なぜ糖尿病患者では橈骨動脈 AI が低値となるのか -J

O-9
口頭演題
なぜ糖尿病患者では橈骨動脈 AI が低値となるのか
-J-HOP 研究の解析より-
○江口 和男 、星出 聡 、宮下 洋 、長坂 昌一郎 、苅尾 七臣
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1) 自治医科大学 内科学講座循環器内科学部門、2) 自治医科大学 内科学講座内分泌代謝学部門
■ 背 景
橈骨動脈のaugmentation index (以下radial AI)は大動脈反射波のマーカーであるが、糖尿病
患者では動脈硬化性変化が進んでいるにも関わらず非糖尿病患者よりも低いという報告が多い。
■ 目 的
DM患者では、なぜradial AIが非DM患者より低いかということを検討した。
■ 方 法
少なくとも1つの危険因子を有する患者を対象としたJ-HOP研究の参加者のうち、トノメトリー
検査を行った1788名の患者で解析した。インスリン抵抗性の指標としてHOMA指数を用いた。
Radial AI は [late systolic shoulder pressure amplitude (PP2)]/[radial pulse pressure
(rPP)]と定義した。 中心動脈SBPはlate systolic shoulder pressure (SBP2)、中心動脈PP
(cPP) は 橈骨動脈波形のamplitude (PP2)から定義した。PP amplification はrPP/cPPと定
義した。
■ 結 果
対象者の平均年齢は 65.7±11.6 歳; 男性47.4%、糖尿病436名 (25.9%)、高血圧87.7%
であった。年齢と平均上腕血圧(141 vs. 141mmHg)はDM群とnon-DM群で同等であった。
Radial AIはDM群 で 低 か っ た が、 外 来PPや 中 心PPはDM群 で 高 か っ た (図)。 年 齢、 性 別、
BMI、外来血圧、血管拡張薬、β遮断薬、空腹時インスリン値で補正した多変量解析では、
radial AIの 有 意 な 関 連 因 子 はDM群 で はeGFR (beta=0.17, P<0.001)で、 非DM群 で は
LogHOMA-R (beta=-0.15, P<0.001)であった。同様な傾向はHR75で補正したradial AI、
中心SBP、中心PPでもそれぞれ認められた。eGFR とradial AIの関係は非DM群では負の相関
関係 (r=-0.06; P=0.03)であったが、DM群では正の相関関係であった (r=0.13; P=0.006)。
■ 結 論
DMにおける低いradial AIは非DMに比
べて高い中心脈圧が原因と思われた。こ
れは、導管の近位部優位の動脈硬化性変
化によるもので、全身の反射部位におけ
る反射成分が低下していることが原因と
思われる。またDMにおいては腎機能の
低 下 に 伴 い、 中 心 脈 圧 の 増 加 が
augmentation pressureの増加に打ち
勝つことも原因と思われた。
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