2014 年 早稲田大学 教育学部 解答 1 (1) x > 0 において x3 − 6x2 + 11x − 4 = ax ⇐⇒ x2 − 6x + 11 − 4 =a x であることを考え, f (x) = x2 − 6x + 11 − 4 x とおくと, 4 2(x3 − 3x2 + 2) = x2 x2 2(x − 1)(x2 − 2x − 2) = x2 √ √ 2(x − 1)(x − 1 + 3 )(x − 1 − 3 ) = x2 ′ であり, f (x) の符号変化から x > 0 における f (x) の増減は √ x (0) 1 1+ 3 (∞) + 0 − 0 + f (x) (−∞) ↗ 極大 ↘ 極小 ↗ (∞) f ′ (x) = 2x − 6 + f (1) = 1 − 6 + 11 − 4 = 2 ( √ ) √ √ 4 f 1 + 3 = (1 + 3 )2 − 6(1 + 3 ) + 11 − √ 3 +1 √ √ √ 4( 3 − 1) √ =4+2 3 +5−6 3 − √ ( 3 + 1)( 3 − 1) √ √ √ = 9 − 4 3 − 2( 3 − 1) = 11 − 6 3 x > 0 において y = f (x) のグラフと直線 y = a ( > 0) が 3 点で交わる条件を考え, √ 11 − 6 3 < a < 2 ⃝ 2 ⃝ 1 (2) n 回目まで終了しないで n 回目に裏が出る場合の数を an とすると,ちょうど n+3 回目に終了する場合の数は an であるから, n 4 のとき fn = f3 + a1 + a2 + a3 + · · · + an−3 2 回目までに終了することはないので, a1 = 1, a2 = 2, a3 = 22 = 4 であり, n 4 のとき n 回目まで終了しないで n 回目に裏が出たとすれば, • n 回目も n − 1 回目も裏 • n 回目が裏, n − 1 回目が表, n − 2 回目が裏 • n 回目が裏, n − 1 回目と n − 2 回目が表, n − 3 回目が裏 —— 1 —— 2014 年 早稲田大学 教育学部 解答 のいずれかに限られるから, an = an−1 + an−2 + an−3 (n 4) が成り立つ。 a4 から先を順に計算すると a4 = a3 + a2 + a1 = 4 + 2 + 1 = 7 a5 = a4 + a3 + a2 = 7 + 4 + 2 = 13 a6 = a5 + a4 + a3 = 13 + 7 + 4 = 24 a7 = a6 + a5 + a4 = 24 + 13 + 7 = 44 よって,求める場合の数は f10 = f3 + a1 + a2 + a3 + a4 + a5 + a6 + a7 = 1 + 1 + 2 + 4 + 7 + 13 + 24 + 44 3 = 96 ⃝ a < log10 7 ⇐⇒ a < 19 log10 7 = log10 7 19 ⇐⇒ 10 a < 7 19 19 であることを考え, 7 19 を調べると, 4 10 7 < 7 9 = 40353607 < 5 10 7 , 2.8 10 8 < 7 10 = 282475249 < 3 10 8 より 11.2 10 15 < 7 9 7 10 < 15 10 15 ∴ 1.12 10 16 < 7 19 < 1.5 10 16 (3) よって, 4 a の最大値は 16 ⃝ b の最小値については, b log10 7 < ⇐⇒ b > 13 log10 7 = log10 7 13 13 ⇐⇒ 7 13 = 96889010407 < 10 b ⇐⇒ 11 ⃝ 5 b (4) AB = 7, BC = 8, CA = 9 とするとき,AD = 8, BD = 9, CD = 7 と定まる。 そこで, xyz 空間において A(a, b, 0), B(−4, 0, 0), C(4, 0, 0), D(x, y, h) (b > 0, h > 0) とおくと, ア AB2 = (a + 4)2 + b2 = 49 ······ ⃝ 2 2 2 イ CA = (a − 4) + b = 81 ······ ⃝ ⃝ ア −⃝ イ より 16a = −32 ∴ a = −2 ⃝ ア または⃝ イ に代入して b2 = 45 —— 2 —— 2014 年 早稲田大学 教育学部 b > 0 より √ b=3 5 解答 ∴ A(−2, 3 √ 5 , 0) △ABC の面積 S は √ √ 1 S= × 8 × 3 5 = 12 5 2 次に, √ ウ AD2 = (x + 2)2 + (y − 3 5 )2 + h2 = 64 ······ ⃝ 2 2 2 2 エ BD = (x + 4) + y + h = 81 ······ ⃝ 2 2 2 2 ⃝ CD = (x − 4) + y + h = 49 ······ オ オ より エ −⃝ であるから, ⃝ 16x = 32 ∴ x=2 ⃝ エ より ウ −⃝ √ 7 42 − 62 − 6 5 y + 45 = −17 ∴ y=√ 5 ⃝ エ より √ √ 49 176 176 4 11 2 h = 81 − 36 − = ∴ h= = √ 5 5 5 5 四面体 ABCD の体積 V は √ √ √ 1 1 4 11 6 × 12 5 × √ V = Sh = = 16 11 ⃝ 3 3 5 (別解 ) すべての面が合同である四面体 ABCD は,ある直方体の 4 頂点を結んで 実現できる。