ロピタルの定理 (講義編 p.161 参照) 演習 次の極限値を求めよ。 ( (1) lim x→0 1 1 log (1+x) (2) lim x 1-x 2 x(x+1) x x→1 x→0 のとき、 ) 1 log(1+x) →an、 →an なので、このままでは極限が求まらな x(x+1) x2 い。通分して、ロピタルの定理が使える形にする。 ビブン 1 log (1+x) log (1+x) ( x(x+1) )=lim x-(x+1) x x(x+1) (1) lim 2 x→0 2 x→0 ビブン 2 x→0 のとき、x-(x+1) log (1+x)→0、x(x+1) →0 なのでロピタルの定理が使える。 1-log(1+x) (x+1) ・ =lim 1 x+1 3x2+2x x→0 ビブン =lim x→0 -log (1+x) 3x2+2x ビブン x→0 のとき,-log (1+x) →0、3x2+2x→0 なので、ロピタルの定理を用いる。 1 x+1 1 =2 6x+2 =lim x→0 (2) x→1 のとき、x→1、 y=x 1 1-x とおいて、log 1 →an なのでこのままでは極限が求まらない。 1-x y の極限を取る。 ビブン 1 x log x lim log y=lim =lim =-1 x→1 -1 x→1 x→1 1-x ( ) ビブン x→1 のとき、1-x→0、log x→0 なので、ロピタルの定理を用いる。 lim y=lim e log y=e-1 x→1 x→1 t=x-1とおいて 1 1 1 t =lim (与式) =lim (1+t) 1= t→0 t→0 e (1+t)t でもよい 80 B078-087_BSEKI_KAT_09.indd 80 14/06/13 11:31 確認 ロピタルの定理 次の極限値を求めよ。 ( (1) lim x→0 1 1 ax+bx+cx (2) lim 3 x2 tan2 x x→0 ) x→0 のとき、 ( (1) lim x→0 ( 1 1 tan2 x-x2 =lim 22 x2 tan2 x x tan x x→0 ) (tan x+x) tan x-x x ・ ・ x x3 tan x x→0 lim x→0 )(a、b、c は正) 1 1 →n、 →n なので、このままでは極限は求まらない。通分する。 x2 tan2 x ( =lim 1 x tan x+x tan x x =lim +1 =2、lim x→0 x→0 x x tan x ( ) ( 2 ) 2 ) =1 なので、残りの lim x→0 tan x-x を x3 考える。tan x-x→0、x3→0 なのでロピタルの定理を使う。 ビブン 1 -1 cos2 x tan x-x 1-cos2 x lim =lim =lim 3 2 2 2 3x x x→0 x→0 3x cos x x→0 ビブン sin x 2 1 1 1 1 1 2 =lim =2・ ・1= = よって、lim 2 2 tan2 x 3 3 x→0 x x 3 cos x 3 x→0 ( ) (2) x→0 のとき、 ( y= ax+bx+cx 3 ( ) ax+bx+cx 1 →1、 →an なのでこのままでは極限は求まらない。 x 3 1 x )とおく。 ( log lim log y=lim x→0 x→0 (log f)= f ,(ax)=(log a)ax f ビブン ax+bx+cx 3 log (ax+bx+cx) -log 3 =lim x x x→0 ビブン ) x→0 のとき、x→0、log(ax+bx+cx)-log 3→0 なのでロピタルの定理を用いる。 (log a) ax+(log b) bx+(log c) cx x x x a +b +c log a+log b+log c =lim = 1 3 x→0 ( ) 3 =log abc よって、lim y=lim elog y=elog x→0 x→0 3 abc 3 = abc 81 B078-087_BSEKI_KAT_09.indd 81 14/06/13 11:31 マクローリン展開 (講義編 p.176 参照) 演習 次の関数の n 次導関数を計算し、マクローリン展開せよ。また、収束半 径 R を求めよ。 1 1+x (1) (1) f (x) = (2) cosh x 1 3 1 1 2 とおく。f(x) =(1+x) = - (1+x)- 2 2 1+x ( ) 1 3 3 5 (- 12()- 2()- 2 (1+x) ) -5 (3) = 2 、f (x) ( 2()- 2 (1+x) ) f(2) (x) = - -7 2 、… (2n-1) n 1・3・…・ (n+ 12 ) (x)= (-1) ・ (1+x) f(n) 2n f(n) (0) (-1)n・1・3・…・ (2n-1) (-1)n・1・3・…・ (2n-1) = = n n! 2 ・n! 2・4・…・2n (0) f(3) (0) f(n) (0) マクローリン展開は、f(2) よって、f (0) =1、 (x) f f(0) (0) f 2! 