水素エネルギーシステム 研究論文 Vol .18,No.1,1993 ョ 悲ζ 匹 易 管 霊 ま 由 6 こ よ る 71 く 葬 萎 主 主 産 量 コ ス 、 ト <7J 霊式事事 伊原征治郎 1¥ 若松清司 2) 金竹隆志 3) 鈴 木 譲 4 ¥ 太 田 時 男 5> 1}日本工業大学 埼玉県南埼玉郡宮代町 2) 太 陽 光 発 電 技 術 研 究 組 合 3)新 三 国 機 械 大 阪 市 淀 川 区 4) 鈴 木 商 館 東 京 都 東京都文京区音羽 板橋区 5) 横 浜 国 立 大 学 横 浜 市 保 土 ヶ 谷 区 Cost Esti田 ate of Photovoltaic Hydrogen Production Seijiro Ihara. Seiji Wakamatsu. Ryuji Kanatake Jou Suzuki. and Tokio Ohta The cost of liquid hydrogen from water electrolysis is estimated assuming the electricity is produced from photovoltaic power plant located i n an overseas desert. The assumed system consists of the plants of solar cells. storage batteries. seawater desalination. water electrolysis. hydrogen liquefaction. liquid hydrogen holders. and ocean cryo-tankers. The calculated CIF price of liquid hydrogen i s compared with that of the fossil fuels. Effect of carbon tax on the break・-even point of the price of hydrogen is briefly discussed. しはじめに 太賜エネルギーとその搬送媒体に最も適した水素エネルギーは,資源制約が無 く環境汚染もない理想的なエネルギーであるが,現状では価格が高過ぎるために 積極的な導入の動きは生じていない。しかし,従来の市場価格に含まれていない 社会コストを定量化する研究が数年前から進みはじめ, 乙の穏れたコストを燃料 価格の比較で考慮すれば,太陽エネルギーと水素エネルギーが結局は経済的にな るという期待が現れた。それにともなって,太陽/水素エネルギーシステム自体 のコストが再び関心の対象になってきた。 太陽/水素エネルギーが化石燃料を代替できる量は,年間日射量と利用可能な 用地面積に依存する。先進工業国の多くは太陽放射密度が低い低緯度地帯に位置 し,晴天日数も比較的少なく,利用できる日射量が少ない。たとえば,日本の中 心部の年間平均日射量は豪州の砂漠に較べると半分以下である。したがって単純 倍以上になる。逆に言 に考えると,太陽発電プラントの設備費が日本では砂漠の 2 えば設備費が半分以下になる可能性があるので,砂漠に太陽発電プラントを建設 する提案がこれまでにしばしばなされている。 自射が豊富で広大な砂漠はいずれも日本とは遠く海を嫡てているので,適当な 長距離エネルギー輸送方式が必要になるが,技術的に実現性が高いと思われるの は,太陽電池と水の電気分解設備で生産した水素を,液化してタンカーで運ぶ方 法である。ごのようなシステムによって日本に運び込む水素の経済性を評価する -16- 水素エネ jレギーシステム Vol .18. No.l, 1993 研究論文 のが,本文の目的である。 10~ 2 0年 後 の 技 術 と し て 実 現 可 能 と 思 わ れ る シ ス テ ム 構成要素を選ぴ,一般に推定きれているそれらのコストと効率の値を用いて水素 の価格試箆を行う。 2. シ ス テ ム の 概 略 検討するシステムの概略を図 1 に示す。海外の砂漠に設置した太 太 陽 放 製 海 水 陽電池切りから得られる電力で, {P V +(蓄電池)} 一 一 一 → { 淡 水 化 } 海水淡水化と電気分解を行い水素 を生産する。