EduScience 東京大学 第17回FrontISTR研究会 FrontISTRの機能追加及び 地殻変動地震動解析への応用 EduScience 2015/3/23 Copyright © 2015 EduScience-RCCM All Rights Reserved. EduScience FrontISTRの機能追加 断層すべりを表現できるSplit-node法の機能 正断層 逆断層 食違い の強制変位 断層面上下の節点分割 東北地方太平洋沖地震の断層すべり分布と日本列島陸地GPSと海底観測点分布 (Hu et al. Earth, Planets and Space 2014, 66:106-115より) (a) すべり分布 2015/3/23 (b) 観測点分布 Copyright © 2015 EduScience-RCCM All Rights Reserved. 2 EduScience FrontISTRの機能追加 点震源による断層すべり処理の機能(等価節点荷重) 断層モーメントのテンソルを以下に示す M xx M 0 sin cos sin 2 sin 2 sin sin 2 1 M xy M 0 sin cos cos 2 sin 2 sin sin 2 M yx 2 M xz M 0 cos cos cos cos 2 sin sin M zx M yy M 0 sin cos sin 2 sin 2 sin cos2 M yz M 0 cos cos sin cos 2 sin cos M zy M zz M 0 sin 2 sin 要素内で体積積分することにより、 要素の等価節点力を求める。 N Pi M ij x j 2015/3/23 (COMCOTマニュアルより) Copyright © 2015 EduScience-RCCM All Rights Reserved. 3 EduScience FrontISTRの機能追加 浅い断層に対応する点震源の処理機能 神戸地震の浅い断層の場合、地形を考慮した地震動解析は通常の正六面体で メッシュ分割が不可能であり、震源から一般の六面体要素の等価節点荷重を 変換する機能を追加した。 (a) 地形分布の例 (b) 5つの断層形状 (平井ほか,地震工学論文集により) 2015/3/23 Copyright © 2015 EduScience-RCCM All Rights Reserved. 4 EduScience FrontISTRの機能追加 長周期地震動解析へのレイリー減衰導入 質量比例減衰を用いた地震動解析と同等解析時間で陽解法にレイリー減衰を 導入した。 粘性吸収境界・無限要素の追加 高速化率 S 並列化率 E Prallel Efficiency E Speedup Ratio S 4 3.5 3 2.5 2 1.5 1 0.5 0 1 2 3 4 5 6 Number of Core 7 8 9 10 1 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 Number of Core 約3000万自由度、6000 steps、8 CPU (3.0GHz)での計算時間は約2時間 2015/3/23 Copyright © 2015 EduScience-RCCM All Rights Reserved. 5 EduScience FrontISTRの機能追加 地形を考慮した地盤DBを読み込む機能 最新版FrontISTRに対して、深部地下構造及び地形を考慮した地下構造DB を読み込む機能を追加した。 (a) 関東地域の地形分布 2015/3/23 (b) 関東地域地下10Kmまでのモデル Copyright © 2015 EduScience-RCCM All Rights Reserved. 6 EduScience FrontISTRの機能追加(つづく) 地形を考慮した地盤物性値の分布 (c) 関東地域のS波分布 2015/3/23 (d) 関東地域の密度分布 Copyright © 2015 EduScience-RCCM All Rights Reserved. 7 EduScience 領域分割機能の確認 モデル 要素 自由度 (億) 時間(分) 2015/3/23 8分割 メッシュ生成 時間(分) メモリ (GB) メモリ (GB) 1 4,6面体 0.33 3.0 2.0 3.9 3.7 2 4,6面体 0.52 6.0 3.2 7.4 6.2 3 4,6面体 2.55 12.0 15.4 30.0 32.0 4 4,6面体 4.10 23.0 24.6 63.0 58.0 Copyright © 2015 EduScience-RCCM All Rights Reserved. 8 EduScience FrontISTRの機能追加 大規模並列線形弾性地震応答解析機能 最新版FrontISTRに対して、解析モデルの加速度入力機能を追加し、 大規模並列の陽解法と陰解法にも対応した。 60m 加速度 ( Gal ) 600 神戸波 300 0 -300 -600 0 20 40 60 80 100 時間 (sec) 地震波の入力位置 解析地盤モデル(Vs=400m/s) 入力地震動(ポートアイランド) 出力点: 地表面位置 土木学会年次大会「 第69回年次学術講演会」 「減衰の設定方法が長周期地震動評価に与える影響」より 2015/3/23 Copyright © 2015 EduScience-RCCM All Rights Reserved. 