中学校 保健体育科 (平 成 25 年 度 ) 9 第3学年 保健体育科 学習指導案 解決したい授業力の課題 私は,生徒自身が運動の目的や意味 を理解し,どうしたら技能を高められるかを 求めて 主体的に運動に取り組む保健体育授業づくりを目指している。そのために,ファシリテー シ ョ ン ・ グ ラ フ ィ ッ ク ( 以 下 FG) を 活 用 し , 生 徒 一 人 ひ と り の 多 様 な 考 え や 思 い を 導 き 出 し,整理して課題を克服していく活動を学習過程に取り入れることが有効であると仮説を 立 て た 。 本 実 践 で は , 保 健 体 育 授 業 に お け る FG の 有 効 性 と 活 用 方 法 に つ い て 研 究 す る 。 1 単元名 2 単元の目標 領域:武道 種目:柔道 ○ 柔 道 に 自 主 的 に 取 り 組 む と と も に ,相 手 を 尊 重 し ,伝 統 的 な 行 動 の 仕 方 を 大 切 に し よ う と す ること,自己の責任を果たそうとすることなどや,健康・安全を確保することができる。 (関心・意欲・態度) ○ 相 手 の 動 き に 応 じ た 基 本 動 作 か ら ,基 本 と な る 技 ,得 意 技 や 連 絡 技 を 用 い て ,相 手 を 崩 し て 投げたり,抑えたりするなどの攻防を展開することができる。 (技能) ○ 伝 統 的 な 考 え 方 ,技 の 名 称 や 見 取 り 稽 古 の 仕 方 ,体 力 の 高 め 方 ,運 動 観 察 の 方 法 な ど を 理 解 し ,自 己の 課 題 に 応じ た 運 動 の 取り 組 み 方 を 工 夫で き る 。 3 単元の評価規準 関心・意欲・態度 思考・判断 柔道の特性に関心を もち,楽しさや喜びを 味わえるよう伝統的な 行動の仕方に留意し て,お互いに相手を尊 重し,進んで練習や試 合に取り組もうとする とともに,勝敗に対し て公正な態度をとろう とする。また,禁じ技 を用いないなど,安全 に留意して練習や試合 をしようとする。 自分の能力に応じた 技を習得するための課 題を設定し,その解決 を目指して,練習の仕 方や試合の仕方を工夫 している。また,他者 と協力し合い,考え教 え合いながら課題の解 決に向けた方法を実践 している。 4 ( 知 識 ・ 理 解 /思 考 ・ 判 断 ) 技能 知識・理解 柔道の特性に応じた 柔道の特性や学び 技能を身に付けるとと 方,技術の系統性・構 も に ,そ の 技 能 を 高 め , 造 ・ 合 理 的 な 練 習 の 仕 相手の動きに対応した 方 を 理 解 す る と と も 攻防を展開して練習や に,試合や審判の方法 試合ができる。 を理解し,知識を身に 付けている。 単元と指導の構想 (1)単 元 と 生 徒 柔道は,武技,武術などから発生した,我が国固有の文化として伝統的な行動の仕方が重視 される運動で,相手の動きに対応した攻防ができるように することをねらいとしている。 自分 の体力や体格に応じて相手の力を利用しながら投げたり抑え込んだりすることによって,楽し さや喜びを味わうことができるとともに,得意技を使っていろいろな相手と練習や試合ができ るようになると,一層楽しさや喜び,魅力が増してくる運動である。また,相手を尊重し公正 な態度で取り組むことや,規律や礼儀作法を守ることなど,人間形成の面からも非常に効果的 な運動である。このような,他の単元にはない武道特有の特徴を生かし,規律や礼儀作法を重 視した指導をしていきたい。 生 徒 の 実 態 と し て は ,生 徒 ア ン ケ ー ト 結 果 で 83% の 生 徒 が「 授 業 に 意 欲 的 に 取 り 組 ん で い る 」 と回答している。しかし,運動が得意・不得意と答える生徒の二極化がはっきりとしており, 1 身体能力的に優れ,発言力が大きい生徒が中心となって活動が成り立っているという 様子が随 所に見られる。さらに,コミュニケーション能力が低く, 他者とかかわり合うようなグループ 活 動 を 好 ま な い 生 徒 が 多 い 。 ま た , 96% の 生 徒 が 「 授 業 内 容 は わ か り や す い 」 と 肯 定 的 な 回 答 しているが,運動の目的や意味や方法について問うと多くの 生徒が十分に理解しているとは言 えない実態がある。