受精卵の持つ高い分化能をもつ細胞 胚性幹細胞(Embryonic Stem Cells; ES細胞) ES細胞は 体のすべての細胞へ分化する能力 (多分化能)をもつ。 このような細胞を多能性幹細胞という。 マウスES細胞 1981年にMartin EvansとMatthew Kaufmanら により始めて樹立される。 ヒトES細胞 マウスに遅れること17年 マウスES細胞 1998年にJames Thomasonらにより始めて樹立される。 ヒトES細胞ができて分かったこと マウスとヒトES細胞は性質が異なる マウス ES細胞 まんじゅう型 ヒト ES細胞 お好み焼き型 ヒトES細胞 医療にES細胞を用いるには ヒトES細胞の研究が必須 山中先生のiPS細胞作成への戦略 ・ES細胞には初期化する因子が含まれている。 ・ES細胞で特異的に発現している遺伝子も分かる。 ではES細胞で特異的に発現している遺伝子を 終末分化した体細胞にいれたら ES細胞みたいになるんじゃないか? 山中伸弥教授 iPS細胞研究所(CiRA)所長 ES細胞みたいな 細胞ができるかも? 終末分化した体細胞がES細胞みたいになったら ・受精卵は壊さないから倫理問題は回避できる。 ・病気の人本人の細胞から作れるから移植後に拒絶反応はない。 2006年 マウスでiPS細胞を作ることに成功 詳細な実験をすると、Oct-3/4、Sox2、Klf4、c-Mycの4遺伝子で 十分なことが分かった。 この4遺伝子は山中因子と呼ばれている。 2007年 ヒトでiPS細胞を作ることに成功 マウスと同じ4遺伝子で ヒトES細胞様の細胞、 ヒトiPS細胞ができた!! 再生医療への期待が高まった。 胚発生とiPS細胞への変換とのイメージ 胚発生 ES細胞 iPS細胞 時間の巻き戻し。 初期化(リプログラミング) 皮膚細胞 iPS細胞樹立時の遺伝子の動き 外因性OCT4, SOX2, KLF4, c-MYC 体細胞の遺伝子発現パターン 内因性OCT4, Nanog iPS細胞の遺伝子発現パターン ゲノム全体にわたる エピジェネティックパターンの大変換
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