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(別紙)
仕様書
1.件名
平成27年度知的財産権ワーキング・グループ等侵害対策強化事業(官民合同ミッション等支援事業)
2.事業の目的
近年、我が国と世界各国との経済的な相互依存関係が深まる中で、今後も日本企業の一層の海外進出
が見込まれている。日本企業が海外において事業を展開していく上で、海外諸国における商標・意匠・
特許等の知的財産権が迅速に権利化されるとともに、
その権利が適切に保護されることが不可欠である。
しかしながら、中国をはじめとして中東、インド、中南米など世界各国で、あらゆる業種の日本企業
が大企業・中小企業を問わず模倣品・海賊版被害に遭遇しており、近年その被害は拡大傾向にある。特
に近年は、模倣行為が巧妙化・悪質化しており、また、インターネットの普及に伴いネット上で侵害を
受ける日本企業の数も増加している。
こうした状況に鑑み、日本政府は、国際知的財産保護フォーラム(IIPPF)(注1)と連携を取りつつ、
日本企業が最も侵害を受けている中国等の侵害発生国の政府機関に「知的財産保護官民合同代表団」(注
2)を派遣して、知財関連制度の改善を要請する等、知財保護の強化に務めているほか、平成21年度以
降は、中国政府との間で「日中知的財産権ワーキング・グループ」(注3)を開催する等、政府間の協議
を強化している。今後も、こうした取り組みを継続していくとともに、侵害発生国の政府機関に対する
改善要請を取りまとめた建議書等を作成する際の参考資料、参考データとするため、侵害発生国におけ
る模倣品被害等の実態や法制度の状況等の調査を実施する。さらに、海外における日本の企業・団体等
の知的財産権侵害に対しては、侵害状況調査制度(協議申立制度)が整備されているが、当該制度に基
づく申立があった場合は、侵害発生国と侵害案件についての二国間協議等の実施を検討するため、事前
に相手国の侵害実態や関連制度等についての調査を実施する。
また、侵害発生国の政府職員等を日本に招聘して知財保護に関する意見交換を実施するとともに、侵
害発生国における執行機関の職員の人材育成に資するセミナー等の開催を通じて、侵害発生国政府との
協力関係を構築し、知的財産権保護の強化を図ることとする。
さらに、産業界の意見を集約し模倣対策に関する企業間の情報共有を促進する観点から、IIPPFの事
務局に係る業務や委員会活動に対する支援を行う。これらの事業を通して、侵害発生国における商標・
意匠・特許等の侵害に対応していくこととする。
(注1)国際知的財産保護フォーラムは、平成14年4月、模倣品・海賊版等の海外における知的財産権侵害問題
の解決に意欲を有する企業・団体が業種横断的に集まり、産業界の意見を集約するとともに、我が国政府と
の連携を強化しつつ、国内外の政府機関等に対し、一致協力して行動し知的財産保護の促進に資することを
目的として設立された民間民意団体。平成26年12月現在、90団体、180企業が加入。
(注2)日本政府と国際知的財産保護フォーラムが共同で、中国等の侵害発生国に「知的財産保護官民合同代表団」
を派遣して、侵害発生国政府に対して法制度、運用等の改善を要請している。平成14年12月に第1回の
代表団を中国へ派遣して以来、ほぼ毎年中国に代表団を派遣している。平成27年度においても、中国中央
政府(北京)
、中国地方政府(広州)を中心に代表団を派遣することを予定している。
(注3)平成21年6月7日、経済産業大臣と陳徳銘中国商務部部長との間で、「経済産業省と中国商務部との知
的財産権保護に関する交流と協力に関する覚書」を交換し、この覚書に基づき、日中の知財関連の政府部門
が参加して、「日中知的財産権ワーキング・グループ」をこれまで3度開催した。第3回は平成23年10
月に神戸で開催され、平成27年度の第4回は中国での開催を予定している。
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3.事業内容
(1)国際知的財産保護フォーラム(IIPPF)の活動に係る支援
国際知的財産保護フォーラム(IIPPF)を支援する事務局としての業務(各プロジェクト、各委
員会の開催等)を行う。
(2)政府間協議に必要な調査事業
①模倣品被害実態調査
模倣品被害発生国・地域及び模倣品・海賊版の経由地等における模倣品の被害状況等について調
査を実施する。
