仕様書(PDF形式:216KB) - 資源エネルギー庁

仕様書
1.事業名
平成27年度新エネルギー等導入促進基礎調査(水素社会の実現に向けた取組に関す
る調査)
2.事業目的
(1)水素は、①高いエネルギー効率を可能とする燃料電池の活用によって、大幅な省エ
ネルギーにつながり得ること、②多様なエネルギー源から様々な方法で製造可能であ
るため、エネルギーセキュリティの向上につながり得ること、③利用段階ではCO2
を排出しないことに加えて、再生可能エネルギー由来の水素を活用するなどすること
で、環境負荷低減につながり得ること、といったエネルギー政策上の利点から、将来
の主要な二次エネルギーの一つとして期待されている。
ただし、水素が本格的に利活用される社会、いわゆる水素社会の実現には、技術面、
コスト面、制度面、インフラ面で未だ多くの課題が存在しており、これらの課題を戦
略的に解決することが必要である。
(2)このため、平成26年6月に、水素社会の実現に向けた産学官の目標と取組をまと
めた水素・燃料電池戦略ロードマップ(以下単に「ロードマップ」という。
)を策定し
たところである。ロードマップでは、主として技術的課題の克服と経済性の確保に要
する期間の長短に着目し、①足元の取組として水素利用の飛躍的拡大を、②2020
年代後半をターゲットに大規模な水素供給システムの確立を、③2040年をターゲ
ットにトータルでのCO2フリーの水素供給システムの確立を、ステップバイステッ
プで目指すこととされた。
(参考1)水素・燃料電池戦略ロードマップ
http://www.meti.go.jp/press/2014/06/20140624004/20140624004-2.pdf
(参考2)水素・燃料電池戦略ロードマップ概要
http://www.meti.go.jp/press/2014/06/20140624004/20140624004-1.pdf
(3)一方、ロードマップは、限られた時間の中で得られた産学官の関係者の合意に基づ
き、水素社会の実現に向けて必要となる取組を包括的かつ体系立ててまとめたもので
あるため、分野によっては課題分析や取組内容が抽象的なものもある。また、家庭用
燃料電池(エネファーム)の普及が10万台を超え、燃料電池自動車(FCV)の市
販が開始されるなど、ロードマップの策定時から様々な取組が進展しており、目標や
取組の改訂が求められる分野もあり得る。
(4)以上の状況を踏まえ、ロードマップに記載されている産学官の取組の進捗状況に関
するフォローアップを行い、ロードマップに記載されている課題分析や取組内容の更
なる具体化を行うとともに、新たに認識された課題の分析及び必要な取組内容等を検
討する。
(5)調査の結果は、水素・燃料電池戦略協議会(事務局:資源エネルギー庁省エネルギ
ー・新エネルギー部新エネルギー対策課燃料電池推進室)における基礎資料とするも
のとし、対外的に説明を行い得るものとする。
(6)なお、本調査に当たっては、水素の製造、輸送・貯蔵、利用について、3E(エネ
ルギーの安定供給、経済効率性の向上、環境への適合)+S(安全性)を基本とする
エネルギー政策の観点からだけでなく、我が国の技術の国際競争力の維持・強化とい
った産業政策の観点からの分析も行うものとする。
3.調査内容
本調査における調査内容は下記のとおりとし、海外を含む、文献調査、企業・大学・
研究機関等の関係者へのヒアリング、関係者や経済産業省とのディスカッション等によ
り調査を行うものとする。
なお、本調査の実施に当たっては、エネルギー政策との整合性を確保するため、適宜、
資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部新エネルギー対策課燃料電池推進室と
協議を行うものとする。
(1)産学官の取組の進捗状況に関する調査
ロードマップに記載されている産学官の各取組について、それぞれの中心となる主
要なプレーヤーの具体的な取組状況を把握し、ロードマップに記載されている目標や
取組の時間軸等を踏まえ、各取組の進捗状況に関する評価を行う。
また、進捗が遅れていると評価される取組について、その要因を分析するとともに、
解決策を検討する。
(2)ロードマップの目標・取組内容の検証及び更なる具体化
ロードマップに記載されている目標や取組の具体度、取組の目標達成への貢献度等
を検証する。その上で、必要に応じて、目標や取組の具体化を行う。
(調査に当たって検討すべき事項(例)
)
○更なる具体化が必要と判断される目標や取組の特定
産学官の関係者等にヒアリング等を行うことで、ロードマップに記載されて
いる目標や取組の具体度や、取組内容の目標達成への貢献度等について、求め
