歯つらつ笑顔の支援のために ~多職種による口腔ケアから食べる支援まで~ 感染対策と環境整備 歯科衛生士の導入 多職種の連携 ほっ き 島根県 法吉デイサービスセンター 松江市 歯科衛生士 きたむら めぐみ 北村 恵 木田 恵子 Fax:0852-27-5105 今回の発表の施設 またはサービスの 概要 7 時間以上 9 時間未満の通常型デイサービス 定員 30 名 1日平均利用者 25.3 名 平均介護度 2.0 PT、DH(歯科衛生士)常勤各 1 名、Ns2 名、生活相談員 1 名、CW11 名配置 <取り組んだ課題> ① 環境整備 口腔ケアに不適切な暗い洗面所の 環境改善。ケア用品の準備、片付けの簡易化。 ② 感染症対策 過去に感染症拡大事例を経験。 ③ 誤嚥性肺炎対策 口腔ケアを行っていても、 誤嚥性肺炎で入退院を繰り返すご利用者がお られた事。 ④ より良い介護サービスの提供 職員による口 腔ケア方法のバラつきの解消。 ⑤ 専門職の必要性 Ns だけでは難しかった口腔 内の異常の早期発見。 ⑥ 食べる機能の支援 多職種がチームとして関 わっていない事。 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ <具体的な取り組み> 洗面所の照明の交換 ¥49,350 口腔ケア用品保管収納等 ¥18,165(60set) 口腔ケア介助専用エプロン ¥4,800(6 枚) グローブの素材変更 ¥2,100(200 枚) 誤嚥性肺炎を繰り返すご利用者へのデイサー ビス利用時における、歯科衛生士による専門的 口腔ケアと口腔リハビリの導入。(7 ヶ月間) ご利用者向け口腔ケア講座、職員向け研修会。 ご利用者からの相談受付。義歯ブラシ等の導 入。 看護師、介護士の観察力の向上。 デイサービス職員間の情報共有とご家族から の情報収集。 DH が常勤する事でのご利用者及びご家族との 信頼関係作り。口腔機能や摂食・嚥下状態につ いて Ns、PT、CW、DH による観察と検討。ケア マネジャー、栄養士、調理師の協力。必要に応 じて医療機関との連携。 <活動の成果と評価> ① (+)明るく清潔感が出て、作業効率も向上。 ② (+)グローブの素材変更で作業中の破れによ る手指の汚染を防ぐ事で感染症予防を強化。 (-)グローブの単価が約 2 倍になった。 ③ (+)介入後約7ヵ月、誤嚥性肺炎発症なし。 (+)口腔リハビリからご本人の意欲向上が見 られ、自力での清掃等が可能になったこと。 (±)シフト上、毎回 DH は対応出来ないが、Ns による口腔ケア技術の向上により、対応出来 るようになった。 ④ (+)CW 全員の口腔ケア技術と気付きの向上。 (+)義歯ブラシ導入による清掃効率の向上。 (-)ご利用者向けに短時間頻回の講話等の口 腔ケアの啓発が必要だが、まだ十分でない。 ⑤ (+)ご利用者、職員の DH の役割への認識度が 高くなり、口腔ケア等の相談が増加した。 ⑥ (+)後回しになりがちな口腔に関する問題を 多職種で共有し、迅速な対応が日常化した。 DH (専門職)の採用により、口腔ケアに関する環境 整備を基礎から行った事で、短時間に感染予防や 職員の技術力の向上を図ることが出来た。 また、ご利用者の安心感、満足感といった形のサ ービス向上となった。 <今後の課題> 多職種で支援する基盤作りが出来た事から、今後 はさらに個別化した口腔ケアや食事支援の提供を 可能にしたい。また、それを行う為にもご利用者 への口腔ケアの啓発や職員研修など定期的に行っ ていく。 <参考資料など> 「島根県介護予防事業支援マニュアル 実践プログラム編」島根県高齢者福祉課
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