平成 26 年度 1 挨拶(県管財課 第2回FM研究会 議事概要 杉山課長) ・ 本研究会の目的は、県内市町の公共施設等総合管理計画を策定することや、ファシリティ マネジメント(FM)の推進を図ることである。 ・ 当面は県内の公共施設情報の収集を行い、情報を共有していきたい。 ・ 例えば、公共施設の位置を地図(GIS)に落とし込み、さらに人口メッシュを重ねるこ とで、公共施設の見える化を行っていく方法もあり、情報の共有により可視化が進む。 ・ FM推進のため、将来的には広域的な調整も必要となってくると考える。 2 意見交換 (1) 課題の整理 ○ 公共施設情報調査(第 1 回)とりまとめ結果報告(県管財課) ・ 8 月 26 日に各市町あてに公共施設情報調査を依頼したが、その結果を報告する。 ・ 基礎情報、財政情報、財務諸表については、ほぼ回答があった。 ・ 人口情報については、市町全体の人口推計は回答があったが、地区別の人口推計については、 1市以外は回答がなかった。 ・ 情報の活用方法については、基礎情報、財政情報、財務諸表、人口情報については、公共施設 等総合管理計画の策定時に必要な情報と考えている。施設情報については、特にFM研究会で 共有したい情報である。 ・ 施設情報のうち、回答率が比較的高いものは、基本情報と建物情報である。 ・ これらの回答率の高い項目については、自治体間の情報共有・住民との情報共有のため、今年 度、できるところからオープンデータ化に取り組んでいきたいと考えている。 ・ 運営情報、エネルギー情報、利用情報については、回答率が比較的低かったが、これらは、今 後、公共施設の情報を見える化するために、各市町が作成する施設白書や施設カルテ等の資料 作成に必要な情報となることを想定している。また、来年度以降のオープンデータ化の検討項 目としていきたい。 ○ ◇ 公共施設等総合管理計画と施設情報の整理(アンケート結果報告)(県管財課) 公共施設総合管理計画アンケート結果について ・ 主管課が決まっているのは 70%。 ・ 全庁的な作成体制が整備済み又は整備予定は 25%。体制作りが課題となっている。 ・ 議会、首長へは計画の説明が済んでいる割合が多い。 ・ 作成方法は半数がコンサルに委託する予定である。 ・ 作成状況は半分以上の自治体が未着手。作成済みが 1 市。 ・ その他の課題として、ノウハウ不足が一番の課題である。また既存の方針との整合性や、施設 情報の分析をもとにした目標設定や推計が課題である。 ◇ 施設情報調査アンケート結果について ・ 多くの市町が調査の回答に難しかったとしている。 ・ 施設情報の項目等については、記入要領の不足との指摘もあり、今後も引き続き検討していき たい。例えば、施設情報は施設単位でなく棟単位とすべきとの意見もあり、参考としていきた い。 1 ・ 施設情報の整理が進んでいる市町においては、台帳と項目が異なることもあると思うが、でき る範囲で協力いただきたい。 ○ 地区別人口推計の手法の紹介(県管財課) ・ 県統計利用課が、県内市町の将来人口の推計ができるエクセルシートを作成している。 ・ そのエクセルシートをベースに市町における地区ごとの推計ができるものを試作した。 ・ エクセルに地区別基準人口、人口実績等を入力すると、地区別の人口推計が可能。また出生率、 社会移動率、生残率、出生性比の仮定を独自に入力すると、地区の実情に合った推計が可能。 ・ この地区別人口推計エクセルシートをFM研究会用として各市町に提供する。試験的に各市町 で推計が可能か確認してもらいたい。 ○ ◇ 個別課題についての意見交換 全庁的な体制構築について ・ 計画策定のための組織化、人員増の手当てがなく、職員が2人で別の業務を持ちながら公共施 設等総合管理計画に取り組んでおり、マンパワー不足である。 ・ 浜松市では、取組を始めた当初の体制は1.5人工程度であった。全庁的に取り組むことが必 要であり、職員の意識改革が必須である。また、トップの理解も必要であり、トップダウンと ボトムアップの両方で取り組むことが望ましい。所管課などの全庁的な協力があれば、今回の 計画は 1 人か 2 人の担当者でも策定可能である。 ・ 今回の計画は、ハコモノだけでなく、インフラの計画も必要であり、インフラ所管部署との温 度差がある。 ・ 焼津市では、現在インフラも含めてデータベース化を実施した。