Super GT Rd.7 THAILAND Race Report 2014/10/4-5 Super GT Rd.7 THAILAND LEXUS TEAM WedsSport BANDOH 、今季最上位となる6位入賞！スーパーGT第７戦の舞台となったのは、初開催のチャーン・インターナショナル・サーキットだ。バンコクから車で7時間というブリーラム地区にあり、F1グランプリも開催できるグレード1クラスのサーキットを目指して、わずか1年足らずという短期間で建築工事が行われていたのだ。一時はサーキットの建築工事の遅れによって開催が危ぶまれるような噂も出てはいたが、タイの国をあげた大きな支援もあり、無事、予定通り開催が決定。チームスタッフやドライバーたちは飛行機の運行便の都合もあって、何日かにわけて続々と現地入りすることになった。タイの街中を見渡せば多くの日本車が走っており、日本の自動車メーカーとしても、今回のスーパーGT タイ戦は、マーケットに対するインパクトという意味でも、なんとしても開催、そして成功が望まれる1戦であった。 LEXUS TEAM WedsSport BANDOHのふたりのドライバーは木曜日の午後にサーキットに到着。事前にシミュレーターでコース攻略法を勉強してきてはいるものの、実際に初めて目にするチャーン・インターナショナル・サーキットはとてもフラットな路面で、かついくつかの部分がシミュレーターと異なっており、脇阪寿一選手と関口雄飛は、夕方5時半からたっぷりと1時間以上かけてコースを歩き、意見を交わしていた。 1 Yuhi Sekiguchi Super GT Rd.7 THAILAND Race Report 金曜日には、初開催サーキットということもあり、午後3時からGT500、GT300クラス合同で2時間の特別フリー走行枠が設けられた。気温の上昇もあり、路面温度は60度C以上というマシンにとってもタイヤにとっても、そしてドライバーにとっても厳しい暑さの中での走行となった。まず最初に脇阪寿一選手がステアリングを握り、コースイン。アウトラップにもかかわらず、何台ものマシンをパスし、トップでコントロールラインを通過。記念すべき最初のタイムを刻んで見せた。今回のレースに賭けるふたりのドライバーの意気込みを感じさせてくれるアウトラップだった。途中、赤旗中断もあったが、ふたりのドライバーは交代しながら異なったコンパウンドのタイヤをテストし、セットアップを煮詰めて行く。ラスト数分までは、LEXUS勢の中でトップタイムをマークし続けた19号車は、最終的に1分27秒 702、11番手で特別フリー走行を終えた。 ■ 関口雄飛のコメント「今日はおおむね順調でしたね。路面とタイヤのマッチングという意味でも同じタイヤを履く24号車が2番手タイムをマークしていることからも、相性はいいと思います。タイム的にはライバルたちが何をやっているかにもよりますから何とも言えないですが、自分の中ではいつもよりは上にいけた手応えはありました。シミュレーターで走り込んできたおかげで、走り出しから違和感もなかったですし、ドライビングという面でも問題はありません。暑さがすごいので、体力的にどうかと思いましたが、トレーニングの成果もあって、全然大丈夫でしたね。明日のフリー走行でさらにセットアップを煮詰めて、予選ではいい走りを見せたいと思います」気温35度C、路面温度53度Cと相変わらず暑く、ドライバーにとってもタイヤにとっても過酷なレースが予想される中、午前10時30分から開始されたフリー走行は、まず脇阪寿一選手がステアリングを握り、マシンをチェック。15分ほどで関口雄飛に交代し、チームはセットアップを煮詰めて行く。途中、赤旗が2度ほど出て、セッションが中断された段階で、関口雄飛は3番手タイムをマーク。これはLEXUS勢の中のトップタイムであった。その後、セッションが再開され、大きなトラブルもなく無事終了。LEXUS TEAM WedsSport BANDOH は最終的に総合8番手、LEXUS勢では2番手のタイムでフリー走行を終えた。 ■ 関口雄飛のコメント「マシンのバランスとタイヤのマッチングは悪くないのですが、多くのマシンが走り込んで路面にラバーグリップが乗ってきたセッション終盤の段階で、すこし伸び悩みました。新品タイヤでアタックをしたのですが、思ったようにタイムが伸びず、寿一さんと相談し、路面ができてきたらむしろ固めのコンパウンドのほうがいいのではということで意見が一致しました。午後の予選では、なんとかQ２に進出したいですね。いいチャンスだと思いますし、目一杯頑張ります」 2 Yuhi Sekiguchi Super GT Rd.7 THAILAND Race Report ■ 予選午後3時15分から開始された予選では、関口雄飛がファースト・アタッカーを務めることになった。