施 政 方 針 ご審議をいただきます諸議案の説明に先立ちま し て 、平 成 2 7 年 度 の 組 合 運 営 の 基 本 方 針 に つ い て 、 所信の一端を申し述べます。 未曽有の災害をもたらした東日本大震災からま も な く 4 年 が 経 過 し よ う と し て お り ま す 。宮 城 県 内 の復旧・復興の歩みは、全体としては着実に進んで いるところでありますが、被災地域の復旧・復興は なお険しい道のりの途上にあります。 また、県内の景気に目を向けますと、一部に弱い 動きがみられるものの災害復旧需要などに伴い経 済活動は高水準で推移しており、緩やかな回復 基調 が続いております。 組合の構成市町におきましては、地域の特性や独 自性を活かしたまちづくり、地域づくりへの取り組 みに加え、地域の実情に応じた社会保障サービス、 住民の命を守る防災・減災対策の実施が強く求めら れる状況のなか、人口減少、少子高齢化の急速な進 展により、税収や地方交付税などの歳入の増加は期 p. 1 待できず、益々厳しい財政運営を迫られております。 このような中、当組合では、ごみ・し尿処理、火 葬、消防、視聴覚教育など、構成市町から付託され ている限られた共同処理事務の範囲ではあります が 、「 安 全 ・ 安 心 で 、 圏 域 住 民 が 快 適 に 暮 ら せ る 圏 域づくり」を実現すべく、圏域住民の期待と信頼に 応えて行かなければならないと考えております。 は じ め に 、「 消 防 事 務 」 に つ い て 申 し 上 げ ま す 。 昨年は、全国各地で多種多様な災害が発生した 年 で あ り ま し た 。中 で も 8 月 に 広 島 市 で 発 生 し た 豪 雨 災 害 で は 、 大 規 模 な 土 砂 災 害 に よ り 、 死 傷 者 が 118 名に上り、また、翌 9 月には御嶽山において、突然 の 水 蒸 気 爆 発 が 発 生 し 、5 7 名 も の 死 者 と 多 く の 負 傷 者、行方不明者を出す大惨事となりました。 一 方 、当 仙 南 地 域 に 目 を 向 け ま す と 、活 火 山 の「 蔵 王山」付近において、火山性微動が観測され、さら に は 、「 御 釜 」 の 湖 面 に 白 濁 が 見 受 け ら れ る な ど 、 今後の火山活動が危惧されることから 、関係機関が その対応策の構築を急いでいるところであります。 このような諸情勢を踏まえ、次の重点事務・事業 p. 2 を実施してまいります。 1 点目は、 「 災 害 現 場 に お け る 指 揮 体 制 の 充 実・強 化」であります。 各種災害に対応するには、配備している車両や装 備を活用し、また、人員を効率的、効果的に運用す ることが大前提にあり、各隊が様々な任務を分担 し て遂行しなければなりません。 災害の規模、態様に応じた 組織的な活動を展開す るためには、指揮本部による各隊への任務命令、活 動統制などその機能を最大限に発揮する必要があ ります。 このことから、現状の消防体制における指揮部門 の充実、強化を図るため、より実践的な訓練と教育 を徹底し、今後起こり得る自然災害や大規模災害 な どに対応してまいります。 2 点 目 は 、「 救 急 隊 員 の 技 術 の 向 上 」 で あ り ま す 。 救 急 業 務 は 年 々 高 度 化 が 進 ん で お り 、 平 成 26 年 には救急救命士施行規則の改正が行われ、救急救命 士による血糖測定やブドウ糖溶液投与の高度な救 命 処 置 が 可 能 と な り 、 昨 年 12 月 か ら 当 消 防 本 部 に おいても運用を開始したところであります。 p. 3 救命士には、これまで以上に傷病者に対する観察、 判断、処置の技術が求められており、当消防本部に おいても、適切に対応すべく救命士に対する教育訓 練を急務としているところであります。 このことから、教育体制の充実に努めるとともに、 医療機関との連携をより一層推進し、救急隊員が 個々に研鑽を重ねることにより、救命率の向上に努 めてまいりたいと考えております。 