②侵害発生国等の制度・運用状況調査
模倣品による権利侵害が顕著な国・地域における知財関連法等の制度及びその運用状況に関する
調査を実施して、現状の問題点についての把握を行う。
また、諸外国の模倣品対策の動向を把握するための調査を実施する。
③知的財産権の海外における侵害状況調査制度(協議申立制度)に係る調査
海外で知的財産権侵害を受けた日本の企業・団体等からの協議申立に基づき、申立の対象となっ
た国・地域の政府機関との二国間協議等の実施を検討するため、申立の対象となった国・地域にお
ける知的財産権侵害に係る実態及び知的財産権関連制度等に関する調査を実施する。
(3)知的財産保護官民合同代表団の派遣に係る事業
知的財産保護官民合同代表団の派遣、日中知的財産権ワーキング・グループ等の開催に際して、
上記(2)の調査結果等を踏まえた上で産業界の意見を集約して建議書の原案等を作成するととも
に、当該国の政府との調整及び受入れに係る現地の体制整備を行う。
(4)侵害発生国と共同で行う事業に係る支援
侵害発生国における模倣品流通の抑止に向け、当該国政府と日本政府及び日本企業等が共同で行
う事業にともない、当該国または日本において協議等を開催するため、当該国政府との調整及び受
入れに係る現地または日本国内の体制整備、共同事業の実施に係る調整を行う。
(5)侵害発生国におけるセミナー等の開催
模倣品による権利侵害が顕著な中国及び模倣品の被害が拡大するおそれのある国・地域の政府機
関や消費者、現地日系企業等を対象に、当該地域においてセミナーを開催し、知的財産権の取締の
強化や模倣品流通の抑止等を目指す。
(6)侵害発生国の政府機関職員及び専門家等の招聘事業
模倣品による権利侵害が顕著な中国及び模倣品の被害が拡大するおそれのある国・地域において
知的財産権侵害の取締執行政府機関職員や弁護士等の有識者を日本に招聘し、日本の産業界との意
見交換の場や、当該国・地域の知的財産制度等についての知見を得るためのセミナーを開催し、当
該地域の模倣品による被害の減少を促す。
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4.実施方法
(1)国際知的財産保護フォーラム(IIPPF)の活動に係る支援
IIPPF の年次総会(年1回、200人程度)や、各プロジェクト及び各委員会等の定期連絡会
合(年20回程度、30人程度)の開催に際して、必要となる会場の確保、資料作成、会合の議
事録の作成等の支援を行う。
また、IIPPF のホームページの運営を支援し、国内外に活動状況等の情報発信を行う。
(現在の URL)http://www.jetro.go.jp/theme/ip/iippf/
(2)政府間協議に必要な調査事業
①模倣品被害の実態調査
模倣品の被害が発生している国・地域又は模倣品・海賊版の経由地となっている国・地域(中
国、ASEAN諸国、中南米諸国、中東諸国、インド、ロシア等)における模倣品被害の実態を
把握するため、当該地域で開催される展示会において出展されている模倣品の状況やそれによる
日本企業(権利者)の被害状況に関する調査を実施する。また、模倣品の流通経路やインターネ
ット上の知的財産権侵害に関する被害状況等に関する調査を行い、模倣品被害に係る情報の整理
を行う。
実地調査に当たっては、現地での調査能力が十分確保されていることを前提に、現地法律事務
所等に調査委託等を行っても差し支えない。調査委託等を行う場合に必要な経費は、委託経費と
して、調査テーマごとに計上する。
②侵害発生国等の制度・運用状況調査
侵害発生国・地域における知財関連法等の制度及びその運用実態等を調査し、制度・運用上の
問題点を洗い出した上で、侵害発生国政府に対して制度改善等を要請する際に必要となる参考資
料・参考データの整理を行う。また、欧米等の模倣品対策の動向や欧米等の諸外国が侵害発生国
政府に対して行うアプローチ方法等に関する調査を実施する。
侵害発生国政府に対して制度改善等を要請する際に用いる資料・データは、現地の判例・法解
釈を含めた専門的なデータや事例分析が必要となるため、海外の現地法律事務所等の法制度の専
門家への調査委託等を必須とし、調査委託等に必要な経費は本委託事業の経費として計上する。
③知的財産権の海外における侵害状況調査制度(協議申立制度)に係る調査
経済産業省内に設置されている政府模倣品・海賊版対策総合窓口が受け付けた日本企業・団体