グリーンライトが点灯し、予選が開始されたが関口のマシンは5分ほどピットで待機。アタックラップ中に誰にも引っかからないタイミングを見計らって、慎重にコースイン。まずはゆっくりとタイヤを温めながら周回を重ねていく。事前のミーティングで、あえて硬めのタイヤをチョイスしたLEXUS TEAM WedsSport BANDOH だったが、その読みはあたり、まずは最初のアタックで2番手タイムをマーク。そのまま連続アタックを試みるも、スローダウンしていたマシンに引っかかった為、アタックを中断。1周クールダウンして、再びアタックに突入するものの、130Rに続く左コーナーでマシンが底突きを起こしてしまい、バランスを崩してスピン。そのまま関口雄飛はピットに戻り、56秒ほどセッションタイムを残してマシンを降りた。関口雄飛が3周目にマークした1分25秒631のタイムは、結果的に総合7番手となり、今シーズン初のQ２進出を果たすこととなった。午後4時からのQ２では、脇阪寿一選手が積極的なアタックに出たが、マシンのバランスがいまひとつフィーリングにマッチせず、最終的に、決勝グリッドは8番手となった。 ■ 関口雄飛のコメント「タイヤのフィーリングは悪くなかったので、硬めでいったのは正解でした。結果論ですが、2回目のアタックは区間タイムがベスト、ベストで周回していただけに、引っかからなければいいタイムがマークできたはずです。それが悔しかったですね。でもQ1は台数が多いから、なかなかクリアラップは取れないですから、仕方ないです。最期のアタックは、自分でも今までにない速度でコーナーに飛び込んでみたのですが、ダウンフォースが急激に増加し、いっきにマシンが路面に打ち付けれた状態になってバランスを崩してスピンしてしまいました。今年初めてQ２に進出できたのは、素直に嬉しいです。明日の決勝もチャンスはあると思いますので、自分でも期待しています」 3 Yuhi Sekiguchi Super GT Rd.7 THAILAND Race Report ■ 決勝タイでの初開催となったスーパーGT第7戦は、心配されていた天候も問題なく、むしろ前日までのよりは過ごしやすい陽射しとなった。スタート時刻は午後3時。綺麗に隊列を整え、1周のローリングラップのうちに全車スタートを切った。8番手グリッドからスタートした関口雄飛は、7番手まで浮上したものの接触を避ける為にポジションキープで1周目のコントロールラインを通過。66周の過酷なレースへと突入していった。コンスタントなペースで周回を重ねる関口は、6周目に7番手に浮上。7周終了時点では6番手までポジションをアップ。そのまま順調に周回を重ねていく。レース序盤から周回遅れがで始めるが、狭いコースだけにその周回遅れをパスするタイミングが難しい状況。そのなかで、10周目あたりから関口雄飛はGT500クラスの3台での激しい5番手争いを展開。3台は団子状態になりながら、GT300クラスのマシンをパスしていく。途中、関口の後方のマシンがその激しいバトルに耐えきれず、単独スピンして脱落。25周目まで6番手のポジションを守っていた関口雄飛だったが、26周目のインフィールドで遅いマシンに挟まれるような形で前を閉ざされ、その隙をつかれてポジションをダウン。再び気を取り直してペースをあげ、各車のピットインのタイミングもあって、4番手まで浮上したところで、34周目にピットイン。タイヤ交換を済ませ、脇阪寿一選手に交代して11番手でコースに復帰した。レースはその3周あとにピットインした36号車、そして4周あとにピットインした37号車がタイヤ無交換でピットインアウト。その戦略でレース後半のワン・ツー体制を確保。タイヤ交換して追い上げるチームとの激しいバトルが最後の数ラップで繰り広げられることになった。脇阪寿一選手もポジションを着実に上げながら、上位を目指す。 66周のレースは大きなアクシデントもなく、無事終了。LEXUS TEAM WedsSport BANDOH は、今季最上位となる6位入賞でチェッカーを受けた。 4 ■ 関口雄飛のコメント「スタートはうまくいったのですが、後方から当ててくる勢いで飛び込んできたマシンがいたので接触を避けて、ポジションキープからのレースとなりました。レース中はかなり激しいバトルが何度もあり、抜いたり抜かれたりを接触寸前のクリーンな戦いを展開し、全力を出し切れた満足感はあります。途中、GT300クラスのマシンがコースをはみ出して砂をばらまいた上に、戻ってきて僕のマシンをブロックしてきたおかげで2秒近くロスしたのが少し悔しいですが、今日のように荒れたレースでは、皆が同じような状況でしたので、仕方がないと思います。今回のレースは初めてのサーキットでしたが、チームが一丸となって協力しあい、全力を出して戦えたレースだったと思います」 Yuhi Sekiguchi