経済事犯の検挙状況等について」より)
70
JAS法以外の法律により措置される食品表示
景品表示法の不当表示
不正競争防止法第2条第1項第13号の誤認惹起行為
景品表示法では、不当表示、すなわち、①優良誤認表示、②有利誤認表
示、③その他誤認されるおそれのある表示を禁止している。
不正競争防止法第2条第1項第13号の誤認惹起行為とは、商品、役務
やその広告等に、その原産地、品質、内容等について誤認させるような
○優良誤認(品質、規格、その他の内容について著しく優良であると示
表示をする行為をいう。
す表示を禁止)
・国産有名ブランド牛であるかのように表示していたが、実際には国産
○食肉加工事業者が鶏や豚などを混ぜて製造したミンチ肉に「牛10
有名ブランド牛ではない牛肉だった。
0%」などと表示し、取引先十数社に約138トンを出荷する等して、
・「100%果汁」と表示したジュースの果汁成分が、実際には60%。
代金約3900万円を詐取した行為につき、商品の品質を誤認させると
して不正競争防止法及び刑法(詐欺罪)に違反したとして元社長に対し、
・健康食品に「栄養成分が他社2倍」と表示していたが、実際には他社
の健康食品と同じ量しか入っていなかった。
懲役4年の刑が科せられた事件(札幌地判平 20.3.19)
・未認定の文房具に「エコマーク」を表示。
・添加物を使用した食品に「無添加」と表示。
○「福井県産新米コシヒカリ100%」と表示した袋に、古米や未検査
○その他誤認されるおそれのある表示
米、福井県産でない新米等を詰めた商品を小売店等に販売した行為につ
・無果汁・無果肉又は果汁5%未満の清涼飲料水・乳飲料類・アイスク
いて、商品の原産地、品質等を誤認させるとして、会社の社長に懲役2
リームなどについて、
「無果汁・無果肉」であること又は果汁・果肉の割
年(執行猶予3年)及び罰金100万円、元社員2名に懲役1年(執行
合(%)を明瞭に記載しない場合、果実名を用いた商品名、果実の絵・
猶予3年)
、法人には罰金300万円の罰金刑が科された事件(大阪地判
写真・図案の表示等は不当表示。
平 20.4.17)
・商品に原産国が明示されていない等、原産国を判別することが困難な
場合、原産国以外の国名・地名・国旗等の表示、原産国以外の国の事業
者・デザイナー名・商標等の表示等は不当表示。
71
米トレーサビリティ制度
(その1)
制度の概要
外食店における一般消費者への産地情報の伝達方法
・
「米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律」
(米トレ
・店内に産地情報を掲示
ーサビリティ法)では、問題が発生した場合等に、流通ルートを速やかに特定
「当店のごはんは、○○国産の米を使用しています。
」
することと、産地情報の提供の促進のため、①米穀等の取引記録の作成・保存、
②産地情報の取引先・消費者への伝達を義務付けている。
・店内に産地を知ることができる方法を掲示
・対象品目:米穀(玄米・精米等)
「産地情報については、店員におたずねください。
」
米粉、米菓生地や米こうじ等の中間原材料
米飯類、もち、だんご、米菓、清酒、単式蒸留しょうちゅう、みりん
・メニューに産地情報を記載
・対象事業者:対象品目の販売、輸入、加工、製造又は提供の事業を行う全ての者
(生産者を含む。
)
「当店でごはん・定食に使用しているお米は、全て国産です。
」
など
・取引等の記録の作成・保存
対象品目を、①取引、②事業所間の移動、③廃棄等を行った場合に
は、その記録を作成・保存。保存期間は、原則3年。記録事項は名
小売店等における一般消費者への産地情報の伝達方
称、産地、数量、年月日、取引先名、搬出入の場所等。伝票・帳簿
も可。
・産地情報を商品へ直接記載し伝達。
・産地情報の伝達
【事業者間】対象品目を他の事業者へ譲り渡す場合には、伝票等又は商品の容
器・包装への記載により、産地情報の伝達が必要。