この水素を液化して 緩衝用のタンクに貯え, クライオ タンカーで日本に輸入する場合の {インハ e イ [Ib] + 02 着 岸 点 に 於 け る crF (Cost+lnsura nce+Freight)価 格 を 試 賞 す る 。 淡 {水素》ィヒ} 水 , NaC , l O2 冷 熱 等 に 考 え ら れ るクレジットは計算に入れない。 [LH2] PVプ ラ ン ト の 設 置 場 所 を , 南 緯 23・48・(豪州)の砂漠とすると, 平 均 日 射 豊 は 2.199[kWh/m2・年]あ {貯蔵} → {タンカー} .日]の実測値が る い は 約 6[kWh/m2 CIF ! ある1)。これより年関連続平均値 2 は O.251[kW/m ]である。 日 射 ピ ー I Fig.1 . Concept of the system. 義 主 主 ク値 1[kW/m2]を 仮 定 す る と , 平 均 j 図 1. シ ス テ ム の 概 要 ~f淡水] し→ t 寸 一司ーー- 晴 天 時 間 は 6[時間/臼]である。 タ ン カ 一 巡 航 速 度 15[knot], 往 復 距 離 14.000[kmJ, 荷 揚 ・ 卸 2日 と す れ 車 輪 1サ イ ク ル が 23日 及 び 1 5[航海/年/隻}となる。予備的試算により, タ ン カ ー の 容 量 9.415[ton'LH2/隻],および 3隻 の 願 次 輸 送 を 仮 定 し た 。 輸 送 容 量 の 協 が 往 慢 の 燃 料 に 消 費 さ れ て 輸 送 量 は 8,850[ton'LH2/隻 ] に な り , 液 体 水 素 の 年 間 輸 入 彊 は 398.250[ton], エ ネ ル ギ ー 量 に す る と 56.5[PJ/年]である。 3. コ ス ト 計 算 3 .1.データ 計 揮 に 用 い る デ ー タ を 要 約 し て 表 1に 示 す 。 外 国 の コ ス ト デ ー タ を 多 く 参 照 し たが,それらは年率1.37克の escalation rateで 1985年価格に換算した。 3.2. タ ン カ ー 輸 送 LH2タ ン カ ー の 輸 送 量 8.850[ton'LH2/隻]は,およそ 125.000[悶 3・ LH2]で あ る 。 こ 1 000[GT]と推定される 13)。 燃 料 消 費 量 42{kJ/ton'km]よ り 往 複 の 総 ト ン 数 は 約 12, 14.000[ k m ]の 所 要 燃 料 を 求 め る と 7, 1 148[GJ]で , 積 載 エ ネ ル ギ ー 量 1 .255.461[GJ1 の 6%に な る 。 す な わ ち 輸 送 効 率 は 94覧である., LH2タ ン カ ー 建 造 費 は 135.000[ m3 ]の LNGタ ン カ 一 価 格 350[{意事/隻]より推定する。 LH2の 場 合 は 10覧 高 , お よ び 対 → 71け 0.5と し て , 船 価 (350X1 .1X 025.000/0.94/135.000)0.5=) 382[構事/襲]を得る。 -17- 水素エネ lレギーシステム Vol .1 8,No.1, 1993 研究論文 輸送コストは年経費率 1 6 %お よ び 船 出 費 目 よ り . 382x1 08 [事/隻]x3[ 隻 ]Xl .05X 1 5 J ] 3.408X1 0 -7[干/ J ] 3 4 1事 [IGJ]• である。 O.16/56.5x1 0 [ 3 . 3 . 貯蔵タンク 生 産 量 と 輸 送 費 8,8 L H2 5 0[ton'Ub/隻 l の調襲用として 9日 間 程 の 緩 衝 貯 蔵 タ ン H2 生産プラント側に設ける。タンカー燃料開,蒸発損失 1 %, 荷 役 時 損 失 2 %, クを L .646.5[ t o n ], こ れ を 二 重 盛 真 空 パ ー ラ イ ト 合計刊の増加分を見込むと貯蔵容量 9 断熱型の容量 4 6.800m3 (3.300[ton'LH2] ) タンク 3 墓 で 貯 え る 。 表 1の デ ー タ よ り 0 [億事!とする。 貯蔵タンクの価格は,合計約 5 表 1. 