3 点目は、 「 違 反 防 火 対 象 物 の 是 正 強 化 」で あ り ま す。 平 成 24 年 に 7 名 の 犠 牲 者 を 出 し た 広 島 県 福 山 市 で発生したホテル火災においては、立入検査の 実施 や消防関係法令の違反の放置など様々な問題点が 浮き彫りとなりました。 当管内には、5 千を超える防火対象物が存在して おり、これらの防火体制の維持と万が一の際の被害 の軽減を図ることが必要であります。 当 消 防 本 部 に お い て は 、昨 年 4 月 か ら 予 防 課 を 新 設し、立入検査体制の強化と違反対象物への是正指 導の充実を図っているところであります。 今 後 も 、よ り 一 層 、組 織 一 丸 と な っ た 対 応 を 図 り 、 p. 4 圏域住民の安全・安心のため積極的に取り組んでま いります。 次 に 、「 環 境 衛 生 関 係 」 に つ い て 申 し 上 げ ま す 。 は じ め に 、( 仮 称 ) 仙 南 ク リ ー ン セ ン タ ー の 整 備 運営事業についてであります。 この整備事業の進捗状況については、先ほど行政 報 告 で も 申 し 上 げ ま し た が 、 平 成 27 年 度 に お い て は、建築工事及びプラント設備の工場製作、据付け 工事並びに最終処分場延命化工事を本格的に着手 す る こ と と し て お り 、整 備 工 事 全 体 の 約 6 0 % の 工 事 を行う予定としております。 平 成 29 年 4 月 稼 働 に 向 け 、 鋭 意 進 め て ま い り た いと考えておりますので、引き続きご支援、ご協力 を賜りますようお願いいたします。 次に、柴田斎苑建替事業につきましては、現在、 本事業の基本的な計画の策定及びその運営管理を PFI 事 業 と し て 実 施 す る こ と が 可 能 で あ る か 、 「検討 委員会」において調査及び検討を重ねているところ であります。 この計画の調査、検討結果につきましては、平成 p. 5 2 6 年 度 末 ま で 審 議 を し て い た だ く 予 定 で あ り 、関 係 町の財政負担などを考慮し、再度、合意形成を図り 事業を進めていくことになります。 また、白石斎苑も同様に老朽化が著しいことから 関 係 市 町 の 合 意 形 成 の も と 、平 成 2 7 年 度 に お い て 、 本事業の基本的な計画の策定及びその運営管理を PFI 事 業 と し て 実 施 す る こ と が 可 能 で あ る か 調 査 を 行い、早期の建替事業の実施に向け、取り組んでま いります。 次に、斎苑の火葬業務委託についてであります。 火 葬 業 務 に つ い て は 、 平 成 27 年 度 か ら 全 斎 苑 を 民 間委託し、人件費の削減を図りながら圏域住民のサ ービスの向上を図るとともに施設の効果的な管理 運営に努めてまいります。 その他、各衛生センターの処理施設につきまして は、公害防止に係る関係法令に基づく各種検査・点 検・維持補修などを実施するとともに、職員の技術 向上のため、各種研修に積極的に参加させ、施設の 安全かつ効率的な運転管理に万全を期してまいり ます。 p. 6 次 に 、「 視 聴 覚 教 育 ・ 圏 域 活 性 化 事 業 」 に つ い て 申し上げます。 は じ め に 、「 視 聴 覚 教 育 事 業 」 で は 、 学 校 教 育 及 び社会教育における視聴覚教育や生涯学習需要に 応えるため、視聴覚教材に関する情報提供の充実を 図 る と と も に 、 圏 域 住 民 や 教 職 員 に 対 し 、 IC T 社 会 に対応した知識及び技術の向上を図るため、各種メ ディア研修会や講習会を継続実施してまいります。 特 に 平 成 27 年 度 か ら は 、 こ れ ら の 事 業 の 充 実 を 図るため、各種研修会のアウトリーチ事業を展開し、 圏域内に在住・在勤する団体の要望に応じ、各地で 開催してまいりたいと考えております。 