・産地情報を知ることができる方法を伝達。
・Web サイトによる伝達を行う
【一般消費者】一般消費者に対象品目を販売する場合には、産地情報の伝達が
必要(外食店等では、米飯類のみ)
。
・一般消費者向けの相談窓口で、消費者の求めに応じて伝達
を行う
72
米トレーサビリティ制度
(その2)
電話番号
東海農政局
米穀流通監視相談窓口の設置
消費・安全部流通監視課
業務課
・農林水産省では、食品としての安全性を欠く米穀等の流通を防止し、表
示の適正化を図り、適正かつ円滑な流通を確保する観点から、広く国民の
皆様から食用に適さない米穀の横流しなど、不適切な米の流通に関する情
052-746-1315
052-763-4342
豊橋地域センター
0532-38-9032
岐阜地域センター
058-271-4045
高山地域センター
0577-32-1155
津地域センター
059-228-3152
報などを受けるためのホットラインを全国に設置している。
国による指導件数
米穀の流通に関する、相談や疑わしい情報や公益通報についてもこちらに
・平成 23 年 10 月から平成 25 年3月までの同法違反に係る国による指導
件数は、全国で、
・平成 23 年 10 月から平成 24 年3月期
指導3件
・平成 24 年4月から平成 24 年9月期
指導 34 件
・平成 24 年 10 月から平成 25 年3月期
指導 1298 件
である。なお、勧告・命令は0件である。
・指導内容は、大半が外食事業者における米飯類の産地情報の未伝達又
は誤伝達となっている。
お問い合わせください。
産地情報の商品への記載
・国産米の場合は「国内産」「国産」等と記載(ただ
罰則
し、都道府県や一般に知られた地名でも可)
。
・外国産の場合はその「国名」を記載。
・取引等の記録の作成・保存、事業者間の産地情報伝達に義務違反があっ
・原材料に占める割合の多い順に記載。
た場合には、罰則規定(50万円以下の罰金。直罰。
)が適用。
・産地が3か国以上ある場合には、上位2か国のみ記
・一般消費者への産地情報伝達に義務違反があった場合には、勧告・命令
を行い、当該命令に従わなかった場合には、罰則規定(50万円以下の罰
載し、その他の産地を「その他」と記載可能。
金。)が適用。
73
食糧法及び農産物検査法に係る巡回立入検査等
食糧法の米穀出荷・販売事業者への巡回立入検査
農産物検査法の登録検査機関への巡回立入調査
・米穀の需給及び価格の安定を図るためには、加工用米等用途限定
・地方農政局は、農産物検査法の規定に基づく立入調査の権限に
された米穀が、定められた用途に適切に供されることが不可欠。こ
基づき、登録検査機関が法令等を遵守し、農産物検査業務を適正
のため、用途限定米穀の用途外使用の禁止等、米穀出荷・販売事業
に行っているかについて、
者が遵守すべきルールを整備。
① 農産物検査法の登録検査機関の事務所及び農産物検査を行う
① 加工用等用途限定米穀について、その定められた用途以外の使
用及び販売の禁止、他の米穀との明確な区分管理等を義務付
け。
②
検査場所を対象に巡回立入調査を実施。
② 情報提供等による立入調査を実施(登録検査機関以外の事業
者を含む。)
食用不適米穀については、他の米穀に悪影響を与えないよう厳
格な区分管理を義務付け、やむをえず非食用として販売する場
・農林水産大臣は、登録検査機関に対する改善命令、業務停止命
合は、食用転用防止措置を義務付け。
令及び登録の取消し等の権限を有する。
③ 用途限定米穀及び食用不適米穀のルールに即して、米穀出荷・
販売事業者の業務が適正に行われるよう、法令遵守のための研
修、教育等を義務付け。
・地方農政局や都道府県は、食糧法の規定に基づく立入検査の権限
に基づき、米穀の出荷・販売業者が遵守事項を遵守しているか巡回
立入検査を実施。
74
食品トレーサビリティ
食品トレーサビリティの仕組
