解答例

電子デバイス II
課題解答例
清水大雅
2014 年 11 月 20 日出題分
課題
ファブリペロー共振器の強度透過率の式を導け。
解答例
ファブリペロー共振器の複素屈折率を n  n  ik 、入射する電界振幅を
Ei  E0 exp[i(t  k 0 nz )] とすると、振幅透過率 Et / Ei は複数回反射された光の和(等比級数)で表
すことができる。
Et
 t1t 2 ' exp( i nk 0 L) exp( kk0 L)[1  r1r2 exp( 2i nk 0 L) exp( 2kk 0 L)
Ei
 r1 2 r2 2 exp( 4i nk 0 L) exp( 4kk 0 L)  ]

t1t 2 ' exp( i nk 0 L) exp( kk 0 L)
1  r1 2 r2 2 exp( 2i nk 0 L) exp( 2kk 0 L)
[
]内の第 1 項、第 2 項、第 3 項…はそれぞれ端面反射を受けずに透過する光、端面を 1 往
復する光、2 往復する光…を表す。
垂直入射の場合、強度透過率 It / Ii は、
It
E
 t
Ii
Ei
2
(1  R f )(1  Rr ) exp ( g   i ) L
It

I i 1  R R exp ( g   ) L 2  4 R R exp ( g   ) Lsin 2 (nk L)
f r
i
f r
i
0


となる。分母の第 2 項の sin2(nk0L)は前の課題のファブリペロー共振に対応している。
ここで振幅透過率・反射率(tf, tb, rf, rb)と前端面・後端面の強度反射率 Rf, Rb を以下のように置
き換えた。
r1  r1  R f , r2
2
2
2
 r2  Rb t1  t1  1  R f , t 2
2
2
2
2
 t 2
2
 1  Rb
また、消光係数と単位長さあたりの光強度の吸収係数i・利得係数 g を以下のように置き換え
た。
 2kk 0  g   i
i は内部ロスはであり、光が半導体レーザの共振器に沿って単位長さを伝搬するときの吸収係
数である。g は利得係数であり、電流注入による反転分布によって単位長さあたりを伝搬すると
きの増幅係数である。
閾値利得は無限等比級数が発散する条件 r1 r2 exp (2i nk 0 L) exp (2kk 0 L)  1 、及び、
2
2
1
 2kk 0  g   i から、
g th   i 
1
1
と求められる。
ln
2 L R f Rr
以上
2

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