見る/開く - 鹿児島大学

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Ni基20Cr-20Co-Ni合金の焼戻時効におよぼす第4元素添加
の影響
末永, 勝郎; 若原, 稔
鹿児島大学工学部研究報告, 2: 1-9
1962-09-15
http://hdl.handle.net/10232/10628
http://ir.kagoshima-u.ac.jp
Ni基200r-2000-Ni合金の焼戻時効におよぼす
第4元素添加の影響
末永勝郎*・若原
稔*
EFFECrOFFe,Cu,Si,Mn,MoANDWONTHEPROPERTIESOF
ZOCr−20Co−NiAUSrENITICALLOYS
KatsuroSUENAGA,MinomWAKAHARA
EfTectofCu,SiandMnontheagmgcharcteristicswasnotsignificant,buttheadditionof
MoorWpromotedtheagehardening・
RecrystallizationtemperatureofthealloyswassomewhatelevatedbySiandMn,andre‐
markablybyMo、
TheadditionofFeloweredthereCrystallizationtemperaturewithitsconcentration、
Thebendingcreeppropertiesat700。CweredeterioratedbyFe,andimprovedbySi,Moand
W・
ThecorroslonresistivityathightemperaturewasimprovedSi,whiledeterioratedbyCuand
Mo.
ReceivedMay31,1962.
第1表
試料の配合組成
1 . 緒 言
多くの工業用超耐熱合金の基礎系をなすとみられる
5
1
0
’123
’1234
れらの単独添加元素が合金の諸性質にいかなる影智を
123
Mo,Wの6種の第4元素を単独に添加した場合,こ
−1234
だ見当らない.木報告はCr,COの濃度をそれぞれ
20%に一定したCr-Co-Ni合金にFe,Cu,Si,Mn,
一mm犯靴
く,単一添加元素の作用についての詳細な報告はいま
︵UOOOOOOOOOOOOOOO︿UへUOO︵0
実験は行っていない.彼ら自身も指摘しているごと
2222222222222222227−22
のはかなり複雑な組成の試料であって,個々の添加元
素が単独でいかなる影響を与えるかについての系統的
02
02
02
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02
02
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02
02
02
0
2
合金の再結晶軟化におよぼす添加元素の影郷について
Jellinghausら1)の報告があるが,彼らが実験に供した
000009876987509876987
654325555555555555555
が,その焼戻時効性におよぼす影拶を知ることは極め
て重要なことである.Ni-Cr基およびNi-Cr-Co基
M
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畷 別驚 驚曙
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O3
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O12341235m1234123
12
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睡氏匪匪mmmq団駈馴恥地皿血伽此WWW
基Cr-Co-Ni合金への添加元素の種類と挫度と
Ni基Cr−Co−Ni合金への添加元素の種類と挫度と
およぼすかを,溶‘体化水冷と溶体化水冷後冷間圧延の
二つの状態について階段的昇温焼戻,一定温度におけ
る焼戻時効,曲げクリープ特性,大気中高温耐蝕性な
どの諸試験結果を中心にして系統的に検討した.
の高い合金を高純アルミナ質増渦中タンマン炉で急速
に熔解してシェル型に鋳造した.原料金属として,
Ni,Cr,CO,Fe,Cu,Mnはそれぞれ電解精製したも
2.試料と実験方法
試料は第1表に示すような配合組成の21種の純度
のを,Si,Mo,Wも高純度のものを使用し,熔湯総
量に対し0.5%のMnで脱酸を行なった.鋳塊はこ
れを900℃で20%の圧延加工の後1200°C,4hr水
:k**機械エ学教室
冷の溶体化処理を施こして,充分な均一化と溶体化を
鹿児島大学工学部研究報告第2号
2
はかった.溶体化の後一部は20%の冷間圧延を施こ
化水冷後20%冷間圧延材の硬度におよぼす添加元素
して試料とした.
