ℎ exp

第11回 宿題解答
式(5.12)を導出しなさい.
𝑝𝑟,𝜃 (𝑟, 𝜃) =
𝑟
𝑟2
1 2𝑟
𝑟2
exp
(−
)
=
∙
exp
(−
) = 𝑝𝜃 (𝜃) ∙ 𝑝𝑟 (𝑟) ⋯ (5.12)
𝜋𝜎ℎ 2
𝜎ℎ 2
2𝜋 𝜎ℎ 2
𝜎ℎ 2
解)
ℎは複素ガウス分布であり(図1参),ℎ𝑅 とℎ𝐼 はそれぞれ同一の分散をもつ独立なガウス分
布なので,ℎ𝑅 とℎ𝐼 の結合確率密度関数は
𝑝ℎ (ℎ𝑅 , ℎ𝐼 ) = p(ℎ𝑅 ) ∙ 𝑝(ℎ𝐼 )
⋯①
ただし,
𝑝(𝑥) =
1
√2𝜋𝜎
exp (−
𝑥2
) ⋯②
2𝜎 2
2
式②は平均 0,分散𝜎 のガウス分布である.
式②に式③を代入すると,
𝑝ℎ (ℎ𝑅 , ℎ𝐼 ) = 𝑝(ℎ𝑅 ) ∙ 𝑝(ℎ𝐼 ) =
1
√2𝜋𝜎ℎ𝑅
exp (−
ℎ𝑅 2
1
ℎ𝐼 2
)
∙
exp
(−
)
2𝜎ℎ𝑅 2 √2𝜋𝜎ℎ
2𝜎ℎ𝐼 2
𝐼
2
=
ここで,𝜎ℎ𝑅 2 = 𝜎ℎ𝐼 2 =
𝜎ℎ 2
2
2
1
ℎ𝑅
ℎ𝐼
exp {− (
+
)}
2
2𝜋𝜎ℎ𝑅 𝜎ℎ𝐼
2𝜎ℎ𝑅
2𝜎ℎ𝐼 2
⋯③
なので,式③は
𝑝ℎ (ℎ𝑅 , ℎ𝐼 ) =
1
ℎ𝑅 2 + ℎ𝐼 2
exp
(−
) ⋯④
𝜋𝜎ℎ 2
𝜎ℎ 2
と表せる.
ℎの𝑝𝑟 (𝑟)と𝑝𝜃 (𝜃)を求めるための極座標変換は
ℎ = 𝑟𝑒 𝑗𝜃 = 𝑟 cos 𝜃 + 𝑗𝑟 sin 𝜃
⋯⑤
である(図2参)
.
ヤコビ行列を用いると結合確率密度関数は
𝜕ℎ𝑅
𝑝𝑟,𝜃 (𝑟, 𝜃) = 𝑝ℎ (ℎ𝑅 , ℎ𝐼 ) | 𝜕𝑟
𝜕ℎ𝐼
𝜕𝑟
𝜕ℎ𝑅
𝜕𝜃 |
𝜕ℎ𝐼
𝜕𝜃
⋯⑥
と表せる.
𝜕ℎ𝑅 𝜕ℎ𝑅
𝜕𝜃 | = |cos 𝜃 −𝑟 sin 𝜃 | = 𝑟 cos2 𝜃 + 𝑟 sin2 𝜃 = 𝑟
| 𝜕𝑟
𝜕ℎ𝐼 𝜕ℎ𝐼
sin 𝜃 𝑟 cos 𝜃
𝜕𝑟
𝜕𝜃
なので,式⑤に式④と式⑥を代入すると
⋯⑦
𝑝𝑟,𝜃 (𝑟, 𝜃) =
1
𝑟 2 cos2 𝜃 + 𝑟 2 sin2 𝜃
1
𝑟2
exp
(−
)
∙
𝑟
=
exp
(−
)
𝜋𝜎ℎ 2
𝜎ℎ 2
𝜋𝜎ℎ 2
𝜎ℎ 2
⋯⑧
式⑧より,𝑝𝜃 (𝜃)と𝑝𝑟 (𝑟)は
∞
𝑟
𝑟2
exp
(−
) 𝑑𝑟
2
𝜎ℎ 2
0 𝜋𝜎ℎ
∞
𝑟
𝑟2
𝑝𝑟 (𝑟) = ∫
exp
(−
) 𝑑𝜃
2
𝜎ℎ 2
{
0 𝜋𝜎ℎ
𝑝𝜃 (𝜃) = ∫
⋯⑨
⋯⑩
で求めることができる.
式⑨より
∞
𝑝𝜃 (𝜃) = ∫
0
∞
𝑟
𝑟2
1
𝑟2
1
exp
(−
)
𝑑𝑟
=
[𝑟exp
(−
)] =
2
2
2
𝜋𝜎ℎ
𝜎ℎ
2𝜋
2𝜎ℎ 0
2𝜋
⋯⑪
式⑪より,𝑝𝜃 (𝜃)は一様分布であることが分かる.
また,式⑩より
∞
𝑝𝑟 (𝑟) = ∫
0
𝑟
𝑟2
𝑟
𝑟2
2𝑟
𝑟2
2𝜋
[𝜃]
exp
(−
)
𝑑𝜃
=
exp
(−
)
=
exp
(−
)
0
𝜋𝜎ℎ 2
𝜎ℎ 2
𝜋𝜎ℎ 2
𝜎ℎ 2
𝜎ℎ 2
𝜎ℎ 2
式⑫より𝑝𝑟 (𝑟)はレイリー分布であることが分かる.
𝑝𝜃 (𝜃)と𝑝𝑟 (𝑟)は独立なので,
𝑝𝜃 (𝜃) ∙ 𝑝𝑟 (𝑟) =
1 2𝑟
𝑟2
∙ 2 exp (− 2 )
2𝜋 𝜎ℎ
𝜎ℎ
となる.よって式(5.12)が導出できた.
図1:複素ガウス分布
図2:極座標変換
⋯⑫