高3数 γ No. 23 種々の問題 (理系問題演習/柳生) 2014/11/17 (平成26年千葉大・医) 問 52 関数 f (x) = xx (x > 0) と正の実数 a について,次の問いに答えよ。 1 3 (1) ! x ! における f (x)f (1 − x) の最大値および最小値を求めよ。 4 4 1 3 f (x)f (1 − x)f (a) (2) ! x ! における の最小値を求めよ。 4 4 f (ax)f (a(1 − x)) (解) (1) g(x) = f (x)f (1 − x) とおく。log g(x) = log f (x) + log f (1 − x) = x log x + (1 − x) log (1 − x) g ! (x) この両辺を微分すると = log x − log (1 − x) g(x) よって g ! (x) = xx (1 − x)1−x {log x − log (1 − x)} 1 log x = log (1 − x) = 0 ⇐⇒ x = である。g(x) の増減表は以下の通り。 2 1 1 3 x ··· ··· √ 4 2 4 4 27 1 ! g (x) − + よって,最大値は , 最小値は · · ( · 答) √ √ 4 2 4 4 27 1 27 g(x) % & 4 2 4 (2) f (ax) = (ax)ax = (aa )x (xx )a = f (a)x f (x)a , f (a(1 − x)) = (a(1 − x))a(1−x) = (aa )1−x ((1 − x)1−x )a = f (a)1−x f (1 − x)a だから, f (x)f (1 − x)f (a) f (x)f (1 − x)f (a) = = {f (x)f (1 − x)}1−a = g(x)1−a x f (ax)f (a(1 − x)) f (a) f (x)a f (a)1−x f (1 − x)a #√ $1−a ! "1−a 4 1 27 と変形できる。よって,最小値は 0 < a ! 1 のとき , 1 < a のとき ··( · 答) 2 4 (平成26年京都府立医大) 問 53 a, b を正の実数とする。e は自然対数の底とし,必要ならば 2.7 < e を用いてもよい。 (1) a <√b とする。このとき ab = ba ならば 1 < a < e < b であることを証明せよ。 √ 7 √ √5 (2) 5 と 7 の大小を比較せよ。 log a log b (解) (1) ab = ba ⇐⇒ = である。 a b log x log x − 1 f (x) = (x > 0) とおく。f ! (x) = であるから,f (x) の増減表は以下の通り。 x x2 x 0 · · · e · · · +∞ f ! (x) + − 1 % 0 e また,f (x) = 0 ⇐⇒ x = 1 である。 & f (x) したがって,a < b とするとき,f (a) = f (b) すなわち ab = ba ならば 1 < a < e < b である。(証明終) √ √ √ 5 <√ 7 < 2.7√< e であることに注意する。よって,(1) より f ( 5) < f ( 7) が成り立つ。 √ √7 √ √5 log 5 log 7 すなわち √ < √ が成り立ち,これより log 5 < log 7 √ 5 √ 7 √ 7 √ 5 よって 5 < 7 である。 (2) 1 < √ (平成26年九州大(後期)) 問 54 すべての実数 x について,関数 f (x) およびその導関数 f ! (x) が微分可能であり,f ! (x) > 0 か つ f !! (x) > 0 が満たされるとする。また,f (−2) < 0 かつ f (2) > 0 であるとし,f (x) = 0 の解を a と する。f (x) を用いて,数列 {xn } を次のように定義する。 ・x1 = 2 ・xn (n = 2, 3, 4, · · · ) は,曲線 y = f (x) の x = xn−1 における接線と x 軸との交点の x 座標とする。 (1) xn > a ならば次の不等式が成り立つことを平均値の定理を用いて示せ。 f ! (a) < f ! (xn )(xn − xn+1 ) < f ! (xn ) xn − a (2) xn > a (n = 1, 2, 3, · · · ) であることを数学的帰納法を用いて示せ。 (3) 次の不等式を示せ。 xn+1 − a f ! (a) <1− ! (n = 1, 2, 3, · · · ) xn − a f (xn ) (4) lim xn = a となることを示せ。 n→∞ (解) (1) 仮定より f (x) はすべての実数 x について微分可能であるから,平均値の定理より,実数 c ∈ (a, xn ) が存在して f (xn ) − f (a) = f ! (c) · · · ) 1 xn − a を満たす。ここで,y = f (x) 上の点 (xn , f (xn )) における y = f (x) の接線は y = f ! (xn )(x − xn ) + f (xn ) であり,xn+1 はこれと x 軸との交点の x 座標であることから,f ! (xn )(xn+1 − xn ) + f (xn ) = 0 が成り立 つ。さらに f (a) = 0 であるから,f ! (xn )(xn − xn+1 ) = f (xn ) − f (a) · · · ) 2 が成り立つ。また,f !! (x) > 0 より f ! (x) は狭義に単調増加するから,a < c < xn のとき f ! (a) < f ! (c) < f ! (xn ) · · · ) 3 が成り立つ。 ! f (x )(x − x ) n n n+1 ), < f ! (xn ) が成り立つ。(証明終) 1 ), 2 ) 3 より,a < xn のとき f ! (a) < xn − a (2) f (−2) < 0, f (2) > 0, かつ f ! (x) > 0 であることから,中間値の定理より,f (x) = 0 の解は −2 < x < 2 の範囲にただ 1 つ存在する。よって −2 < a < 2 である。したがって a < x1 = 2 である。 自然数 n に対し xn > a が成り立つと仮定する。このとき (1) の不等式の右辺および中辺より f ! (xn )(xn − xn+1 ) < f ! (xn ) ⇐⇒ xn − xn+1 < xn − a (∵ f ! (x) > 0, xn > a) ⇐⇒ xn+1 > a xn − a が成り立つ。よって,数学的帰納法によりすべての自然数 n に対し xn > a が成り立つ。(証明終) (3) (2) より xn > a であるから,(1) の不等式の左辺および中辺より f ! (xn )(xn − xn+1 ) f ! (a) xn − xn+1 xn − xn+1 f ! (a) f ! (a) < ⇐⇒ ! < (∵ f ! (xn ) > 0) ⇐⇒ 1− < 1− ! xn − a f (xn ) xn − a xn − a f (xn ) xn+1 − a f ! (a) したがって <1− ! が成り立つ。(証明終) xn − a f (xn ) f ! (a) (4) pn = 1− ! とすると,任意の自然数 n に対し xn > a であるから,(3) より 0 < xn+1 −a < pn (xn −a) f (xn ) が成り立つ。(1) の不等式より任意の自然数 n に対し xn+1 < xn であるから,f ! (x) が単調増加であること f ! (a) f ! (a) より f ! (xn+1 ) < f ! (xn ) である。また f ! (x) > 0 であることから,自然数 n に対して 1− ! < 1− ! f (xn+1 ) f (xn ) すなわち pn+1 < pn が成り立ち,したがって 0 < xn+1 − a < pn (xn − a) ! p1 (xn − a) が成り立つ。ゆ えに不等式 0 < xn − a ! pn−1 (x1 − a) が成り立つ。 1 f ! (a) ここで 0 < f ! (a) < f ! (xn ) より 0 < 1 − ! = p1 < 1 であるから, lim pn−1 (x1 − a) = 0 である。よっ 1 n→∞ f (xn ) てはさみうちの原理から,dimn→∞ (xn − a) = 0 よって lim xn = a である。(証明終) n→∞
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