・食品事故等の問題があったときに、食品の移動ルートを書類等で特定し、遡及・追跡して、原因究明や商品回収等を円滑に行えるようにする仕組。
・具体的には、食品の移動ルートを把握できるよう、生産、加工、流通等の各段階で商品の入荷と出荷に関する記録等を作成・保存。
・ただし、食品トレーサビリティは、食品をどのように生産・製造したか(例:農薬・肥料・飼料等の使用状況、原材料の原産地名などの情報)を表示等で情報提供する取組
とは異なる。
食品事業者の食品トレーサビリティの取組
・食品事業者による食品トレーサビリティの取組は様々であり、まずは、基礎的なトレーサビリティの取組として、「いつ、どこから(どこへ)、何を、どれだけ」の入荷・出荷の記
録の作成・保存の取組がある。
・より高度なトレーサビリティの取組については、食品事業者の状況に応じてできるだけ取り組むことが望ましく、内部トレーサビリティ、ロット情報の記録の作成・保存等
の取組がある。
食品トレーサビリティの位置付け
・食品トレーサビリティについては、「食料・農業・農村基本計画」(平成 22 年 3 月閣議決定)や米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律(平
成 21 年法律第 26 号)附則第 5 条において、入出荷記録の作成・保存の義務付け等について検討することとされている。
消費者の意識について
・食中毒等の食品事故が発生したときに、食中毒等の原因の解明がより速やかに行われる等8割以上が「食品のトレーサビリティを高める取組が食生活において重要で
ある」と認識。
食品事業者の取組状況について
・食品事業者の9割は基礎的なトレーサビリティの取組を行っており、経理上の必要性等から伝票類(入荷先から受領した納品伝票等)の保存で取組。
・また、「入荷の記録」を保存する必要性がなかったり手間がかかる、伝票類のやりとりなしで食品を入荷している等の理由により、取組を行っていない業者の取組みが
課題。
・「内部トレーサビリティ」の取組を実施している調査対象食品事業者の9割以上は、「内部トレーサビリティ」の取組を実施したことにより、効果があったと認識しており、作
業量の増加や新たな投資が必要になるといったことが課題となっている。
75
食品価格の動向
加工食品小売価格緊急調査
・国際的な原油価格や農産物の価格の高騰等により、我が国でも食品の小売価格が値上がりし、消費者の食品価格への関心が高まっています。
そこで、農林水産省では、食品の価格の動きについて、消費者の皆様に正しく理解していただくため、国際価格が著しく上昇している農産物を原料とする主
な加工食品の小売価格の調査結果をお知らせし、併せて国際的な農産物の需給・価格の動きなどの情報を提供しています。
・調査頻度:月 1 回(原則として、毎月 12 日を含む週に調査を実施) 注:平成 20 年 1 月から平成 22 年 4 月第 2 週まで、また、平成 25 年 4 月第 2 週からは週
1 回実施。
・調査期間:平成 20 年 1 月~(3 カ月毎の状況に応じて継続の要否を検討)
・調査対象店舗:全国 470 店舗における定点調査(各都道府県毎に 10 店舗)
・調査品目:食パン、即席めん、牛乳、チーズ、バター、豆腐、食用油(キャノーラ(なたね)油)
、食用油(サラダ油)、マーガリン、みそ、かまぼこ、マヨ
ネーズ、しょう油、ゆでうどん、小麦粉、まぐろ缶詰
・調査における留意事項:調査当日の通常店頭価格を調査し、特売品等の廉売価格(7 日以内)は対象としない。
・調査結果のとりまとめ:全国のおのおのの店舗における品目毎の価格変動(前週からの動き)について割合で示す。また、通常店頭価格の全国単純平均値
は、平成 20 年 1 月調査の全国平均通常店頭価格を 100 した指数で示す。バターは平成 20 年 5 月、 食用油(サラダ油)は平成 24 年 9 月、マヨネーズ及び