の種類と挫度の影響を示す.溶体化水冷材において
第4元素を添加しない記号0のものを基準にとり,
第4元素の添加が溶体化材の析出硬化性に,また冷間
圧延材の軟化抵抗性,時効性にいかなる影響を与える
かを知るために,溶体化水冷と溶体化水冷後20%冷間
圧延の二つの状態の試料について,500°Cより1200°C
まで階段的に昇温各温度1hr水冷の繰返し焼戻しを
行なって硬度の変化を測定し,また600℃,700℃,
800℃の各温度で200hrまで焼戻時効せしめて硬度
の変化を測定した.さらに高温強度に対する影響を知
るため,溶体化水冷および溶体化水冷後20%冷間圧
延の二つの状態の試料について,700℃,8kg荷重下
(最大曲げ応力18.7kg/mm2)で100hrまでの曲げ
クリープ特性の測定を行った.更にクリープ強度と同
時に耐熱合金に対して,要求される高温耐蝕性におよ
ぼす添加元素の影響をみるために,溶体化水冷後20%
冷間圧延材について,大気中で800℃,100hr保持後
の重量増を測定した.
は,Feの添加は合金を軟化せしめる傾向がみられる
が,Fe以外の元素の添加は合金を硬化し,その添加
濃度の増加とともに硬度は上昇する.そしてその硬化
作用はSiがもつとも大きく,ほぼMo,Cu,W,Mn
の順に小さくなる.溶体化後冷間圧延材においては,
第4元素を添加したものは基準試料0に較べて,冷間
圧延による硬化量は小さいが,硬度そのものはSi,
MoあるいはWの添加の場合それらの濃度の増加と
ともにほぼ増加する.またCuは4%まであまり影
響なく,MnとFeとでは却って低い硬度を示す.
3−2.焼戻時効時の硬度変化におよぼす
添加元素の影響
溶体化水冷後冷間圧延材をある特定の温度以上に焼
戻すときは,加工歪の恢復ならびに再結晶による軟化
が起るが,この他に析出硬化性の合金においては,析
出による硬化に次いで析出物の凝集,母相への再溶
解による軟化が重畳してきて遂には加工前の状態に戻
3.実験結果とその考察
3-1.添加元素が溶体化硬度および圧延硬度に
およぼす影響
る.そして高温強度を要求する耐・熱合金においてはこ
の焼戻軟化抵抗の出来るだけ大きいことが望ましい.
ここでは焼戻時効硬化性および焼戻軟化抵抗』性におよ
本実験に供した試料はいずも熱間圧延,冷間圧延と
ぼす添加元素の影響をみるために,1200°C,4hr溶体
もに容易であって,格別加工に困難を感ずるごときこ
化水冷材および溶体化水冷後20%冷間圧延材につい
とはない.また鋳造状態においては樹枝状品の発達を
て,500°Cより1200℃まで階段的に昇温各温度1hr
みるが,熱間圧延後1200.C’4hr水冷の溶体化処理
繰返し加熱水冷の焼戻を行なって,その間の硬度変化
を施こすことにより,いずれも均一固溶体の一相組織
を測定した.また同じく溶体化材と溶体化水冷後20
となる.第1図は1200°C,4hr溶体化水冷材と溶体
%冷間圧延材とをそれぞれ600°C,700.C,800°Cの各
温度で200hrまで焼戻時効せしめて硬度の変化を測
定した.
硬度版
122
I:
熔体化材を焼戻すことによって,いずれの試料もわ
ずかながら時効硬化I性を有することが知られた.すな
、
、
啓
星
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溶蜘上米謡錘0%均圧
わち階段的に昇温して焼戻す場合,焼戻温度の上昇に
つれてわずかながら硬化して700°C∼850.Cで最高硬
度に達し,以後焼戻温度の上昇とともに軟化する.ま
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度の差はあるがいずれもわずかながら硬化し,800℃
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焼展でもつとも硬化量が少なく,Fe,Cu,Si,Mn添
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第1図添加元素が溶体化硬度および
冷間圧延硬度におよぼす影響
加の場合600°C焼戻で,Mo,W添加の場合は700℃
焼戻でもつとも硬化量が大きい.
