第3回演習問題(微分方程式)

2014 年 10 月 10 日 内田健康
回路理論B(2 クラス)
1.線形微分方程式の解法のまとめ(教科書の3.1)
n 階の微分方程式:
(1)
y ( n )  a1 y ( n 1) 
 an1 y  an y  f (t )
y ( n 1) (0),..., y(0), y(0) : given (initial conditions)
の解を求める。
ステップ1:補解(回路では過渡解という)を求めるステップ:
同次方程式((1)で f (t )  0 としたもの)
(2) y ( n )  a1 y ( n1) 
 an1 y  an y  0
を解く。線形微分方程式の解の形式 et を(2)へ代入すると、特性方程式
(3)  n  a1 n1 
 an1  an  0
を得る。特性根 1 , 2 ,..., n とする。以下、二つの場合に分けて考える。
①特性根がすべて相異なる場合
(2)の解は
 Anent (補解、過渡解)
(4) y f (t )  A1e1t  A2e2t 
で与えられる。 A1 , A2 ,..., An は未定定数。
②特性根の中に重根が有る場合、例えば、 k  k 1 
 k m1 (  ) なる m 重根
が含まれ、他は相異なる場合
(2)の解は
(5)
y f (t )  A1e1t 
 Ak 1ek it
( Ak  Ak 1t 
 Ak  m1t m )et  Ak  mek mt 
で与えられる。 A1 , A2 ,..., An は未定定数。
 An ent
(補解、過渡解)
ステップ2:特解(回路では定常解に対応)を求めるステップ:
元の微分方程式(非同時方程式)
(1)において、 f (t ) が以下の二つの特別な形
をしているときの特解の求め方を示す。
① f (t )  Ae t ( A と  は定数。複素数でもよい)の場合
a)  がステップ1の特性根と一致しない場合の特解は
(6) ys (t )  Ce t (特解、定常解)
の形になり、これを(1)に代入して定数 C を決めればよい。
b)  がステップ1の特性根、例えば m 重根、と一致する場合の特解は
(7) ys (t )  Ct me t
の形になり、これを(1)に代入して定数 C を決めればよい。
② f (t )  B sin t ( B と  は定数)の場合(この場合はオイラーの公式、そして
重ね合わせの理を使えば①の特別な場合として扱える)
a) j がステップ1の特性根と一致しない場合の特解は
(8) ys (t )  C sin(t   ) (特解、定常解)
の形となり、これを(1)に代入して定数 B,  を決めればよい。
(回路理論Aで
学んだ交流理論、もちろんフェーザが使える。)
b) j がステップ1の特性根、例えば m 重根、と一致する場合の特解は
(9) ys (t )  Ct m sin(t   )
の形になり、これを(1)に代入して定数 C ,  を決めればよい。
ステップ3:ステップ1とステップ2(特に四角で囲った②のa)の場合が重
要)から得られた補解 y f (t ) と特解 ys (t ) を用いて、元の微分方程式(1)の一般
解は
(10) y(t )  y f (t )  ys (t )
で与えられる。未定定数 A1 , A2 ,..., An は初期条件を用いて決定すればよい。
2.演習問題
微分方程式の解を求めよ。
dy
 y  0,
dt
y (0)  1
dy
 y  1,
dt
y (0)  1
d 2 y dy
  y  0,
dt 2 dt
dy
(0)  1,
dt
y (0)  0
d2y
dy
 2  y  1,
2
dt
dt
dy
(0)  0,
dt
y (0)  1
d2y
dy
 3  2 y  sin t ,
2
dt
dt
dy
(0)  0,
dt
y(0)  1
d 2 y dy
  y  sin t ,
dt 2 dt
dy
(0)  0,
dt
y (0)  0