COPD治療には単剤療法より併用療法が有効である

COPD治療には単剤療法より併用療法が有効である
Lancet Respir Med. 2014 Jun;2(6):472-86.
By Lucy Piper, Senior medwireNews Reporter
中等症から最重症の慢性閉塞性肺疾患(COPD)患
者の肺機能の改善には、vilanterol(VI)またはチ
オ ト ロ ピ ウ ム( T I O )の 単 剤 療 法 よ り も 、
umeclidinium(UMEC)
とVIの併用療法が有効で
あることをM a r c D e c r a m e (
r University of
L e u v e n 、B e l g i u m )ら が 示 し 、L a n c e t
Respiratory Medicine誌に報告した。
筆 者 ら は 、現 在 もしくは 過 去 に 喫 煙 歴 が あ り 、
COPDと確定診断された既往のある40歳以上の
患者を対象として、2種類の大規模なランダム化試
験を6ヵ月実施した。また、両試験の主要エンドポイ
ントは、169日目のトラフ1秒量(トラフFEV1)と
し、薬剤は1日1回、24週間投与した。各薬剤の投
与 量は、T I Oは1 8μg 、V I は2 5μg 、U M E C は
62.5μgまたは125μgとした。
試験1では、TIOの単剤投与群208例、VIの単剤投
与群209例、UMEC(125μg)
+VIの併用投与群
2 1 4 例 、U M E C( 6 2 . 5μg )+V I の 併 用 投 与 群
212例を対象に、ITT(intention-to-treat)解析
を実施した。
そ の 結 果 、試 験 1と同 様 の 結 果が示され、U M E C
( 1 2 5μg )+V I の 併 用 投 与 群 ま た は U M E C
(62.5μg)
+VIの併用投与群では、TIO単剤投与
群よりも169日目のトラフFEV1が改善し、それぞ
れ0.074 Lと0.060 Lの差が認められた。
TIOまたはVI単剤投与群と併用投与群の比較では、
169日目のトラフFEV1に顕著な差が認められた。
一方で、UMEC(125μg)単剤投与群と併用投与
群を比較した場合には、
トラフFEV1に有意な差は
認められなかったが、他の肺機能のエンドポイントに
改善が認められた。
試験1と2のすべての投与群で、呼吸困難、健康関
連QOLに関して改善が認められた。一方で症状、健
康状態、COPD増悪のリスクについてはUMEC+
VI群とTIO群の間で有意な差はなかった。
169日目のトラフFEV1は、いずれの単剤療法群よ
りも併用療法群で有意な改善がみられ、TIO単剤投
与群との差は、UMEC(125μg)
+VI 併用投与群
で0.088 L、UMEC(62.5μg)
+VI併用投与群で
0.090 Lであった。
治療期間中の有害事象の発現率は、各群間で同様
であった。1件以上の有害事象の発現を報告した患
者は試 験 1で3 9∼5 1 % 、試 験 2で5 9∼6 2 %で
あった。最も一般的な有害事象は鼻咽頭炎と頭痛の
2つで、最も一般的に報告された重篤な有害事象は
COPDの急性増悪であった。また、いずれの治療も
脈拍数、血圧、心電図のパラメータに大きな効果を
及ぼさなかった。
したがって、併用療法は有害事象
の発現を増加させずに肺機能に有益な効果をもた
らすことが示された。
試 験 2 で は 、T I O の 単 剤 投 与 群 2 1 5 例 、U M E C
(125μg)の単剤投与群222例、UMEC(125 μ
g)
+VIの併用投与群215例、UMEC(62.5μg)
+
V I の 併 用 投 与 群 2 1 7 例 を 対 象 とし て 、I T T
(intention-to-treat)解析を実施した。
筆者らは結論として、
「 本研究により、中等症から最
重症のCOPD患者の肺機能の向上には、長時間作
用性抗コリン剤(LAMA)であるUMECと、長時間
作用性β2刺激薬(LABA)の併用投与が有効であ
ることが確認できた」
と述べている。
© Springer Healthcare Ltd; 2014
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