『円環的超克理論リゾーム派生FC・方法序説』

『円環的超克理論リゾーム派生FC・方法序説』
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『はじめに』
フランチャイズ・システムとは、フランチャイザー(本部)とフランチャイジー(加盟者)
による相互関係から成立するビジネスシステム(モデル)である。本部は加盟者に対し、
本部が持つ商標、サービスマーク、チェーンの名称、経営ノウハウ・継続的指導など、援
助を受ける権利(フランチャイズパッケージ)を提供する。それに対し、加盟者は加盟金
およびロイヤルティと呼ばれる対価を継続的に本部に支払うことにより相互関係が成立す
る。
フランチャイズ・システムの研究は「再現性」というキーワードにより、多くの領域で研
究者を魅了してきた分野であるが、FCの論理的な整合性や根拠は自然主義的な手法では
発見されていない。そもそも、絶対的に成功しているフランチャイズ・システムが存在す
るというのならば、本部は加盟店を買い戻すのは当然であり、最終的に100%が直営店に帰
結するはずである。しかしながら、現在直営比率を増やし続けているFC本部は存在せず、
それはひとえに再現性の根拠がない事を意味する。フランチャイズの売上予測や収益予測
は当事者間にはある種の合理的な方法に基づく相当性のある予測を提供しているという合
意は存在するはずであるが、それが合理的なものでなかった場合には,先に述べた合意の
範囲で成立した周辺的合意の債務不履行責任が問題となりうる。
現在、不安定・不確実性である市場本来の姿が露わとなっている。経済は散逸構造である
為、顧客ニーズが頻繁に変動するのは当然であるが、そうなってしまうと現在のFCビジ
ネスモデルの根本が揺らいでしまう可能性がある。また、そういった背景からフランチャ
イズ・ビジネスにとって、残余利益を生成するための無形資産がより重要となる。
その無形資産とは、例えば加盟店にとっての教育やトレーニングであったり、品質の管理、
その地域適応の独自の個店サービス化へのシフトであり、『より効率的な店舗運営』とい
ったオペレーションはあまり意味をなさない。このことから、今後のFCの努力とは相互
代替的というよりも、むしろ補完的。これが不可欠な概念であることから、自己組織化を
生成するFC『リゾーム派生型』を提唱する。
全員が互いに最適な戦略を選択した状態はナッシュ均衡であるが、それは妥協と紙一重であり、
功利主義的な数の最大数至上主義なども、マジョリティに従ったにすぎない。それを避ける為に
は、加盟店には意思決定の自律性を失わせてはいけない。よって既存のFC構造である『本
部が販売に関する意思決定権を完全に支配する』といった「垂直統合」は抑圧によって機
能しない部分が生まれ、またその根拠性を契約書などに網羅させ、明記することは不可能
である。なぜならば明記することのできる権利とは、汎用的な知識やノウハウ、そして形
式知に過ぎないからだ。
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