August 12, 2014 有機化学 B 定期試験 (注意)解答は,解り易い文字ではっきり書いて下さい.せっかく頑張って書いてくれて も読めなければ点数をつけられません. 問 1 有機化学では,特に重要な反応様式として,付加,脱離,置換,転位の4種類が知 ら れ て い る .以 下 の 反 応 は そ れ ぞ れ ど の 反 応 様 式 に 分 類 で き る か( )内 に 記 せ . 反応の種類 CH3Cl + CH 2=CH2 OH- CH3OH Br 2 CH 2BrCH 2Br CH3CH 2OH Cl- + H 2O ( ) ( ) CH 2=CH2 OH + ( ) NH N O + CH3COOCH3 ( ) CH3COOH H 2O CH3OH + ( ) 問 2 次 の 物 質 の う ち , Lewis の 定 義 に よ り 分 類 さ れ る 酸 と 塩 基 を 分 類 せ よ . - a) OH b) H+ c) H3O+ d) NH4+ e) ZnCl2 f) BF3 g) Cl - h) H2C+CH3 Lewis 酸 : Lewis 塩 基 : どちらでもない: 問 3 つ ぎ の 化 合 物 の 二 重 結 合 に E, Z 配 置 を 帰 属 せ よ . a) b) (H3C) 2HC H H C C H 3CH 2CH 2C C C CH3 c) Br C C Cl CH3 H 3CH 2CH 2C d) H CN C C H 3C CH 2NH 2 CH 2OH CHO コース名: 学籍番号: 名前: 問 4 1 ) 次 の 化 合 物 a)〜 c)そ れ ぞ れ に IUPAC 名 を 付 け よ ( 英 語 で も 日 本 語 で も か ま わ な い . 立 体 化 学 の 表 記 に 注 意 す る こ と ). a) b) c) Cl Br a) b) c) 2)次の化合物名が示す化学構造を書け. a) 4−メ チ ル オ ク タ −1−エ ン −5−イ ン (4-m ethyloct-1-en-5-yne) b) ( R )−3−ヨ ー ド −1−ヘ キ セ ン (( R )-3-iodohexene) 問 5 以 下 に 示 す 反 応 式 中 の 空 欄 に 適 切 な 構 造 式 ま た は 試 薬 を 入 れ て 式 を 完 成 さ せ よ . 立 体選択的な反応の場合,立体化学もわかるように書くこと. a) b) NaNH 2 H 3C CH3CH 2 Br c) Li, liq.NH 3 H 3C H H 1. OsO 4 CH 2CH3 2. NaHSO 3, H 2O g) f) i) 1. O3 2. Zn, H 3O+ H 2O2, OH- NaBH 4 h) e) Hg(OAc) 2, H 2O/THF BH 3, THF j) d) CH3 CH 2I 2, Zn(Cu) H 2, Pd/C 問 6 次 の 文 章 に つ い て , 以 下 の 問 ( 1 ) 〜 ( 3 ) に 答 え よ . 2-メチルプロペンと HBr の求電子付加反応の反応機構を考える. H CH3 + C C H H Br A CH3 この反応は(ア )である. 求電子試薬(イ )の(ウ )は求核的な(エ )により攻撃され,新しく(オ )結合ができる. これによりもう一方の炭素原子に(カ )電荷と空の(キ )軌道が残る.このような炭素原子を 含む化学種は(ク )と呼ばれ,(a)置換基が(ケ )炭素原子上に位置選択的に生成する.また, (ク )の生成と同時に H-Br 結合の(コ )電子は(サ )に移り,(シ )を与える. (シ )は(カ )に荷電した炭素原子に(ス )を与えて, (セ )結合を形成し,中性の生成物 A を与える. (b)このような(ア )が起こる際の(ス )の動きを表現するために,通常, (ソ )を用いる. (ソ ) は,反応の際に(タ )から(チ )に(ツ )が移動することを意味する. ② ③ エネルギー この反応のエネルギー図は右に示すようになっており,②および④ は(テ )の,③は(ト )のエネルギー状態である.この反応が起こる ためには最もエネルギー準位の高い(テ )を経る必要があり,この為 に必要なエネルギーa を(ナ )エネルギーという.また,この反応の 速度はエネルギー(ニ )で決まり,このようなエネルギー段階を(ヌ ) という.