その直方体の 1 つの頂点に集まる 3 辺の長さを p, q, r として 2 2 2 p +q =7 カ ······ ⃝ 2 2 2 ⃝ q +r =8 ······ キ r2 + p2 = 92 ク ······ ⃝ カ +⃝ キ +⃝ ク より とすると, ⃝ 2 2 2p + 2q + 2r2 = 194 ∴ p2 + q 2 + r2 = 97 ケ ······ ⃝ ⃝ ケ −⃝ キ, ⃝ ケ −⃝ ク, ⃝ ケ −⃝ カ より 2 2 p = 33, q = 16, r2 = 48 直方体の体積から, 4 つの三角錐の体積を引くことにより,四面体 ABCD の 体積 V は ( √ √ √ 1(1 ) 2) V = pqr − pq r × 4 = 33 4 4 3 × 1 − = 16 11 3 2 3 ⃝ 6 —— 3 —— 2014 年 早稲田大学 教育学部 解答 2 4 π , 0<θ< より 5 √ 2( ) 3 4 2 cos θ = 1 − = 5 5 加法定理より sin(n + 2)θ + sin nθ = 2 sin(n + 1)θ cos θ であるから, an+2 = 5 n+2 sin(n + 2)θ 3 = 2 5 n+2 sin(n + 1)θ − 5 n+2 sin nθ 5 = 6 5 n+1 sin(n + 1)θ − 52 5n sin nθ = 6an+1 − 25an (1) sin θ = であり, an+2 = Aan+1 + Ban と比べて A = 6, B = −25 (答) (2) まず, a1 = 5 sin θ = 5 × 4 =4 5 a2 = 52 sin 2θ = 52 × 2 sin θ cos θ = 52 × 2 × 4 3 × = 24 5 5 はともに 5 で割ると 4 余る整数である。 ak = 5bk + 4, ak+1 = 5bk+1 + 4 (bk , bk+1 は整数 ) と表されるとすれば, (1)で 導いた漸化式より ak+2 = 6ak+1 − 25ak = 6(5bk+1 + 4) − 25(5bk + 4) = 5(6bk+1 + 4) + 4 − 5(25bk + 20) = 5(6bk+1 − 25bk − 16) + 4 も 5 で割ると 4 余る整数となる。 よって,数学的帰納法 (の論理 ) により,すべての自然数 n に対して, an は 5 で (証明おわり ) 割ると 4 余る整数である。 (3) θ が円周率 π の有理数倍であるとすれば,ある自然数 n が存在して nθ は π の整数倍 となって, sin nθ = 0 ∴ an = 5n sin nθ = 0 ところが, 0 は 5 で割リ切れて余りが 4 ではないから, (2)の結果に反する。 (証明おわり ) よって, θ は円周率 π の有理数倍ではない。 —— 4 —— 2014 年 早稲田大学 教育学部 解答 3 1 ( x > 0) は減少関数であるから, x k+1 k 1 1 1 a n < x < a n において k+1 < < k x a n an であり,定積分により大小関係が変わら (ず,等号成立条件を満たさ ) ないから, ) ) ( ( ∫ a k+1 n k+1 k k+1 k 1 1 1 n n n n a −a < k −a dx < a k+1 k x an a n an k = 0, 1, 2, · · · , n − 1 について辺々加えると,不等式の性質と定積分の加法性 より ) ) ∫ a n−1 n−1 ∑( k+1 ∑( k+1 k k dx 1 1 n n n n a −a < < a −a k+1 k x 1 k=0 k=0 a n an (証明おわり ) (1) 関数 y = (2) lim n→∞ n−1 ∑( k+1 a n − k an ) 1 a k=0 k+1 n = lim n→∞ n−1 ∑( 1 −n 1−a ) k=0 ( ) − 1 = lim n 1 − a n n→∞ 1 −n −1 1 − n ( )′ = ax x=0 = ax log a = lim a n→∞ ∫ x=0 = log a x=0 = log a [ ]a dx = log x = log a x 1 1 ) n−1 n−1 ) ∑( 1 ∑( k+1 k 1 n n a −a = lim lim