むしろ問題と思われ るのは,受け身の生徒が多いことである。これらの生 徒の実態を踏まえて自己分析すると,教師主導の詰め込み型の授業展開となっており,生徒が 本 当 の 意 味 で 十 分 に 理 解 さ れ て い な い ま ま で 課 題 設 定 が な さ れ て い る 場 合 が 多 か っ た 。そ し て , 与えられた技能や知識を活用し,課題達成に向けて生徒達が運動をこなしているだけにすぎな い授業展開が繰り返されていたことが推測される。 (2) 指 導 の 構 想 本単元を通して,他者と協力し合いながら学び合い,参加生徒全員が生き生きと活動に取り 組むような姿を引き出したい。そのために,技のコツやポイントを見付けるための手だてを講 ず る 。具 体 的 な 手 だ て と し て ,技 を 習 得 さ せ る 学 習 過 程 で FG を 有 効 に 活 用 し ,生 徒 一 人 ひ と り の考えや思いを引き出す中で,問題意識を喚起し,課題を共有化する。 そして,生徒自身が導 き出した課題を具体的かつ明確に認識させ,主体的に運動にかかわろうとする意欲を高め なが ら 基 本 的 な 技 能 や 知 識 の 習 得 を 目 指 す 。保 健 体 育 授 業 の 学 習 過 程 で FG を 効 果 的 に 活 用 す る た め に,子ども同士が主体的にかかわり合いながら言語活動(話す・聞く・書く・読む)を行うス キルを身に付けさせるとともに,自分の考えや思いを気兼ねなく表出できる,良好な人間関係 づくりを構築することも視野に入れながら指導していきたい。 そして,解題追求活動の場面で は,安全に柔道を楽しむための3原則「残心,潔さ,命綱」を再確認し ,安全面には特に留意 させながら指導をする。 5 単 元 (題 材 )の 指 導 計 画 ( 全 10 時 間 ) 評価 関考技知 評価規準(評価の観点) ○オリエンテーション ◎ ・柔 道 の 特 性 に 興 味・関 心 を も ち 進 ん で 学 ・学習カード,学習資料の使い方を 習しようとする。(関) 知り,学習の見通しをもつ。 ○ ・学習カード,学習資料の内容を理解し, ・基本動作,既習技(固め技・立ち 学習の進め方に見通しをもち進んで学 技)の確認 習しようとする。(関) ・基 本 動 作 や 既 習 技 に つ い て 理 解 し た こ と を言ったり,書いたりしている。(知) ○学習Ⅰ ○ ○ ・ FG で 考 え を 出 し 合 い な が ら , 課 題 の 解 共通課題として既習技の練習を行 決に向けた方法を見付けている。(考) う。 ◎ ・正 し い 基 本 動 作 で 対 人 的 技 能 の 練 習 を す ・ FG を 活 用 し た 課 題 設 定 ・ 追 求 活 動 ることができる。(技) ・作りと掛けの理論を正しく習得す ・体 落 と し の ポ イ ン ト が「 崩 し 」で あ る こ る。 と を 作 り と 掛 け の 理 論 に そ っ て ,具 体 的 に言ったり,書いたりしている。(知) ○学習Ⅱ ○ ・技 の 合 理 を 考 え ,工 夫 し て 自 分 に 適 し た 手 技 「 体 落 と し 」 ,足 技 「 膝 車 」, 技を見付けている。(考) 腰技「大腰」の中から,自分に合っ ◎ ・自分の選択した技のポイントが理解で た得意技を1つ選び,課題学習を行 き ,自 ら 設 定 し た 課 題 を 追 求 し ,選 択 し う。 た技を掛けることができる。 (技) ・ポイントの練習 ○学習Ⅲ ○ ・習 得 し た 技 を 対 人 技 能 と し て 使 え る よ う 学習Ⅰ,Ⅱで身に付けた技を対人 に ,相 手 を 尊 重 し ,進 ん で 練 習 に 取 り 組 技能として使えるように課題学習を ◎ もうとする。(関) 行う。 ・実 践 の 場 面 を 想 定 し ,自 ら の 課 題 を 解 決 ・移動打ち込み できる練習方法を選んでいる。(考) ・約束練習 ・連続技の練習 時 学 習 内 容( ○ )と 主 な 活 動 内 容 ( ・ ) 1 2 3 4 本 時 5 6 7 8 2 9 ○学習Ⅳ 10 ・ 簡 易 試 合 ・まとめ 6 ○ ・身 に 付 け た 技 を 用 い て ,簡 易 ル ー ル に 従 い安全に試合をすることができる。 (技) ・簡 易 試 合 の 審 判 で ,き ま り 技 の 名 称 を 言 ◎ ったり,簡易ルールを使ったりしてい る。(知) ・学 習 全 体 を 自 己 評 価 し て ,学 習 し た 具 体 例を挙げている。(知) 本 時 の 計 画 ( 4 時 間 目 / 全 10 時 間 ) (1)本 時 の ね ら い ・相手に技を合理的に掛けるための自己の課題を発見できる。(思考・判断) ・崩 し た 相 手 の 動 き の 変 化 に 応 じ た 体 さ ば き で 手 技「 体 落 と し 」を 掛 け る こ と が で き る 。( 技 能 /知 識 ・ 理 解 ) (2) 本 時 の 構 想 前時までに1・2年次で行った基本動作や既習技はおおむね定着している。しかし,投げ技 については,相手の動きに応じた基本動作を 本当の意味で理解しておらず,うまく投げるまで には至っていない。したがって,「作りと掛け」(※1)の理論を正しく理解し,柔道特有の 理合い(※2)を活用して相手を投げる技術を習得させたい。わかりやすく技術を習得させて いくために,まずは投げ技を「掛ける」ためには「相手の作り=崩し」で生じた変化に「自分 の作り=体さばき」で応じることを理解させる。そこで本時は,最も重要となる「崩し」をテ ー マ に FG( ※ 3 )を 活 用 し ,話 し 合 い 活 動 を 行 う 。生 徒 自 ら 湧 き 出 る 多 様 な 発 想 を 基 に し な が らキーワードを導き出し,生徒自身に気付かせながら正しい基本動作の習得へと結び付けてい く。 「崩し」の理論をわかりやすく簡潔に理解させるための手だてとして,「人差し指一本で相 手をコントロールできるくらいが理想の崩し」を解説し,ゲーム感覚で楽しみながら体得させ る 。 ま た , そ の 理 論 を 活 用 し た 教 師 の 体 落 と し の 示 範 を 活 用 し , FG を 活 性 化 さ せ る 。 本 時 で の FG の 活 用 は ,生 徒 の 意 見 を た く さ ん 出 す こ と に 重 点 を 置 く も の と し ,次 時 の 課 題 追 求する場面で活用したり,フィードバックさせたりする。 活用するにあたり,自分の考えや思 いを気兼ねなく表出できるように絶対に守らなければならない 3つのルール(①他人を否定し ない。②遠慮しない。③全員が参加する。) を設定し,全員が確実に守れるように指導する。 そして,各班毎に事前指導してあるミニファシリテーターを一人配置し,周囲の生徒は自分の ペンの色で自由に発言しながら書き込む手法 とする。教師は全体(男女混合の合計6班)のフ ァ シ リ テ ー タ ー と し て 机 間 巡 視 し な が ら 声 か け や 書 き 込 み を 加 え ,見 方 や 考 え を 広 げ さ せ た り , 方 向 を 変 え さ せ た り す る 役 割 を す る 。さ ら に ,視 聴 覚 機 材 を 活 用 し ,FG の 活 動 中 は 教 師 の 示 範 を動画で流しておき,いつでも確認できるようにしておく 。課題解決するまでには至らず,教 師の支援を要する生徒については,次時でデジタルカメラなどの視聴覚機材を活用し ながら個 別指導をしていく。 【用語解説】 ( ※ 1 )作 り と 掛 け …「 作 り 」と は ,技 が か か り や す い よ う に 相 手 の 姿 勢 を 崩 す「 相 手 の 作 り 」 と,技を掛けるのに都合の良い位置 ,方向,姿勢で体捌きをする「自分の作り」 の2 つがある。「掛け」とは,相手を投げる,相手を固技で抑え・絞め・間接を極めるこ とである。 (※2)理合い…道理の程度。わけ。わけあい。 ( ※ 3 ) FG… 模 造 紙 に 話 し 合 い の 内 容 を 記 録 す る こ と 。 議 論 の 内 容 を 視 覚 化 す る こ と に よ り , 次 第 に 論 点 が ま と ま り 新 し い 情 報 が 浮 か び 上 が っ て く る 。そ の た め ,従 来 の 話 合 い 活 動に比べて,より短時間で成果の大きい話合い活動を運営することができる。