全体としての反応は d より(ネ )である. a ④ c b ① d 反応の推移 ⑤ コース名: 学籍番号: 名前: ( 1 ) 文 章 中 の ( ア ) 〜 ( ネ ) に 入 る 最 も 適 切 な 語 句 な ど を 下 の 選 択 肢 の 中 か ら 1 つ 選 んでそれぞれ○を付けよ. ア ウ オ キ ケ サ 極性反応,ラジカル反応 炭素原子,水素原子,臭素原子 C-C, C-Br, C-H, H-H, H-Br, Br-Br s, p, d より多い,より少ない,同じ 炭素,水素,臭素 イ エ カ ク コ シ ス ソ チ テ ナ ヌ 単電子,電子対 片鉤の矢(釣り針),両鉤の曲がった矢印,両矢印 矢印の頭の原子,矢印の根元の原子 出発物質,中間体,遷移状態,最終生成物 結合,反応,生体,活性化,ポテンシャル 原系,律速段階,生産段階,生成系 セ タ ツ ト ニ ネ 2-メチルプロペン, HBr σ電子,π電子 正,負,中性 ラジカル, カルボカチオン,カルボアニオン 1, 2, 3, 4 ・ ・ ・ C+, C-, C , H+, H-, H , Br+, Br-, Br C-C, C-Br, C-H, H-H, H-Br, Br-Br 矢印の頭の原子,矢印の根元の原子 単電子,電子対,水素 出発物質,中間体,遷移状態,最終生成物 a, b, c, d 発エルゴン的,吸エルゴン的 ( 2 )反 応 機 構 か ら は ,複 数 の 生 成 物 が 得 ら れ る 可 能 性 が 考 え ら れ る が ,実 際 に は 単 一 な 生 成 物 A の み が 得 ら れ る . そ の 理 由 を 下 線 部 (a)の 結 果 と 関 連 付 け て 簡 単 に 説 明 せ よ . ( 3 )下 線 部 (b)の 方 法 を 用 い て 2-メ チ ル プ ロ ペ ン と H Br か ら 生 成 物 A を 得 る 反 応 の 反 応 機 構 を 説 明 せ よ .ま た ,反 応 の エ ネ ル ギ ー 図 中 の ① ,③ ,⑤ の 段 階 は 反 応 機 構 中 の ど の 状態に相当するか示せ. 問 7 つ ぎ の 置 換 反 応 に つ い て , 以 下 の 問 に 答 え よ . H 3C H 3CH 2C C Br H 3C H 3CH 2C C OH + H 2O HO + CH3 C CH 2CH3 + HBr 生成比�1:1 1 ) こ の 反 応 は S N1 反 応 か ? S N2 反 応 か ? 2 ) こ の 反 応 の 反 応 機 構 を 問 6 下 線 (b)の 方 法 に よ り 詳 細 に 書 け . 3)この反応でつぎの①〜⑤の変化がこのタイプの反応速度に及ぼす影響を選びなさい. ①基質を H 3C H 3CH 2C C Br から H 3C H 3CH 2C C I に変える. 速 く な る 遅 く な る 変 わ ら な い ②基質を H 3C H 3CH 2C C Br から H H 3CH 2C C Br に変える. 速 く な る 遅 く な る 変 わ ら な い ③基質濃度を2倍にする. 4 倍 に な る 2 倍 に な る 変 わ ら な い 1/2 に な る 1/4 に な る ④求核剤濃度を2倍にする. 4 倍 に な る 2 倍 に な る 変 わ ら な い 1/2 に な る 1/4 に な る ⑤基 質 濃 度 と 求 核 剤 濃 度 を と も に 2 倍 に す る . 4 倍 に な る 2 倍 に な る 変 わ ら な い 1/2 に な る 1/4 に な る コース名: 学籍番号: 名前: 問 8 化 合 物 A の エ タ ノ ー ル (CH 3 CH 2 OH) 中 ナ ト リ ウ ム エ ト キ シ ド (NaOCH 2 CH 3 )に よ る E2 反 応 を 試 み た . Cl CH3 NaOCH 2CH3 CH 2CH 2OH A 1 )化 合 物 A の 2 つ の い す 形 立 体 配 座 の 置 換 基 を 下 図 に 記 せ .ま た ,こ の う ち「 E2 脱 離 に 必 要 な 配 座 」 は ど ち ら か ( ) 内 に ○ を せ よ . 必 要 な 配 座 ( ) ( ) 2 )こ の 反 応 に よ っ て 得 ら れ る 可 能 性 の あ る す べ て の 生 成 物 の 生 成 の 反 応 機 構 を 1 )の「 E2 脱 離 に 必 要 な 配 座 」 か ら 問 6 下 線 (b)の 方 法 に よ り そ れ ぞ れ 説 明 し , 主 生 成 物 を 示 せ . 3 ) 2 ) で 主 生 成 物 が 優 先 さ れ る 根 拠 と な る 規 則 を 簡 単 に 説 明 せ よ .
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