詳細な研究シーズ ( 191kb )

所 属
(ふりがな)
はら けんじ
医学部・法医学
原 健二
氏 名
(学部・学科)
研究分野
法中毒学(薬毒物分析学)
研究概要
法医・臨床薬毒物中毒の解析のための生体試料中化学成分(薬毒物を含む)分析に関わる
研究、特に、ガスクロマトグラフィー・質量分析法による薬毒物分析のための簡素試料調製法
の開発に関する研究を行っている。
キーワード
ガスクロマトグラフィー、質量分析法、生体試料、薬毒物、生体成分、試料調製法
現在の研究テーマ 生体試料中多種薬物・生体成分 GC-MS 分析のための試料調製の簡素化
【研究内容】
研究の背景:死体や重篤な患者の病理化学的状態を観察する手段として、生体試料(特に
血液・尿)中の薬物・生体成分(代謝産物)のプロファイル分析法を作成することを目的と
する。そこで、正確に化学成分(分子量が小さい有機化学物質)を確認できるガスクロマトグ
ラフィー質量分析法(GC­MS)により、生体試料から抽出した化学成分を分析している。化
学成分が多種にわたることから、化学成分の抽出などの試料処理を一度に行うのは不可能で
ある。そのため、数種の試料処理・GC­MS 分析を行う必要がある。分析行程の各段階が複雑で
あれば、1死体あるいは1患者の分析にかなりの時間を費やすことになる。各行程を簡素にし、
分析にかける時間を大幅に短縮することは、特に、薬物中毒分野では重要である。
具体的課題:1.生体試料に適した試料処理の簡素化、2.GC­MS 分析時間の短縮化。
実用化できた主な試料処理法
1. 血液・尿・体組織中アルコールの自動 GC 分析のための試料処理法
2. 体組織中覚せい剤ならびに代謝物の GC­MS 分析のための簡素ヘプタフルオロブチリル
化抽出法
3. 毛髪中覚せい剤 GC­MS 分析のためのヘッドスペース誘導体化固相ミクロ抽出法
4. 尿中ポリアミン(プトレスシン、スペルミジン、スペルミン)GC­MS 分析のための簡素
ヘプタフルオロブチリル化抽出法
5. 血清中アセトアミノフェンの簡素 GC­MS 分析法
6. 低温気化平衡/固相ミクロ抽出法による血液中炭化水素の GC­MS 分析
現在進行中の研究
中毒診断を目的として、多種化学分析情報を収集するため、各種分析にかかる時間を短縮す
るための研究を行っている。上記ルーチン分析に関しての試料調製法の開発は、ほとんど完成
したので、各分析時間の短縮に関して、高速 GC­MS 測定法を検討している。
【応用分野】
現在のところ、法医・臨床中毒学
技術相談・コンサルティングに応じられる分野
マススペクトルの解析、生体試料の GC-MS 分析、
共同研究可能なテーマ
GC-MS 分析が可能な生体成分の分析を必要とする研究
利用可能な研究装置・資料等
ガスクロマトグラフ・質量分析計
日本電子製 SX-102A(未知化合物)、島津製 QP-5000、QP-5050A(研究、検査用)
地域における社会活動
法医鑑定資料の提供、病院からの依頼分析など