また , 記 録 さ れ る こ と に よ っ て ,自 分 の 意 見 を 受 け 止 め て も ら っ た と い う 安 心 感 や 一 緒 に 新 し い 情 報 を 導 き 出 し た い と い う 達 成 感 が 生 ま れ ,信 頼 関 係 づ く り ,組 織 の 活 性 化 も 期 待できる。 3 (3) 本 時 の 展 開 学習活動 導入 10 分 1 準備運動 2 集 合 ,整 列 ,挨 拶 ,出 欠 確 認 ,健 康観察 3 寝 技 の乱 取 り稽 古 45秒 ×3本 教師の働き掛けと予想される児童生徒の反応 ■評価・○留意点 S1:体 育 係 の号 令 で円 滑 に準 備 運 動 を進 め,服 装 を正 し,整 然 と並 ぶ。正 しい礼 法 で挨 拶 をする。(座 礼 ) T1:足 を崩 しましょう。 S2:正 座 からあぐらになり,話 を聞 く体 勢 をとる。 ○正しい柔道着の 着 こなし で,きちん とした礼 法 で挨 拶 ができるようにす る。 T2:前 の 授 業 で 確 認 し た 固 め 技 と 返 し 方 を 使 っ て 寝 技 の 乱取り稽古をしよう。 T3:相 手 に抑 え込 まれないように頑 張 りましょう。 S3:2人 組 になり,寝 技 の乱 取 り稽 古 をする。 4 本時の学 習 内容 の説 明 T4:黒 板 の前 に集 合 しましょう。 S4:黒 板 の前 に素 早 く集 合 する。 T5:前 回 の授 業 で,「相 手 を投 げるためには①相 手 を崩 し,その 動 きに応 じて②自 分 が体 さばきをして③掛 ける 」ことを学 習 しま した。体 さばきが先 でも,掛 けるのが先 でも崩 しが無 ければうま く投 げるこ とはで きません 。 したがって ,「 崩 し 」がと ても重 要 に なります。 ○デジタルタイマーを セットし,安 全 に稽 古 が行 われている か巡 視 する。 ○安 全 に 留 意 しなが ら,意 欲 的 に寝 技 の乱 取 り稽 古 に取 り組 んでいるか巡 視 する。 ○「作 りと掛 け」の理 論を黒板に掲示 する。 作り ①相手の作り 崩し ②自分の作り 体さばき ③掛け S:5 前 時 の内 容 を復 習 する。 T6:これから崩 しのゲームをします。 5 崩 しのゲームⅠ (3分 ) T7:「 人 差 し 指 ゲ ー ム パ ー ト Ⅰ 」 を し ま し ょ う 。 T8:ルールを説 明 します。崩 しとは ,人 差 し指 だけで相 手 をコント ロールできるくらいの崩 しが理 想 であると言 われています。うまく コントロ ールする ことができた人 が勝 ちです。各 班 で男 女 2つの 3人 グループに分 かれ,1人 は出 来 ているか確 認 してあげて下 さい。 S7:どれくらい崩 せていればいいのかを体 感 する。 T9:集 合 しましょう。 S6:素 早 く集 合 する。 T10:「 人 差 し 指 ゲ ー ム パ ー ト Ⅱ 」 を し ま し ょ う 。 6 崩 しのゲームⅡ (3分 ) T11:「人 差 し指 ゲームパート①」の動 きに移 動 を加 えます 。相 手 は「5 割 の動 き( 歩 幅 )」 で 動 き 続 け ます 。自 分 は , 同 じ 「5 割 の 動 き(歩 幅 )」から3歩 目 のみ「6割 の動 き(歩 幅 )」をします。 そう すると,相 手 は不 思 議 と絶 妙 に崩 れています。相 手 に悟 られな いよ うに崩 すゲームです。先 ほどと同 じように各 班 でゲームをし て下 さい。 S7:相 手 に悟 られないように崩 して不 安 定 にすること,自 分 が安 定 していることが崩 しであることを体 感 する。 4 ○「人 差 し指 で相 手 をコントロールでき るくらいの崩 し」を 実 際 に模 範 で示 しながら解 説 をす る。 相 手 は 自 然 体 で足 を大 きく開 き, そのばから足 を動 かさずに倒 れ込 ん でもらうよう指 示 す る。相手を信頼 し,腰 を曲 げず伸 ばすよう指 示 をす る。 ○相 手 は5割 の動 き で3歩 前 進 する。 自 分 は 3 歩 目 のみ 6割 の動 きをし,手 を 放 して もら う。人 差 し指 一 本 の崩 し が で き て い る こ とを 確 認 させる。 