9 EduScience 地盤増幅率(理論解との比較) 500 陽解法の解析条件 時間積分:中央差分法と後退差分法 Predicted Theory レイリー減衰 α=0.048661 β=0.001228 保証周期:1秒程度 Amp. Ratio 減衰: 100 10 1 時間増分:0.01秒 地盤: 3等分割(各地層厚:20m) 0.1 0.1 1 Frequency (Hz) 3 陽解法を用いた地盤増幅率は理論解とほぼ一致の 結果が得られた。両者のピーク値の差は1.5%以下と なった。 土木学会年次大会「 第69回年次学術講演会」 「減衰の設定方法が長周期地震動評価に与える影響」より 2015/3/23 Copyright © 2015 EduScience-RCCM All Rights Reserved. 10 EduScience 兵庫県南部地震を対象とした長周期地震動解析 解析の概要 解析領域: 北緯34.4375~34.8750°,東西:134.75~135.50° 深さ: 40km メッシュ分割: 四面体と六面体要素 地盤構造: J-SHISの1Km分解能の3次元不均質地下構造 震源断層: 5つの断層を512個の小断層に分割 (a) 解析領域 (b) 地下構造のS波分布 平井ほか,地震工学論文集により (c) 地下構造のメッシュ分割 土木学会年次大会「 第69回年次学術講演会」 「減衰の設定方法が長周期地震動評価に与える影響」より 2015/3/23 Copyright © 2015 EduScience-RCCM All Rights Reserved. 11 EduScience 兵庫県南部地震を対象とした長周期地震動解析(続き) 解析条件 伝播経路: Q=90f0.8 レイリー減衰係数: α=0.048661, β=0.001228 保証周期: 2秒 解析規模: 約3,150万自由度 計算時間: WS Xeon 3.00GHz, 8CPU, 10,000Step, 約1.7時間 0.05 0.04 減衰 h 0.03 Q=90*f0.8 参照地点(0.2Hz,0.5Hz) レイリー減衰 質量比例減衰 0.02 0.01 0 0.1 0.5 1 周波数 f(Hz) 2015/3/23 5 10 土木学会年次大会「 第69回年次学術講演会」 「減衰の設定方法が長周期地震動評価に与え る影響」より Copyright © 2015 EduScience-RCCM All Rights Reserved. 12 EduScience 地震波伝播の様子(地表面速度3成分のスナップショット) 土木学会年次大会「 第69回年次学術講演会」 「減衰の設定方法が長周期地震動評価に与える影響」より 2015/3/23 Copyright © 2015 EduScience-RCCM All Rights Reserved. 13 EduScience 観測点での速度波形(鷹取) velocity (m/s) 0.5 Mass velocity (m/s) 0.0 (a) NS成分 -0.5 0.5 Rayleigh 0.0 -0.5 0 10 20 30 40 50 Time (s) velocity (m/s) 0.5 Mass 0.0 (b) EW成分 velocity (m/s) -0.5 0.5 Rayleigh 0.0 -0.5 0 10 20 30 40 50 Time (s) 土木学会年次大会「 第69回年次学術講演会」 「減衰の設定方法が長周期地震動評価に与える影響」より 2015/3/23 Copyright © 2015 EduScience-RCCM All Rights Reserved. 14 EduScience まとめ 領域分割については、データ読み込み部分の修正をすること で、4億自由度まで対応できることを検証した。 FrontISTRは、機能追加と改良、理論検証(Verification)を することで、さまざまな分野で応用が可能な優れたソフトウェア であるということを確認した。 機能を追加した際は実現象との検証(Validation)を行う必要 があるが、その際には、各分野での専門家のご助言が重要と 考えている。 2015/3/23 Copyright © 2015 EduScience-RCCM All Rights Reserved. 15 EduScience 謝辞 FrontISTRの改良においては、東京大学奥田先生にご助言 をいただきました。感謝いたします。 防災科学技術研究所のJ-SHIS1) の地盤データを用いました。 1) 2015/3/23 防災科学技術研究所 HP : http://www.j-shis.bosai.go.jp Copyright © 2015 EduScience-RCCM All Rights Reserved. 16 EduScience ご質問 FrontISTRの改良、メッシュ生成等の ご相談、ご不明な点、ご要望等ございましたら お気軽にお問い合わせください。 2015/3/23 Copyright © 2015 EduScience-RCCM All Rights Reserved. 17
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