参 照 デ ー タ 太陽光発電システム 2-4) •t J V効 率 2) ① 現 状 19%(2cm角 20.5克). ② 目 標 2 3 % . ③タンデム型の目標 40% ・7 レイ効率 (η(0.783(占積率)xセル効率) ① ηp O .1 5 . ② η0.18. ③ ηp O .3 1 ・t ; , '1→ 価 格 2)Cm : ① 200.000[事/ k W ].② h ③1 20.000[事/ k W ) ・架台価各(合工事費 ) 3 } : 2 0,0 0 0円/ m2 • P V 7レイ価各 (A = t 1 'ュ→価格 cm + 架 台 価 格 ) 8AI=200.州 山 ] +20.000作1 m勺/O15iM州 o川 町W ! O O [事Im2]/0.18[kW/m2] 0.231[M事/ k W ] A 2 =120.000[事IkW]+20,O ③A 3 =120.000[~/kW]+20.000(~/m2J/O , 31[kW/m 勺 O. 1 8 5{肝 / k W ] ・年関連続平均日射に対する発電量 ( 0.251[ k W / m2]X7レイ効率) r ①0 .038[kW/m2 J . ② O.045(kW/m2 ト @0.078[kW/m2J ・インハ・ータ: 効 率 η0.98. 出力 P[ k W ]の 価 格 C 200.000po 5[ 判 価 格 C1 0 . 2[億事 / l O M W ] -蓄電池: 鉛蓄電池またはレト."ス 7 ト型電池 l O,OOO[事/ k W h ] 効 率 ηb 0 . 8 (充電 0 . 9,放電 0 . 9 ) ‘ 海水淡水化 5-7) -方式 2 段逆浸透法 ( R O )とイオン交換樹脂 ( I E R )のカストト' E R 7・ラント運転電力 5[kWh/ton'H20] ・I • 2 段R 0 7・7ント運転電力: 前 段 10.4[kWh/ton・ I b O J . 後 段 12.5[kWh/ton'H20] ay ・価格 4 0 ' " ' "4 8[ f : 憲 判 /24.000[ton'H20 /d } 7・ う ン ト ,^ 7 J V 7 1ク タ 0 . 8 水の電気分解 8) -方式 SPE(高分子園体電解質)水電解 7・ う ン ト .825 4[kWh/Nm3' H 2 ]a t1 . 6 5 V -効率: ηe 0 -価格 1 1 0[憶判/産出量 32.000[Nm3' H2 / h r ]( = 1 0 5 . 6 [ M W ] ),スケール 7 1け O .7 水 素 液 化 8, 9) • 104.2[ton/h] Claude C y c l e 7 'うント価格1.1 0 8[億判, ス ケ ー ル7 1け 0 . 8 0 . 4 9.93[kWh!kg'H2] ・効率 貯蔵タンク 8.10) -方式: 二重壁真空ハ・サイト型,蒸発率 O .0 6[克/日],荷役時蒸発損失 2 % -容量 4 6 .800m3 ( 3 . 3 0 0[ t o n ] )建設コスト 1 6 .7[億事]. ス ケ ー ル7 1ク タ 2 / 3 L H 2タ ン カ ー 11-13) • 135.000[ m LNGタント建造費 3 5 0[事億1.液体水素タントの場合 1 0 %高 を 仮 定 1け 0 . 5 . 年経費率(燃料費除く) 1 6 % . 乗出費 5 % ・スケール 7 -燃料消費量 4 2[ k J / t o n・k m ]( 1 0万 [ GT]級) 3] コスト係数 -持生産官署資員収標数0 .087 (寿命 2 0年 , 利 子 率 6 % ) , 0釧(補修費, 一 費 , 一 般 理費, 険等) 1 0 % ・タント年経費率 1 6 % . 船出費 5 % 00 水素ヱネルギ システム Vo1 .1 8 . NO.l 199; 5 研究論文 雫 3.ιUb生 産 シ ス テ ム の 条 件 [Wl,水の電気分解 XE[M曹1.海水淡水化 設 備 容 量 を そ れ ぞ れ , 水 素 液 化 機 XL問 X o[ M W ], 蓄 電 池 XsfMWhJ. 及び PVアレイ Xp[ M W ]で表し, ま ず , 生 産 量 お よ び エ ネ ル ギーの収支の条件を次のように求める。 2 3[臼/航海/隻1. 