7 引 き手 と釣 り手 の 使 い方 の確 認 T12:前 回 は ,手 技 の 体 落 と し の 正 し い 引 き 手 と 釣 り 手 の 使 い 方 を 学 習 し ま した。今日は,ゲームで学んだ崩しを活用して体落としを学習します。 S8:本 時 の 学 習 の 内 容 を 理 解 す る 。 展開 35 分 8 教 師 の示 範 観 察 T13:先 生 の「体 落 とし」はどうやって相 手 を作 っているのか じっくり と観 察 して下 さい。 ポイントは3つあります。1つ目 は,「腕 ,肘 ,手 などの上 半 身 」。 2 つ 目 は 「 腿 , 膝 , 足 な どの 下 半 身 」 。 3つ 目 は「顔 , 視 線 , 気 持 ちなどのその他 」の3つの視 点 で観 察 して下 さい 。 ○ FG を 活 性 化 さ せ る手 だてとして教 師 が「体 落 とし」の 示 範 を示 す。 その場から相手を崩して前回りさばきで 体落としを3回掛ける。 →「 人 差 し 指 ゲ ー ム 」で 得 た 理 想 の 崩 し の 作 り 方 が わ か り や す いように相手の作りで止めながら示範をする。 9 FG活 動 ①(3分 ) S9:3つの視 点 で崩 し方 に着 目 しながらじっくりと観 察 する。 T14:こ ん な に 簡 単 に み ん な が す ぐ に 出 来 た ら 苦 労 し ま せ んよね。 T15:「 そ こ で , 体 落 と し で 相 手 を う ま く 崩 し て 投 げ る た め にはどうしたらいいのだろう。下半身(腿・膝・足) は?上半身(腕・肘・手)は?その他 (顔・視線・気 持ち)は?3つの視点でみんなで協力し,できるだけ たくさん書いてみよう。 T16:FG の『絶 対 に守 らなければならない3つのルール』を確 認 し ましょう。 S10:過 去 に経 験 したことを思 い出 し,①他 人 を否 定 しない。②遠 慮 しない。③全 員 が参 加 する。を再 確 認 する。 T17:今 回 は,とにかくたくさん意 見 を出 せた班 が勝 ちです。各 班 の班 長 は, フ ァシリテ ーターと して 頑 張 って 下 さ い 。それ では , ファシリテーターは用 紙 とペンを持 っていき,活 動 を始 めて下 さ い。制 限 時 間 は8分 です。 S11:各 班 に分 かれてファシリテーターを中 心 に, FG に取 り組 む。 S12:予 想 さ れ る 生 徒 の 発 言 a「 手 は 引 く 方 向 が 大 事 だ よ 。 」 b「 足 は ち ょ っ と 離 れ た 方 が 良 い み た い 。 」 c「 釣 り 手 と 引 き 手 の 両 手 を 引 く の ? 」 T18:一 回 ,活 動 を止 めて集 合 しましょう。 S13:活 動 を止 めて素 早 く集 合 する。 10 FG 活 動 ②(3分 ) T19:とても良 い意 見 を出 している班 があるので紹 介 します 。 S13:新 しい発 想 に刺 激 を受 ける。 T20:とても良 いポイントを導 き出 していますね。負 けないようにどん どん意 見 を出 し合 いましょう。活 動 を再 開 して下 さい。 S14:意 欲 が喚 起 され,視 点 を変 えながら活 動 を再 開 する。 T21:活 動 を止 めて集 合 しましょう。 S15:活 動 を止 めて素 早 く集 合 する。 T22:とてもたくさんのキーワードが出 てきたようですね。 12 FG 活 動 ③(2分 ) T23:FG に 書 き 込 ん だ キ ー ワ ー ド は ,実 際 に ど れ が 役 立 ちそうですか。 5 ○ 本 時 の FG の テ ー マ や , FG に お け る 注意事項を黒板 に掲 示 する。 ○FGに ついては, 簡 単に復習する程 度 にする。 ○各 班 の班 長 をミニ ファシリテータ ー役 とし , 用 紙 とペ ンを 配 付 する。ペン は,誰 が書 いたの かわかるように使 用 したペンの色 で 名前を記入させ る。 ○教 師 は全 体 のファ シリテーターとして 巡 視 しながら見 方 や考 え 方 を広 げた り,変 えたりする。 ■ FG で 自 分 の 考 え や思 いを発 言 し, 記 述 している。 (考 ・知 /観 察 ,ワー クシート) T24:役 立 ちそ うなものには◎。まあ まあ役 立 ちそう なものには○。 またわかりやすいように赤 ペンで囲 ったり書 き加 えたりしてもかま いません。 S16:赤 ペンで重 要 なものを整 理 し ,キーワードを絞 り出 していく。 13 体 落 としの追 求 活 動 (6分 ) T25:そ れ で は , FG に 書 き 込 ん だ キ ー ワ ー ド は 本 当 に 役 立つか確かめてみましょう。 S17 : 体 落 と しは , 投 げる ま での 段 階 的 な 指 導 を 前 時 ま でに 行 っ ているため,FG で出 てきたキーワードを意 識 しながら実 際 に投 げてみる。 T26:活 動 を止 めて集 合 しましょう。 S18:素 早 く集 合 する。 14 FG 活 動 ③(3分 ) T27:実 際 に 活 動 を し て わ か っ た こ と は あ り ま す か 。 ○「安 全 に柔 道 を楽 しむための3原 則 」 を再 確 認 し,安 全 面 への意 識 を喚 起 する。必 要 に応 じて,集 合 させな がら指 導 する。 T28:自 分 の班 の FG に新 たに発 見 したことを書 き加 えましょう。 S19:新 たに発 見 したことやわかったことを書 き加 え る。 15 体 落 と し の 追 求 活 動 (10 分 ) T29:そ れ で は 相 手 を 変 え て 確 か め て み ま し ょ う 。 T30:班 員 にこだわらなくても良 いです。相 手 を自 由 に 変 えて練 習 して下 さい。体 型 が同 じくらいの人 と2人 組 になり,実 際 に掛 け 合 ってみましょう。 S20:相 手 を変 えて別 の班 の意 見 も取 り入 れながら練 習 する。 T31:活 動 を止 めて集 合 しましょう。 S21:素 早 く集 合 する。 16 FG 活 動 ④(3分 ) T32:ど う で し た か , 新 し い 発 見 は あ り ま し た か 。 T33:自 分 の班 の FG に新 たに発 見 したことを書 き加 えましょう。 S22:新 たに発 見 したことやわかったことを書 き加 え る。 T34:み ん な が 考 え る 「 体 落 と し の 崩 し で 大 切 な こ と 」 は 何でしたか。 S23:指 名 された生 徒 が発 表 する。 終末 5分 17 本 時 の感 想 18 次 時 の予 告 19 集 合 ,整 列 20 挨 拶 21 学 習 カード記 入 T35:とても良 い意 見 がた くさん でま した。 みんなが 出 してく れた こ の意 見 を参 考 に ,次 回 は さらに体 落 としの技 術 を磨 いていきま す。今 日 はここまでにします。整 列 しましょう。 S24:服 装 を正 し,整 然 と並 ぶ 。 T36:そ れでは ,終 わります。学 習 カードに記 入 して体 育 係 は回 収 しておいて下 さい。 S25:正 しい礼 法 で挨 拶 をする。(座 礼 ) S26:学 習 カードに記 入 し,体 育 係 に提 出 する。 ○複数の相手と練 習をするよう指 示を出す。 ■崩した相手の動 きに応じて体さ ばきをし,一連 の動作で体落と しを掛ける,ま たは投げること ができる。 ( 技 /観 察 , ワ ー ク シート) ○必要に応じて発 問を繰り返しな がら導き出す。 ○本時の取り組み について感想を 述べ,自分自身 の取り組みを振 り返らせる。 ○怪 我 がないか確 認 する。 (4) 本 時 の 評 価 ・相手に技を合理的に掛けるための自己の課題を発見することができた。 ・崩した相手の動きの変化に応じた体さばきで手技「体落とし」を掛けることができた。 7 参考文献 ○ 堀 公 俊 ,加 藤 彰( 2006)『 フ ァ シ リ テ ー シ ョ ン・グ ラ フ ィ ッ ク:議 論 を 見 え る 化 す る 技 法 』 日本経済新聞社 ○ 藤 原 友 和( 2013)『 教 師 が 変 わ る ! 授 業 が 変 わ る ! フ ァ シ リ テ ー シ ョ ン・グ ラ フ ィ ッ ク 入 門』明治図書出版株式会社 6
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