(9) 5-ch wireless neural headstage system を用いたマーモセット単一

(9)
5-ch wireless neural headstage system を用いたマーモセット単一脳神経細胞の記録
川崎医療福祉大学 感覚矯正学科 ○彦坂 和雄
【要 旨】
【目的】
5ch Wireless Neural Headstage system は自由行
マーモセットが音声弁別を行っている時の扁桃
動時のラットから神経細胞活動を記録するシステム
体単一神経細胞活動を分析する研究に5ch Wireless
である.脳内に埋め込んだ電極から導出した神経細
Neural Headstage system を応用する.
胞活動を,頭に取り付けた発信器から3m先の受信
【方法】
機に無線で飛ばし,
神経細胞活動を記録・分析できる.
マーモセットに音声弁別課題を訓練した.訓練終
システムの利点として,無線で信号を飛ばすた
了後,記録に先立ち,MRI により扁桃体の位置を
め,電極から増幅器の間を信号線で結ぶ必要がない
特定し,4本のタングステン電極(15μφ)を脳内
ので,頭を固定せずに,自由行動させた状態で神経
に挿入した.記録実験では,動物に音声弁別課題を
細胞活動を記録できることである.
行わせながらマルチ神経細胞活動の記録を行った.
システムの欠点として,動物の頭に固定する発信
記録実験後に,分析ソフト(スパイク2)を用いて
器の重量が2.7g,大きさが11.1㎜ある.バッテリー
波形分析し,
単一神経細胞活動に分離・分析を行った.
電池の寿命は2.5時間であり,
再充電に1時間かかる.
【結果・考察】
埋め込電極を用いるため,多くの神経細胞活動が含
9月から扁桃体マルチ神経細胞活動を記録し,記
まれるマルチ神経細胞活動記録になる.記録した信
録終了後,単一神経細胞活動に分離・分析するシス
号から単一神経細胞活動に分離し,分析する必要が
テムを確立した.扁桃体神経細胞活動を記録する実
あることである.
験を続け,扁桃体単一神経細胞活動を分析し,声弁
別学習遂行中の扁桃体神経細胞活動の特徴を検討す
る.