溶体化して冷間圧延したものを階段的に昇温して焼
戻すとき,鮫初ひずみ時効による硬化を示すが,次い
で加工ひずみの恢復にともなう軟化が起り,引続き再
末永.若原:Ni基20Cr-20Co-Ni合金の焼戻時効におよぼす第4元素添加の影靭
3
結晶による急激な軟化を示す.また同じく溶体化水冷
る硬度変化を,また第7図∼第9図はおのおの600℃,
後冷間圧延材を600.C,700°C,800℃の各温度で焼戻
700℃,800℃の各温度で焼戻時効せしめたときの硬度
時効せしめるとき,600℃時効では加工ひずみの除去
変化を示したものである.
による最初の軟化に引続き時効硬化が起り,次いで緩
Cuもわずかながら時効硬化性を与えるが,Cu濃
'慢なる軟化に転ずる.700.C時効では600°C時効と
度の増加は時効硬化性の大勢を左右するほどの影響は
ほぼ同じであるが,温度が高いため最初の軟化に続く
硬化が著しくない.800℃時効では加工ひずみの除去
与えない.またCuの添加により溶体化水冷後冷間圧
延材の焼戻軟化抵抗が幾分小さくなるのが認められ
と再結晶による軟化が徐々に起り,50∼100hrで加
る
.
工の影響は全く失われ,溶体化材を焼戻時効せしめた
(c)Siの影緋
ときとほぼ同程度の硬度になる.
次に各添加元素毎に焼戻時効性に対する影響につい
第10図∼第13図はSi添加合金についての結果を
示したものである.
て述べる.
300「
(a)Feの影群
260卜:
0
2
2
破度
変化を,第3図∼第5図はおのおの600℃,700℃,
800℃における焼戻時効硬度の変化を示す.
1
第2図はFe添加合金の階段的昇温焼戻による硬度
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卜
一一
溶体化材を焼戻すときFe膿度の増加とともに最大
1
4
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卜
硬化量はやや減少し,時効硬化性が少なくなる.Fe−
'0は基準試料0よりむしろ軟化抵抗は大きいが,Fe
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卜
挫度の増加とともに軟化抵抗は小さくなる.
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(b)Cuの影群
第4図Fe添加合金を700・Cで焼戻時効
第6図はCu添加合金の階段的昇温繰返し焼戻によ
せしめるときの硬度変化
):
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第2図Fe添加合金を階段的に昇温各温度1hr
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繰返し焼戻水冷するときの硬度変化
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第5図Fe添カロ合金を800°Cで焼戻時効
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せしめるときの硬度変化
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節3図Fe添加合金を600.Cで焼戻時効
せしめるときの硬度変化
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第6図Cu添カロ合金を階段的に昇温各温度1hr
繰返し焼戻水冷するときの硬度変化
鹿児島大学工学部研究報告第2号
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第11区ISi添加合金を600°Cで焼戻時効
第7図Cu添カロ合金を600°Cで焼戻時効
せしめるときの硬度変化
せしめるときの硬度変化
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釦 11
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一‘700s〔に坤銀蜘臥Ⅷhr
第8図Cu添カロ合金を700.Cで焼戻時効
第12図Si添加合金を700.Cで焼戻時効
せしめるときの硬度変化
せしめるときの硬度変化
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第9図Cu添加合金を800°Cで焼戻'1寺効
せしめるときの硬度変化
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第13図Si添加合金を800°Cで焼戻'1寺効
せしめるときの硬度変化
3
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Siの添加は前述のごとく溶体化硬度を高める効果
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は非常に大きいが,時効硬化に対する影響はSi−3が
やや大きいほかはきわめて微弱である.溶体化水冷後
冷間圧延材の焼戻軟化抵抗性は,Si−1の場合基準試
1
6
[
料0と同程度であるが,si濃度が増大すると大きくな
り,Si−3の軟化完了温度は約950°Cにあって,基準
諏
30号戸伽bMaCOl0jol2iD
?「−』l1LW淡職卿Ⅷ
第10図Si添加合金を階段的に昇温各温度1hr
繰返し焼戻水冷するときの硬度変化
試料の0のそれに較べておよそ100℃高い.
