経橈骨動脈性の冠動脈造影後に生じた仮性動脈瘤 Pseudoaneurysm after Transradial Coronary Angiographys. N Engl J Med 2015; 373:1361 症例は高血圧と僧帽弁閉鎖不全症の既往のある 81 歳の女性.1 ヶ月前 から徐々に増大する,痛みのない拍動性の大きな腫瘤が右手首に生じ た.内服薬はアスピリン,降圧薬,スタチン.この患者は,1 ヶ月前に 経橈骨動脈アプローチの冠動脈造影を受けていた.4 フレンチのシース を使用し,シースの除去後に圧縮止血された.超音波検査によって,橈 骨動脈の仮性動脈瘤と診断された.仮性動脈瘤は経橈骨動脈性の冠動脈 造影の合併症としてまれに発生する,複数回の穿刺,抗血小板および抗 血栓薬の使用,処置後の圧迫止血が不十分,および血管部位の感染が危 険因子である.この患者は,仮性動脈瘤を外科的に切除して縫合を受け た. 1 週間後,2 ヶ月後のフォローアップでは,経過は良好であり,腫 脹は引いて橈骨動脈の血流も保持されていた. 1
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