平成26(2014)年12月① 大阪府公立学校管理職員協議会 〒543-0021 大阪市天王寺区東高津町 7-11 大阪府教育会館 406 号 TEL06-6765-1241 今冬最初の寒波が到来した 12 月3日(火)、 たかつガーデンで退職者セミナーを開催した。 過去最高の約60名の参加者があり、会場と なったコスモス室が満員となり、資料が不足す る状況で、会場は熱気に包まれた。そして、終 了後も質問が相次いだ。講師からも大管協の組 織力は凄いと言われるほどだった。 (1)教職員互助組合より、[退職互助制度(生涯 福祉事業)]は、医療費の40%(1か月に8千 円上限)が戻ってくる療養給付金制度の有利さ や、現役会員と殆ど変らない厚生事業が特色で あり、是非加入を、との要請があった。 (2)教職員共済生協(旧日教済)からは、退職後 でも「総合共済以外の共済はすべて手続きなし で継続が可能」 、 「新規加入も可能」との説明が あった。最後に、安全で貯蓄性のある「終身共 済」加入の呼びかけもあった。 〔※写真上:会場の様子、この後、満席となる〕 (3)三菱 UFJ 信託銀行からは「セカンドライ フ」について、資産運用や少額投資非課税制度 (NIE)等の知っておきたい知識の資料に 基づいた説明があった。 (4)社会保険労務士の森田定和氏は、「退職と再 雇用にあたって~年金、医療、雇用契約」と題 して 1 時間の講演。内容は以下の通り。 (一)定年退職後、再就職先に応じた医療保険など の社会保険制度について(ハンドブック P51) (二)61歳から支給の公的年金制度と、再就職で の所得に応じた年金の減額について FAX06-6765-1353 ①「民間」への再就職か「公務部門」への再就職 かにより「年金支給停止調整額」が異なる ②2015 年10月から、民間雇用の場合も在 職支給停止調整額が46万円から28万円 に統一される。 府教委交渉 「魅力ある」管理職をめざし 11 月 26 日府庁別館において、大管協の重点要 求についての府教委交渉を行った。府教委からは、 橋本教育次長をはじめ中野教職員室長、吉美市町村 教育室長、白居教職員企画課長、後藤教職員人事課 長、浦嶋小中学校課長、見浪教育総務企画課長、喜 多学校総務サービス課長等10名が出席した。 大管協からは冨嶋会長をはじめ総勢16名の役員 並びに支部長(ブロック代表として)が出席した。 交渉の冒頭、出席者の紹介の後、会長から大阪の 管理職の置かれている給与・勤務労働条件等の厳し い状況をさらに改善し、なりたいと思える「魅力あ る管理職」像を実現していくように要望するととも に、特に5課題については改めて口頭で要求した。 結びに、教育委員会内部(教育長)の「パワハラ」問 題の真相究明と可及的速やかに、事態の収束を図る こと、保護者・地域と日々に接する校長・教頭の業 務に支障が生じることがないようにすることを、強 く要望した。 《給与・処遇改善について》 [1/①]長期にわたる給与カットと管理職手当の カットの廃止、3・4級の号俸の頭伸ばし ★特例減額(2.5%給与減額)は今年度末で終了。 この間の協力に感謝。 ★管理職手当の減額は府の置かれた厳しい状況か らお願いしたい。(知事も減額) ★管理職の給料水準を引上げ、役職相互の年収の 重なりを解消する制度改正を実施したところ。 今後も財政状況を踏まえ適切な対応に努める。 [1/②]地域手当を府内一律 15%にしてください. ★地域手当の支給率についてはH25年度の人事委 員会勧告を踏まえH15年12月より11%へ引 上げた。 [1/③]校外学習や宿泊学習の諸雑費の補填のため 日当の支給の復活 ★H20 年に旅費条例の改正実施。教員はもとより警 察官他全ての職員に適用。要望に応えるのは困難 [1/④]優秀な新任教員等の採用が、学校運営上の 問題解決の業務負担軽減に必要。初任給をはじめ 給与改善について特段の方策を。 ★新規採用教員の初任給は給料減額縮小や地域手当 1%引上げ等で近畿府県の中では最も高い。 ★府人事委員会勧告は4月に遡及し実施する。(国に ならい)給与制度の総合的見直しは来年4月1日よ り実施。