卸売市場における有機廃棄物メタン発酵およびガス利用事業

2015年1月
プロジェクト実施者:
(日本側) 日立造船株式会社、
株式会社サティスファクトリーインターナショナル
(ベトナム側) Saigon Trading Group (SATRA)
プロジェクト概要
卸売市場
排水処理設備
市場
廃棄物
汚泥
分別・収集
有機性
廃棄物
前処理
発酵槽
ガスホルダ
バイオガス
液肥
ホーチミン市内のBinh Dien 卸売市場にお
いて、排出される廃棄物の中から有機廃棄
物を分別・収集し、同敷地内に設置するメ
タン発酵システムで嫌気性処理を行うこと
により、バイオガスを回収し、魚茹工場へ
供給する。
有機廃棄物を排出元で処理することで、
Binh Dien 卸売市場から最終処分場へ運搬
され、埋立処分されている有機廃棄物量の
削減を行い、現在、埋立処分場から放出さ
れているメタンガス量を削減することがで
きる。
同時に回収したバイオガスを、軽油代替
エネルギーとして魚茹工場へ供給すること
で、現在、魚茹工場で使用されている化石
燃料の使用量を削減することができる。
プロジェクト実施体制
日本
日本政府
ベトナム
二国間合意
GHG
削減量
ベトナム政府
設備補助
出資
SATRA *
Hitz *
出資
(出資)
有機廃棄物
+ 汚泥
KKSI *
SPC *
* 国際コンソーシアム
共同事業者
平成25年度
運営・維持管理
MRVモニタリング
Binh Dien
卸売市場
バイオガス、
廃棄物処理
バイオガス買取
廃棄物処分費
調査内容
1. 卸売市場から排出される廃棄物量の調査
- 廃棄物排出量
- 有機廃棄物の割合
2. 有機廃棄物の組成の分析、ガス発生量等の実証実験
- 組成分析
- 室内連続実験
3. JCM方法論の開発
4. 施設の基本設計、現地工事業者・機器メーカーの聞取調査
卸売市場での廃棄物調査その1
廃棄物排出量の調査
パッカー車及び手押車の数量より、卸売市場か
ら排出される廃棄物の総量を把握。
卸売市場での廃棄物調査その2
廃棄物組成の調査
有機物と発酵不適物とに分類・計測し、さらに
不適物を 貝殻、竹、プラスチックなどの組成ご
とに計測。
室内試験装置概要
調整用発酵液
バイオガス
ガスメーター
ガス撹拌ブロワ
生ごみ(原料)
B
可溶化槽への移送
気-液分離器
M
M
P
P
ドレンタンク
(発酵液)
P
冷却水
貯留タンク
( 4 oC )
温水
高温可溶化槽
(酸発酵槽)
( 55 oC 、 3 Litter )
温水
中温メタン発酵槽
( 36 oC 、 12 Litter)
室内試験
試験装置
試験に用いた生ごみ
平成25年度
調査結果
調査結果
項目
廃棄物総量
有機廃棄物量
46.8
ton /day
38.0
ton /day
59.2
%
72.8
%
13.5
13.5
%
16.6
%
魚介類売場
1.8
1.8
%
2.2
%
生花売場
0.9
0.9
%
1.1
%
肉売場
1.3
1.3
%
1.6
%
18.8
18.8
%
--
4.7
4.7
%
5.8
総重量
野菜売場
果物売場
発酵不適物
排水処理汚泥
項目
%
*発酵不適物:
貝殻, 竹, ビニール袋・紐, 廃紙, 段
ボール, プラカップ・ストロー, 発泡ス
チロール, 布・生地, 土嚢袋, ココナッ
ツの殻,
日本
ベトナム
搬入物・原料
混合生ごみ
生ごみ (野菜中心)
滞留時間
15 日
15 日
発酵槽への投入濃度
10 % 程度
10 % 以下
バイオガス発生倍率
150 Nm3 /ton
32.7 L /L
0.35
同程度
70 ~ 75 %
75 % 以上
50 ~ 65 %
約 60 %
メタンガス濃度
m3 /kg-CODcr分解率
有機物分解率
CODcr 換算
メタン濃度
設備フローシートとモニタリングポイント
バイオガス発生量
の測定
魚茹工場へ
メタン濃度
の測定
施設使用電力
の測定
搬入量
の測定
<WTMシステム>
バイオガス供給量
の測定
Water-needless Two-phase Methanation system
測定項目
モニタリング内容
搬入量
施設で処理する廃棄物量(埋立処分代替量)
バイオガス回収量
メタン発酵により回収したバイオガス量
メタン濃度
回収したバイオガス中のメタン濃度
バイオガス供給量
魚茹工場でのバイオガス利用量(回収量から施設での熱利用分を除いたもの)
使用電力
設備の運転に使用した電力量
JCM方法論
リファレンス排出量
プロジェクト排出量
GHG排出量
B1’
B2’
A1
A2
B1
B2
C1
リファレンス排出量 = A1 + B1 + B1’ + C1
プロジェクト排出量 = B2 + C2 + C2’
*A1 = A2, B1 = B2
C2’
*C1 ( = C2) : 魚茹工場の電力消費量
C2’ : メタン発酵施設の電力消費量
B1’ = B2’, C1 = C2
MRV モニタリングパラメーター:
A1: 生ごみ搬入重量
GHG 削減量 = A2 + B2’ – C2’
B1’: バイオガス利用量とそのメタン濃度.
= A1 + B1’ – C2’
C2’: メタン発酵施設の電力消費量
基本設計条件(設備補助事業)
項目
設計値
単位
処理対象物
50 (内 不適物 5%)
ton /day
3
ton /day
1,500
m3 /day
メタン濃度
55
%
バイオガス熱量
30,000
MJ /day
25,740
MJ /day
672
L /day
生ごみ
排水汚泥
バイオガス発生量
供給ガス熱量 *1
軽油換算値
C2
*1 設備保温のために内部消費したエネルギーを除く
(ボイラ効率: 80%)
総建設費用: 約678,000,000 JPY
事業スケジュール
年度
2014
10
交付申請
SPC 設立準備
各種許可・申請
基本設計
詳細設計
機器工場製作
建設工事
土木・建築
設置工事
機械
配管
電気・計装
試運転
モニタリング
2015
12
2
4
2016
6
8
10
12
2
4
201
7
6
8
10
12
2
4