ガス絶縁開閉装置(GIS)を取り巻く規格の動向調査専門委員会 設置

ガス絶縁開閉装置(GIS)を取り巻く規格の動向調査専門委員会
設置趣意書
開閉保護技術委員会
1.目 的
1968年に日本で初めてのガス絶縁開閉装置(以下GISと表す)(72/84kV、
相分離形)のフィールド試験が、その翌年に商用運転が開始されてから、40年が経過し
つつある。この間、GISの技術進歩は高電圧・大容量化に始まり、その後、高信頼度化、
小形化を重ねて現在に至っている。
GISはガス遮断器、断路器、接地開閉器等が組み合わされて構成された複合機器であ
ることから、これらを取り巻く規格は、GISを構成するそれぞれの単独の機器に焦点を
当て、その機器に必要とされる諸性能を中心に制定され運用されてきた。GISが幅広く
運用され運転実績も豊富になると共に、システム製品としてのGIS自体を規格化する認
識が高まり、単独の機器に要求される規格との連携を図りながらGISの規格化が行われ
て来ている。
GISを構成する各機器の規格を踏まえたうえで、GISシステムとしての規格を明確
にしたことは、GISの信頼性評価のために与えた効果は大きい。
あわせて、最近ではUHV、HVDC送電等の高電圧化技術の実用化が加速しており、
国内外共に規格の改定が盛んに行われる傾向にある。また、海外諸国においても、現在の
国際規格(IEC)を踏まえ、その国独自の規格化を加速させている。特に、今後電力需
要が大幅に急増すると思われる新進国においてその傾向が著しい。
以上の観点から、定格電圧72/84kV以上のクラスを対象として、GISを取り巻
く内外の規格の動向を体系的に整理し、解説することは意義深いと考えられる。そこで、
日本におけるGISの規格(JEC)を中心として、国内外の規格の変遷との関わり、G
ISを取り巻く基本規格及び関連機器規格との関係、また将来にわたるGIS規格化の動
向に対する考察、解説を行うことを目的として本調査専門委員会を設立する。
2.背景および内外機関における調査活動
日本におけるGISの規格については1994年にJEC-2350-1994が制定
された。その後もGISの適用が拡大し、使用実態の多様化や地球温暖化への影響等の配
慮、及び国内外の関連規格の改定との整合が必要になったことから2005年にJEC-
2350-2005として改定された。
また、2006年12月には「ガス絶縁開閉装置(GIS)の適用ガイド」が発行され
JEC-2350-2005改定における技術的背景の調査、解説が行われている。
この後の動向として、国際的にUHV送電技術の実用化が急激に伸び、国際規格の統一
が求められていること、GIS通信、制御に関わる国際規格IEC61850の制定、お
よび新進諸国の新規制定規格の動向等が活発に議論されており、JEC-2350-20
05を中心として、これを取り巻く内外の規格の動向を通してGISに関わる技術的動向
を考察することは意義深いと考えられる。
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3.調査検討事項
(1)日本におけるGIS規格化の経緯、及び背景
・規格制定、改定の経緯、技術的背景
・規格運用上の問題点、疑問点に対するアンケート調査
(2)国際規格におけるGIS規格化の経緯、及び背景
・IEC規格における規格の構成、制定と改定の経緯
(3)GISを取り巻く基本規格及び関連機器の規格の動向
・ GISを取り巻く新規技術に対する規格の動向
・ 試験電圧、試験法等の基本規格の動向
・ 個別機器の規格動向
(4)JEC-2350 を中心とした国際規格、関連機器規格の技術的背景の調査、解説
・国内外規格の比較、及び技術的解説
(5)今後のGIS新技術に対する動向、及び規格化の動向
・ユーザ、メーカ側から見た規格化の要求事項
・国際動向から見たJEC規格化の要求事項、等
4.予想される効果
GIS規格の考察を通して、製品運用時に要求される技術的背景を明らかにすることで、
変電所システムとしてのGISの信頼性向上に寄与する。実用面としては、規格制定の背
景を知ることの出来る技術資料としての活用が期待できる。
5.調査期間
平成21年(2009年)04月 ~ 平成23年(2011年)03月 (2年間)
6.委員会の構成
・委員長: 東 誠司 (東芝)
会員
・委員:
河村 達雄(東京大学名誉教授)
会員
・ 同 :
大久保 仁(名古屋大学)
会員
・ 同 :
日高 邦彦(東京大学)
会員
・ 同 :
原 雅則 (九州電力総合研究所)
会員
・ 同 :
大塚 信也(九州工業大学)
会員
・ 同 :
田中 康規(金沢大学)
会員
・ 同 :
新開 裕行(電力中央研究所)
会員
・ 同 :
湯浅 禎之(東京電力)
会員
・ 同 :
三宅 勝幸(中部電力)
会員
・ 同 :
松下 義尚(関西電力)
会員
・ 同 :
山口 一徳(九州電力)
会員
・ 同 :
木佐貫 治(三菱電機)
会員
・ 同 :
藤原 史岳(高岳製作所)
会員
・ 同 :
諸岡 宏文(日新電機)
会員
・ 同 :
六戸 敏昭(日立製作所)
会員
・ 同 :
山根 雄一郎(日本 AE パワーシステムズ)
会員
・幹事:
高橋 裕二(東芝)
会員
・幹事補佐:細川 修 (東芝)
会員
7.活動予定
・委員会:6回/年
・研究会:1回/年
8.報告形態
技術報告書をもって報告とする。
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