また、当圏域では、個人及び団体において地域の 素材を生かして制作された「自作視聴覚教材」が全 国コンクールでも数多く入賞し、全国においても高 い 評 価 を 受 け て お り ま す こ と か ら 、 平 成 27 年 度 か ら「自作視聴覚教材制作セミナー」を開催すること とし、制作人材の育成を図りながら、教材制作を推 進し、視聴覚教育推進のため積極的に取り組んでま いります。 p. 7 次 に 、「 圏 域 活 性 化 事 業 」 に つ い て は 、 将 来 の 圏 域 文 化 を 担 う 核 と な る 人 材 育 成 事 業 と し て 、「 A Z 9ジュニア・アクターズ養成事業」及び子どもの自 主性、主体性を育成し、生き生きと活動できる場を 提供する、社会教育施設の無料開放事業である「A Z9パスポート事業」について、本年度も引き続き 実施してまいります。 「仙南芸術文化センター」は、住民参加型文化創 造施設として、広く多くの方々に利用されておりま すが、これまでの事業内容の更なる充実を図り、圏 域住民の皆様が優れた文化 芸術にふれ、いきいきと 活性化していく各種事業を展開してまいります。 また、体験型のワークショップ、アウトリーチ事 業については、圏域内の学校、福祉施設などに出向 き、地域に密着した事業展開を積極的に進め、アー トによる人と地域の活性化の循環を目指してまい ります。 次 に 、「 滞 納 整 理 事 務 」 に つ い て 申 し 上 げ ま す 。 滞 納 整 理 事 務 の 共 同 処 理 は 、 平 成 17 年 度 の 開 始 以 来 、平 成 2 7 年 度 に は 1 1 年 目 を 迎 え る こ と と な り p. 8 ます。 これまでの組合における滞納整理事務の成果と し て 、平 成 1 7 年 度 か ら 平 成 2 5 年 度 ま で の 9 年 間 の 徴 収 総 額 は 、 督 促 手 数 料 ・ 延 滞 金 を 含 め 8 億 9 ,1 0 0 万 円 と な り 、 引 受 け 滞 納 税 総 額 1 7 億 5 ,7 0 0 万 円 に 対 す る 徴 収 率 は 、 5 0 .7 0 % と な っ て お り ま す 。 今年度も地方経済は依然として厳しい状況が続 くものと思われますが、納税者の公平性を確保する 観点から財産などの実態調査を積極的に行い、換価 処分が可能な財産、特に、差押不動産や動産につい ては、インターネット公売などを利活用して滞納処 分を進めてまいります。 また、構成市町税務職員の徴収技術の向上のため、 例年実施している実務研修会を開催するとともに、 滞納整理課の業務内容について、構成市町の広報誌 を通して周知し、自主納付 の働きかけを行うととも に、特に悪質な滞納者に対しては、徹底した催告や 差押処分などを行うことにより、仙南2市7町の徴 収率の向上と収入未済額の縮減に取り組んでまい ります。 p. 9 最 後 に 、「 介 護 認 定 審 査 会 及 び 市 町 村 審 査 会 事 務 」 について申し上げます。 当仙南地域においても高齢化が急速に進みつつ あり、介護認定審査に係る審査件数は年々増加傾向 にあります。 こ う し た 中 、本 年 4 月 か ら 介 護 予 防 サ ー ビ ス が 市 区町村で実施する地域支援事業に移行となり、保険 料や利用者負担割合も変更となるなど、利用者に直 結する制度の改正が控えております。 ま た 、本 年 4 月 か ら 新 た に 委 員 が 変 更 と な り ま す ことから、介護認定審査会並びに市町村審査会とも ども、引き続き公正かつ信頼性の高い審査及び判定 が行われるよう、審査会運営の円滑化、委員の研修 などを通して審査会の適正な運営を図ってまいり ます。 以上、主要事項について申し述べましたが、当組 合の円滑な運営につきまして、議員各位の一層のご 支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げ、施政 の所信表明といたします。 p. 10
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