ECBは包括的な追加緩和策を決定 - しんきんアセットマネジメント投信

しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
Sh inkin Asset Management Co., Ltd 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会
〒104-0031東京都中央区京橋3丁目8番1号 URL:http:// www.skam.co.jp
投資環境
2016 年 3 月 11 日
ECBは包括的な追加緩和策を決定
1.予想を上回る追加緩和策、利下げは打ち止め
欧州中央銀行(ECB)は 3 月 10 日、主要 3 金利の引き下げに加え、資産買入れ額の拡大、長期資金供給
オペの実施を決めました(図表 1)
。
昨年 12 月の追加緩和では、下限金利の中銀預金金利の引き下げだけでしたが、今回は主要政策金利(リフ
ァイナンス金利)
、上限金利の限界貸出金利についても引き下げました(図表 2)
。資産買入れ額については、
月間 600 億ユーロから 800 億ユーロに拡大し、市場予想の 700 億ユーロを大きく上回りました。また、買入
対象に社債を加えるとともに、新たに 6 月から期間 4 年の貸出条件付き長期資金供給オペ(TLTROⅡ)
を実施することも決めました。
市場は、事前の予想を大きく上回る追加緩和策だったことから、欧米市場では株高、ユーロ安、債券高(利
回り低下)で反応しましたが、その後ドラギECB総裁が「現状およびECBの政策を考慮すると、さらに利
下げが必要になるとは予想していない」と発言したことを受け、株安、ユーロ高、債券安に転じてしまいまし
た。
これまでも、マイナス金利での 1 回の引き下げ幅は 10bp(0.1%)刻みにとどめてきており、マイナス金
利の引き下げにはやや慎重姿勢がみられていましたが、今回のドラギ総裁の発言で、追加利下げへの期待は大
きく後退することになりそうです。短期金融市場が織り込む将来の短期金利の水準も、下向きからほぼ横ばい
に変わっています(図表 3)。今後は、金利よりも、資産購入や長期の資金供給に金融政策の軸足が移ること
になりそうです。
図表1. ECBの金融緩和策
今回の決定
主要政策金利(リファイナンス金利)
※1
政策金利
中銀預金金利(預金ファシリティ金利)
限界貸出金利(限界貸出ファシリティ金利)
カバードボンド(CBPP3)
※2
資産購入
資産担保証券(ABSPP)
公共部門証券(PSPP)
長期の資金供給
(貸出条件付き長期リファイナンスオペ(TLTRO))
前回
0.00%
0.05%
-0.40%
-0.30%
0.25%
0.30%
投資適格級の非金融機関発行の
債券(社債)を購入対象に追
加。規模を月800億ユーロに拡大
(2017年3月まで)
各国の国債、欧州機関債、政府
機関債、カバードボンド、資産担保
証券を月600億ユーロ購入
(2017年3月まで)
新たなオペを2016年6月から
2017年3月までに4回、四半期ご
とに実施
期間:4年
金利:主要政策金利(融資高
に応じて金利は中銀預金金利ま
で引き下げられる可能性)
2016年6月まで4半期ごとに実施
期間:すべての資金の満期は
2018年9月
金利:主要政策金利+0.1%
※1
・主要政策金利:1週間物の流動性供給(MRO、Main Refinancing Operations)を受ける際に金融機関がECBに支払う
金利
・中銀預金金利:金融機関がECBに余剰資金を預け入れた際に支払われる金利
・限界貸出金利:金融機関が市場から資金を調達できない場合にECB(各国中央銀行)が貸付を行う際の金利
※2
・カバードボンド(担保付債券):主に住宅ローンや公共機関向け貸付等の債権を担保として金融機関が発行する債券
・資産担保証券(ABS、Asset Backed Securities):住宅ローン、自動車ローン、リース、クレジットカードなどの貸付債権等の資
産を裏付けとして発行される証券
(出所)ECB等の資料を基に、しんきん投信作成
※最終頁の「本資料に関してご留意していただきたい事項」を必ずご確認ください。
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投資環境
2016 年 3 月 11 日
しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
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2.しばらくは、追加緩和の浸透見極め
同日公表された経済見通しでは、2016 年のユーロ圏の物価上昇率予想を、原油安を背景に 2015 年 12 月
時点の 1.0%から 0.1%に大幅に下方修正しました。2017 年は 1.3%で、ECBの物価目標である 2%弱に当
面届かない見通し。 また、2016 年の経済成長率見通しについても新興国の景気減速などを考慮し、1.7%か
ら 1.4%に引き下げました。2014 年 6 月からマイナス金利導入、2015 年 3 月からは国債買入れを開始しま
したが、景気低迷や低インフレが解消されていない状況です(図表 4)
。
ドラギ総裁の発言は、ネガティブサプライズとなってしまいましたが、マイナス金利政策、量的緩和政策は
続きます。マイナス金利拡大に歯止めをかけ銀行収益に配慮するとともに、銀行にマイナス金利で資金供給し
融資を促す仕組みも作りました。しばらくは、ECBの金融政策の浸透を確認していくことになります。
図表2. ユーロ圏の政策金利
2016/2/29
(年/月、日次)
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんき ん投信 作成
(%)
(限月)
2018年12月
2018年9月
2018年6月
2018年3月
16/1
14/1
12/1
10/1
08/1
06/1
04/1
02/1
00/1
-1.0
2017年12月
0.0
2017年9月
1.0
2017年6月
2.0
移するとの織り込みに
2017年3月
3.0
政策金利はほぼ横ばいで推
2016年12月
4.0
資産購入が終了するまでは
2016年9月
5.0
0.00
-0.05
-0.10
-0.15
-0.20
-0.25
-0.30
-0.35
-0.40
-0.45
2016年6月
限界貸出金利
主要政策金利
中銀預金金利
6.0
2016年3月
7.0
図表3. ユーロ圏の金利先物レート
(%)
2015年12月
(%)
2016/3/10
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんきん投信作成
図表4. ユーロ圏インフレ率と政策金利
(参考) ECBのユーロ圏経済見通し(2016年3月)
2015
4.0
実質GDP成長率
3.0
12月の予測
消費者物価指数
2.0
(HICP)上昇率
1.0
12月の予測
0.0
1.5
(%)
2016
2017
2018
1.4
1.7
1.8
(1.0~ 1.8) (0.7~ 2.7) (0.6 ~ 3.0)
1.5
1.7
1.9
(1.4 ~ 1.6) (1.1~ 2.3) (0.9 ~ 2.9)
0.0
0.1
1.3
1.6
(-0.2 ~ 0.4) (0.6 ~ 2.0) (0.8 ~ 2.4)
0.1
1.0
1.6
(0.1 ~ 0.1) (0.5 ~ 1.5) (0.9 ~ 2.3)
※カッコはECBスタッフの予測レンジ
(出所)ECBの資料を基に、しんきん投信作成
16/1
15/1
14/1
13/1
12/1
11/1
10/1
09/1
08/1
07/1
06/1
05/1
-1.0
(年/月、月次)
インフレ率(HICP)
中銀預金金利
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんきん投信作成
(シニアストラテジスト 鈴木和仁)
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