られる水準とロードマップの記載内容との乖離を明らかする。その上で、必要
に応じて、ロードマップに記載されている目標や取組の更なる具体化を行う。
○燃料電池自動車と水素ステーションの中期的な普及シナリオ
具体的な普及目標台数が明示されていない燃料電池自動車と、2016年度
以降の整備目標箇所が明示されていない水素ステーションについて、燃料電池
自動車や水素ステーションの構成機器メーカーを含む幅広い関係事業者の健全
な発展も念頭に置いた、中期的な普及シナリオに関する検討を行う。
○水素発電の導入及び大規模な水素供給システムの確立に向けたシナリオ
2020年代後半以降の大規模な水素供給システムの確立や、2030年以
降の水素発電の導入について、特にそれまでの間の過渡期のあり方に焦点を当
てつつ、我が国におけるCO2制約への対応やエネルギーミックス等に関する
議論の進捗を踏まえ、具体的な導入シナリオに関する検討を行う。
○エネルギーキャリアとしての水素の活用可能性
太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーの急激な導入拡大の結果、十
分に活用し切れない再生可能エネルギーが生じている状況を踏まえ、足下にお
けるエネルギーキャリアとしての水素の活用可能性(例.蓄電池との比較等)
について検討を行う。その際、欧米において進められる power to gas の取組の
我が国における活用可能性も併せて精査するものとする。
○多様なアプリケーションの活用を念頭に置いた裾野の広い水素利活用
水素及び燃料電池の活用用途は定置用燃料電池や燃料電池自動車のみならず、
バスやフォークリフトなどについても具体化されつつあり、幅広いものが想定
されることから、こうした新たなアプリケーションの普及のあり方や、多数の
アプリケーションを包含した社会システムとしての水素活用についても検討を
行う。
○東京オリンピック・パラリンピック競技大会との連動
水素の利活用を推進するためのツールの一つとして、東京オリンピック・パ
ラリンピック競技大会との連動のあり方や具体的な方策等について検討を行う。
(3)水素・燃料電池技術の海外展開に関する調査
水素・燃料電池技術について、諸外国の施策動向や市場環境、将来の世界市場の見
通し等を分析する。また、我が国が国際競争力を獲得し得る分野やその源泉となる技
術的要素等を抽出し、これらを伸ばすためにどのような政策的資源の投入が必要とな
るか分析する。
(調査に当たって検討すべき事項(例)
)
○諸外国の施策動向、市場環境、将来の世界市場規模の見通し
欧米等の諸外国における水素・燃料電池分野の支援施策について、水素・燃
料電池の政策的な位置づけ、普及戦略、支援措置の内容・規模等について、こ
れまでの変遷も含めて分析を行う。
また、水素・燃料電池と競合し得る技術・製品を特定し、これとの関係で水
素・燃料電池の利点・欠点を明らかにするとともに、これを踏まえた諸外国に
おける水素・燃料電池の現状及び将来性に関する評価や、普及までに想定され
ているシナリオ等を分析する。
更に、以上を踏まえて、水素・燃料電池分野の将来の世界市場の見通しを推
計する。
○我が国の国際競争力の分析
水素の製造、輸送・貯蔵、利用の各分野における国際競争の変遷に関する分
析を行い、我が国又は諸外国が競争力を有し、又は有し得る分野や、その源泉
となり、又は源泉となり得る技術的要素等を抽出する。
○我が国企業の海外展開に向けた支援のあり方等
水素・燃料電池分野の将来の世界市場の見通しや、我が国が有する国際競争
力の状況等を踏まえ、我が国企業のあり得る海外展開のシナリオを明らかにす
るとともに、これに合った政策資源の投入のあり方を分析する。
(4)水素・燃料電池戦略ロードマップのフォローアップ等
上記(1)から(3)までの調査結果を踏まえ、水素・燃料電池戦略ロードマッ
プに記載されている産学官の取組の進捗状況等を整理した資料を作成する。また、
必要に応じて、水素・燃料電池戦略ロードマップの改訂も行う。
(5)研究会の開催の準備
(1)~(4)の調査内容について、水素・燃料電池戦略協議会及び本協議会の
下に設置するワーキンググループの運営(委員はそれぞれ20~25名程度、3~
4回程度の開催を予定)を行う。具体的には、①本協議会及びワーキングの企画・
運営、②関連する基礎データ収集や資料作成、③議事録作成等を行う。なお、委員
へは交通費のみを支払うものとする。
(6)海外調査
(2)及び(3)の調査に当たっては、日本のみならず、海外の主要国における動
向も把握するべく、このための現地調査(米国、欧州(EU)の2地域程度を想定)
も併せて行うものとする。
4. 実施期間
委託契約締結日から平成28年3月31日まで
5. 納入物

