2014年度後期 第5回

2014年度後期
第5回
前回は
動力学
動力学を扱う(扱わなければならない)理由
ロボットの挙動、安定性を明確にするために
十分な力学的解析が必要
力学解析を行なわないと.....
1.正確な挙動が判らない
2.性能が判らない
3.安定性,信頼性が検証できない
4.etc.etc…
動力学の基礎
Newton の運動方程式
m: 質量、x: 座標、F: 外力
例えば、
c:粘性摩擦係数、k:バネ定数
MCKシステムの運動
ばね定数 k
粘性係数 c
ニュートンの運動方程式
ばねの復元力
ダッシュポッドの粘性力
質量
m
x
mx  F
Fk  kx
Fc  cx
MCKシステムの運動
ばね定数 k
粘性係数 c
質量
m
x
mx  Fk  Fc
mx  kx  cx
システムの運動方程式
MCKシステムの運動方程式
MCKシステムの運動方程式を解く
mx  kx  cx
運動方程式
xe
t
t
e 0
とおいて
なので
m
2
 c  k e
c
k
   0
m
m
2
特性方程式
これを解いて
 c  c  4mk

2m
2
t
0
MCKシステムの運動方程式を解く
 c  c 2  4mk

2m
特性根
ここで,
c
k と置く
 
, 0 
m
2 mk
これを用いて
一般解
xe
   0  0   1
2
 0t
 c e
1

t0  2 1
 c2e
t0  2 1


MCKシステムの運動方程式を解く
一般解
xe
 0t
 c e
1

t0  2 1
 c2e
t0  2 1
  1 特性根は2実根
  1 特性根は重根(実根)
0    1 特性根は複素根
実部は実指数関数
虚部は Euler の公式から三角関数


MCKシステムの解の挙動
  1 挙動は指数関数的(過減衰)
  1 挙動は指数関数的(臨界減衰)
0    1 挙動は振動的(減衰振動)
ω0=1
Position [m]
ζ= 1.2
ζ= 1.0
ζ= 0.707
ζ= 0.3
Time [sec]
動力学の復習
ロボットの運動方程式
Newton-Euler 形式による定式化
要素毎の力の釣り合い方程式から求める
Lagrange 形式による定式化
エネルギーを基にしたスカラー関数
(Lagrange 関数)の変分形式を用いて求める
力学解析に基づく制御系の「設計」
2リンクマニピュレータの運動方程式
Y
第1リンク
(X2,Y2)
長さ:l1,質量m1
θ2
(X1,Y1)
θ1
O
第2リンク
長さ:l2,質量m2
X
2リンクマニピュレータの運動方程式
運動方程式の導出手順(Lagrange 形式)
1.リンク上の任意点の位置ベクトルを求める
2.リンク上の任意点の速度ベクトルを求める
3.運動エネルギー、ポテンシャルエネルギー
を求める
4.Lagrange 関数を構成する
5.Lagrange 方程式を用いて運動方程式を
導出する
2リンクマニピュレータの運動方程式
リンク上の任意点の位置座標
リンク上の任意点の速度
2リンクマニピュレータの運動方程式
運動エネルギー T:

