中3 式の展開ができるようにしましょう。 因数分解ができるようにしましよう。 H中学校 1 取組の実際 (第3学年 式の展開と因数分解) 課題学習の授業を実践した。単に計算力を伸ばすという方法でなく、高校の内容を取り 入れながら、展開公式について深く理解させたいと考えた。また、パスカルの三角形を完 成させる場面では、数学の持つおもしろさや美しさを感じ取らせ、数学の奥の深さにふれ させたいと計画した。それが、数学に関する関心意欲を高め、計算力アップに繋がると考 える。 (1) 課 題 と 生 徒 の 反 応 導入課題 (a+b)3 を計算し、3乗公式をつくろう。 課題1 (a+b)4 を計算し、4乗公式をつくろう。 (a+b)5 を計算し、5乗公式をつくろう。 パスカルの三角形 1 課題2 11 係数だけに着目して、その規則性を見つけなさ → 121 い。 1331 1 4 6 4 1 いろいろな規則性があるが、ここでは、各段に並ぶ数字が求め らるとよいとした。つまり、上の2数の和が、次の数になっ ていることに気付かせた。これがパスカルの三角形と呼ばれ ていることを教える。 課題3 パスカルの三角形の数字を偶数と奇数で色分けをしな → さい。また、どんなことに気がつきますか。 (偶数は赤、奇数は青) (2) 指導の留意点 ・導入問題や課題1では、「学び合い学習」を取り入れ、生徒 の説明する力や表現力を高めさせる。 ・課題2では、全員が規則性に気がつき、その数学のおもしろ さを味わわせる。 ・課題3では、配布されたプリントに色を塗らせたあとで、コ ンピュータで、リーソフト「色分けパスカル」を利用し、画像を 見せる。15段だけでなく、50段、100段などを見せ、デザインになっていることを確認する。 さらに、3の剰余形、4の剰余形なども見せ、デザインになっていることを確認する。 2 成 果 (1) 生徒の感想より ・計算が苦手だったが、友だちに教えてもらって、3乗公式ができたときはうれしかった。 ・平方公式を暗記していたので、その作り方が思い出せてよかった。やっぱり、基本は大切だと思った。 ・パスカルの三角形に気がついた人はすごいと思った。数学は奥が深いと思う。 ・色を塗るのが楽しかった。まさか、きれいなデザインになるとは驚いた。あと、人に教えることは難し いけど、自分のためになるなと思った。また、こういう授業をやりたい。 ・数学と芸術が結びついているなんてすごいと思った。数学の計算は面倒だったけど、数学の事をよく知 ることができてよかった。みんな頑張っていたし、楽しかった。 (2) 成果 ・平方公式を暗記しているだけの生徒にとって、基本がどれだけ重要か理解させることができた。 ・3乗の公式作りでは、多くの生徒が複雑な同類項の計算につまずいていたが、そのつまずき故に、同 類項の意味や、分類の仕方に気がつくようになった。 ・「学び合い」学習をすることにより、教える方も、教えられる方も理解を深めることができた。 ・生徒の興味関心を引く教材であり、数学の美しさを感じとらせることができた。
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