SEFM

三次元微細形状測定のための走査型静電気力顕微鏡(SEFM)に関する研究
ナノ計測制御学分野
Nano-metrology and Control Lab.
研究背景
■従来型SPM(走査型プローブ顕微鏡)における特徴と課題
■電子機器の小型化や次世代デバイスの開発に伴い,表
面に微細形状を有する機能性材料の需要が拡大している.
×
衝突の危険性
○
走査の安定性
○
安定性と測定精度は
トレードオフの関係
×
測定精度
距離: 小
www.carbide.co.jp/
www.ahead.com.tw
探針-試料間距離が
小さいことが原因
(1 nm~10 nm)
ナノメートルオーダの三次元形状測定が可能
大振幅形状の測定が困難
測定速度が遅い
距離: 大
■ 研究の目的
三次元微細形状測定を高速・高精度で行うための走査型静電気力
■デバイスの加工精度評価のため,表面の三次元微細形状
を定量的かつ非破壊で測定するツールが必要とされている. 顕微鏡(SEFM, Scanning Electrostatic Force Microscope)の開発
SEFMによる形状測定原理
Dual Height法の原理
コンセプト
■異なる二つの高さで検出される周波数シフトから
探針-試料間の絶対距離を算出
■探針-試料間に働く静電気力の利用による距離の拡大
■Dual Height法の適用による測定精度の向上
静電気力の検出
f h  w
水晶振動子
 0 r Rf 0
水晶振動子
1
(Vdc  Vcpd ) 2 2
2k
h
  Rf
1
  0 r 0 (Vdc  Vcpd ) 2
2k
(h  w) 2
f h  
探針-試料間距離: h  w 
探針
探針
静電気力 F
Vbias
■静電気力の大きさ
一度目の追従軌跡 d(x)
f h  w f h
試料
Vbias
f  
1 f
f : 水晶振動子の共振周波数
k : 水晶振動子のバネ定数
w
fw  
f h  w ( x) 
f h (2x)k  0 r (
1
f h  w ( x) f h ( x)
ただし, w( x)  d w ( x)  d ( x)
h(x)
■水晶振動子の周波数シフト
自作顕微鏡による実験
hw
■試料表面の形状s(x)
試料
1 f F
1 f
R
f 

 0 r (Vbias  Vcpd ) 2 2
2 k h
2k
h
1
R
F   0 r (Vbias  Vcpd ) 2
2
h
1 f
 0
2k
■点xにおける探針-試料間距離h(x)
h( x)  w( x) 
Vbias
fh
h
探針
二度目の追従軌跡 dw(x)
Sample
試料
F : 静電気力
Vbias : バイアス電圧
Vcpd : 接触電位差
R : 探針先端半径
h : 探針-試料間距離
f h  w f h
1
fh+w
h+w
形状測定への応用
h
Z
試料
探針
s(x)
s( x)  d ( x)  h( x)
X
0
f w / f
1  f w / f
■探針-試料間にバイアス電圧を印加すると静電気力が発生
■探針の追従軌跡から探針-試料間距離を差し引いて形状を算出
■静電気力を水晶振動子の共振周波数のシフトとして検出
自作の顕微鏡と従来型SPMを比較
形状測定結果
250
Y
X
Z
scanner
Resonator
150
100
Δf(x)
150
1
250
200
PC
2
単位:mm
150
3
50
100
50
150
50
100
振幅の評価
・振動子の周波数シフトΔf(x)をPLL回路を用いて検出する
■形状測定セットアップ
150 nm
100
0
4
0
約 1501nm
0
1
2
単位:mm
提案手法
3
2
4
200
約15090 nm
100
0
50
3 150 nm 4
0
単位:mm
Self oscillation
探針-試料間距離200 nm
PLL circuit
circuit
・Zスキャナの変位はリニアエンコーダ(測定分解能0.5 nm)で計測する
Y
PZT Z scanner
Linear encoder
Z
X
200
0
提案手法
Δf(x)
250
100
約 150 nm
Set point
0
Linear encoder
0
XY stage
200
250
IV converter
Vbias
200
150
PI50
controller
Probe tip
Sample
250
自作の顕微鏡と従来型SPMを比較
■回折格子の形状測定結果
形状測定結果
単位:nm
Z
単位:nm
■装置構成
自作顕微鏡による実験
250
SEFMの開発と形状測定実験
200
50
0
1
0
市販のAFM
1
2
3
単位:mm
市販のAFM
探針-試料間距離10 nm以下
4
約 90 2nm
3
4
単位:mm
0
0
1
2
3
単位:mm
探針の追従軌跡
探針-試料間距離200 nm
探針-試料間距離10 nm以下
探針の追従軌跡
探針-試料間距離200
nm
探針-試料間距離200 nm
振幅の評価振幅の評価
振幅の評価
振幅の評価
振幅の評価
・探針-試料間距離は市販SPMの20倍以上
■探針-試料間距離200 nmで形状測定を実現(市販AFMの20倍以上)
・探針-試料間距離は市販SPMの20倍以上
・市販SPMに近い高精度な形状評価を実現
■Double
・W.
Gao, S. Goto,Height法の適用により市販AFMに近い高精度な形状測定を実現
K. Hosobuchi, S. Ito, Y. Shimizu, (2012)
・市販SPMに近い高精度な形状評価を実現
Sample
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Manufacturing Technology 61, 471–474.
・W. Gao, S. Goto, K. Hosobuchi,・研究成果は3月15日の第48回日本機械学会東北支部でも発表予定.
S.CIRP
Ito,Annals
Y. Shimizu,
(2012)
■スキャンラインを移動しながら測定を
CIRP Annals Manufacturing Technology 61, 471–474.
行うことで三次元形状測定を実現
・研究成果は3月15日の第48回日本機械学会東北支部でも発表予定.
W probe
提案する形状測定原理の
有効性を実験的に示した.
■Dual Height法を応用した形状測定
Resonator
PZT XY scanner
提案する形状測定原理の
手法の有効性を確認
500μm
有効性を実験的に示した.
Page 3
3次元形状測定にも成功
Page 3
3次元形状測定にも成功
4