調査報告書(概要版・詳細版)の電子媒体(CD-R) 3枚

調査報告書、委託調査報告書公表用書誌情報(様式1※1)
、二次利用未承諾リス
ト(様式2※2)を納入すること。

調査報告書は、PDF形式以外にも、機械判読可能な形式※3のファイルも納入
すること。なお、様式1及び様式2は Excel 形式とする。

調査報告書(概要版)については、調査報告書(詳細版)から重要データを抜粋
し、パワーポイント10枚程度にまとめる。

調査報告書電子媒体(CD-R) 3枚(公表用)

調査報告書及び様式2(該当がある場合のみ)を一つのPDFファイル(透明テ
キスト付)に統合したものを納入すること。

セキュリティ等の観点から、資源エネルギー庁と協議の上、非公開とするべき部
分については、マスキングを実施するなどの適切な処置を講ずること。

調査報告書は、オープンデータ(二次利用可能な状態)として公開されることを
前提とし、資源エネルギー庁以外の第三者の知的財産権が関与する内容を報告書
に盛り込む場合は、①事前に当該権利保有者の了承を得、②報告書内に出典を明
記し、③当該権利保有者に二次利用の了承を得ること。二次利用の了承を得るこ
とが困難な場合等は、下記の様式2に当該箇所を記述し、提出すること。
※調査報告書電子媒体の具体的な作成方法の確認及び様式1・様式2のダウンロードは、
下記 URL から行うこと。
http://www.meti.go.jp/topic/data/e90622aj.html
※1委託調査報告書公表用書誌情報(様式1)
本事業の報告書のオープンデータとしての公表に際し、データとしての検索性を高め
るため、当該データの属性情報に関するデータを作成すること。
※2二次利用未承諾リスト(様式2)
二次利用の了承を得ることが困難な場合又は了承を得ることが報告書の内容に大きな
悪影響を与える場合は、報告書の当該箇所に出典等を明示し、知的財産権の所在を明ら
かにした上で、当該データを様式2に記載すること(知的財産権の所在が不明なものも
含む)
。
※3機械判読可能な形式
コンピュータプログラムがデータ構造を識別し、データを処理(加工、編集等)でき
ること。例えば HTML,txt,csv,xhtml,epub,gml,kml,png 等のほか Word,Excel,Powerpo
int 等のデータが該当する(スキャンデータのようなものは該当しない)
。
6. 納入場所
資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 新エネルギー対策課 燃料電池推進
室(経済産業省別館5階512号室)