3! n! n 1 1 1・3 1・3・5 3 (-1)・1・3・…・ (2n-1) n =1- x+ x2x +…+ x +…… 2 2・4 2・4・6 2・4・…・2n 1+x n (-1) ・1・3・…・ (2n-1) an= とおくと、 2・4・…・2n 2・4・…・2n ・ |aa |=lim|12・・34・・……・・(2n+1) | (n+1) 1・3・…・ 2 (2n-1) 2n+1 =lim| |=1 よって、 2(n+1) r=lim n→n n+1 n n→n 収束半径 R は、R= n→n 1 =1 r (2) f (x) =cosh x とおく。f(x) =sinh x、f(2) (x) =cosh x、f(3) (x) =sinh x、… (x) =sinh x、f(n) (0) =0 n が奇数のとき、f(n) (x) =cosh x、f(n) (0) =1 n が偶数のとき、f(n) マクローリン展開は、 (x) f (0) f f(2) (0) f(4) (0) f(2n) (0) 1 1 1 cosh x=1+ x2+ x4+…+ x2n+… 2! 4! (2n) ! ex+e-x であり、ex のマクローリン展開の収束半径が n なので、 2 cosh x の収束半径 R も、R=n cosh x= 1 1 とおいて、r=lim k ak=lim 2n a2n=lim 2n a2n= =0 から、R=n としてもよい k→n n→n n→n (2n) (2n)! ! 82 B078-087_BSEKI_KAT_F1.indd 82 14/06/23 9:54 確認 マクローリン展開 次の関数の n 次導関数を計算し、マクローリン展開せよ。また、収束半 径 R を求めよ。 (1) ax (2) log (1+3x+2x2) 2 x (1) f (x)=ax とおくと、f(x) = (log a) ax、f(2) (x)= (log a) a 、…、 n (x)= (log a)nax よって、f (0) =1、f(n) (0)= (log a) f(n) マクローリン展開は、 (x)f f (0) f(0) f(2) (0) f(3) (0) f(n) (0) (log a) 2 (log a) 3 (log a)n n x+ x +…+ x +… 2! 3! n! ax=1+ (log a)x+ 2 3 n (log a) an= とおくと、 n! r=lim n→n an+1 (log a)n+1 n! log a ・ =lim =0 n =lim an n→n (n+1)! (log a) n→n n+1 公式による解法:ax=e(log a)x なので、ex のマク 1 R= より、収束半径は、R=n r ローリン展開で x を (log a) x におきかえる (2) f(x) =log (1+3x+2x2) とおく。 { (1+x) (1+2x)} =log (1+x) +log (1+2x) を用いて、 log (1+3x+2x2)=log n-1 n-1 (-1) (n-1) ! (-1) (n-1) ・ ! 2n + n n (1+2x) (1+x) (n) f(n) (x) = (log (1+x) +log (1+2x) ) = n-1 ! (n) (n) (-1) (n-1) (g (ax+b) ) =ang(n) (ax+b) で、 a=2、 b=1、 g (x) =log x とする。 (log x) = xn n (0) f =0、f(n) (0) =(-1)n-1 (n-1) (1+2 ! ) マクローリン展開は、 f(2) (0) f(3) (0) f(0) (x) f log (1+3x+2x2) =3x- f(n) (0) n-1 n 5 2 18 3 (-1) (n-1) (1+2 ! )n x + x +…+ x +… 2! 3! n! (-1)n-1(1+2n) n n-1 (-1) (1+2n) an= とおくと、 n n+1 | n ・ =lim |aa |=lim|1+2 n+1 1+2 | r=lim n→n n+1 n n→n n 1 +2 2n 1 ・ =2 1 1 +1 1+ 2n n n→n | 1 1 1 log (1+x) の収束半径は 1、log (1+2x) の収束半径は 、和 2 収束半径は、R= = r 2 の関数はこのうち小さい方の収束半径を持つ 83 B078-087_BSEKI_KAT_09.indd 83 14/06/13 11:31
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