Ae x =

基幹物理学 IA 演習(2014 年 5 月 15 日分)の解答例
1.以下の微分方程式の一般解を求めよ。
(1)
d 2x
dx
 6  5x  0
2
dt
dt
2
特性方程式   6  5  0
(  1)(  5)  0 よって、   1,5
t
一般解は、 x  C1e  C2e
(2)
(C1, C2: 積分定数)
d 2x
dx
 2  5x  0
2
dt
dt
2
特性方程式   2  5  0
この根は、   1 2i
一般解は、 x  C1e
(3)
5t
( 12i ) t
 C2e( 12i )t  et (C1e2it  C2e2it )
d 2x
dx
2 x0
2
dt
dt
2
特性方程式   2  1  0
この根は、   1 (重根)
x  Ae t
(積分定数 A が1つなので一般解ではない)
そこで、定数変化法を使って、解を探す。
x  A(t )e t と置いて、微分方程式に代入して整理すると
d 2 A(t )
0
dt 2
A(t )  C1  C2t

よって、 x  e
t
(C1, C2: 積分定数)
(C1  C2t )
d2y
dy
 2  3 y  24e 3t

2
dt
dt
(ヒント: 特解の求める際、 y  Ae
3t
を仮定)
d2y
dy
 2  3 y  0 の解は、特性方程式  2  2  3  0 より、  1,3
2
dt
dt
t
3t
よって、 y1  C1e  C2e
(C1, C2: 積分定数)
同次方程式
次に、特解を求める。 y  Ae
A(9  6  3)e
3t
 24e
以上より、一般解は
3t
3t
を微分方程式に代入すると、
よって、特解は
y2  2e3t
y  y1  y2  C1et  C2e3t  2e3t
d 2x
  2 x  0 は、定係数2階線形同次方程式の形をしている。
2.単振動の運動方程式
2
dt
その微分方程式の解法に従って、一般解が x(t )  A cos(t   ) となることを示せ。
ここで、A とωは積分定数である。
解)
d 2x
 2x  0
(1)
2
dt
t
ここで、 x  e と置いて上式(1)に代入すると
2  2  0
(2)
これは特性方程式と呼ばれる。この解は   i であるので、 (1)式の一般解は
y(t )  C1eit  C2eit
となる。ここで C1 と C 2 は定数(一般的に複素数)である。
(3)
ここで、(3)式の C1 と C 2 として、
C1  ( D1  iD2 ) / 2 、 C2  C1*  ( D1  iD2 ) / 2
( D1 と D2 は実数、 C 2 は C1 と共役)
 it
e  cos t  i sin t を用いて
y(t )  D1 cos t  D2 sin t
とすると、オイラーの公式
右辺を変形して


D1
D2
y (t )  D12  D22 
cos t 
sin t 
 D2  D2

D12  D22
1
2


D1
D2
 cos  、
 sin  であるので
ここで、
D12  D22
D12  D22
x(t )  D12  D22 cos t cos   sin t sin    A cost   
となる。
D12  D22

D
D
3.
(単振動問題の復習)滑らかで水平な平面上で、質量 m の小物体 Q が平面上の点 O か



ら位置ベクトル r に比例した力 F  kr を受けて運動する場合、Q はどのような軌跡を描
いて運動するか?

(1) O を原点として、直交する x 軸と y 軸を取って、Q の位置 r  ( x, y) で表す。運動
方程式の x,y 成分をそれぞれ書け。
m
d 2x
 kx ,
dt 2
m
d2y
 ky
dt 2
(2) 運動方程式の一般解から時間 t をうまく消去して軌跡を求めよ。
(ヒント:問2の答えを使ってよい)
問2の解を利用して、上記運動方程式の解はそれぞれ
x  a cos(t   ) と y  b cos(t   )
ただし、   k / m 、a, b, ,  は積分定数で、初期条件で決まる。
Q の軌跡は、上記2式から t を消去すればよい。
x  asin t cos   cos t sin  
y  bsin t cos   cos t sin  
これらより、
y
x

sin t   sin   sin   / sin(    )
b
a

y
x

cos t   cos   cos   / sin(    )
b
a

2式を2乗して加えて、t を消去すると、
x2 y 2
xy
 2  2 cos(   )  sin 2 (    )
2
a
b
ab
ここで、もし、    とすると、直線
     / 2 とすると、
y
b
x
a
x2 y2

 1 (楕円軌跡を表す)
a 2 b2
注)
この軌跡は、リサジュー曲線、リサジュー図形と呼ばれる。各自 Web 検索して調査せよ。
参考 URL:
http://www.junko-k.com/jyoho/simulation/flash-reserge.htm
http://www.suzuka-ct.ac.jp/info/lab/akira/zyugyou/denkidensi/HowPlot.htm
4.発展問題(基幹物理学・9章・章末問題)
大気中の気体分子によって光が散乱される様子(レイリー散乱)を,簡単な模型を用い
て計算してみよう。大気分子の原子核に弾性的な力で結び付けられている電子を考えよう。
原子核は電子(質量 m,電荷 q) に比べて十分重いので,電子の運動によって原子核は影響を

受けないと近似してよい。原子核を原点とする重心系で考え,電子の位置ベクトルを r (t ) と
する。電子の運動方程式は


d 2r
m 2  m 2 r
dt
(  は角振動数)
と表される。いまここに


E (t )  e E0 cos(t )

という時間的に変動する電場がかかったとする。ただし e は一定の単位ベクトルである。電
子はこの電場によって周期的な外力を受ける。
(1) 電子の運動方程式を書け。
(ヒント:電子が電場から受ける力はどう書けるか?)


電荷 q に働くローレンツ力は、 F (t )  qE (t )

 
d 2r
m 2  m 2 r  e qE0 cos(t )
dt


(2) 電子の運動方程式の特解を求めよ。
(ヒント:特解として r (t )  e X cos(t ) を仮定)


r (t )  e X c o 
s t() を上式に代入して整理すると、
(m2  m 2 ) X  qE0
qE0
1
よって、 X 
2
m   2
1

 qE0
cos(t )
求めるべき特解は、 r (t )  e
2
m   2