(d)Mnの影響
第14図∼第17図はMn添加合金についての結果
末永・若原:Ni基20Cr-20Co-Ni合金の焼戻時効におよぼす節4元素添加の影響
5
ヨ卯
を示したものである.
Mn濃度の相違による時効硬化性の差はほとんど認
められない.溶体化水冷後冷間圧延材の焼戻軟化抵抗
2釦
荻
性は,Mn濃度の低い場合基準試料の0と同程度もし
度
2
2
0
くはやや小さい程度であるが,Mn挫度が増加すると
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軟化抵抗は少し増加する.
川団
(e)Moの影響
第18図∼第21図はMo添加合金についての結果
『
を示したものである.
00.5i3102050100200
-800‘cに封ろ鋪効菌矧1,1.
溶体化材の焼戻による硬化量はFe,Cu,Si,Mnを
第17図Mn添加合金を800°Cで焼戻時効
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せしめるときの硬度変化
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第14図Mn添加合金を階段的に昇温各温度111r
繰返し焼戻水冷するときの硬度変化
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第18図Mo添加合金を階段的に昇温各温度1hr
繰返し焼戻水冷するときの硬度変化
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第15図Mn添加合金を600.Cで焼戻時効
第19区IMO添加合金を600°Cで焼戻時効
せしめるときの硬度変化
せしめるときの硬度変化
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第20図Mo添カロ合金を700.Cで焼戻時効
せしめるときの硬度変化
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鹿児島大学工学部研究報告第2号
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第21図Mo添加合金を800℃で焼戻時効
第24図W添加合金を700。Cで焼戻時効
せしめるときの硬度変化
せしめるときの硬度変化
添加したもののそれに較べてかなり大きい.またFe,
Cu,Si,Mnを添加した合金の最高硬度を示す焼戻温
度が600°Cであるに対し,Mo添加合金は700℃焼
戻でもつとも硬化量が大きいことが注目される.また
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Moの添加は溶体化水冷後冷間圧延材の焼戻軟化抵抗
をかなり著しく大きくする.
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(f)Wの影響
1
0
0
第22図∼第25図はW添加合金についての結果を
6
0
示したものである.
一 一 − 1
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溶体化材を焼戻すときの硬化量はMo添加合金よ
第25図W添加合金を800℃で焼戻時効
り少しく小さい程度であって,W濃度の相異による
麺
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800.cに坤聡吋厨hr
せしめるときの硬度変化
差はMd添加の場合と同様ほとんど認められない.
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2
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最高硬度を与える焼戻温度はMo添加合金と同じく
700°Cである.また3%までのWの添加は溶体化
乳卿…
後冷間圧延材の焼戻軟化抵抗をあまり左右しないとい
ってよい.
