平成26年度 北陸地方整備局 事業研究発表会 Dグループ Ⅲ-2 安全・安心(維持管理・全般) ○最優秀賞(1編) No. 分類 発表題名 所属 発表者名 伏木富山港(新湊地区)臨港道路東西線(新湊大橋)のケーブル振動対 新潟港湾空港技術調査事務所 清水 美代 策について 本報告は、港口部を跨ぐ長大橋であり、日本海側最大級の複合斜張橋である新湊大橋に発生したケーブル振動について、現地観測を基にその 発生要因を究明し、委員会の指導を得つつ現地試験施工・モニタリングの実施により効果的な対策工について検討したものである。 今後の臨海部における大規模橋梁の設計・整備、震動対策に資することが期待できる。 12 Ⅲ-2 ○優秀賞(2編) No. 3 分類 発表題名 Ⅲ-2 急流河川黒部川における河道計画について 所属 黒部河川事務所 発表者名 飯田 和也 本報告は我が国屈指の急流河川である黒部川において、河道状況の変化に伴う課題解決策を検討したものである。近年黒部川は砂州の比高 差の拡大や砂州波長の減少がみられ、過去に河道計画を立案した時点と現況では河道条件が異なってきている。そのため、、縦工間で被災が見 られるなど、過去には想定していなかった新たな課題がでてきている。このため、黒部川では目指すべき河道を設定し、治水の要である愛本扇頂 部において滑らかな澪筋を形成させる解決案を検討した。本報告は今後の急流河川の河道管理に先進的な知見を与えるものであり、他の河川 の参考事例となるものである。 中心市街地(香林坊地区)における無散水融雪設備の老朽化対策につ 金沢河川国道事務所 河﨑 真一郎 いて 道路構造物の老朽化対策が急務のなか、完成から27年経過した道路の無散水融雪施設の不具合を契機として、より耐久性に優れた融雪設備 とするため、事前に課題を整理し試験施工を行い、効果を確認した上で本施工を実施した。また、トラブルが発生した場合を想定し、特定しやすい 工夫をするなど、維持管理のしやすさにも配慮した融雪施設の更新を行った。 15 Ⅲ-2 ○技術協会特別賞(1編) No. 4 分類 発表題名 Ⅲ-2 千曲川における堤防漏水発生機構について 所属 千曲川河川事務所 発表者名 芋川 朋実 本報告は、2013年9月台風18号出水時に発生した漏水の発生機構を検証し、過去より堤防漏水が多発している千曲川下流部における今後の 河川管理上のポイントとして取りまとめたものである。 今回の漏水を受け、旧河道の照査、広域地下水の影響評価、漏水再現解析を行い、漏水した箇所をそれぞれ漏水形態毎に整理をおこない、河 川管理上のポイントととして取りまとめたものであり、今後の対策工や河川巡視の効率化に資することに期待したい。 ◎全体を通しての講評 安全・安心があらゆる分野、あらゆる場面で求められている中で、計画から維持・補修、更新まで、さらに河川・道路・港湾から電気、機械に至る 多岐ににわたる発表がなされた。 特に維持・補修分野は、地味で目立たない分野であるが、標準的な考え方だけでなくその現場の特性、課題に合わせて工夫を凝らし、長寿命化 による工事の平準化、コスト縮減を期待させる発表が多く見られた。 引き続き安全・安心な地域づくりに向けて、常日頃から現場でのさらなる工夫、実践が展開されることを期待する。
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