等からの申立に基づき、侵害発生国・地域の市場等における模倣品・海賊版被害の実態、侵害発
生国・地域における知的財産権の関連制度及びその運用実態等について調査を行い、侵害発生国
との間で二国間協議等を実施する場合は、協議に必要となる調査情報の整理を行う。なお、二国
間協議を実施する場合に用いる資料、データは、現地における判例・法解釈を含めた専門的なデ
ータや事例分析が必要となるため、海外の現地法律事務所等の法制度の専門家への調査委託等を
必須とし、調査委託等に必要な費用は本委託事業の経費として計上する。
なお、上記①~③の調査対象国・地域、開始時期、調査内容等については、調査対象国となる
政府機関との意見交換等の状況を踏まえた上で調査を実施する必要があるため、適宜、模倣品対
策室に相談の上、最終的に決定することとする。平成27年度においては、中国又はその他の国・
地域で15~20テーマ程度の調査を予定している。
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(3)知的財産権保護官民合同代表団派遣等に係る支援
知的財産権保護官民合同代表団の派遣(1回の代表団への参加人数は10~50人を想定)
、日
中知的財産権ワーキング・グループ等の開催(1回の参加人数は20~30人を想定)に際して、
上記(2)の調査の結果を踏まえ、産業界の意見を集約し、訪問国政府への制度改善要望等をまと
めた建議書(原案)を作成するとともに、当該国の政府機関との事前調整、現地での受入れ体制の
整備(配付資料の作成等各種支援を含む。
)及び訪問先政府機関への随行等の支援を行う。
平成27年度においては、知的財産権保護官民合同代表団の派遣は3回程度(ハイレベル、北京、
広州)
、日中知的財産権ワーキング・グループ等の開催については4回程度(各2日間、中国での
開催を想定)を予定している。
※日本の国家公務員が出張する費用については計上する必要はない。
なお、実施時期等については、侵害発生国政府との調整が必要となることから、随時、模倣品対
策室と相談の上、開催準備を進めることとする。
(4)侵害発生国と共同で行う事業に係る支援
侵害発生国政府と日本政府及び日本企業等が共同で行う事業等にともない、当該国または日本に
おいて協議等(1回の参加人数は10~20人を想定)を開催するため、当該国政府機関との事前
調整、現地または日本での受入れ体制の整備(配付資料の作成等各種支援を含む。
)及び訪問先政府
機関への随行等の支援を行う。
平成27年度においては、アジア等の新興国を対象とした協議を6回程度(各4日間、当該国で
の開催を5回程度、日本国内での開催を1回程度)予定している。日本国内で開催するにあたって
は、当該国からの招聘者(1回につき3~5名程度)の滞在費及び旅費、協議会場借料その他必要
となる費用は本委託事業の経費として計上する。
※日本の国家公務員が出張する費用については計上する必要はない。
なお、実施時期等については、侵害発生国政府との調整が必要となることから、随時、模倣品対
策室と相談の上、開催準備を進めることとする。
(5)侵害発生国におけるセミナー等の開催
知的財産権侵害を担当する侵害発生国の知財権所管官庁、税関、警察、裁判所等の政府機関職員
等を対象に、セミナー等を開催することを通じて、模倣品の取締に関する実践的なノウハウ(真贋
判定を含む。)等の情報提供や意見交換を行うとともに、当該国における知的財産関連の法制度及
びその運用等の改善を図る。また、侵害発生国において模倣品に遭遇する可能性のある消費者や現
地に進出している日系企業の担当者等を対象に、知的財産権保護や模倣品対策等に関するセミナー
等を開催する。セミナー等の実施に当たっては、上記(2)の調査・活動の結果等も活用すること
とする。
日本から派遣する専門家(1回につき1~2名程度)の滞在費・旅費、会場借料その他必要な費
用は本委託事業の経費として計上する。
平成27年度においては、中国をはじめとする模倣品が製造・流通している国において、概ね1
5回程度、1回のセミナー参加者数50名程度を基本に、開催を行うことを予定している。
なお、セミナー等の開催場所、開始時期、内容等については、当該国の政府機関と事前調整が必
要となる場合もあることから、随時、模倣品対策室に相談の上決定し、開催の準備を進めることと
する。