3[ 嬰 jの 輸 送 に 整 合 す る L H2の 生 産 量 は , 1日平均1.218[ton]= 4[ h ]xXL 与; 0.257x 48.000[ M W h )すなわち, 4 8,000[問削 /dayJ必要であるから, 2 XL と 514[掛川 一一一ーー一一一ー一ー一品目四一(1) 4 く 電 解 プ ラ ン ト の 水 素 ガ ス 生 産 量 は 48.000[MWh/day]であるから, 2 4[ h ]XXE 孟 (1/0 .825)X 48.000[ M W h ]より, 0.825XE 孟 2.000[MW] ー --一一ー』ー ( 2 ) 淡 水 化 の 電 力 原 単 位 は 表 1より 28[kWh/ton・ H20 ] . これは水素ベースに換算する と. 0.0064[MWh/MWh・ I b ]で あ る か ら .24[hJxXo 孟 O .0064X4 8,000[ M W h ]。 し た がって, Xo ミ 12.8MWJ 戸ーー一一一一ーー一一ーー ( 3 ) 日照時間以外に液化機,水電解プラント,及び淡水化プラントを運転するため の蓄電池容量を,それぞれ X SL • X SE • 及び Xso [ M W h ]と置く。 液 化 機 運 転 エ ネ ル ギ ー は 6XL + O.9XSL O.2926x48,OOO[MWh]であるから, 6XL + O.9XS ] 一一一一 ( 4 ) L =12,336[附 h 水 電 解 プ ラ ン ト で は O.825x( 6 X E + 0.9 X S E ) 48,OOO(MWh]すなわち, 4.95XE + O.7425XSE 48,OOO[MWh] ー ー ー ( 5) 淡 水 化 プ ラ ン ト で は 6Xo + O.9Xso 0.006395x4 8,000[ M曹h ]より, 6Xo + O.9Xso 306.96[M胃h ] 一一一一一 ( 6 ) 日 照 時 間 ( 平 均 6[h/day]) に 被 化 機 , 水 電 解 プ ラ ン ト , 及 び 淡 水 t t プラントを運転すると同時に,日照時間以外のそれらの運転電力を蓄電池に充電 X S L + XSE +Xso)/ 0.9より, するので. 6Xp 6XL + 6XE + 6Xo + ( 5.46Xp - 5.4XL - 5.4XE - 5.4Xo -XSL - XSE -Xso 0 ー ( 7) PVアレイは, 3 . 5 . LH2生 産 シ ス テ ム 価 格 の 予 備 計 算 まず, シ ス テ ム 構 成 要 素 の 価 格 係 数 ( 単 位 容 量 当 た り の 価 格 { ¥ / 附 1)を褒 1の データから次のように求める。 - 水 素 液 化 機 XL[MW]の 価 格 係 数 : 液 化 の 電 力 原 単 位 は 9.93[MWh/ton'H2]=0.252 [MWh/附 h .H 2 ]と イ ン バ ー タ 効 率 98覧より, O.252[MWh/附 h'82]/0.98= 0.257[M曹h/ 柵 h .H 2 ]である。これより, 日 産 量 2 .500lton/day] (=4,105[抑]) の 液 化 所 要 電 力 1 .056抑制を得る。液化機1, 108[億事]およびインバータ価格 0.2[億事/10附]より, 水 素 液 化 シ ス テ ム の 価 格 は ( 1 .108+1 .056x0.2/10=) , 11 29[億判。したがって, 1,129/1,056=1.069[t 意 事 /MW]。 - 水 電 解 プ ラ ン ト XE[ M W 1の 価 格 係 数 : 入 力 (105.6/0.825=) 128抑 制 の 価 格 110 [億判より , 0 .859[V 意 事/ M則。 H20/day]プ ラ ン ト 価 格 2[億叫,所要 ・ 海 水 淡 水 化 Xo[M胃 ] の 価 格 係 数 1 .000[ton・ 入力 (28[kWh/ton'H20]x 41 .67[ton'H20/hr]=) 1 .167[M曹]より, 1 .714[億事/附]。 1 0,OOO[i/k有h ]より. O .1[信事/削 h ]。 ・蓄電地 Xs[MWh]の 価 格 係 数 以 上 の 価 格 係 数 と PVア レ イ の ユ ニ ッ ト 価 格 A (3.333; 2.311: 1.845[億事/抑 J) を用いて, LH2生 産 シ ス テ ム の 合 計 価 格 が 次 の 式 で 書 き 表 せ る 。 