CH3 + HX CH3 H CH3 CH3 H C H H OH + KCl

採点は少し遅れるかもしれない。火曜日頃。
有機化学Ⅱ平常テスト⑨
1
(2014.11.27)標準解答
次の有機分子の IUPAC 英名を示せ。
(1)
CH3CH2O
(CH3)2CH
H
C
(2)
BrCH2
CH3
C
C(CH3)3
C=C
O
(3)
H
H
CH2CH(CH3)2
CH2=CH
CH3
C=C
CH2Cl
CH3
H
(1)
(2S,3R)-2-ethoxy-3-methyl-2-(1-methylethyl)-1-oxacyclopropane
(2)
(2Z,4E)-1-bromo-3-(1,1-dimethylethyl)hexa-2,4-diene
(3)
(S)-3-(1-chloromethyl)-3,5-dimethylhex-1-ene
(3)の絶対配置判定において、−CH=CH2 基は、キラル炭素に接続する一順目は C、二順目は H と 2C であり
−CH2CH(CH3)2 では一順目が C、二順目は 2H と C である。したがって−CH=CH2 基の方が高位であるか
[①位:− CH2Cl、②位:−CH=CH2、③位:−CH2CH(CH3)2] このように多重結合は、
ら(S)-体になる。
結合1本ずつについて次の原子を設定する。
2
(2S,3R)-2-エチル-2,3-ジメチル-1-オキサシクロプロパンに次の反応を行った時の反応式(絶対配置などが判
別できる構造式を用いること)と、主生成物の IUPAC 名を示せ。
(1) 少量の H2SO4 を触媒として CH3OH と反応させた
HOCH3
X−=HSO4−とする
CH3
H
CH2CH3
C
CH3
CH3
C
H
+ HX
O
H
C
C
C
H
C
CH3
OH
X
−
OCH3
CH3
CH2CH3
CH3
C
HO+
HO+CH3 X−
CH3
CH2CH3
C
OH
CH2CH3 + HX(=H2SO4)
CH3
(2R,3R)- 3-methoxy-3-methylpentan-2-ol
(2) 1M KOCH3 のメタノール溶液中で反応させ、次に HClaq.で中和した。
K+
OCH3
−
CH3
H
OCH3
CH2CH3
C
C
CH3
CH3
H
O
C
C
K+ O−
CH2CH3
CH3
HCl aq.
OCH3
CH3
H
C
CH2CH3
C
OH
CH3
+
KCl
(2S,3S)-2-methoxy-3-methylpentan-3-ol
3
(3S,4R)-3-ブロモ-3,4-ジメチルヘキサンに対して次のような反応を行った時の主生成物の構造式と IUPAC
英名を示せ。
出発分子は、
CH3 H
CH3CH2
なので、三級のブロモアルカンであり、SN1,E1 または E2 反応に
CH2CH3
Br
CH3
限定される(SN2 は起きない)
。ここでは濃度の高い強塩基を使用して
いて低温なので、さらに E2 反応に限定される。
(1) 1M KOCH3 の DMF 溶液中で、0~5℃にて反応させる。
立体障害が小さい強塩基を用いているので、E2 の Saytev 経路が選択される。Newman 投影式(または Sawhorse)
を描かねば正解できない。少なからず該当する者が居たが、Fischer 投影式を描くだけでは無駄。
Br
Et
Me
CH3CH2
C=C
したがって、
Et
CH2CH3
Me
CH3
のみが生成する
CH3
H
(Z)-3,4-dimethylhex-3-ene
(2) 1M KOtBu の DMF 溶液中で、0~5℃にて反応させる。
立体障害が大きい強塩基を用いているので、E2 の Hofmann 経路が選択される。
CH2
H
CH3CH2-C
CH2CH3
(R)-2-ethyl-3-methylpent-1-ene
CH3
4
(2S,3S)-3-ブロモペンタン-2-オールを KOH で処理したときの分子内 SN2 反応について、中間状態を示しな
がら反応式を完成せよ。
(もちろん E2 反応も起きるだろうが、それらは考察しなくてよい)
この問題も−O−が−Br 根元炭素を分子内で背面攻撃する『分子内 SN2 反応』(要するに−O−と−Br が anti-の
配置にあるときのみ進行する)であるから、E2 反応の時と同じように sawhorse か Newman 投影式を描かねば
ならない。Sawhorse で示す。
CH3 Br
H
C
HO
C
H
CH3 H
H
C
CH2CH3
CH2CH3
C
O
+ KBr + HOH
背面攻撃
K+
OH(プロトン引き抜き)
−
化合物命名1つあたり1分以上を費やしているようでは話にならない。
この平常テストは20分で行った。計算上、1は1分×3、2は4分×2、3は(1)3分+(2)2分、
4は3分、の合計19分である。100 分費やしてよいのなら、できて当たり前。時間も勝負のうち。