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釦
卜
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3-3.焼戻時効後の顕微鏡組織について
開?戸
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第22図W添加合金を階段的に昇温各温度1hr
繰返し焼戻水冷するときの硬度変化
焼艮時効後の顕微鏡組織をみるに,Fe,W,Moを
添加した合金においては粒内,粒界に析出物が認めら
れるが,SiMnを添加した合金においてはほとんど
300『
析出物は認められない.Cu添加合金においてはCu
260卜
濃度が高く焼戻時効温度が比較的低い場合に析出物が
:
種
‘
’
認められる.写真1は1200.C,4hr溶体化水冷材の
600°C,200hr焼戻時効後の組織を示す.Si−3,Mn−10
H
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0
ト
においては基準試料の0と同様析出物はほとんど認め
られないのに対し,Fe-40,Mo-4,W−3においては粒
1
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卜
界に沿うての析出のほか粒内に方向性をもった析出物
I
U
D
卜
が認められる.Fe添加合金の析出について武田,花
0
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十
0
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−600。[に測る時勤碕lW111r
第23図W添加合金を600.Cで焼戻時効
せしめるときの硬度変化
井,湯川2)3)はCo-Cr-Ni-Fe4元合金(CO=。=
Ni,FeO∼40%)において。相の析出を認め,Fe濃
度の増加とともに析出量の減少することを報告してい
7
末永・若原:Ni基20Cr−20Co−Ni合金の焼戻時効におよぼす節4元室添加の影響
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(e)Mr1−10合金
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(9)W−3合金
×400
写真1
溶体化水冷材の600。C200hr時効後の顕微鏡組織
10%准酸水溶液中電解腐触
る.木研究においてもFe挫度の増加とともに焼辰時
効硬度,時効硬化量が減少しており,かつFe股度の
増加とともに時効析出物の減少する傾向が認められる
が,Fe濃度の増加とともに。相の素地固溝体への溶
解度が増すためとみられる.Cu−4においては粒内全
面に分散した微細な析出が認められるが,この析出物
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は17-4PHステンレス鋼にみられると同様Cuに富
む相と考えられる.
3-4.添加元素が曲げクリープ特性におよぼす
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第26図溶体化後冷間圧延材の曲げクリープ
特性におよぼすFe添加の影響
影響について
IMIげクリープ特性におよぼす合金北素の影裡をみる
り,かつFe挫度の増加とともに著しく抗クリープ性
ため,1200℃,4hr溶体化水冷後20%冷間ハミ延材に
の劣化するのが認められる.その原因はFe濃度の増
ついて700°C,8kg荷近ドのIOOhrまでの'''1げクリ
加とともに焼戻軟化抵抗が小さくなり,また硬度が低
ープ。試験を行なった.第26図はFe添加合金の曲げ
下することにあるものとみられる.
クリープ特性を示したものである.わずかのFeの添
第27図はCu添加合金についての結果である.Cu
加は埜準試料0に対・し'111げクリープ特性を幾分改善す
の添加はCu−3の挑み速度がやや大きい以外は焼み
るが,Fe20%以上になると基準試料0より弱くな
壁,挑み速度にほとんど影響を与えないとみ,てよい.
鹿児島大学工学部研究報告第2号
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第30図溶体化後冷間圧延材の曲げクリープ
特性におよぼすMo添加の影響
第27図溶体化後冷間圧延材の曲げクリープ
特性におよぼすCu添加の影響
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第28図溶体化後冷間圧延材の曲げクリープ
特性におよぼすSi添加の影響
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第31図溶体化後冷間圧延材の曲げクリープ
特性におよぼすW添加の影響
少・ザ
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って,wの添加は前述のごとく特に焼戻軟化抵抗を
大きくする傾向は認められないが,Mo添加の場合と
同程度に曲げクリープ特性を改善する.
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3-5.添加元素が高温耐蝕性におよぼす影響
について
大気中高温腐蝕抵抗におよぼす合金元素の影響をみ
時IW1hr
第29図溶体化後冷間圧延材の曲げクリープ
特性におよぼすMn添加の影響
第28図はSi添加の場合の結果を示す.2%まで
冷間圧延硬度を高め焼戻軟化抵抗を大きくするので曲
げクリープをもかなり改善するが,Si−3はもつとも硬
度が高く軟化抵抗も大きいにもかかわらず榛み速度が
著しく大きくなる.
第29図はMn添加合金についての結果であって,
した試料を3.5×5.6×35.0mmの寸法にエメリーペー
パ−03まで仕上げて,大気中で800℃に加熱,同温
度にl00hr保持した後炉中放冷して加熱前後の重量
変化を測定した.この場合いずれの試料も重量増加を
0
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のSiの添加はその濃度の増加とともに溶体化硬度,
るために,1200℃,4hr溶体化水冷後20%冷間圧延
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Mn添加合金の曲げクリープ特性は基準試料0のそれ
のであるが,Moの添加がその濃度の増加に伴なって
硬度を高め焼戻軟化抵抗を大きくすることに対応し
て,曲げクリープ特性を著しく改善する.