Z AXp + 1.069XL + 0.859XE + 1.714Xo { 意 事 ] ーーー ( 8 ) + 0.1( X S L + XSE + Xso)[ 19- 水素エネ jレギーシステム Vo1 .18,No.l, 1993 研究論文 (1)---(7)の条件下でシステム価格 Zが 最 小 に な る 各 機 器 の 容 量 を 求 め , 費 用 最 小 の システム構成を決める。解は線形計画法によって簡単に求めるごとができ Aの 値 が 3種類の場合とも, シ ス テ ム 価 格 は 次 の 場 合 に 最 小 値 を 示 す 。 Xp 11.813[MWJ. XL 2.056[MWJ. XE 9.697[MW] Xo 12.79[ M W ] . XSL XSE 0[ M W h ] . XS M W h ] . D 256[ ご の 解 は , 水 素 液 化 機 と 水 電 解 プ ラ ン ト に は 蓄 電 池 を 設 け ず に 日 照 時 間 6[ h/day] だ け 運 転 し (XSL=XSE=O) , 淡 水 化 プ ラ ン ト だ け は 蓄 電 池 を 設 け て 2 4[ h ]運 転 す る (Xs M W h ]) の が , 最 も 経 済 的 で あ る こ と を 示 し て い る 。 D=256[ 上で求めた液化,水電解,淡水化各プラントの最適容量は,価格係数を決めた デ ー タ ( 表 1) の 容 量 か ら 大 幅 に 異 な る の で , ス ケ ー ル フ ァ ク タ に よ る 補 正 を 施 して再計算を行う必要がある。 3 . 6 . LH2生 産 シ ス テ ム 価 格 システム価格最小の近傍での価格係数の補正は次のように行う。 M W ]X 0.98X 1 06 [ W ]X 2 4[ h ]/9.930 - 水 素 液 化 機 2.056[MW]: 液 化 費 は (2.056[ [Wh/kg'H2]=) 4.870[ton'H2/day]o 2.500[ton'LH2/day]プ ラ ン ト 価 格 上 108[億判 より, 1 .108X (4.870/2.500)0.8= , 1 889[億 判 。 こ れ に イ ン バ ー タ 栖 格 (O .2[億事/ 1 0 M W ]x 2.056抑制=) 4 1[億¥}を加えし 930[億判。以上より1.930[積事 J/2.056[ M曹 ] 0.939[億事 /MW1. -水電解プラント 9.697[MW]: H 2生 産 量 は (9.697x1 06 [ W ]x 0.825=) 8.000[MW] である。 320[MW/基]のプラント 2 5[基]で構成すると仮定して,生産量 105.6[MW]プ ラントの価格 1 10[{意事]とスケールファクタ 0.7より. 110[億円 X (320/105.6)0.7 5[基]/9.697[ M曹 ] = 0.616[億事/削]。 239[億 判 。 し た が っ て . 239(億事/基]x2 ・淡水化 7 ・ う ン ト 12.79[ M W ]: 水素生産1, 218[ton・ H2/day]に 必 要 な 原 料 水 は 10.963 8[億到 X ( 10.963/24.000)0.8 [ton'H20/day], ス ケ ー ル フ ァ ク タ 0.8よ り 価 格 は 4 .7 9[ M WJ 2.005[億事 /M則。 25.65[億判。したがって, 25.65[億 判 /12 LH2生 産 シ ス テ ム の 合 計 価 格 の 式 ( 8 )は次のように変わる。 以上より C AXp + 0.939XL + 0.616XE + 2.005XD + 0.1(XSL + XSE + XSD)[{意事].一一ー ( 9) 再び線形計画法によって. ( 1 )' " ' "( 7 )の 条 件 下 で ( 9 )式 の Cが 最 小 に な る 解 を 求 め Xp, X L . XE, Xo, お よ び Xsの 値 は す べ て 予 備 計 算 の 場 合 と 同 じ に な る 。 Cの ると 最 小 値 は Zと 異 な り ① A1=3.333[億事 / MW]のとき 47.321[億判,② A2=2.311[億事/附] のとき 3 5,248[億 判 , ③ A3=1 .845[憶事 /M引 の と き 29.743[億事]となる。 