2014 年度「ファイナンス保険数理特論」 補足5 — 確率収束について(2) — 2014 年 6 月 30 日, 高岡浩一郎∗ 【このファイルは2頁分です. 】 はじめに ) Ω, F, P を考え,Ω の(高々)可算個の分割 { Ai }i∈N を考える.つまり, ∀i ∈ N, Ai ∈ F であり, ( ∪ ) ( ) P Ai ∩ Aj = 0 if i ̸= j, P Ai = 1 確率空間 ( i∈N このとき,任意の実確率変数列 { Xn }n∈N および実確率変数 Y に対して,{ Xn } が Y へ確率収 束するための必要十分条件は,∀i ∈ N に対して { Xn IAi }n∈N が Y IAi へ確率収束すること,つ まり ∀c > 0, ( ) lim P |Xn − Y | > c = 0 n→∞ ⇐⇒ ∀c > 0, ∀i ∈ N, ( ) lim P Xn IAi − Y IAi > c = 0 n→∞ が成り立つことを以下に示します. =⇒ の証明 ( ) P Xn IAi − Y IAi > c ({ = P ≤ ( ) P |Xn − Y | > c | Xn − Y | > c } ∩ Ai ) → 0 ∗ 一橋大学大学院商学研究科.E-mail: [email protected] 1 ⇐= の証明 以下,c > 0 を固定する.i ∈ N および n ∈ N に対して ( ) fn (i) := P Xn IAi − Y IAi > c と定義する.仮定より ∀i ∈ N, lim fn (i) = 0 n→∞ であり,また ∀n ∈ N, ∀i ∈ N, かつ fn (i) = P ∑ ({ | Xn − Y | > c } ∩ Ai ) ≤ P(Ai ) P(Ai ) = P(Ω) = 1 < +∞ i∈N ) N, 2N , ♯ 【ただし ♯ は,N の部分集合の濃度(要素 の個数)を表す測度】上の関数列 { fn }n∈N に適用すると より,Lebesgue の優収束定理を測度空間 ( lim n→∞ が成り立つ.さらに ∑ ∑ fn (i) = 0 i∈N ( ) fn (i) = P |Xn − Y | > c i∈N なので,題意が成立する. 2
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