an − 1 k n→∞ n→∞ k=0 k=0 an ( 1 ) = lim n a n − 1 a n→∞ 1 ( )′ an − 1 = lim = ax n→∞ 1 n であるから, lim n→∞ n−1 ∑( k+1 a k=0 n − k an ) 1 k+1 a n ∫ a = 1 —— 5 —— ) n−1 ∑( k+1 k dx 1 a n − an = lim k n→∞ x k=0 an (証明おわり ) 2014 年 早稲田大学 教育学部 解答 a1 < a2 < · · · < an−1 < an を正の整数とするとき, A = {a1 , a2 , · · · , an−1 , an } が良い集合であるための必要十分条件は a1 a2 a3 · · · an−1 an であることに注意する。 4 (1) p1 , p2 , · · · , pk を相異なる奇素数として,集合 A を { A = 2p1 , 22 p1 , · · · , 2k p1 , 2p2 , 22 p2 , · · · , 2k p2 , ······ } 2 2pk , 2 pk , · · · , 2k pk と定めるとき, A の最良数も最悪数も k であることを証明する。 A の部分集合 { } { } Bi = 2pi , 22 pi , · · · , 2k pi , Cj = 2j p1 , 2j p2 , · · · , 2j pk を考えると, Bi は良い集合, Cj は悪い集合であり, n(Bi ) = n(Cj ) = k である。 2i pj と 2 l pm は, j ̸= m ならば互いに割り切れず, Bi に属さない (A の ) 数を Bi に追加すると良い集合ではなくなるから,A の良い部分集合は Bi の部分集合の形 に限られ, A の最良数は n(Bi ) = k である。 Cj に属さない任意の (A の ) 数 2 l pm に対して, 2j pm 2 l pm または 2 l pm 2j pm が成り立ち, Cj ∪ {2 l pm } は悪い集合ではないから, A の悪い部分集合は Cj の部 分集合の形に限られ, A の最悪数は n(Cj ) = k である。 以上より, n(A) = k 2 かつ最良数も最悪数も k である集合 A が存在する。 (証明おわり ) (2) n(A) k 2 + 1 のとき,A の最良数が k + 1 以上なら証明は終わっている。以下, A の最良数が k 以下であるとする。 A に属する数の最小値を a1 として,a1 を含む A の良い部分集合で,要素の個数 が最大のものを A1 とする。 A1 から Ai まで良い集合が定まり,そのいずれにも属 さない A の数がまだ残っているとき,その最小値を ai+1 として,ai+1 を含む A の 良い部分集合で,要素の個数が最大のものを Ai+1 とする。 ここで, A1 , · · · , Ai はそれぞれ良い集合として最大になるように定めたから, —— 6 —— 2014 年 早稲田大学 教育学部 解答 各集合には ai+1 とは互いに割り切れない数が少なくとも 1 つずつあるが,初めに 述べた注意より A1 , · · · , Ai の各集合に属する最大数は いずれも ai+1 とは互いに割り切れない ことがわかる。 A の最良数は k 以下であるから,特に n(A1 ) k, n(A2 ) k, n(A3 ) k, · · · A2 , A3 , · · · は少なくとも k + 1 k 2 + 1 であるから,良い集合 A1 , であり,n(A) 個は作られることになる。そこで, Ai に属する数の最大値を αi (i = 1, 2, 3, · · · , k + 1) とおき, A の部分集合 B = {α1 , α2 , α3 , · · · , αk+1 } を定めると, B は悪い集合である。 (証明おわり ) (3) 2014 > 442 + 1 であるから, (2)より 条件を満たす集合 A の最良数と最悪数は 45 以上 である。 2014 = 45 × 44 + 34 < 452 であるから,(1)を参考にして,相異なる 45 個の奇素数 p1 , p2 , · · · , p45 を用いて { A = 2p1 , 22 p1 , · · · · · · , 245 p1 , 2p2 , 22 p2 , · · · · · · , 245 p2 , ············ 2p44 , 22 p44 , · · · · · · , 245 p44 } 2p45 , 22 p45 , · · · , 234 p45 (答) と定めると,集合 A は n(A) = 2014, (最良数) = (最悪数) = 45 を満たす。 —— 7 ——
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