LH2生 産 シ ス テ ム の 建 設 費 は c の 最 小 値 に 貯 蔵 タ ン ク 価 格 を 加 え て , ① 47.371 [{憲判,② 35.298[億 判 , お よ び ③ 29.793[{ 意事]である。システムの初期投資額とし ては,非常に大きな値であることを指摘すべきであろう。 4. LH2の コ ス ト ) と. LH2生 産 量 8 .000[附J.および年間運転時間 2.199[h] プ ラ ン ト の 建 設 費 (P より. LH2生 産 コ ス ト は 次 の 式 で 計 算 さ れ る 。 PX1 .1xO.087/(8.000XI06 x2.199) 1 .511x10-9 xP 事/ G J ] この式にタンカー輸送コスト 3 41事 [/ G J ]を 加 え た 値 を . LH2の 輸 入 コ ス ト と す る 。 計算結果は次のようになる。 ハU つム 水素エネルギ システム 研究論文 Vol .18,No.l, 1臼93 ① A1=O.3 33[肝 /k引のとき, ② A2=O.2 3 1[ 肝 /kW]のとき, ③ A3=O.185[肝 /k引のとき, C1FA1 7• 495[ : V/GJJ 3 1[ : V/Mca1 ]• CIFA 2 5.672事 [/ GJ] 2 4干 [/Mcal ]• CJFA3 4.841草 [/GJ] 2 0[ : V/Mca1]。 lGJ当 た り の LIbゴ ス ト の 内 訳 を , 図 2 に 示 す 。 積 重 ね 棒 グ ラ フ は 下 か ら 順 に , PV架 台 (PV Frame) • PVパ ネ ル (PV Panel) , 水 電 解 (E1ectrolysis) , 水 素 液 化 (Liquefaction) , タ ン カ - 輸 送 (Ocean trans.) の コ ス ト を 表 す 。 最 も 大 き な 比 率 を 占 め る の は 予 想 通 り PVパ ネ ル で あ る 。 架 台 の 価 格 は 一 定 と 仮 定 し た が , 太陽電池の効率上界に従って当然小さくなる。 8 7 6 KM+/GJ 務務務 5 4 3 2 B A l = 0 . 3 3 3 白2 = 0 . 2 3 1 白. 3 = 目. 1 8 5 P r i c eo fP UP l a n t[ 門 ¥/ k W l l e c t r o ly5i s~ L i q u e f a c t i o n~O ce a nt r a n s . 図問 F r a m e図P UP a n e l 図E Fig.2. Cost of the liquid hydrogen. 図 2. 液 体 水 素 コ ス ト 内 訳 日 本 で は LNGの CIFが 527[ : V/GJ]前 後 (1990年価格)であり, これと比較すると太 陽/水素エネルギーは 9 . . . . . . . .14倍 の 価 格 に な る 。 現 状 で は 高 過 ぎ る と 言 わ ざ る を え な いが,エネルギー資源問題には解決が困難な多くの課題があり,現在コスト高と 見なされるエネルギーが,将来は経済的に妥当となるケースがさまざまに考えら れる。たとえば地球温暖化の問題は,対策の進め方如何によらず,将来のエネル ギーコストを高騰させる可能性を示している。現実に C02温 室 効 果 対 策 と し て , 化石燃料に 0 . 2 " " "8(Y/kg'CO2]の 程 度 の 炭 素 税 を 実 課 し て い る 国 々 も あ る 。 炭 素 税 は将来の化石燃料のコストをどれくらい引き上げるであろうか。 化 石 燃 料 の 正 味 発 熱 量 当 た り の CO2排 出 量 を 排 出 係 数 と 呼 ぶ 。 平 均 的 な 排 出 係 数 を lGJ当 た り に 発 生 す る CO2の kg数 [ k g 'CO2/GJ]で 表 す と , 石 炭 9 2 .2 . 原 油 18.5. お よ び LNG56.2である。 f 反 に 炭 素 税 の 値 を 6事 [/kg.CO2 ]と し て そ れ ぞ れ の 税 額 を 求 め , 利 率 目 で 将 来 の 額 を 現 在 価 値 に 換 算 し て , 化 石 燃 料 の 価 格 を 描 く と 図 3の よ う に な る 。 