しょう油は平成 24 年 10 月、 ゆでうどん及び小麦粉は平成 25 年 3 月第 1 週(3 月 4 日~3 月 8 日)、まぐろ缶詰は平成 25 年 4 月第 2 週(4 月 8 日~4 月 12
日)の全国平均通常店頭価格を 100 とした指数で示す。
輸入牛肉等小売価格緊急調査
・本調査は、牛肉小売価格等についての毎月の情報を、
野 菜 小 売 価 格 緊 急 調 査
・平成 22 年 2 月から 3 月の低温、日照不足等の天候不順により、農作物の生育が停滞し、供給が減少
消費者等に対して提供するために行うものです。
する等の影響が懸念されました。一部野菜において、卸売価格の高騰がみられたことから、主要な
(注)平成 15 年 8 月から平成 24 年 4 月までは、週 1
野菜の小売価格について緊急調査を毎週実施することとし、その結果を翌週(原則として火曜日)、
国民の皆様に提供しています。
回調査を実施。
・調査対象店舗:各都道府県約 10 店舗程度の量販店等
・調査期間:平成 22 年 4 月 19 日の週から毎週実施、野菜の卸売価格が落ちつくまで。
・調査対象店舗:各都道府県 10 店舗の量販店等(全国 470 店舗)
(全国約 470 店舗)
・調査結果:農林水産省ホームページにおいて、毎月
・調査対象品目:キャベツ・レタス・きゅうり・トマト・にんじん・ピーマン(6 品目)※平成 25 年
4 月 1 日の週以降は、春夏期に需要が大きくなる野菜を中心に、生育状況等を参考に選定した上記 6
調査結果を公表
品目を対象に調査を実施。
・調査結果:農林水産省ホームページにおいて、毎週調査結果を公表。
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食育
(その1)
第2次食育推進基本計画
食育基本法
・国民が健全な心身を培い、豊かな人間性を推進するため、施策を総合
食育基本法に基づき、第2次食育推進基本計画が23年3月に決定。23年
的かつ計画的に推進すること等を目的として、17年7月に食育基本法
度からの5年間を期間とする。
が施行。
・コンセプト:「周知」から「実践」へ
・前文
様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、
・重点課題
健全な食生活を実践することができる人間を育てる食育を推進すること
①
生涯にわたるライフステージに応じた間断のない食育の推進
が求められている。
②
生活習慣病の予防及び改善につながる食育の推進
③
家庭における共食を通じた子どもへの食育の推進
・食育に関する基本理念
① 国民の心身の健康の増進と豊かな人間形成
② 食に関する感謝の念と理解
③ 食育推進運動の展開
④ 子どもの食育における保護者、教育関係者等の役割
⑤ 食に関する体験活動と食育推進活動の実践
⑥ 伝統的な食文化、環境と調和した生産等への配慮及び農山漁村の活
性化と食料自給率の向上への貢献
⑦ 食品の安全性の確保等における食育の役割
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食育
(その2)
平 成
2 5
年
3
月 末 現 在
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食育
「日本型食生活」の普及・啓発
(その3)
食育の推進
・12年3月、文部省、厚生省、農林水産省で国民の健康の増進、生活の
・食育を国民運動として推進していくためには、地方公共団体による取
質の向上及び食料の安定供給の確保を図るために「食生活指針」を策定。
組とともに、学校、保育所、農林漁業者、食品関連事業者、ボランティ
・17年6月、厚生労働省と農林水産省は、「食生活指針」を具体的な行
ア等の関係者の密接な連携・協力が極めて重要。
動に結びつけるものとして、1日に「何を」
「どれだけ」食べればよいか、
