平成 25 年度電子情報通信学会東京支部学生会研究発表会 講演番号: 155 線形パーセプトロンを用いた 相互学習に関する研究 D-2 Study on Mutual Learning Using Linear Perceptron 斎藤大輔 † 原一之 † Daisuke SAITOH† Kazuyuki HARA† † 日本大学生産工学部 電気電子工学科 † Department of Electrical and Electronic Engineering, College of industrial Technology, Nihon University はじめに 本研究では,パーセプトロンの線形的なモデルを用いて 教師あり学習を行い,途中で教師ネットワークを外して相 互学習を行い,相互学習の学習効果を検討する. 1 学習方法 教師ネットワークの出力を v ,結合荷重を Bj ,生徒ネッ トワークの出力を ui ,結合荷重を Jij ,ネットワークの入 力を xj ,生徒数を SN とする.ここで添字の i は i 番目の 生徒,j は j 番目の要素という意味である. 2 3 と同様な学習方向とする.ここで,A → B は A(生徒役) が B(教師役) を学習することを指す.図 2 に教師あり学 習の結果を,図 3 に相互学習の結果を示す.図 2 より,教 師あり学習による E1 の減少,R1 の増加の様子がわかる. また図 3 より,相互学習へ切り替えた後においても,生徒 ネットワークの性能が向上することがわかる. 図 2 教師あり学習 (ER = 0.1) 図 1 ネットワークの概要 (SN = 2) 生徒ネットワークは教師ネットワークの出力を見て,自分 自身の結合荷重を変化させる (教師あり学習).誤差がある 値に達したら,生徒ネットワーク同士で学習を行う (相互 学習).式 (1) に生徒ネットワークの出力の式を示す.教師 ネットワークの出力 v は,式 (1) の Jij を Bj に置き換え ることで計算できる.N は入力の次元とする. ui = N ∑ xj Jij (1) j=1 誤差は,二乗平均誤差とする.二乗平均誤差 Ei は,二乗 誤差を入力次元数 N 回計算し,その平均により計算する (式 (2)). N 1 ∑1 Ei = { (v − ui )} (2) N 2 図 3 相互学習 (ER = 0.1,0.3,0.5,0.7, SN = 2) 図 4 は相互学習による E1 の減少及び R1 の増加の様子を, 図 5 は最終的な E1 及び R1 を示したものである.相互学 習における生徒数が多いほど,学習効果は高く,最終的な 生徒ネットワークの性能も良くなるものと考えられる. j=1 学習には最急降下法を用いる.最急降下法を用いて,教師 あり学習を行うときの結合荷重の更新式を以下に示す.こ こで m は学習回数,η は学習係数を指す.相互学習におい ては,式 (3) の v は教師となる生徒ネットワークの出力, ui は生徒となる生徒ネットワークの出力となる. Jij m+1 = Jij m + η(v − ui )xj 図 4 学習効果 (3) オーバーラップ Ri は式 (4) で表され,教師ベクトルと生 徒ベクトルの重複度合いを示すものである. Ri = B · Ji |B||Ji | 本稿では,Ei と Ri を用いて学習の効果を評価する. 図 5 最終的な E1 及び R1 (4) 今後の課題 今後は,生徒ネットワークの学習方向を変えて,検証す る予定である. 4 結果 参考文献 以下に学習結果を示す.ここで,相互学習に切り替える [1] W. H. Press 他,石井出 宏嘉,”Numerical Recipes in 時の二乗平均誤差を ER ,相互学習開始前の E1 を E1 (0), C ”,技術評論社,(1993),p.214-217. 最終的な二乗平均誤差を ER ∗ ,相互学習開始前の R1 を ∗ [2] R.BEALE ,T.JACKSON,”NEURAL COMPUTR1 (0),最終的な R1 を R1 と呼ぶ.また,相互学習にお ING an introduction” ,Taylor & Francis,(1990), いて SN 2 の場合の学習方向は u1 → u2 ,u2 → u1 ,SN 3 p.39-45 . の場合 (u3 ) → u1 → u2 → u3 → (u1 ),SN 5 の場合は SN 3 -155- Copyright © 2014 IEICE
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