現 在 は 石 炭 (Coal ) が 最 も 安 く , 石 油 (OiI ) • LNGの 瀬 に 高 く な っ て い る が , 炭 素 課 税 が 加 わ る と 長 期 的 に は 価 格 の 高 騰 と と も に , この関係が逆になる。 化 石 燃 料 の 投 影 価 格 と 比 較 す る た め , 図 3に は 太 陽 電 池 錨 格 A l (O.333[隅 /k胃]), A2 (O.231[事/同]) . お よ び A3 (O.185[事 / 同 ] ) に 対 し て 計 算 さ れ た 太 陽 / 水 素 エ -21- 水素エネルギーシステム Vol .18,No.l, 1993 研究論文 8 A .c..三守入・・・.. . . l. " . . . . . . . . . . . . . . . .. ' . . . 7 6 ¥ /GJ K + 5 "." . . ~ • . . . . . . • . . . . G . . . . . . A [ '----斗~~ . , ; ' ぐ , ... ..... . .. •. ・ ・ ・ ・ ・ ・ , . ". ・ ・ ' . ' 9 '. ・ ・ ♂ .;7 ./ 4 .・・/・・・・・・・ ~I' ー :/ ふ:ザ.~'.イツ.(':.~:.. .. 3 2 0". ィ 〆τ.-... . 二 ぞ 忌 ぢ ・ . ぎ , づ . . ・ ・ て ・ t r z f : ラ ヲfT ム 二 千 : 二 : ふ い ふ 寸 一 一 一 一 寸 B 2O 0 0 1900 - C o a l 日 0 2Ot 2 O 2O 2 O 3 O γ E A R ( s e eF i g . 2f o rA l .但 . A 3 ) C o a1t a x e d . . .O iI --0i It a x e d _ . -L N 3 …ーりお t a x e d Fig.3. Fuel prices projected with carbon tax of 6.00Q[事/ton'C02J 図 3 .L H2と 化 石 燃 料 の コ ス ト 比 較 (C IF ベース) ネ ル ギ ー の 価 格 を 示 し た 。 A1,...,....A3を 記 入 し た 年 代 ( 横 軸 ) は , 太 陽 電 池 研 究 開 発 の一般的な目標価格と目標達成時期の概略の関係を考慮して決めたものであるが, ご の よ う な 推 定 に よ れ ば , 経 済 的 平 衡 点 が 2020年 代 の 中 頃 以 降 に 晃 ら れ る 。 現在のエネルギ一利用には,市場価格に反映されていない多くのコストがある。 た と え ば Hohmeyer14)は 外 部 コ ス ト あ る い は 社 会 コ ス ト と 呼 ば れ る コ ス ト を 列 挙 し,一部については数値を推定している。それによると大気汚染に関するコスト, および課徴金に換算した資源枯渇のコストが特に大きな値になるようである。炭 素税の他にこれらを加えると,経済的平衡点はもっと近い将来になるものと考え られる。 言うまでもなく,列挙される社会コストをそのまま燃料髄格に加える考え方は 現代の経済では許容されていないが,長期的将来に亘るエネルギーを選択する場 合には, ご の 種 の コ ス ト が 選 択 基 準 と し て 不 可 欠 に な る で あ ろ う 。 4. 結 論 太陽電池発電,海水淡水化,水の電気分解,および水素液化からなるプラント を海外の砂漠に設覆して液体水素を生産し, クライオタンカーで日本に輸入する システムの液体水素価格を推定した。 太陽電池の価格と効率の値には,一般に引用される目標値をパラメータとして 用いたが,その結果推定された液体水素コストのうち,太陽光発電のコストが占 める割合はおよそ 1 9 " "6 8完 で あ っ た 。 水 電 解 と 液 化 に よ る 抜 体 水 素 生 産 コ ス ト が 約 1 6,...,.... 2 5克 , 海 洋 輸 送 コ ス ト は 5 " " ' "1克程度になる。 着岸時の液体水素コストの計算{直は, 日 本 に 輸 入 し て い る 液 化 天 然 ガ ス (LNG) のC I F価 格 よ り も ー 桁 高 い 値 を 示 し た 。 