インフラも含めて資産経営課 が方向性を決める。当初から、ハコモノは再編ができるため総量の縮減が可能であり取組を進 めているが、次はインフラだと言い続けている。 ・ 財政課に認識してもらうことが重要。計画に基づかないものは予算をつけないこととすればよ い。 ・ 将来的にどんな組織がよいか検討していくことも必要であるが、FMの取組のスタート時点で は現有人工で効率的に実施していくしかない。 ◇ 公共施設等総合管理計画の策定方法(委託か直営か)について ・ 委託を予定しているが、どのような業者が適切か。公会計とのデータの連携などを検討してい かなければならない。 ・ 委託は、固定資産台帳と切り離して発注した。 ・ 台帳の作成について委託した。経験から言うと、委託先の理解が不十分な状態で作業を実施し たため、差し戻しが発生するなど、デメリットも考慮した方がよい。 ・ 委託先は決められたフォーマットにデータを落とし込む作業を行うだけであり、データから見 えてくる課題を抽出し、それをどうしていくかは職員が考えるべきことである。 ・ 各市町(職員)がどのような計画を作りたいか考えるべきである。委託は行政がやらなくても よいデータベース化等の業務で実施すべきであり、委託と直営を使い分けるべきである。 ・ 事務局としては、計画を作るところで深く悩んで、FMの取組が進まないことは避けたい。今 回の施設情報調査の項目をしっかり埋められれば、公共施設等総合管理計画策定の前半の分析 についてはほぼベースができる仕組みとなっている。 2 ・ 今回の施設情報調査を活用し、現状の課題の分析を行った後、方針を考えるところは直営でや らなければならない部分である。 ◇ 既存の方針との整合性について ・ 本市では公園等は長寿命化計画があるが、道路はない。各施設ごと取組に温度差があり、計画 があるものとないものが混在しているため、全体計画としての体系化が難しい。 ・ インフラは土木部局で管理しているが、ハコモノはそれぞれの部局で管理しているため、性質 が異なる。国は計画には全てのインフラを盛り込むこととしているが、静岡市では全てのイン フラについて、足並みを揃える形で詳細な計画があるわけではない。 ・ 浜松市では、インフラ、ハコモノの既存の計画については、公共施設等総合管理計画に一本化 する予定。 ・ 焼津市では、既存の計画は各部局内で作成したものであり、それをそのまま全て実行していく のは財政的に難しい。公共施設等総合管理計画は、それら既存計画の最上位のものとして作成 し、全体的な整合性を確保していきたいと考える。 ◇ 情報共有の範囲について ・ 公共施設情報調査の施設情報について、徐々にオープンデータ化を実施して、情報共有を進め たい。 ・ データ更新を頻繁に行って、生きた情報としてほしい。 ◇ 計画策定後の取組 ・ 公共施設情報のオープンデータ化は先進的であり進めていきたい。また、国・県・市町の財産 の連携も考えるべきである。 ・ 将来的には、国に対しての制度創設の提案等を本研究会でまとめたい。例えば除却の際の補助 金返還や、国の窓口の一本化などの要望があるのではないか。 ・ 県内市町全体でFMに取り組めば、各市町の取組も進みやすいのではないか。取組についての 住民の理解も得やすい。また広域連携も視野に入れるべきである。 ・ 他市からも本研究会の中で広域連携についても話し合いたいとの提案もあった。地域(ブロッ ク)ごとの話し合いも検討していきたい。 ・ 例えば、県営住宅と市営住宅が隣にあるところがあり、改善の余地があるなど。 (2)今年度の実績報告(県管財課) ・ 来年2月の行政経営研究会で、本研究会の今年度の実績を報告する。 ・ 今年度の実績は、まず第一に公共施設情報のオープンデータ化による情報共有とする予定。 ・ 情報共有の効果の例としては、地図(GIS)に公共施設情報を落とし込むことで、見える化 が進む。例えば県と市町の施設の重なりなども可視化される。 ・ その他の今年度の実績として、広域調整の試行や建物除却促進策の検討に着手し、次年度 以降継続して研究していくことを報告したい。 3 その他(質疑等) ・ 台帳を整理するため、公共施設のデータ管理の項目のサンプルがほしい。 → 総務省の公会計(固定資産台帳)の検討の経過を把握し情報提供する。 3
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