第31図はW添加の場合の結果を示したものであ
0
第30図はMo添加合金についての結果を示したも
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とほとんど差はないが,焼戻軟化抵抗の大きいMn−
10がMn−5より榛み速度がやや小さい.
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第32図添加元素が高温耐蝕性におよぼす影響
末永・若原:Ni基20Cr-20Co Ni合金の焼戻時効におよぼす第4元素添加の影響
示した.これは大部分酸化によるものであるが,酸化
のほかに窒化もある程度考えられる.第32図に単位
面積当りの重量増加におよぼす合金元素の祇類と濃度
の影響を示す.
siの添加は大気中加熱による竜量増加を少なくし,
高温耐蝕性を改善することを示す.Fe,Mn,Wの添
加は高温耐蝕性にほとんど影響は与えないが,Fe,Mn
についてはその添加濃度の高いところでは耐蝕性を著
しく悪くする.Cu,Moの添加は高温耐蝕性を著しく
悪くし,特にMoの場合顕著である.これはMoの
添加が軟化抵抗を高め,抗クリープ性を著しくよくす
9
(ま認められない.
(3)溶体化後の冷間圧延材を焼戻すときの焼戻軟
化抵抗性はFeの添加によりかなり小さくなり,Cu
の添加によってもやや小さくなる.Si,Mnの添加は
その濃度が高くなると軟化抵抗を大きくする.Moの
添加はかなり著しく軟化抵抗を高めるが,wは3%の
範囲ではあまり影郷を与えない.
(4)溶体化水冷後冷間圧延材の抗クリープ性を,
Feの添加はその汲度の増加とともに著しく劣化する.
その原因はFe濃度の増加とともに焼戻軟化抵抗が小
さくなり,また硬度も低下することにあるとみられ
る事実ときわめて対照的である.但しCu,Moの湛
る.Si,Mo,Wを添加したものは曲げクリープ特性
度の変化による影響はきわめて小さい.
が優れている.Cu,Mnの添加は抗クリープ性に特別
な影響は与えない.
4 . 総 括
20Cr-20Co Ni合金にFe,Cu,Si,Mn,Mo,W
の6種の第4元素を単独に添加したとき,これらの添
加元素が焼戻軟化抵抗,焼戻時効性,顕微鏡組織,111
げクリープ特性および高温耐蝕性におよぼす影響につ
いて実験的研究を行なって次の諸点を明らかにした.
(1)Feの添加は溶体化硬度,溶体化後の冷間圧延
(5)大気中高温腐蝕抵抗はSiの添加により改善さ
れるが,Cu,Moの添加により著しく劣化する.Fe,
Mn,Wの添加は高温耐蝕性に余り著しい影響は与え
ないが,Fe,Mnの場合は添加濃度が高くなると高温
、仙性を劣化せしめる.
終りに本研究遂行に当り,終始御懇篤なる御指導御
援助を頂いた東京工業大学教授岡本正三先生に深甚な
硬度を低くするが,Cu,Si,Mo,Wの添加はその濃
度の増加とともに合金を硬化する.Mnの添加によっ
て溶体化硬度は大きくなるが,溶体化後の冷間圧延硬
る謝意を捧げる.
度はかえって小さくなる.
1)W、Jellinghaus,W・Wink:Arch・EisenhU枕en,
(2)いずれの組成の試料も溶体化状態ではγ単相
であるが,これを焼戻すときわずかながら時効硬化性
が認められ,Mo,Wの効果は比較的大きい.Fe,Cu,
Mo,Wを添加した合金には焼戻時効後微細な析出物
が認められるが,Si,Mnを添加したものには析出物
文 献
29(1958),559.
2)武田,花井,湯川:鉄と鋼,41(1955),320,43
(1957),299.
3)武田,花井,湯川:F│木学術振興会耐熱金属材料
研究委員会報告集,1960-11,197.