現 在 の 汎 用 燃 料 に は 受 け 入 れ 難 い コ ス ト で あるが,化石燃料利用に伴う外部コストを考慮すれば,エネルギー開発に必要な リードタイムに相当する程度の将来に,化石燃料コストと経済的に平衡する可能 -22- 水素エネノレギーシステム Vol .1 8,No., l 1 993 研究論文 性が見られる。 検討対象の太陽/水素エネルギーシステムに必要な初期投資は,現在価格で 3 . . . . 4 . 7兆 円 程 度 と 試 賞 さ れ た 。 こ れ は 実 現 を 考 え る 上 で 難 点 、 と な る よ う に 君 、 わ れ る 。 国内のオンサイト分散型にすれば,太陽放射豊が少なくなるのでコストは高くな る反面,初期投資額の問題はなくなる利点があるので, ごの種のシステムの経済 性についても検討を行う必要がある。さらに,湿式太暢電池や光合成メカニズム などの,太揚放射から直譲水素を製造する各種の原理について研究開発を展開す ることも,初期投資軽減の可能性を見きわめる上で重要であろう。 参照文献 l ) H . Z .T a b o r : Report o ft h e Solar Power Committee. World Energy C o u n c i 1 . p . 5 . January 1 9 9 0 . 2 )電 気 学 会 雑 誌 : 太 陽 光 発 電 シ 1テ ム の 現 状 と 将 来 問 題 特 集 号 . 1 1 2巻 1 2号 . pp.931 9 4 9 .1 9 9 2 . 3) 滝 川 , 小 林 . 橋 本 : 日 本 太 陽 片 付 ・ 一 学 会 , 日 本 麗 力 学 会 合 同 研 究 会 講 漬 論 文 集 . 1 9 9 1年 9月 ( p p .5 3 5 6 ) . 4 1号. 1 9 8 2年 ( p . 2 8F i g .2 8 ) . 4 )電 気 学 会 技 術 調 査 報 告 : 第 1 '-・シー. 1 9 81 . 5 )太 田 編 : 海 洋 水 素 生 産 の た め の ; f ; ')\.~ェコンヒ'ナート計画. 7イ.t 6}Technical and Economic Eva1uation o f Portaむ1 e 現ater Production Through Desa1ination o fS e a Water by Using Nuclear Energy and Other 間e ans, 1 9 9 2 . 7)サンシャイン.~.ャーナ品. V ol .1 3 .N o .1 .p p . 2 3 2 4 .1 9 9 2 . 8) 新エネ ~;r ー・産業技術総合開発機構報告書 NEDO-P-9006 , 1 9 9 2年 3月. 9)J.Hord e d . : Selected Topics o n Hydrogen F u e l . NBS Special Publication 4 1 9 . May 1 9 7 5 . 10)J.H.Kelly and E.A.Laumann: Hydrogen Tomorrow. JPL 1 9 7 5 . . 11)J.Hord and W.R.Parish: Hydrogen. I t s Technology a n d Implication Vol 5, CRC Press 1 9 7 9 . 9 9 2年 6月 2 8日. 1 2 )日 刊 工 業 新 聞 1 13)K.Hiraoka他 Energy Analysis a n dC 0 2 Emission Evaluation of a Solar o r the Transportation Sydtem i n Japan -I. Hydrogen 王nergy System f Evaluation o f the System, Int.J.Hydrogen Energy, Vol.16.No.ll.pp.755. 7 6 4 .1 9 91 14)O.Hohmeyer: Energy Policy, 2 0 ( 4 ) .3 6 53 7 5( 19 9 2 ) . 句 司 -23-
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