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(6)侵害発生国の政府機関職員及び専門家等の招聘事業
中国等における知的財産権侵害事件の担当裁判官・検察官、不正競争防止法等の知的財産権を担
当する政府部門の職員や知財保護に関する取組を実施する弁護士・民間企業・専門家等を日本に招
聘し、日本政府の関連機関や産業界との間で、知的財産権保護に関する制度等の現状把握、制度の
改善等に関する意見交換を実施する。
海外からの招聘者(1回につき5名程度)の滞在費及び旅費、日本の専門家(1回につき1~2
名程度)への謝金、セミナー会場借料その他必要となる費用は本委託事業の経費として計上する。
また、各招聘は、基本的に、招聘日数は7日間、セミナー及び産業界との意見交換会の開催を1回
ずつ、必要な日本の政府機関への訪問(2~3カ所程度)、東京以外の地域を含めた権利者企業へ
の訪問を2カ所程度、必要に応じて地方自治体への訪問を1カ所程度と想定している。
平成27年度においては、中国又はその他の侵害発生国の政府関係職員及び専門家に関するも
ので7回程度の招聘等を予定している。
なお、セミナー等の開催場所、開催時期、内容等詳細については、当該国の政府機関と事前調整
が必要となる場合もあることから、随時、模倣品対策室に相談・報告の上、開催準備を進めること
とする。
(1)~(6)の各種事業の実施に際して必要となる翻訳や通訳に関しては、知的財産分野が
技術的・専門性であることに鑑み、質の高い者を利用すべく、考慮する。
5.報告書の作成
上記の調査及びセミナー等の結果について取りまとめ、報告書を作成する。
6.調査実施期間
委託契約締結日から平成28年3月31日(木)まで
※なお、事業遂行に当たっては、随時模倣品対策室に相談・報告を行うこととする。
7.成果物
調査報告書電子媒体(調査事業報告書、説明会用資料(パワーポイントなどで作成した調査概要など)
等を記録したもの)
(CD-R) 1式
調査報告書、委託調査報告書公表用書誌情報(様式1※1)
、二次利用未承諾リスト(様式2※2)
を納入すること。
調査報告書は、PDF形式以外にも、機械判読可能な形式※3のファイルも納入すること。なお、
様式1及び様式2は Excel 形式とする。
調査報告書電子媒体(CD-R) 2式(公表用)
調査報告書及び様式2(該当がある場合のみ)を一つのPDFファイル(透明テキスト付)に統合
したものを納入すること。
セキュリティ等の観点から、経済産業省と協議の上、非公開とするべき部分については、マスキン
グを実施するなどの適切な処置を講ずること。
調査報告書は、オープンデータ(二次利用可能な状態)として公開されることを前提とし、経済産
業省以外の第三者の知的財産権が関与する内容を報告書に盛り込む場合は、①事前に当該権利保有
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者の了承を得、②報告書内に出典を明記し、③当該権利保有者に二次利用の了承を得ること。二次
利用の了承を得ることが困難な場合等は、下記の様式2に当該箇所を記述し、提出すること。
※ 調査報告書電子媒体の具体的な作成方法の確認及び様式1・様式2のダウンロードは、下記 URL か
ら行うこと。
http://www.meti.go.jp/topic/data/e90622aj.html
※1 委託調査報告書公表用書誌情報(様式1)
本事業の報告書のオープンデータとしての公表に際し、データとしての検索性を高めるため、当該
データの属性情報に関するデータを作成すること。
※2 二次利用未承諾リスト(様式2)
二次利用の了承を得ることが困難な場合又は了承を得ることが報告書の内容に大きな悪影響を与え
る場合は、報告書の当該箇所に出典等を明示し、知的財産権の所在を明らかにした上で、当該データ
を様式2に記載すること(知的財産権の所在が不明なものも含む)
。
※3 機械判読可能な形式
コンピュータプログラムがデータ構造を識別し、データを処理(加工、編集等)できること。例え
ば HTML,txt,csv,xhtml,epub,gml,kml,png 等のほか、Word,Excel,Powerpoint 等のデータが該当する
(スキャンデータのようなものは該当しない)
。
8.納入場所
経済産業省製造産業局模倣品対策室
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