症例の予後改善のための,電子ビームCT, 4 列∼320列CT

〔千葉医学 90:159,2014〕
〔 第五回千葉医学会賞 〕
症例の予後改善のための,電子ビーム CT, 4 列∼320列 CT を
用いた循環器領域の新しい臨床診断学の開発への貢献
船 橋 伸 禎
(2014年 6 月13日受理)
1996年から99年まで米国 Stanford 大学放射線科三次元画像研究室で電子ビーム CT を用いた最
先端の 3 次元画像処理技術を習得した。帰国後, 4 列から始まったマルチスライス CT の技術革新
の時期とも合わさり,同 CT を用いた“新しい診断学”としての論文を発表した。2003年には256
列 cone beam CT(現在の320列 CT の prototype)開発のため,厚生省四次元 CT 研究班の班員と
して動物,ファントム実験等の基礎研究を行い,これらの概念は,現在臨床で行われている CT を
用いた心筋灌流,心筋性状評価につながっている。2010年には AHA・ACCF などが発表した心臓
CT の expert consensus に当科の論文が参考文献として引用された。現在は320列 CT を用いた冠動
脈評価,心筋症における新しい心筋性状,先天性心疾患の形態診断,心機能評価,放射線被ばく低
減評価など最新技術の研究とともに,CT にエコー,MRI,PET 等を融合した総合的な臨床画像研
究も行っている。また臨床疫学として2000年からのデータベースを用いて,CT 施行例に対して中
央値100カ月以上の観察期間を設け① CT 所見と臨床データを組み合わせた主要有害心血管事象に
対する長期予後評価,②心室細動,持続性心室性頻拍を起こした症例の特異的な CT 画像診断,③
CT 検査施行後の放射線被ばくに関連する悪性腫瘍発生の長期成績観察を行っている。今後,技術
革新が著しい最新型 CT を新しいスクリーニング手段として循環器疾患の予防医学に貢献できるか
の評価,提言を行っている。
Key words: Computed Tomography, Improve Prognosis, Acute coronary syndrome, Coronary
Arteries, and Myocardium
千葉大学医学部附属病院循環器内科
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