『解体新書』うらばなし;pdf

『解体新書』うらばなし
6年
組
号(
)
らんがくことはじめ
「 蘭 学 事 始 」(玄白の言葉)
ふ わ
腑分けの名手
けの名手
… 前 略 …
かいぼう
と か
とらまつ
その日、みんなで連れ立って骨が原へ出かけた。解 剖 については、屠家の 虎 松
という者が、すばらしい技術を持っていると聞いていたので、かねてから約束し
ておいた。ところが、この日、虎松が急に病気になったとのことで、その祖父、
年齢は 90 歳という老人が代わりにやってきた。見るからに元気そうな老人であ
った。彼は、若い頃から解剖を数回行ったことがあると言う。
かんぞう
たんのう
その老人はメスをふるいながら、
「これが心臓・肝 臓 ・胆 嚢 ・胃…」などと説
明していった。ほかに、
「これは名前は知らないが、だれの体にもここにこれがあ
る。あそこにこれがある。」などと説明した。私(玄白)たちが持っていたオラン
ダの解剖図と照らし合わせてみると、一つも違ったところがなかった。
老人はまた、今まで解剖のたびに医者の人たちにいろいろ見せたけれども、だ
れ一人として、それは何、これは何と、疑われた方はいらっしゃいませんでした、
と言った。
… 中 略 …
ほんやく
翻 訳 の決意
帰り道は、良沢と淳庵と私が一緒であった。われわれは途中で語り合った。
「さてさて、今日の実地見分はいちいち驚きであった。それをこれまで気がつ
かなかったことが恥ずかしい。いやしくも、医術で互いに殿様に仕える身であり
ながら、そのもとになる我々の体の本当の構造も知らずに、今まで一日一日とこ
の仕事を務めてきたのは面目もない次第である。何とかして、今日の体験にもと
づいて、おおよそでも体の本当の事をわきまえて医術を行えば、この職業で身を
立てていることの申し訳にもなろう。何とかして、この『ターヘルアナトミア』
を翻訳したいものである。
」
私のことばに、二人とも「まったく同感である。」と言い、早速三人で翻訳の作
業にとりかかることになった。
… 後 略 …
『解体新書』うらばなし
6年
組
号(
)
1 解剖の様子(想像図)を見て、分かったこと、気づいたことを書きましょう。
②
③
④
①
⑤
⑥
2 玄白たちは、(
3 今日の授業の感想を書きましょう。
)のことをどう思ったでしょう。