1 2 1
1
2 2
J11  m2l1  2  J 2 1  2
2
2
2

2

1
 m2l1l2 cos  2 12  12
2

2リンクマニピュレータの運動方程式
リンク1に関して


L
1



 J11  J 2 1   2  m2l1l2 cos  22
1
2
d  L 
1

  1



  J1  J 2 1   J 2  m2l1l2 cos  2  2  m2l1l2 sin  222
dt  1 
2
2


L
0
1
2リンクマニピュレータの運動方程式
リンク2に関して


L
1
2 


 m2l1  2  J 2 1   2  m2l1l2 cos  21
2
2
d  L 
1
1

  J 2 1  2  m2l122  m2l1l2 cos  21  m2l1l2 sin  212
dt  2 
2
2



L
1
  m2l1l2 sin  2 12  12
 2
2

2リンクマニピュレータの運動方程式
全運動方程式
Lagrange 方程式を用いて求めることができる
1 
q 
 2 
1

  1
2



J1  J 2 1   J 2  m2l1l2 cos  2  2  m2l1l2 sin  2 2  F1
2
2


1
1

 
2 
2

J

m
l
l
cos



J

m
l


m
l
l
sin


 2
2 1 2
2 1
2
2 1
2
2 1 2
2 1  F2
2
2




F1,F2:各関節のモータトルク
2リンクマニピュレータの運動方程式
全運動方程式
1 
M    H q, q   F


 2
1 
q 
 2 
1


J1  J 2
J 2  m2l1l2 cos  2 

2
M 

1
2
 J 2  m2l1l2 cos  2

J 2  m2l1
2


 1
2 

m
l
l
sin


2 2 
 F1 
 2 212
H 
F


F 
1
2

 m2l1l2 sin  21 
2

 2

ロボットの運動方程式の一般形
M  H ( ,)  G( )  E  T

M
一般化座標
慣性行列
H ( , ) 非線形項(遠心力、コリオリ力など)
G ( )
重力項
E
拘束条件ヤコビ行列

拘束力
T
入力トルク
サーボ系の基礎
サーボ技術
サーボシステムに必要な条件
1.入力(指令、目標)があること
2.出力(結果)のフィードバックがあること
3.時々刻々の誤差をアクチュエータによって
修正すること
サーボ技術の例
1リンク剛体棒の位置(角度)決め制御
運動方程式
Y
制御入力
θ
O
X
サーボ技術の例
システム方程式
固有振動数
減衰比
サーボ技術の例
求解
特性方程式の根
一般解
サーボによる制御の様子
ω0=1
ζ= 1.2
ζ= 1.0
ζ= 0.7
ζ= 0.3
剛体棒の回転角制御
剛体棒の回転角制御
ω0 = 18.1, ζ = 0.80 の時
剛体棒の回転角制御
1.20
1.00
0.80
0.60
0.40
0.20
0.00
0.00
0.50
1.00
1.50
2.00
2.50
3.00
3.50
剛体棒の回転角制御
ω0 = 31.4, ζ = 0.46 の時
剛体棒の回転角制御
1.80
1.60
1.40
1.20
1.00
0.80
0.60
0.40
0.20
0.00
0.00
0.50
1.00
1.50
2.00
2.50
3.00
3.50
剛体棒の回転角制御
フィードバックゲインの符号を間違えると....
サーボの符号を間違えただけで
システムは暴走してしまう
うまく動くには
= 安定に動くには
サーボ系の安定条件を求める
安定のための条件
運動方程式から
状態方程式
特性方程式
安定条件
様々なサーボ系
速度制御(Velocity Control)
PD制御(Proportional, Differential)
PID制御(Proportional, Integral, Differential)
状態空間表現による倒立振子の安定化制
御系の設計
フィードバック制御により、不安定な系を安定化する
例)人の動作支援機
https://www.kooleye.com
/things/186
おたすけ歩行車(アズビル株式会社)
今仙技術研究所「ACSIVE」
トヨタ・パートナーロボット
アベノミクスの成長戦略:PRESIDENT.JP 自立支援型起立歩行アシストロボット,
Panasonic, 2016年までに100万円
例)直立二足歩行運動
NAC Image Technology Inc. MAC3D System, YouTube
例)支持脚の力学
片脚立脚時の足指による姿勢制御計測, YouTube
例)立ち上がり動作
動力学制御の例(ZMP)
ZMP=Zero Moment Point
M.Vukobfratovic, B.Borovac, Int.J.Humanoid Robotics, 2004
例)球状回転体駆動による搬送機構
SONY 特願2008-86262(P2008-86262)
全方向移動椅子
例)乗り物
http://www.drymist.com/segway/
http://shinnbashi.keizai.biz/
headline/photo/961/
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news
/20140925_668364.html
http://www.neo2184.com/ http://wired.jp/2014/01/27/ryno/
倒立振子の力学モデル
線形化
状態方程式
状態変数
状態方程式
開放系の安定性
不安定
閉ループ系の状態方程式
可制御性
可制御
フィードバック制御
閉ループ系の状態方程式