但し3年間の経過措置は実施しない。 【※府人事委員会は見直しに対応する地域手当引上 げについては別途勧告をするとしている。 】 ★55歳超え職員の新たな昇給抑制について、H27 年1月1日の実施はしないが、財政状況や他府県 実情に の状況を踏まえ検討。 《勤務・労働条件とりわけ管理職の多忙化解消》 [2/①]「教職員評価・育成システム」における業務 負担の軽減方策を。 ★本年度は「授業力評価票」と「評価・育成シート」の 入力を一体的にアシストするソフトを作成・配布 し、市町村教委に対して操作研修を実施。 ★今後とも評価・育成システムが学校において円滑 に実施されるよう制度の充実・改善に努める。 [2/②]管理職の病休取得について、安心して病気 療養ができるよう、代替配置制度を確立するなど の措置を。 ★学校における管理職が行う職務の性質上代替者を 講じることは困難。 ★しかし、病休が長期に及ぶ場合、教育現場での影 響を考慮し、円滑な学校運営の観点から市町村教 委と協議のうえ必要な措置を講じている。(昨年度 1市あり) [2/③]専任の生徒指導対応人材(教員)の全中学校配 置や子ども支援コーディネーターの増員、未配置校への 時間講師増、スクールソーシャルワーカー及びスクールカウンセラー等の 配置増などの活用により管理職の負担軽減を図 る。 ★生徒指導上の課題対応については、国の措置する 定数を最大限確保し、活用していく中で各教育課 題に対応できるように努めている。 ★子ども支援コーディネーターは、本年度は府内 143 中学 校に配置。引き続き国に定数改善を要求する。 ★専門家の活用は重要。今後とも市町村教委と 十分協議し、国事業であるスクールカウンセラー・スクールソ ーシャルワーカーの効果的な配置・派遣に努める。 [2/④]講師のなり手確保のための抜本的な解決 方策を講じ、管理職が講師を確保しやすい環境 づくりを。 ★本年度から給料表1級の上限引上げ。 ★4月当初の常勤講師の未配置は昨年度 49 人か ら本年度9人へと減少。 ★大量退職のため一定の講師配置が必要。 ★PRや選考方法の工夫等、様々な対策を継続 的に行う。 [2/⑤]教頭の複数配置など管理職一人あたりの 業務量を減らし、負担軽減を。 ★管理職等の配置については必要な業務量に見 合った適正な配置に努め、適正な勤務労働条 件の確保等に取り組む。 ★教頭の複数配置については学校規模や教育課 題に応じた適切な配置について引き続き研究 していく。 [2/⑥]各種調査をはじめとする文書事務につい て、手続きの簡素化や業務量そのものの軽減 を図るなど、教頭の多忙化解消に向けた抜本 的な方策を。 ★平成 25 年3月の教職員の業務負担軽減に関す る PT が作成した報告書「各種調査等の見直 し」を踏まえ、市町村教委に対する調査実施。 府教委が実施主体となった文書237件に対 しての調査の見直しに着手し、「調査の廃止」 40件、「調査の統合」2件、「調査項目の削減・ 精査」9件、「回答方法の工夫・簡略化」2件、 「調査頻度の減少」3件、「回答様式の簡略化」 5件、 「時期の変更」5件の計64件を見直し た。 ★今後とも、内容の精査を行い、負担軽減に努 める。 [2/⑦]教育環境の複雑化、生徒・保護者への対 応の多様化に伴い管理職の業務負担が増大。 経験豊富な退職校長などの再任用活用によるマ ネジメントスタッフ職を派遣する制度を創設するな ど、管理職へのサポートを充実し、負担軽減 に向けた取り組みを。 ★H25 年度実施の選考から一部の市町村を対象 に再任用校長及び再任用教頭選考を実施。 ★ただし、本選考は小中学校の校長選考、教頭 選考において、受験者数が減少し、十分な確 保が課題となっている現状に対処するため5 年間限定で実施するもの。 ★こうしたことから、再任用のマネジメントスタッフ職を 派遣する制度の創設は、府の財政状況が厳し いことから困難。 ◆結びに◆冨嶋会長が共に大阪の教育を良くする 観点で厳しい状況下だが協力していくと述べ、橋本 次長も給与減額等への協力に対しての感謝と多忙 化解消への取り組みに努力すると結ばれた。
© Copyright 2024 ExpyDoc