望ましい食事のとり方やおおよその量をイラストで示した「食事バランス
・食育の推進に当たっては、幅広い国民の参加の下に、内閣府を中心に
ガイド」を決定。
厚生労働省、文部科学省をはじめとする関係府省、都道府県等の関係機
・「食生活指針」や「食事バランスガイド」の活用を通じ、米を中心とし
関及び民間の自主的な活動とも十分連携しつつ、全国段階及び地域段階
た「日本型食生活」の普及啓発の取組を推進。
で多様な活動を総合的に展開することが必要。
教育ファーム等の推進
・
「食」に関する関心や理解を増進するとともに、自然の恩恵や「食」に関
・農林水産省は、
「食」の生産、流通の一連の工程を担う農林漁業、食品
わる人々の様々な活動への感謝の念や理解を深めるため、教育ファーム等
産業を振興する立場から、関係府省と連携し、また、農林漁業者、食品
農林漁業体験の機会の提供を積極的に推進。
産業関係者の参画を得て、生産・流通・消費の各段階の関係者が参画す
・教育ファームとは、自然の恩恵や食に関わる人々の様々な活動への理解
る「食育」を推進。
を深めること等を目的として、農林漁業者等が一連の農作業等の体験の機
① 「日本型食生活」の実践を推進
会を提供する取組。
② 食料自給率に関する国民への情報発信等
③ 農林漁業に関する体験活動の推進
東海農政局は、HPのほか、広報誌「とうかい食育推進だより」や「教
④ 地産地消の推進
育ファームねっとわーく東海」メールマガジンで情報発信。詳しくは、
⑤ 食品廃棄物の発生の抑制や再利用等の促進
東海農政局消費・安全部消費生活課(電話 052-223-4651)まで。
⑥ 食に関する様々な情報提供等の推進
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消費者の部屋
消費者の部屋
消費者の部屋の主な活動内容
・「特別展示」の実施
・東海農政局の1階に、東海農政局における消費者と農林水産
最近の展示テーマ:「魅力発見
行政との対話交流を図る場として「消費者の部屋」を設置。ま
農政局管内の農地・水管理支払交付金の活動」など
た、地域センターにも「消費者の部屋」を設置。パネル、農産
物等の展示、パンフレット等の常備等を実施。
・消費者の部屋において消費者相談も実施。消費者からの様々な
相談、問い合わせにお答えしています。
(電話)
”農山漁村の宝”」「植物防疫所の仕事」「東海
・
「移動消費者の部屋」の開設
一宮生協まつり、愛知文教女子短期大学大学祭
など
・
「出向展示」の実施
名古屋市消費生活センターくらしの情報プラザ、名古屋市鶴舞中央図書館 など
・
「消費者講座」の実施
「食料自給率について」
「6次産業化の取組に」
「食品の表示について」
「安全な
食品って何だろう~食品安全の基礎知識」など14メニューを実施
東海農政局消費・安全部消費生活課 052-223-4651
豊橋地域センター 0532-38-9030
・各種セミナーの実施
ランチタイムセミナー、夏休み親子体験セミナー
など
岐阜地域センター 058-271-4046
高山地域センター0577-36-9210
東海農政局では、消費者の皆様のご希望の日時、場所に職員がお伺
津地域センター 059-228-3153
いする「出張講座」を行います。農林水産施策の説明をしたり、食
・また、消費者の部屋では、特別展示を実施。
と農に関する疑問、質問に直接お答えします。消費者団体、市民団
体、自治会等グループの性格は問いません。職員派遣に要する費用(交
・このほか、「移動消費者の部屋」、名古屋市消費生活センタ
通費、資料代など)は不要です。皆様のお申し込みをお待ちしていま
ー「くらしの情報プラザ」内の出向展示、市民講座、出張講座
す!( 消費・安全部消費生活課ダイヤルイン:052-223-4651)
を実施。
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